セドナ (1)

忙しくて気が狂ったように働かなければ
ならなかった頃、「時間が出来たら、どこ
に旅行に行こうか?」と妻と話をしてい
ました。
その頃から二人の夢は「セドナ」に行く
事。やっと長期休暇が決まった時に妻
が胆石の手術を受け、そしてその傷跡
も癒えないうちの旅発ちとなりました。

最近では稀にセドナへのツアー広告を
見かけることがありますが、旅行ガイド
ブックの地図にも載ってないような場所
です。セドナはネイティブ・アメリカンの
聖地。そして世界屈指のパワー・スポッ
トと言われています。

セドナには地球のエネルギーが強く現
れている場所、「ヴォルテックス」が20
数ヶ所以上有るそうです。
その中でも、ボイントン・キャニオン、
ベル・ロック、エアポート・メサ、カセドラ
ル・ロックの4ヶ所が特にエネルギーが
強いと言われています。
今回の旅の目的はその4ヶ所を訪ねる
事。地球のエネルギーを自分自身で感
じてみたかったのです。
幸いインターネットで幾つかの有益な
情報を得る事が出来ました。

UA便で関空からサンフランシスコに飛び、
そこで乗換えてアリゾナの州都フェニック
スに行きます。
アメリカの航空運賃はゾーン制を取って
いるので、フェニックスまで行ってもサン
フランシスコまでと同一運賃です。
フェニックスのスカイハーバー空港でネッ
トで予約していたレンタカーを借ります。
アメリカでの運転は初めてなのでNavi
付きの車にし、保険も全てかけました。
予約したのはミドル・クラスでしたが、実
際にはフル・クラスの車が用意されてい
たのはラッキーでした。

左ハンドル車は初めてだったので、
Hartsの駐車場内を2〜3周グルグル
回って練習しました。
「右・小回り、左・大回り、右・小回り、
左・大回り」と口の中でブツブツ言いなが
ら走らせます。この念仏(?)は結構有効
だったと思います。日本に帰ってもウイン
カーのつもりがワイパーを回したりして、
しばらくは混乱が続きました。
車に関してはセルフでの給油の仕方、
スタンドでの料金の支払い方、マイル・
ガロン表示など、英会話力以前に戸惑う
事も幾つか有りました。


フェニックスからセドナへはフラグスタッフ
へ向かう17号線をひたすら北上し(160
km)、途中で179号線に入ります。
そこからセドナまでは約20km。道路の
左手に予約していたHoliday Innのネ
オンサインを見つけた時はもう暗くなって
いました。



手前がカセドラル・ロック。

エアポート・メサから見たセドナの町。

カセドラル・ロックは大変大きい岩の塊で、
見る方向によりその姿は様々に変化しま
す。

登って行く途中には石を積み重ねたマー
クが置かれており、どこが道なのかを示
してくれます。
ベルロックに比べると登りがきつくて距離
も長いのですが、登るに従って周りの
風景が広がってきます。


最後の急坂を登り、登ってきた側の反対
側を見ると切り立った岩の絶壁になって
おり、思わず息を呑んでしまいました。

岩の塔に太陽が隠れた瞬間。
静寂に包まれた空間は、全てが癒さ
れる事を保証しているようでした。

2002年10月

駐車場に置かれている駐車券の自動
販売機。
ソーラーシステムです。
駐車料金と言うより、公園管理のため
の入園料のような感じです。
一週間の通し券が10$ぐらいだったと
思います。




ベル・ロックから見たセドナの風景。

カセドラル・ロックからの風景。
山肌にいくつかの家が見えますが、全
て豪邸です。
そこからはカセドラル・ロックが何時も
見える一等地だと思います。
この辺りには勤める所も無いので、リタ
イアされた方が住んでいるか、別荘で
はないかと思います。