美しいまちを次世代に... 柏530(ごみゼロ)の会



アンコールワットのすいがら

私は、先月下旬、前々から憧れていたカンボジアのアンコール遺跡観光をかみさんと果してまいりました。今、写真の整理などで改めて旅の余韻に浸っている最中ですが、その中のひとコマに、タバコやごみのポイ捨てに関して私のかぼそい530意識の琴線を高ぶらせた経験をお話しいたします。
その前にちょっとだけ観光案内させていただきますと、アンコールワットは今から900年前にクメール王によりヒンズー教の寺院として建立され、王の死後は墳墓寺院として現存する大伽藍です。
中心に向けて高くなる三重の回廊と5つの塔(宇宙の中心をあらわす中央大塔は高さ65m)から構成され、回廊や塔門に三千を超える女神像やインド叙事詩・ヒンズー神話を題材とした浮き彫りが数百メートルにわたって展開しております。
アンコールワットは現カンボジア王国の象徴であると同時に、最初にユネスコ登録された世界遺産でもあり、まさに世界の至宝の遺跡遺産なのです。

ところでアンコールの観光についてですが、寺院遺跡の見学に加え、その広大な遺跡群が散在する熱帯雨林一帯の上空を黄金色に染める朝日と夕日の観賞が、いま人気のメニューになっているのです。    
                            
 
 
   アンコール・トムの四面佛
 
さて、夕日を見るため寺院境内のビューポイントに1時間ほど待機していた時のことです。
私たちの風上に韓国人の一段が騒々しく陣取り、やおら数人が喫煙しだしました。そのきつい臭いともうもうたる煙…、咳き込もうが煙を手で払おうが、彼らは平然と半時ほど吸い続けました。場所柄をわきまえぬ行動に怒りを覚え、足元に落とされた吸殻も気になりました。
夕日を見たあと、マナーの悪い彼らに日本人の高潔さを示すべく(いささか気負い過ぎか?)捨てられた何十本もの吸殻を拾おうと決心したのです。
やがて神々しくも壮大な落陽に至高の時を満喫、はたまた帰りを急ぐ騒々しい彼らと関わるうちに、直前まで心に決めていた大事な仕事はすっかり忘れておりました。

          アンコールワットのご来光

 

翌日はご来光を見るために、まだ暗いうちに寺院境内に赴きました。女性が大半を占める日本人ツアーがすでに待機しておりました。
そしてあの荘厳な一瞬が過ぎ、腰を上げ回廊入口へ向かったのですが、人溜まりで歩みが止まった時、数本の吸殻が視線の先にありました。さらにあたりを見回すと、口紅つきも含め何本かの吸殻を目にしたのです。その瞬間、昨夕のことが頭をよぎりました。気がついた時は片手にあふれる吸殻を持っていました。そしてやっと探した半ば朽ちたゴミ箱に捨てました。
マナーの悪いのは韓国人ばかりではありませんでした。日本人もそうだったのです。

 
以上の経験から、私は次のような危惧感と反省を抱いた次第です。皆さんのご意見を承れば幸甚です。
私たち日本人は戦後半世紀を経て、自らの努力によって世界に冠たる経済大国を築き上げ、物は満ちたが心に穴があいてしまった。そのひとつが日本中の道ばたにポイ捨てされている空き缶や吸殻である。日常の生活道徳の衰退低落ではないだろうか。その延長の実例が、アンコール遺跡での喫煙・ポイ捨てにほかならないと。決して私たち日本人はアンコールでの韓国人のマナーの悪さを一方的に指弾できる立場には無いのである。このまま推移すると、日本は間違いなく道徳や品性においてこう深刻のなかまにはいってしまうのではないだろうか。

今回の旅で乗り継ぎ宿泊経由したバンコク(タイ)では、国内全土で、ごみ・タバコの投げ捨て及びつば吐きはご法度。冷房施設のあるところは禁煙。違反者は国籍を問わず2000バーツ(6000円)の罰金が課せられる。厳しい法規の有効性について難癖をつける輩もあとをたたないとか。今の日本に一番必要な規制と考えるが、日本での導入は到底無理か?

一方、今のカンボジアのごみを含む環境問題の対応を垣間見ると、まだまだという感がある。
あの悲惨な内戦の後、まだ日浅く、外国の援助とアンコール観光でしか再建の財源がないこの国はでは、空港使用料の大幅値上げや、バカ高い遺跡入場料に邁進するしか手がないのかもしれない。
環境整備体制の立ち遅れや、脆弱な施設保守体制による建物や彫塑等文化財の崩壊、剥奪の進行は目に余るものがある。
関係者の間では、今後30年以内にアンコールの主要建造の大半は崩壊するとの説が定着しているとのことである。
                    


   バイロン塔門柱の浮き彫り

それならば私たちに出来ることは何か….。マナーを守りごみを捨てないことではないだろうか。

                                       2004.2.17        I/Y 記

                                               

                                                                  

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