考察21 シャア・アズナブルは通常の3倍の夢を見たか


もはや国民の常識となった感もあるが、シャアは通常の3倍である。赤いものを見るとすぐに「通常の3倍の速さで動く」と条件反射してしまうほど(私だけか?)常識だ。

 しかしだ。最近の設定資料なんかを見てると、この“通常の3倍”の根拠とされるのが「シャア専用機は通常機に比べると30%、推力がアップしている」「シャアは宇宙にある岩などを蹴る事によって加速を得ていた」の2つくらいしかない。

 だが3倍の速度だから、通常機と比べると300%速度が違うことになる。しかし、機体性能では30%しか違わない。となると、キックで不足している270%の推力を補っていた??いくらなんでも無理があるだろ。ザクのバーニアでの推力は垂直上昇がやっと出来る位しかない。キックで270%の推力を補っていたとすれば、シャア専用ザクはバーニアを使わないジャンプで50メートル近くジャンプできることになる。ありえないだろ。

 最も問題なのは、3倍の速さが風評や噂といった不確かなものでなく、連邦軍のオペレーターが「通常の3倍」という表現を使っていることだ。つまり、科学的に3倍速くないといけないのだ。なかなか大変である。

 そこで、シャアの「3倍速」を実証すべく、幾つかの仮説を立ててみたい。ガンダムファンの“常識”に挑んでみたいと思う。

 

仮説その1 連邦軍の基準が遅すぎた

 シャアが劇中始めてMS戦を行った際に、連邦軍のオペレーターは「ザクではありません。通常の3倍のスピードです」と口走っている。このオペレーターが言っている“通常”というのが、実は旧ザクだったのではないか。旧ザク(ザクT)とザク(ザクU)でどのくらい推力に差があるのか知らないが、10%は違うだろう。これにシャア機は30%増し。これで合計40%。だめだ、300%には遠く及ばない!!

 

仮説その2 キックの威力が凄かった

 シャアはザクに乗ってガンダムにキックをかましたりしている。少なくとも、キックを繰り出したのは後にも先にもシャアだけだ。シャア専用ザクはそうしたシャアキック(勝手に命名)のためにキック力を強化していたのではないか。その強化したキックで岩などを蹴って加速すれば・・・無理か。だいたいキックの威力を上げたいなら、足の裏の装甲を硬くするという方法を取るだろう。仮面ライダーじゃあるまいし、ジャンプ力と蹴りの威力は関係ないだろ。まして宇宙空間だ。キック攻撃の手順は、メインバーニアで加速→サブバーニアで方向転換→敵機を蹴る、という流れになる。やっぱり、キックは加速を得るためでなく敵を蹴飛ばすために使うことになる。だめだこりゃ。

 

仮説その3 シャアが注意を怠っていた

 車の運転免許を所持している方なら、“徐行”というものがあることをお分かりいただけるかと思う。無免許の方がいるかもしれないので説明すると、“徐行”とは「いつでも停止できる速度での走行」と定義される。ようするに安全運転ということだ。徐行の標識が出ている道路は、すなわち人が飛び出してくるかもしれないので注意が必要な場所である。

 さて、なんだってこんな回りくどい書き出しをしたかというと、普通戦場では警戒しながら移動するからだ。ただでさえレーダーが使えなくてどこに敵が潜んでいるか分からないのだ。警戒しながら移動することになるのだから、全速力でかっ飛ばすなんてことは危険極まりない。

 だが、シャアはそんな戦場の常識を無視して加速していたのではないだろうか。つまり、車でいえば他の車が時速10キロで警戒しながら前進してるときに、時速30キロでぶっちぎってたのだ。そら、速いわけだ。

 この方法?はシャアでないと危険きわまりない。ただでさえ真っ赤な機体色で目立ってしょうがないのに警戒を怠った速度で入っているのだ。頭にピキーンと来て攻撃を回避できるニュータイプでないと危なくてしょうがない。だが、シャアならば可能なのだ。恐るべし、赤い彗星。

 

 

 で、私の結論としては仮説3に上げた、「シャアが速いんじゃなくてシャア以外が相対的に遅い」という考えがもっとも有力であり、現実的であろうと思う。というよりも、通常の3倍の速度を実現させる手段が他に思いつかなかった(^_^;)

 

 

ところで、通常の3倍の速度で敵に接近するのはいろんな意味で危険だ。例えば、通常機なら12分で到着する距離をシャア機は4分で到着できる。しかしそうすると、味方機が追いついてくるまでの8分間を孤立無援で戦うことになる。それでも、サイド7での戦闘ではシャア機はスレンダー機と一緒に現れた。ひょっとして、スレンダー機も通常の3倍で動けるのだろうか? 謎は尽きない・・・。

 

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今回のタイトルの元ネタが分かる人が何人いるやら・・・。