2018年4月9日

   春風や伊予路りんりん鼻に汗

   日本は汗ばむ陽気。

  
2018年4月8日

   雪の中飛んで花散る国に降り

   瀋陽は早朝零下、日本は桜も終わっていた。

   
2018年4月7日

   渡り鳥日本への旅凍る息

   三ヶ月ぶりのに本へ

2018年4月6日

   戻り冬清明節は雪の中

   清明節の時期は寒いという言い伝えがある。

2018年4月5日

   時ならぬ小雪混じりや桃の花

   桃の開花にはこの寒気の刺激が要ったようだ。

2018年4月4日

   瀋陽も一夜見ぬ間の桃の花

   蓋州と瀋陽は300キロくらい離れている。

     
2018年4月3日

   遼南や柳に緑桃の花

   所用で蓋州に行ってきた。ここは少し春が早いようだ。
   
   
2018年4月2日

   股引も薄くなりけり足軽し

   朝夕はまだ股引が欲しい。

2018年4月1日

   剪定の刃先に宿る春の露

   お年寄りの男性が、庭木の手入れをしていた。

2018年3月31日

   春風やゴビの薫りがそよぐ中

   これぞ春の薫りだ。

2018年3月30日

   囀りや途切れる間なし和む陽に

   すっかり春だ。

2018年3月29日

   暖房の煙も消えて春の空

   それでも室温30度ある。

2018年3月28日

   国会に春の嵐や茶番劇

   役者はしたたかな官僚と、ボロ政治家。

2018年3月27日

   枯れ枝に瞳を凝らす小さな芽

   もうすぐ緑だ。

2018年3月26日

   洗濯もパリッと乾く春日射し

   ベランダは暑いくらい。

2018年3月25日

   脱ぎ捨てたシャツをまた着る昼下がり

   一日の中でも寒暖の差は大きい。

 2018年3月24日

   小朋友去って春の嵐過ぎ

   中国の子供達が遊びに来てくれると、一騒動

   
2018年3月23日

   マフラーをかなぐり捨てる陽気かな

   手袋も外した。
   
2018年3月22日

   埃拭き陽気取り込む窓の外

   久し振りで窓を開け放った。

2018年3月21日

   三日月に隠れて猫の忍ぶ恋

   猫にも春が来たようだ。

2018年3月20日

   暁を覚えぬ眠り床の中

   春眠暁を覚えず。春は眠たい。

2018年3月19日

   つむじ風ゴビの薫りを乗せて舞い

   春はこの風から

   
 2018年3月18日

   地球儀を撫でて夢見る春の旅

   世界一周の夢はまだ捨てていない。

2018年3月17日

   小走りに走りたくなる道に春

   暖かくなると身も軽

2018年3月16日

   ぬかるみや戻ってきたか仮の春

   昨日の雪はもう溶けた

2018年3月15日

   足踏みの春か柳に雪降らせ

   春は一直線には来ない。

2018年3月14日

   空重し春の兆しか砂の色

   ここの春は、砂風から始まる。

2018年3月13日

   吹き抜ける風暖かし鳥の声

   小鳥も春を待っていた。

 2018年3月12日

   白茶色根雪もまばら春の道

   根雪も溶け始めた

2018年3月11日

   春を待つまずゴキブリが目を覚まし

   のろのろと、ゴキブリが動き始めた。暦の啓蟄は一昨日。

2018年3月10日

   大陸に少年の薫り春の風

  
 ここ旧満州は、私の第二の故郷だ。

2018年3月9日

   一日やまた一日や春遅し

   やはり本格的な春が待ち遠しいこの頃。

2018年3月8日

   春や雪またぬかるみを繰り返す

   溶けては凍る春の雪。

2018年3月7日

   どこまでも変わらぬ車窓や春の風

   時速300キロの列車の車窓の景色が、がどこまでも変わらない。

2018年3月6日

   幼子のイエイエハオに春の笑み

   イエイエハオは中国語で「おじいちゃんこんにちは」

2018年3月5日

   ぬかるみに厚き氷や春遠し

   溶けて凍って、三寒四温を繰り返す。

2018年3月4日

   なまぐさし風に黄砂を予感する

   防風林のポプラを根こそぎに倒す黄砂も近い。

2018年3月3日

   カーテンの日射しにちらり春の影

   少し日射しが伸びてきた

2018年3月2日

   少年の甘さや元宵団子食う

   子供の時食べた元宵団子は、こんなに美味い物はないと思った。

2018年3月1日

   王さんを待たせた雪溶け迎春花

   春の三月雪溶けにお嫁に行きます隣村王さん待ってて頂戴ね。
   
2018年2月28日

   戻り冬白一色の春の雪

   消えたかと思ったら、雪は足踏みしていた。

2018年2月27日

   暖冬やぬかるみもなく雪が消え

   ぬかるみは春の象徴だったが、雪そのものが少なくなった。

2018年2月26日

   花咲かぬ八十路の春や一人酒

   一人も良いものだ。負け惜しみでなく。

2018年2月25日

   ベランダの日射しとともに腰も伸び

   春だ。体調も良い。

2018年2月24日

   春進む窓に朝日が忍び足

   春が実感できるところまで来た。

 
2018年2月23日

   故郷は椿さんかな春うらら

   今日は陰暦1月8日。松山は椿さん。本格的な春。

2018年2月22日

   排煙か霞か春の陽は暗し

   今日から御用始めの工場も少なくない。

2018年2月21日

   鳴りやまぬ未練の爆竹春の宵

   春節は終わったはずだが・・・?

2018年2月20日

   春節も最後の爆竹幕閉じる

   今日は陰暦1月6日。俗に言う「破五」。松の内は終わる。

2018年2月19日

   地下鉄もいつもの満員春近し

   今日は月曜日、平常が戻りつつある。

2018年2月18日

   春節も終わり通りに車増え

   アパートの駐車場も帰省戻りの車が増えている。
2018年2月17日

   春節の休み青空取り戻し
  
   工場は春節長期休暇。瀋陽の空は青かった。

 
2018年2月16日

   爆竹に追われて鬼の居場所無し

   春節は、外国人にとって必ずしも快適ではない。

2018年2月15日

   年明けていつもの朝に気を澄ませ

   今日は春節。いつもの朝だが少し違う。今日から中国では84才。

2018年2月14日

   福の字を逆さに貼って春招く

   明日は春節。玄関に福の字と対聯を貼って飾る。

2018年2月13日

   腰痛を欺し欺して春を待つ

   按摩は上手だったが、まだ痛い。

2018年2月12日

   魔女の杖按摩通いの凍る道

   腰痛は辛い。柔軟体操の失敗。

2018年2月11日

   亡き母の祥月命日春浅し

   72年前の今日、敗戦の翌年、母はこの地で30才の若さで夭折した。

2018年2月10日

   久々の湯船に浸り仮の春

   一ヶ月振りで風呂に入った。


2018年2月9日

   温い朝夢は地球を駆け巡る

   少し暖かいと世界一周の虫が目を覚ます。

  
2018年2月8日

   暖房の煙棚引く春遠し

   寒暖を繰り返すが春はまだまだ。

2018年2月7日

   台湾に地震の知らせ寒い朝

   被災者の無事を祈る

2018年2月6日

   香り良し寒さも楽し五糧液
   
   思いがけぬ寒中見舞い。高級白酒。

2018年2月5日

   風寒し血圧の敵ドアの外

   急激な寒気の変化は血圧に悪い。

  
2018年2月4日

   名ばかりの春に吐く息凍る朝

   今日は立春。最低気温-23度。

2018年2月3日

   着ぶくれのメトロで席を譲られて

   中国は年寄りに席を譲るのは常態化している

2018年2月2日

   亡き妻の祥月命日風寒し

   丁度12年前の今日だった。

2018年2月1日

   ベランダの洗濯物に小春の陽

   寒中束の間の春。

2018年1月31日

   暖房の煙真っ直ぐ陽もうらら

   今日は無風温暖。

2018年1月30日

  氷割る童の横で千鳥足

  路面の氷はまだ厚い。

2018年1月29日

   小春日や故宮の庭に腊八の陽

   腊八は旧暦の12月8日。今日から日射しが少しずつ緩む。
     
2018年1月28日

   三千里孫の電話に春想う

   今日は孫の誕生日。日本も春も遠い。

2018年1月27日

   チャンネルは何処も寒波と雪ばか

   寒波の襲来も大陸的だ。

2018年1月26日

   寒空や煙もくもく墨絵画く

   暖房の煙はまた大気汚染の元兇でもある。

2018年1月25日

   冬将軍お疲れですか朝日射す

   それでも外気温度は-16度。

2018年1月24日

   大寒の暦に嘘なし凍る朝

   大陰暦から生まれた24節季は、季節と符号する。

2018年1月23日

   招かざるシベリア寒流長逗留

   今日の瀋陽の最低気温-27度。

2018年1月22日

   シベリアの寒流に乗り朝の風

   今日の寒さは厳しそう。

2018年1月21日

   寒波来る記録尽くしの零下の日

   漠河(中国の北極)は零下46・5度。

2018年1月20日
   
   寒さ慣れ零下の風に頬まかせ

   慣れると冷風も心地よい。

2018年1月19日

   南極で越冬するか重装備

   これ以上寒くなったら何を着たらよい。

2018年1月18日

   朝日待つ枯れ枝飾る白き花

   街路樹の霧氷。短い寿命。

2018年1月17日

   葱トマト茄子芋卵15元

   日本円にして200円ほど。日本なら1000円はする買い物。

2018年1月16日

   ハルピンのお国自慢は雪まつり

   生徒は中国各地から来ている。

  
2018年1月15日

   朝焼けや東の空に故郷思う

   東方遙拝と言えば時代錯誤か。

2018年1月14日

   時ならぬ窓のひだまり緩む朝

   外気温度零下1度c。今日は暖かい。

2018年1月13日

   国越えて手談の後の酒を酌み

   遼寧企業家囲碁大会に招かれる

2018年1月12日

    ヒサシブリ日本語授業の年始め

   今日からまた、日本語教師生活が始まる。

2018年1月11日

   この寒さ面の皮をも引きつらせ

   気温-15度c。自慢の面の皮ももたない。

2018年1月10日

  白銀や車の屋根も野っ原も

  昨夜来の雪で、空気も澄んで白銀の世界。

2018年1月9日

  海一つ春から冬へ首すくめ

  関空+3度、瀋陽ー6度。最低気温-22度c。

2018年1月8日

  旅立ちの防寒靴を締め直し

  今晩船で関空、明日から中国。

2018年1月7日

  膏薬を重ね張りして腰伸ばし

  やれやれ今年もどうなるか。

2018年1月6日

  
新年や集う八十路の爺と婆

  今年最初の高校同窓会があった。

2018年1月5日

  冬景色共に見る人既に亡く

  亡妻の13回忌をした。

 
2018年1月4日

  しめ縄も外しごみ捨て事始め
  
  今日からゴミ回収車も来る。

 
2018年1月3日

  正月の残りをつつき一人酒

  酒は一人に限る。

2018年1月2日

  松の内おせちに雑煮パンシロン

  ついついご馳走を食べ過ぎる。

2018年1月1日

  音凍る静かな朝や年始め
  
  良い正月だった。

2017年12月31日

  来年も生かしておくれ除夜の鐘

  健康をのみ願う。

2017年12月30日

  何事もなく年過ぎてすす払い

  一年の無事と健康を感謝する。

2017年1月29日

  客一人電車の窓に障子山

  昼間の郊外電車はのんびりしている。

2017年12月28日

  人生の冬寝たきりの頬に笑み

  私は寝たきりが単純に不幸とは思わない。

2017年12月27日

  年の瀬や賀状書き終えやっと過ぐ

  毎年のことだが・・・。

 
2017年12月26日
  
  北風に背中押されて散歩道
  
  日本もそれなりに寒い。 

2017年12月25日

  焼き鳥や蓮根皮肝餅ベーコン

  この時期焼き鳥に限る。

2017年12月24日
  
  聖し夜平和の願い遙かなり

  エルサレムにまた新たな火種。

2017年12月23日

  寝返りを繰り返し打つ長き夜

  今日から少しずつ日が長くなる。

2017年12月22日

  憚りつジャンボの列の尻に付く

  やはり少し恥ずかしい。

2017年12月21日

  小春日やペダル漕ぎ漕ぎ道後の湯

  今日は暖かい。やっと落ち着いた。

2017年12月20日

  日めくりを一枚めくって三日過ぎ

  なにをやってもとろい。日ばかり過ぎる。

2017年12月19日

  気ばかりがそぞろ歩きの年の暮れ

  まだビザの処理が終わらない。

2017年12月18日
  
  慌ただし今日の始まり袖畳み

  今日も忙しい。さあパジャマをキチンと畳んで・・・。

   
2017年12月17日

  寒酒や六十年の暖簾かな

  久し振りで夜の飲み屋街に出る。

2017年12月16日

  じゃこ天やこれ食いたくて里帰り

  じゃこ天は、我が古里伊予の味。

2017年12月15日

  あの人も訃報を重ね葉書書く

  今年も多くの知人友人が亡くなった。

2017年12月14日

  寿司食えば日本の味や義士祭り
  
  何故かたっぷり日本を感じるひととき

2017年12月13日
  
  ふるさとや惰眠にうどんに一人酒

  久し振りの日本は、やはりふるさと。

  
2017年12月12日
  
  行く帰るどちらでもない渡り鳥


  ビザの関係で今日から一時帰国。

 
2017年12月11日

  木枯らしや流し待つ間の頬を切る

  ここの寒さは痛い

2017年12月10日

  一日が重たい冷たい年の暮れ

  なんとなく気が重いことが多いこの頃。

2017年12月9日

  不精者しなびた茄子でお番菜

  冷蔵庫に茄子が残っていた。

2017年12月8日

  暮れ近し一期一会の講義する

  ビザの関係で、最後の授業になるかもしれない。

2017年12月7日

  瀋陽はやはりワンタン老龍口

  久し振りに瀋陽に戻っての実感老龍口は瀋陽の地酒。

2017年12月6日

  杜甫草堂踏み重ねゆく銀杏の葉

  銀杏は成都市の市樹。そこはまた歴史と文化の里。

2017年12月5日

  遠く来てパンダの里や風寒し

  パンダ公園遊覧

2017年12月4日

  四川鍋麻婆豆腐に五糧液

  土地の名物要理と土地の銘酒で四川棋院の接待を受ける。

2017年12月3日

  成都暮る時節知らずのスモッグと
 
  好雨時節を知る、雾霾時節を知らず。(雾霾はスモッグの中国語)

2017年12月2日

  青い目と日本の爺が烏鷺の秋

  重慶で行われた国際囲碁大会に参加した。
  
2017年12月1日

  赤門の古刹江南秋深し

  ここ江南はまだ秋だ。

2017年11月30日

  呉清源落葉三年菊薫る
  
  福州で行われた呉清源三年忌に参加した。

  漢俳
  題 呉清源三年忌

  福州爽秋天     福州秋天爽やかなり
  落葉三年呉清源    落葉三年呉清源
  山腹菊花薫     山腹に菊花薫る

  
2017年11月29日

  寒風を突き破りけり独楽の鞭

  公園で、ビール瓶大の大きな独楽を回している。


2017年11月28日

  暖炉端中式按摩に身を任せ

  月に一度は全身をもみほぐして貰う。

2017年11月27日

  昨日またかくてありけり日暮れどき

  明日もまたかくてありなんことを願う。

2017年11月26日

  パイカルとナッツを友に夜深し

  異国暮らしをしみじみと思うひととき。

2017年11月25日

  起き辛しこぶら返りの冬の朝

  水分の補給を怠ると、足がつる。

2017年11月24日

  明けやらず二番寝入りの尿する
  
  最近は、一度は小用に起きる

2017年11月23日

  襟巻きも完全武装の仲間入り

  手袋をすぐ忘れる。

2017年11月22日

  激辛の重慶面で風邪封じ
  
  香辛料は、胃袋から暖めてくれる。

2017年11月21日

  くぐもりて丸き柳や葉を落とし
  
  烈風の中、小さい柳は球形で風圧面積を最小にする。

2017年11月20日

  犬の糞猫が跨いで吹きだまり

  犬猫の公衆便所は自由席。
  
2017年11月19日
 

  ワンタンの湯気けむらせる眼鏡拭き

  朝の外食の食堂の熱気はワンタンだけではない。

 2017年11月18日


  急ぎ足防寒帽の耳おろし

  私の耳たぶは、寒さに弱い。

 2017年11月17日

    初霜やよちよち歩きの四股もどき

   年寄りは転ぶのが怖い。

 2017年11月16日

  焼き芋の香り路地裏息白し

  焼き芋は安くて美味しい。大きいので5元。(80円弱)

 2017年11月15日

  小春日や胴衣のチワワとちゃんちゃんこ

  中国もペットブームである。

 2017年11月14日

  招かざる客木枯らしにセロテープ

  北向きの部屋は目張りが要る。

 2017年11月13日

   包丁の背で叩き割りくるみ食べ

  くるみは特に旨くもないが、食べ飽きもしない。

 2017年11月12日

  寒風やとぎれとぎれの鳥の声

  昔あんなに居た雀は、どこへ行ったのだろう。

 2017年11月11日

  北風や押し開ける戸を押し返し

   寒気に向かってアパートのドアを開けるには、気合いが要る

 2017年11月10日

  病葉を拾い集めて書に挟み

  短い秋に病葉も早い。

 2017年11月9日

  小春日や久しく閉じし窓を開け

     三寒四温を繰り返しながら冬は深まる。 

 2017年11月8日

  果てしなくただ空青く月白し

  広域大陸性高気圧は、全空に青いドームを作る。

 2017年11月7日

   寝て食べて出して終日冬籠もり

  インターネット碁に熱くなる。

 2017年11月6日

  肉饅に一汁一菜豆腐汁

  朝食は、毎朝近くの「早餐」(朝食専門店)で食べる。

2017年11月5日

  湯沸かし器加湿器代わりにたぎらせる

  冬の湿度は低い。時に20%以下に下がる。

 2017年11月4日

   買いだめの即席餃子をチンで食べ

   冷凍餃子は意外に美味しい。

 2017年11月3日

  柿買えば勤め帰りの日は暮れり

  5時「下班」(勤め終わり)。日暮れは早い。

 2017年11月2日

   重ね着のまたまた一つ重ねけり

  一日の間でも温度差は激しい。土地の人も頻繁に脱ぎ着する。

 2017年11月1日

   床暖に騙されゴキブリ目を覚まし

  11月1日から「地熱」(床暖)が入る

 2017年10月31日

  散り急ぐポプラ並木に息凍る

   ここで言うポプラは楊樹。防風用に道路沿いに植えられている。

 2017年10月30日

   白菜の枕を並べニーハオマ

   白菜は当地の貴重な保存食である。保存前に干してある。

 
 

一句成仏  2017年12月10日 日 愛媛新聞へんろ道掲載

 どちらかというと、殺伐とした中国東北地方の風物は、俳句と無縁の世界だと思っていた。しかしある日、中庭に保存用の白菜が干されて居るのを見て、「白菜の枕を並べニーハオマ」と呟いたら、これはどうも俳句もどきなのだ。

 ご多分に漏れず、私も最近は難しい言葉は出てこない。季語を軽視しているのではないが、元々詳しくないせいもあり、ここに適当な季語が思い浮かばない。

 外の宇宙も無限なら、内なる自己もまた限りが無い。その内なる自分と向かい合うのが季節感であり、季語はそこに介在する物だと思っている。ならば季語も又、その地に応じて無限であっていいはずだ。

 さて講釈はともかく、俳句もどきに味をしめて自分のHP(けんさん)に「瀋陽駄句日記」なる物を一日一句で書き始めてみた。左の脳が衰えて、記憶力が減退した分右の脳のスペースが出来たのか、独り言がそのまま五七五になり、滑り出しは好調である。

 一日一句。明日はまた明日の感性が生まれるのを期待しながら毎日書いてみよう。

 一日一句が、週一句になり、月一句になり・・・。その内本当に一句成仏。南無合掌。