『―――ぶらんでーけーき―――』



頼忠が友人と食事をして遅く帰宅をすると、花梨はソファに座って一人笑っていた。
「よ〜り〜た〜だ〜さぁ〜〜〜ん。お帰りなさぁ〜〜〜い♪」
「只今帰りました。」ネクタイを外して上着を脱ぐと、ご機嫌な花梨に近付く。「花梨?どうなさいましたか?」
「ん〜〜〜?今日ねぇ、お友達の理絵ちゃんがねぇ、遊びに来たのぉ。」
腕を差し出して抱っこを強請る。すると頼忠は首を差し出して腕をかけさせると、そのまま抱え上げた。
「お酒を飲まれたのですか?」
「うんにゃ。」首を振ったつもりで、頼忠の首に頬を擦り付けた。「ぶらんでーけーきを食べただけぇ。美味しかったよぉ?」
「・・・・・・・・・。」苦笑。元々からお酒には弱かったが、たかがお酒の入ったケーキでも酔ってしまうのか。「それでご機嫌なのですね。」
普段、頼忠から抱き締めるが、花梨からはほとんど無い。だから花梨が甘えてくれるのは嬉しい。―――そうか、この手があったのか。でも、これではすぐに夢の世界へと旅立ってしまう。残念だ。桜色の頬が可愛いのに。
そのまま寝室に入り、ベッドに降ろして寝かせようとする。だが、腕を放してはくれない。
「もっと食べたかったけど、頼忠さんの分だから我慢したんだぁ。」
「そんなにお気に召したのなら、明日、私の分もお召し上がり下さい。」
ぽんぽん背中を軽く叩いて寝るように促すが。
「ダメぇ。あれは頼忠さんの分だから、頼忠さんが食べなきゃ。だからね、その代わりに。」やっと腕を離す。そして頼忠に強請った。「頼忠さんを喰べても良〜い?」
「――――――は?」
驚いて恋人の瞳を覗くと、物欲しそうに頼忠の唇を見つめていた。
「頼忠さん、美味しそうな匂いがするよ・・・・・・・・・?」軽く押して頼忠を倒すと、身体の上に座って覆い被さる。「うん・・・・・・美味しい。」
ぺろりと唇を舐めると、片手でシャツのボタンを外していく。
「・・・・・・・・・。」頭の中がぼやけていく。「・・・花梨・・・・・・・・・。」
「ねぇ・・・・・・。」肌に手を這わせ、唇を軽く噛む。「良いの・・・・・・?ダメなの・・・・・・・・・?」
「――――――はぁ。」大きくため息を吐き出すと、眼を瞑った。「勿論、宜しいですよ。どうぞお好きなだけ、お喰べ下さい。貴女が満足するまで。」
「ありがとう・・・・・・。」微笑む。「いただきま〜す・・・・・・。」
花梨はきちんと挨拶をしてから、頼忠の唇を味わい始めた。



その後。
花梨お気に入りのブランデーケーキをお土産に買って帰る頼忠の姿を、よく見掛けるようになったのだった――――――。






注意・・・花梨×頼忠 現代ED。

お酒だと眠ってしまうけれど、けーきだから『ほど良く酔う』花梨ちゃん。
深く掘り下げて書こうとしても銀竜草には艶描写は書けないので、走り書き程度のままで。

『遙か3・十六夜記』をプレイしている最中にこんな妄想をしている私って一体何なんだろう?つーか、あのゲームのどこからこんな話が湧いて出て来たのだ?

2005/09/24 02:38:03 BY銀竜草

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2006/11/25 16:03:31 BY銀竜草