『にゃン?にゃン?!タイフーン』
「あかね!何だこの猫は?」
「あ!泰明さんおかえりv(^^)v」
仕事から帰った泰明の最初に見たものは、白と黒のブチのずぶぬれの猫とその猫に負けずずぶぬれになっているあかねがタオルと格闘(?)している姿だった。
「あ、このニャンちゃんね。駅の近くにずっといたの。すごくずぶぬれになってかわいそうだったの。」
「拾ってきたのか。」
「うん!」
あかねははちきれんばかりの笑顔だ。
動物をかわいがる習性は京にいるころから容易の想像できたが、あかねは生粋の猫好きらしい。
タオルを猫と半分ずつ使い、もうすっかりご機嫌だ。
「私の家ね、お母さんがアレルギーだから‥ずっと動物飼えなかったの。」
泰明の淹れたミルクティーを飲みながら、本人無自覚な悩殺笑顔で泰明を見つめている。
こんな笑顔のあかねに逆らえるものはいないだろう。
猫はというと、しっかりあかねの膝の上を占領して眠りについている。
その姿に泰明は妙な感じを受けた。
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「やっくん〜元気だった?」
「にゃあ〜♪(#^.^#)」
すっかり、というかしっかり泰明のマンションに住みついたやっくん(名付け親:あかね)は、あかねを見るとたちまち嬉しそうに飛んで来る。
そう、言葉どおり『飛んで来る』のだ。
猫が飛ぶはずはない‥が、このやっくんは飛ぶのである。
「やっぱり、やっくんは只者じゃなかったんだよね〜」
あかねは嬉しそうにいうが、普通は驚くか気味悪がるところだろうと天真達は突っ込む。もちろん泰明も驚いているが顔に表れないので『やっぱ、泰明は動じねーな』とか言われている。
(この部屋に満ちる陰陽の力を吸収したのか‥)
泰明は現代に来てもその陰陽の力を使って、探偵などやってたりするものだから、あかねなどは感じないが京にいたころと同じように陰陽の気が泰明のいる空間では溢れているのだ。
「やっくんってば泰明さんの陰陽師の衣装にそっくりの模様なんだもん。猫陰陽師だよね('-'*)」
「猫は 陰陽道を解せぬ。」
「だけど、実際使ってるじゃない。」
「(~_~;)‥」
「今日から泰明さんのお仕事手伝ってあげてね、やっくん。」
「おい‥」
嬉しそうにじゃれあう二人を止められるものなど存在しなかった。
「猫など仕事に使えるはずが‥」
そう思いつつも、あかねにいってらっしゃいとこの『やっくん』とともに送り出されてしまったのだ。
車に置き去りにして死なれても困る。
ということで、泰明は素直に(?)猫連れで仕事をしていた。
「‥赤外線センサーか」
「にゃん?」
機械相手にさすがの泰明も多少の苦労を強いられることがあった。
「この先にセンサー解除スイッチがあるが。こう入り組んだセンサーを回避‥」
「にゃにゃにゃん(^_-)-☆」
泰明が何かを言えばやっくんは答えるように鳴く。
まるで会話をしているようだった。
(まさか‥そのようなことが‥)
念のため猫の思念を分析する。
(僕が、あそこのボタンを押せばいいにゃ?)
(?なんだと?わかるのか?)
(おっまかせ〜♪)
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「泰明さん、やっくんおかえり〜♪」
「あぁ、今帰った。」
「にゃぁん(^v^)」
やっくんのおかげですんなり解決し、早めの帰宅に嬉しいような複雑な心境の泰明だった。
「やっくん、ちゃんと泰明さんの役に立てた?」
「にゃん!(^_^)v」
「そう、すごいね〜♪」
(あかねは猫の思念がわかるのか?)
「あかね、なぜそのねこの言葉がわかる?」
泰明の疑問に‥あかねは
「そんなの『愛の力』でわかるのよね〜♪ね〜やっくん。」
「にゃん(#^.^#)」
(そんなものでわかるはずがない。)
ひとり突っ込みをむなしく飲み込む泰明だった。
これからのことに一抹の不安を抱きながら。
☆あとがき☆
お待たせいたしました。
動物ネタです。全然ほのぼのではありません。
うっとりもしません。
なんですか〜!って感じですね。
なぜか、ギャグを書きたくなったんです。
こんなんキリリクじゃね〜って怒らないでくださいね。
すっかりスランプの桃香でした。
私が初めてキリ番なるものを取って書いて頂いた作品。
で、ものすご〜〜〜く可愛いお話しで『ベタ惚れ』してしまいました。
掲載許可をしていただき、とても感激です。
桃香様、有難う御座いました!
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