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記録帳 2015(1、2、3月)

本やら音楽やらの摂取録&スケッチ、ときどき夢日記。
2015.03.28. スケッチ&日々


■【BEETHOVEN-CHOPIN-RAVEL】BENEDETTI MICHELANGELI
■【ラヴェル:ピアノ協奏曲/夜のガスパール 他】アルゲリッチ
□【一千一秒物語】稲垣足穂 新潮文庫
「天体嗜好症」「彌勒」再読。
ミケランジェリとアルゲリッチの「夜のガスパール」を何度もリピ。
2015.03.25. 夢日記
花を咲かせた木々を見上げてひたすらスケッチをとっている。
木蓮のようでいて木蓮とは言い難い、白く肉厚のある花。陽に透けて薄青い静脈のような模様が見える。花心の形を捉えようと目を凝らしていると、背後から声を掛けられる。聞き覚えのある声に振り返ると、目の前には青々とした水田の風景。これは中学校の景色だ、と気付いた途端に花びらがいっせいに宙に羽ばたいた。
2015.03.22. スケッチ&日々


■【ラヴェル:ピアノ協奏曲/夜のガスパール 他】アルゲリッチ
◆【ザッツ・エンタテインメント】
ジュディ・ガーランドを見ると、金子國義の描く女性(少女?)像を連想する。
2015.03.18. 日々
朝。金子國義の訃報に驚く。黙祷。

■【ALL THROUGH THE NIGHT】JULIE LONDON
□【金子國義の世界 L'Elegance】コロナ・ブックス 平凡社
2015.03.16. 日々
白黒帳に一点「軍記連想」更新。

リブロ池袋本店閉店の話題を今頃知る。うわー。
ぽえむ・ぱろうる閉店時も寂しかったが、まさかリブロまで…。うわー。
数年間、ほぼ毎日のようにあの近辺(リブロ、旭屋書店、ジュンク堂)を通っていたので感傷的にならざるをえない。当時の音とか色とか匂いとか……あの時の空気感(?)は今でもすぐに思い出せる。それは劇場の記憶(観劇の記憶)と似ている、と気付いた。

■【'JAZZ QUINTET-60'】
□【郊外へ】堀江敏幸 白水社Uブックス
「霧の係船ドック」「灰色の血」「首のない木馬」「坂道の夢想」を再読。
2015.03.08. 日々
録画しておいた金田一耕助シリーズ@市川崑版を、数日前から観る。
凡庸な人間の陳腐な感想をちょろっと。幼い頃から見ていて飽きないのは、推理よりも美学が詰まっているからではないかと思う。「情」を蹴殺すのも慈しんで懐に抱くのも、全て絡めて仕上げた作品群。それにしても。どの作品も女優さんが美しい。
個人的には『犬神家』か『獄門島』か。しかし、『悪魔の手鞠歌』は切ないし、『病院坂の首縊りの家』の金襴緞子の狂気の白も捨て難い。『女王蜂』の仲代達矢のぽっかりとした虚ろな目はある種のトラウマ。なんなのだあの眼は。幼い時分に、テレビ越しに「虚無」というものの断片をそれと知らずに教わったのはこれではないかと思う。

今観ると幼稚(幼稚というか演劇的)ではあるが、血飛沫のなんともいえないもったりとした感じが絵金の血みどろな屏風絵を連想させる。地に根ざした血。

子供の時には気付きもしかなったが、今観ると坂口良子さんが本当に愛らしい。清涼剤とはこのことか。
2015.03.07. スケッチ&日々
初版への拘りが全く無い人間なので、【豊饒の海】全四巻旧字旧仮名遣いの状態の良いものを見つけ迷わず購入。旧字旧仮名遣いを絶対視するつもりは無いが、新潮社の決定版三島由紀夫全集が誇らしげに新字新仮名遣いを謳っているのにはどうしても違和感が拭えない。勝手に改変するというのは、文字という存在に対する暴挙ではないのだろうか。
……と、憤るのは旧字旧仮名をビジュアル的に眺めているからなのだろうと自身でも思う。いっそフェティッシュというか。



◆【劇団☆新感線 花の紅天狗】
初演版。CSだったかBSだったかで放送していたものを録画。久々に鑑賞。実際に劇場で見たときの迫力は失せるが、やはり面白い。この劇団からは、おバカなことを全力でやる凄さを学んでいたような気がする。サンシャイン劇場の日々が懐かしい。
2015.02.28. 日々
読書系のブログをあちらこちらと読んで、まだ知らぬ書名のメモをして過ごす。
この世には、まだまだ知らない書名(=世界)が多過ぎて、ぼんやりしている暇がない。書物の世界はあまりにも広大で、膨らみ続ける期待と並走するように絶望感もその領域を増す。オンラインの世界で探し求めているものの、本当は古書店を巡り歩いて購入したい。切実に。自由が増すとともに不自由も増す。

□【すべてがFになる THE PERFECT INSIDER】森博嗣 講談社ノベルス
ひっさびさに取り出して読んでみた。人物はともかく、技術に関してはもはや隔世の感。 
2015.02.27. 日々
もう一年の六分の一が過ぎる。早い。
WOWOWの金田一特集を記念して横溝作品を図書館で借りて再読しようと思ったものの、文庫本がどれも年季の入った…古本好きでもさすがにちょっと躊躇われる風貌。ただでさえ表紙が素晴らしくおどろおどろしい杉本一文画伯による角川文庫が、経年に寄る(…ものだけではたぶん無い)どろどろとした容貌も備え、不用意に触れれば祟られそうな風格。表紙の痛みはともかく、本体の何とも言えないよれよれ具合は迫力がありすぎる。……なんというか、長い年月に血潮を吸い続けたかのような。あくまで綺麗な連想だが(リアルな連想は……無粋すぎる)。小学校の時に、図書館の片隅に廃棄本として置かれていたハーンの【怪談】を手にした時の「湿った紙から何かが伝わってきて呪われそう」な恐怖感を連想。これこそが紙の本の持つ醍醐味だと思いつつ、大人しく棚に戻す。

表紙といえば、復刊された創元推理文庫のタイタスシリーズの新装丁があまりに好みなので、持っているにも関わらず再購入するか検討中。うかうかしているとまた絶版になるから早く決断せねば。


■【THE ART OF ARTURO BENEDETTI MICHELANGELI】CD6(Schumann,Brahms)
ひたすらリピ。妙に病みつきになる。特にシューマン。
2015.02.18. 日々
遂に山尾悠子の「角砂糖の日」を手にとったぞー!という高鳴る動悸がやたらリアルな夢を見て、起床後しばしぼんやりする。いい大人なのに、夢と気付くのに数秒かかった。書き記された断片を目にしているだけの幻の本の外貌は、夢の中では濃紺の天鵞絨地に銀色の文字が鈍く光る背表紙でした。夢の中ですら、表紙はおろか本文すらも見られませんでした。くそう。

■【GOLDBERG VARIATIONS】ANDRAS SCHIFF
□【世界の夢の図書館】
□【世界の夢の本屋さん3】
ひたすらぼんやり眺める。どれもこれもが美しい。…美しいというか、血が沸いてたまらない。
2015.02.08. 日々
そろそろ自分の万年筆を一本購入してみようと思ったものの、圧倒されて本日は見るだけで終わる。どうせ気負うなら一度都内の店に行ってみようと万年筆先輩に唆される。「どうせなら」が連鎖して身分不相応な高額万年筆を購入してしまいそうで怖い。
コピックマルチライナーを描き潰しているので、何本か購入。カートリッジ式のものも試しに買ってみる。

□【逃げ水半次無用帖】久世光彦 文藝春秋
『お千代の千里眼』『水中花』『昨日消えた男』『恋ひしくば』読了。全編を一貫している色は桃色か。桃色に包まれた世界。褪せたものから眩いものまで桃色のグラデーション。肉の色から天の色まで。久世ワールド全開なのは「恋ひしくば」。
2015.02.07. 日々
机上が殺風景なので、緑と金が鮮やかなカエルの小粒な置物を購入。
蛙を忌み嫌う人間が言うには小さいなりにドギツクエグイらしいが、なかなかに愛嬌のある顔と素敵な装いだと思う。色味の異なる緑柱石を配した艶やかな背中と黄金色に輝く滑らかな腹部、金剛石を散りばめた黄金の王冠を戴く高貴な御姿…という夢想も可。たぶん。

■【CODEX LAS HUELGAS】SEQUENTIA
□【逃げ水半次無用帖】久世光彦 文藝春秋
『童子は嗤う』『振袖狂女』『三本指の男』読。なんというか、描写がすごい。言葉に酔うというか色に酔う。着物の描写から察するに、泉鏡花を意識したのだろうか。
2015.02.04. 夢日記
眩しい日射し。机の上に、ザ・金魚鉢、という典型的なガラスの鉢がある。水が満たされた中には極彩色の金魚らしき魚が一匹ひらひらと泳ぐ。鸚鵡と孔雀とフリルとスパンコールから生まれたんじゃないかと思うような容姿。机の端にいる猫は、小さな魚の一片の鱗が反射する光すらも恐ろしいのかじっと身を潜めている。華麗な尾びれが翻り、時折ちゃぷんと水音をたてる。やけに響くちゃぷんの余韻。ちゃぷん・んん・ん・んんんん・ん・ん。何度か繰り返され、余韻と思っていたのが魚の吐息だと気付いた時に、目が合った。
2015.01.31. 日々
目眩と寒気がするので風邪かと思ったら、かつて無いほどに体温低下。とりあえず、ウィスキーを軽く飲んで寝ることにする。

□【文学におけるマニエリスム】グスタフ・ルネ・ホッケ/種村季弘訳 平凡社ライブラリー
何とか二度目の読了。おそらく三割も理解出来ていない自信だけはある。理解出来ていないくせに妄想だけは縦横無尽なので、あらゆる断片がつなぎ合わされて得体が知れないなりに「なんだか凄い」ものが現出する魔法陣を眺めているような感覚。
2015.01.25. スケッチ&日々


■【THE SUPREME QUARTET】John Coltrane
□【ガルシン短編集】ガルシン/中村融訳 福武文庫
読了。『赤い花』も良いが、『がま蛙とばらの花』が良い。とても良い。
2015.01.20. 夢日記&日々
荒涼という言葉が似合う平原。真ん中に巨大な枯木が真っすぐに立っている。木の傍らに真っ黒な沼のようなものが見える。横殴りの風にも微動だにしない木に対し、沼らしきものはさわさわと蠢く。よく見ると、つぶらな瞳で寄り添っている鴉の大群。どれもこれも驚くほど歪な翼で飛ぶことが出来ない。瞳だけはどこまでも可憐で、時折きらりと虹色に輝く。

□【久世光彦の世界 昭和の幻景】柏書房
図書館から借り出す。ざっくりと拾い読み。
2015.01.18. スケッチ&日々


□【ワンダー植草・甚一ランド】晶文社
■【The Polyphonic Mass from the Middle Ages to the Renaissance】SACRED MVSIC (CD6)
■【The French 'Petit Motet' and 'Grand Motet'】SACRED MVSIC (CD7)

再読。拾い読み。やたら熱いコーヒーが飲みたくなってくるが、体調不良気味なので控える。
2015.01.15. 夢日記&日々
凹凸のない、空と地に二極化された雪景色。混じりけの無い白だが、目をさすような白ではない。サクサクと踏みしだく。無機質な雪。視線の先に、点々と赤いものが見える。ぽとぽと落ちている赤い椿。覗き込むと、花弁に包まれた童子童女がケラケラと笑う。甲高い笑声。薄っぺらい空気を振るわせるそれは、不快ではない。

□【風眼抄】山田風太郎 中公文庫

読了。ぷかぷかと煙草を吸いながら頬杖ついてさらさらと、上等下等(とされるもの)を一緒くたに書き記す…という勝手なイメージ。一部、剽軽な笑いの中に猛烈な毒が転がっているのを感じる。
2015.01.13. スケッチ&日々


□【ボードレール全詩集2】阿部良雄 訳 ちくま文庫
■【A STEPHEN SONDHEIM EVENING】

「パリの憂鬱」を拾い読み。
ぼんやりしたまま、ジェシカおばさん、もといアンジェラ・ランズベリーの歌うSend In the Clownsをリピート。
2015.01.12. スケッチ&日々


□【ボードレール全詩集2】阿部良雄 訳 ちくま文庫
■【ELLA FITZGERALD SINGS THE GEORGE & IRA GERSHWIN SONGBOOK】
■【タランテラ】宝塚歌劇団雪組公演・実況
■【The Birth of Polyphony】SACRED MVSIC (CD3)

「阿片吸飲者」を読む。
口笛吹きながらエラ・フィッツジェラルド聴いて日向ぼっこ。
愛聴している宝塚歌劇CDを流しつつ、スケッチ。年末から考えていたモノクロ絵も描き終える。
ぐったりしたところで、ハルモニアムンディの宗教音楽コレクションを聴く。迫力がありすぎる三枚目をヘビロテ。
2015.01.11. 日々
昔、本屋にて聞こえてきた言葉の欠片(ハヤカワ&創元推理文庫の棚付近にて)
「変な名前だねぇ、コグリムシ・タロウなんて」
心の中でひっそりと、惜しい、と思いました。

本日、本屋にて聞こえてきた言葉の欠片(ハヤカワ&創元推理文庫の棚付近にて)
「キモカワな名前だよね、オグリ・チュウタロウって」
…………なかなか斬新な読み方だなと思いました。


□【ダンス・ダンス・ダンス(上・下)】村上春樹 講談社文庫
□【池波正太郎の銀座日記(全)】池波正太郎 新潮文庫
■【ELLA FITZGERALD SINGS THE GEORGE & IRA GERSHWIN SONGBOOK】

【ダンス(略)】は拾い読みのつもりだったのに再読。【銀座日記】は拾い読み。拾い読みしつつ、無性に聞きたくなったのでミュージカルにハマりたての学生時代に買った愛着のある厚ぼったいCD三枚組を引っ張り出す。
2015.01.09. スケッチ&日々


だいぶ過ぎてしまいましたが、開けましておめでとうございます。
昨年はあまりに停滞していたので、今年はもうちょっとどうにかしようと思います。
まったく機能していなかった記録帳を、大昔の状態に戻してみます。続くかどうかは不明ですが。


年末年始の休みに浮かれて購入。

【ドリフトグラス】サミュエル・R・ディレイニー/浅倉久志ほか訳 国書刊行会
【谷中安規 モダンとデカダン】瀬尾典昭・山田俊幸・辺見海 編 国書刊行会

早川さんがジャック・ヴァンスの魔王子シリーズを復刊する気配が無いので、いっそ国書さんが手がけてくれないだろうかと淡い期待を寄せています。