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記録帳 2014

夢日記&スケッチ&日記的メモ。
2014.09.28. スケッチ&夢日記


彼女の肌以外にはどこにも存在しない蝶。肉の匂いを放つ蝶。
促されるままに、そうっと指でなぞってみた。その薄い翅を傷つけないように、壊さないように。ただの線なのに。肌に墨を入れただけのものなのに。
指先には、肌の熱とともに小刻みな振動とさらさらとした粉末の感触が伝わった。
青黒く光る燐粉がまといついていた。
2014.09.20. スケッチ&日々
ここまで描いて立ち往生中。



こんなの買ったら(他のも欲しくなって)のちのち困る!と思いつつ、【サンリオSF文庫総解説】を買ってしまう。欲しいのいっぱいあるなあ……(表紙はアレなのやソレなのもあるけど)(いやむしろ味わいどっぷりか)。不勉強なので【アルクトゥールスへの旅】が文庫化されていたことに驚きました。
2014.08.24. スケッチ&日々
珍しくも日記らしい日記を。

友人と美術館に行く。小さな美術展をのんびり見た後、ランチをビールにするかワインにするか悩む(ノンアルコールという選択肢は無かった)。再会を約して別れ、本屋街をふらふらと散策。意外なところで塚本邦雄の「戀」上下巻を見つけたので購入。持ち歩くには少々重い。よせばいいのにその後もあちらこちらに立ち寄り、画集やらパンフを何冊か購入。軽い筋トレinぷちサウナ状態で帰宅。

2014.08.10. スケッチ&夢日記
日本ではお目にかかれないような陽気で真っ青な水面に真っ白な小舟が漂っている。真夏のような日射しが真上から燦々と照らすなか、小舟の中央あたりに何かが沸き上がってくる。小さくてらてらと赤い、見るからに玩具のような薔薇がもくもくと表現するしかない音を立てて増殖し、舟の縁からむらむらと表現するほかない音を立てて零れ落ちる。水に触れると、凱旋将軍を迎える金管のような音が響く。過剰な音に満ちた、静かな光景。

2014.07.24. スケッチ&日々
【アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚】も読了。
一番イメージしやすい世界のせいか、するする読める。森が頻繁に登場するせいか、豪奢な緑色のタピスリーなイメージ。「アゼダラクの聖性」「イルゥルニュ城の巨像」「ウェヌスの発掘」「妖術師の帰還」「分裂症の造物主」等が好み。「ウェヌスの発掘」はメリメの「イールのヴィーナス」に通じるものがあると思う。

2014.07.20. スケッチ&日々
アーヴィング/平沼孝之訳【アルハンブラ物語 上下】岩波文庫
だいぶ前に暇つぶしで購入し、手放せなくなった一冊(二冊か)。
読む度に、真夏のアルハンブラを一目見たいと思う。
それはもう、じりじりと。炙られるような願望。

2014.07.15. スケッチ&日々


【ヒュペルボレオス極北神怪譚】までは読了。
どちらかというと【ゾティーク幻妖怪異譚】の燦爛とした悍しさのほうが好みだが(「拷問者の島」「暗黒の魔像」「イラロタの死」「アドムファの庭園」「モルテュッラ」など)、「スファノモエーへの旅」「月への供物」「歌う炎の都市」「マアルネアンでの一夜」のもやもやとしたものに隠されたようなきらびやかさも好み。

少し違うものを読みたくなり、中井英夫の系譜と紹介されていた作品を読む。
……残念ながら、今の私にとっては腐った果物にしか思えなかった。あまりに熟れ過ぎている。熟成という意味ではなくて。
中井英夫どころか、夢野久作や小栗虫太郎、久生十蘭、澁澤龍彦や荒俣宏の紹介する世界を知らなかった10代の頃だったら夢中になったかもしれない。
2014.07.10. スケッチ&日々


C.A.スミス/大瀧啓裕訳【ゾティーク幻妖怪異譚】 創元推理文庫…読了。
C.A.スミス/大瀧啓裕訳【ヒュペルボレオス極北神怪譚】 創元推理文庫…読書中。
C.A.スミス/大瀧啓裕訳【アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚】 創元推理文庫…まだ。

雰囲気的には、ダンセイニとロバート.E.ハワードが混じり合った感じ?
全編、極彩色の煌めきとともに『悍しい』ものに彩られているけれども(むしろいるからこそ)、「最後の呪文」や「マリュグリスの死」にある魔術師マリュグリスと鎖蛇の切ないような暖かいようなエピソードが印象深い。
2014.07.06. スケッチ&日々


剣と魔法の物語が大好きだったのに、近頃ではさっぱり読まない。
読まないではなく、読めない。読み続けることが出来ない。
大人になったから「その荒唐無稽な世界が口に合わなくなった」といったことではなく、大人になったから「その荒唐無稽な世界を消化しきれなくなってしまった」という体力不足によるものだと思う。あの世界を貪り読んでいた体力を取り戻したいが、脳の体力(?)はどうすれば鍛え直せるのだろう。
2014.07.05. スケッチ&夢日記


そういえば、幾重にもうねる髪に埋もれるという夢を何回か見たことがある。
よくわからない過程で、とりあえず埋もれる(巻かれる?)という結末のものなのだが、決まってそれは黒髪でなおかつ女性の髪であった。苦しいわけでもなく。怯えるわけでもなく。かといって陶然とするわけでもなく。艶やかな黒髪が、まるで薄曇りの夜の海のようだとだけ思い、その後の夢は突拍子も無い方向に分岐していく。
最終的には、髪が口の中に入って舌に絡む何とも言えないあの不快感で目が覚める。
2014.06.08. 日々
図書館で何度も借りる本がいくつかある。
その中の一冊が、天沢退二郎【光車よ、まわれ!】ちくま文庫、だ。
知人に「たぶん興味があると思う」と教えてもらったのがほんの数年前。大人になる前に読むという幸運は逃したものの、運良く近場の図書館で借りることが出来た。幸か不幸かそれがちくま文庫版だった。ジュブナイルはあまりに遠く、暗黒の童話などという言葉にも当てはまらないこの物語(あれはある種の説話だろうか)を繰り返し読むなら今現在復刊されているものを購入するべきなのだが、『カバー装画・さしえ 司修』のちくま文庫版でないと手元に置きたいと思えない。

こわいけど覗きたくなるまっくらな世界(それはとても根源的な恐怖と好奇心)、を文章と絵で同時に味わってしまった幸福。あるいは不幸。
2014.06.01. スケッチ&日々


抑えに抑えていたためか、本を買いたい病が急速にこの身を蝕んでいる気配。欲望の赴くままに行動すると大変な散財となるので、応急処置としてネットの恩恵であるエアー買いをしてみる。下手をすると却ってストレスが溜まる諸刃の剣だが、案外楽しい。とりあえず、めぼしいものを探索しつつ、近所の図書館の在庫もチェック。ジャン・ジュネは一冊も無いがバタイユは置いてあるようです。まさか、サバト館(漢字が出ません)の書籍を図書館で借りられるとは…。
2014.05.17. 夢日記
薄暗くも厳かなどこぞの洋館の玄関ホール。正面玄関の高所から差し込む僅かな光。差し込むというより、指し貫くような光。何十年も貫かれ続けたためか、壁も床も漆喰は剥がれ木は朽ちている。匂いすら絶えた空間。白い帯の中で唯一きらきらと光る埃は、顕微鏡越しの微生物のようにくるくると乱舞する。ブラームス交響曲第3番の3楽章が延々と繰り返される。
あまりに感傷的で陳腐だが、光と其処に踊る埃はとても美しい。
2014.05.07. スケッチ
2014.05.06. スケッチ
2014.05.03. スケッチ
2014.05.01. 日々
引っ越ししてました。
あれは実に恐ろしい作用を誘発するイベントであり、取り返しのつかない清々しさを得てしまうイベントのようです。いわゆる『断捨離』という病に罹ってしまい、「必要なものだけ手許に置こう(これはこれで重要ですが)」という妙に晴れ晴れとした決意でもって、書籍の一部を手放してしまいました。
と同時に、子供の頃に書き&描き散らかしていたものが大量に発掘され、身悶えする事態に陥っていました。母の保管能力の高さに敬意を表しつつ、捨てる捨てないで大いに揉める。ちょっとした羞恥プレイだったと思います。



とっちらかってますが、とりあえず再開。
2014.02.02. 夢日記
室内にいると、外が妙に明るい。のそのそと玄関から出てみると、家並みの向こう一面がオレンジ色に染まっている。火の海。見覚えがあるようなないような近所の人々と眺めていると、大きな真っ黒い物体が過る。「ノアの箱船」と誰かが呟き、こちらに火の粉が飛んできた。
2014.01.28. 夢日記
星の綺麗な夜。断頭台の上でおどける道化師。見上げているはずの観客たちには首が無い。