”インディーズ”と呼ばれるアーティストは、本来は”メジャー契約”する以前の”自主制作”
によってレコード、CDを作っていたアーティストを指す訳であって、その昔は、日本では”フ
ォーク、ロック、ニューミュージック”等本当の意味での”実力派”と呼ばれる人達だって当初
はそうだった訳でしょうし、海外でも、”パンク”以前に”ハードロック””プログレ”、またその前身である”ブルースロック””ジャズロック”など、”職人派”のバンドだってかつては”インディーズ”だった訳ですよ。そういう意味ではね。
でも、今の”インディーズ”っていうのは単に”メジャー音楽”に対する”マイナー音楽””異
端音楽”を指すようになってしまいました。すなわち”音楽性”を追求している音楽とは”対
極”の位置にいる音楽をそのまま指しているのです。
だから、一昔前なら”メジャー音楽(ポップなもの)”に対して、ロックや”本格派”の音楽の方
へ走った若者が多くいたと思われるのですが、今の場合いは”音楽性”をある意味否定している
ようなもの、例えば”ヒップホップ”とか”アコースティック系”のストリートムージシャンと
か”パンク系(偽者も含めて)”へ走っているのですよ。それらが、いつしか”インディーズ”と
いう新たな”ジャンル”を作ってしまい、それが”流行”となってやがて”メジャー”と化して
しまう。しかし、”前者”のアーティスト達はそもそもある程度”メジャー”になる要素は持っ
ていたと思うし、その必然性はあったと思う。しかし、”後者”の方はどうなのでしょうか?
現在、これらの音楽が”チャート”の上位に君臨する事がもはや”当たり前”になってしまいま
したけど、そもそもこれらのアーティスト若しくはその当初からのファンはそれを望んでいたの
でしょうか? 僕はこうした音楽は、今のような”ポジション”につく必然性は無いと思いま
す。彼らは本来”アマチュア”という畑で存在してこそ意味があるものだと思いますから。しか
し、食ってかなきゃいけない以上は”プロ”になるのはしょうがないにしろ、それ相応の”ポジ
ション”というものがあると思うのです。今この手の音楽の”ポジション”が必要以上に高くな
り過ぎているような気がするのです。それでは単に日本の音楽全般の”レベル”を下げるだけで
すし、逆に言ってしまえばこれらのバンドが”メジャー”になりすぎる事が彼らの”価値”を下
げているようにも思えるのです。
今の日本の”音楽業界”はとかく”ビジネス優先”ですから、売れる物はなんでも売り出す、み
たいな”体制”を敷いていますけど、そろそろ目を覚まさないと今の”状況”がますます厳しく
なってしまうのではないでしょうか。
[2003年5月21日 23時23分42秒]