≪SECOND BREATH≫                                 

詩               wrote by gaine     

                                

 



『放物線』                                                         



あの放物線は完璧だった 

あの放物線は完璧だった



俺は弓矢を射ったんだ

あんなに美しい放物線はめったにない


矢が放たれた後の俺の呼吸 視線 

体のバランスと緩やかな動き      

全てが完璧だった

こんな時 我々はご褒美をもらえるわけだ


 
獲物を持って家に帰って子供たちに話したさ 
                       
 
あの放物線は完璧だった

 
   
                                                                                            



『ことり』
 

私の笛には小鳥がよくやってくる

ピーヨピーヨちゅーるちゅーる歌っているから

とても賑やか幸せ気分

 
でも悲しい時やうまく物事が進まない時は

だんまり続けて歌わない

雨の日だって歌って欲しいのに

風の日だって歌って欲しいのに

だんまり続けて歌わない

 
どんな時でも歌っていいんだよ

そんな時こそ歌うもんだ

小鳥の歌を聴きたいなら

いつでも笛を吹くのだね

 
私の笛には小鳥がよくやってくる 


                                            



『フクロウ』

静かな夜にフクロウはやってくる

静けさがフクロウを連れてくるんだ


鳥たちが羽を休め

ケモノたちが息を潜めている間

フクロウは闇を支配する

ボウーボウー

そして静けさがこだまする


フクロウの声を聞いたことがないって?

そんな人が本当にいるのか?


俺はいつだってフクロウの声を聴くことができる

このこころの中にいつだってフクロウがいるからさ


俺のこころが静けさで満ちていれば

フクロウはいつでも鳴いてくれる

ボウーボウー っとね

 




『嵐』


嵐がやってきた

嵐がやってきた


家が飛ばされないか心配だった

食器棚も私も地面も揺れていた



嵐なんて来なきゃいいと思う

こんなに怖い夜はないから



嵐は去って夜の帳があけた

嵐は去って夜の帳があけた


朝日の反対側に大きな虹が浮かんでいた

山を背にして浮かんでいた

山の緑も最高だったし 全てが輝いていた

嵐が掃除をして綺麗にしてくれた


嵐もたまにはいいかなと思う

こんなに美しい朝はないから

 

 

『焚き火』

焚き火をじっと見つめていた

焚き火をじっと見つめていた


燃え盛る炎は一瞬たりとも同じでない

次から次へと形を変え

消えては生まれ 生まれては消える



なんだ 俺は炎と同じだったのか

俺の中でも消えては生まれ

生まれては消えるものがたくさんある



俺は燃え盛る炎

ゆらゆらめらめら燃え盛る炎

 

 



『太鼓を叩けば』


太鼓を叩けば命が脈打つ

ずんぼっ!ずんぼっ!ずずんずんぼっば!

ずんぼっ!ずんぼっ!ずずんずんぼっば!


太鼓は命の音なんだ

太鼓を叩けば大地が笑う

どんとこってらっ!どんとこってらっ!

どんとこっこっこってらっ!


太鼓は大地の声なんだ

太鼓を叩けば教えてくれる

俺がいったい何処から来たのか?

俺がいったい何から生まれたのか?

そしてどこへ帰ってゆくのか?


そんなことを忘れないためにも

太鼓が俺には必要なんだ





『私の歌には歌詞がない』

 

私の歌には歌詞がない

最初はあったはずなんだけど

いざ歌おうとすると

いつでもそいつは逃げていってしまう

気がついた時にはもう遅い

逃げていってしまったものは追わない主義だから

私はその時の気持ちを歌うほかない



こころの中にコロコロコロコロ転がっている

気持ちをいっぱい出してみる

ついでに両手をいっぱい広げて

空の中に飛び込んでみる


私が歌っているのは言葉ではない

私が歌っているのは言葉ではない

意味はあるのかって?

言葉でないものに意味があるなら

あなたのこころに聞いとくれ



私の歌には歌詞がない



 


『子供が言ったよ』



 子供が言ったよ

「ぱーらるとんあらへんひゅれべ〜!


げんげんどんごらじゅるぴりぶ〜! 」



  大人が言ったよ


「なんじゃいそりゃ? 」



  子供が言ったよ

「でれんどっとろん!

べべべべべっべっべべぇ〜〜〜い!!」



  大人が言ったよ


「意味わかんない〜」



  子供が言ったよ



「ぴひゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ュュュ〜〜!!

ほぃっほぃっひょひょぃっ!」

 

 

『波に揺られて生きてきた』

 

波に揺られて生きてきた

波に揺られて生きてきた

ぷかぷか さわさわ じゅわじゅらりん

ぷかぷか さわさわ じゅわじゅらりん

 

俺には必要なものが必要な時に与えられるから

なにもあくせくする必要なんてない

あせって得した事もない

あせらずいれば汗要らず



呑気な奴だって言われたって気にしないことだね


                                                        
だからいつでも

ぷかぷか さわさわ じゅわじゅらりん

ぷかぷか さわさわ じゅわじゅらりん




波に揺られて生きてきた

波に揺られて生きてきた    
                               
                                    

                                                                                                                                       





『世の中もまだ捨てたもんじゃない』


 
地球は丸いって誰かが言ったよ

でも観てごらん 

山あり谷ありデコボコの地球

 
虹は7色って誰かが言ったよ

でも7色って聞かなかったら

いったい幾つの色が見えるかな?


正義のための戦いって誰かが言ったよ

でも正義って何?

それで戦いが終わったりするのかね

 
いくらもっともらしい事言っても

その次にはひっくり返るんだ

真実はそう転がってない

 
でも誰かが言ったよ

7世代先の事を考えて物事を決めてゆくと

7世代先?今日明日のことばかり考えている
  
自分が恥かしかった

でもその次には嬉しくなった

そんな先のことを感じて生きている人がいる


世の中もまだ捨てたもんじゃない

世の中もまだ捨てたもんじゃない                                                         

 

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