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7月4日(火)


7時半起床。
窓を開けて爽やかな風を入れる。鳥の声に青い空。ディズニーの映画のような朝だ。
顔を洗って着替えていると、ふたりでダブルベッドにまるまって寝ていたAちゃんとTちゃん(かわいかった(笑))も起きてきた。
着替えて朝食ルームへ行くと、昨日夕食をとったレストランで一緒だった家族連れが先に来ていたので、挨拶を交わす。
エレナお手製のケーキ(今日はチョコレート味v)を食べながら、テラスの向こうに広がるトスカーナの景色を目に焼き付ける。

朝食を終えて部屋に引き返し、スーツケースを車に積み込むと、エレナに家の鍵を返しにもう一度朝食ルームへ。
エレナは3人全員の頬にちゅっちゅっとキスをして、お別れをしてくれた。
彼女は私たちの服装を見て、Tシャツやブラウスを触って「みんなとってもエレガントね」と褒めてくれた。特にTちゃんの持っていた日傘には感心したようで、素敵だわ!と大絶賛。
欧米人にとって日焼けはステイタスシンボルなので、わざわざ日傘を差して日焼けを防ぐなんて信じられないらしいのだけれど、それでもレースの白い日傘は素敵にうつるらしい。
「あなたたちは私の初めての日本人のお客さんよ、またきっと泊まりにくるのよ。今度は一ヶ月のバケーションでね!」(無理だ~っ!)
エレナに手を振り名残を惜しみつつ、B&Bをあとにする。

さようなら、BorgoArgenina!

Aちゃんの運転で一路ウンブリア州オルヴィエートへ。
今日の最終目的地はローマなのだけれど、せっかくなのでもうひとつ田舎の町も見ておこうということで、ローマ近郊のオルヴィエートをチョイスv

昨日のひまわり畑に立ち寄り、もう一度ひまわりを眺めてから(昨日よりもっと満開になっていた)、高速道路にのり、比較的スムーズに天空の町オルヴィエートへ到着。
オルヴィエートは城壁に囲まれた中世の城塞都市で、山の上にあることから、天空の町、というキャッチコピー(?)がついている町。
山の下からフニコラーレ(ケーブルカー)で登ってくることもできるし、車で登ることも出来る。
私たちはぐるぐると山を登り、城壁の外の駐車場に車を停めて、早速散策開始!
…と、いきたいところだけど…め、めちゃくちゃ暑い…!

湿度は非常に少なくて風も爽やかなので、木陰にじっとしていればとても気持ちがいい陽気なんだけど、ひとたびひなたを歩き出すと、じりじりと照りつける真夏の太陽が石畳に反射し、あ…熱い!!
たまらず、私も車から折りたたみの日傘を取り出し、差して歩く。頭の上に影を作ると、だいぶ熱さ・暑さが和らぐ気がする。

一応の観光名所である井戸(pozzo)を探して歩いていると、地元のオジイチャンがイタリア語で「その日傘いいねー」というようなことを話しかけてきたので、ついでにドヴェ・イル・ポッツォ?(井戸、どこ?)と聞いてみた。
するとおじいちゃん、近くにいたおばさん(*他人です)と一緒に、わざわざ歩いて井戸まで案内してくれた。
ふたりとも、優し~!vvv

この井戸、1500年代に作られたもので、深さ62メートル幅14メートルと超巨大!
内壁に沿って螺旋階段が作られていて、馬で下りられるようになっている。上りと下りですれ違わなくていいような設計になってるんだって!
入り口でお金を払って、早速、井戸の底を目指して階段を下りていく。
ひいひいふうー。ときどき井戸のほうを覗き込むと、そのあまりの深さにゾッとしてしまう。奈落の底ってこんなかんじ?

しかもこの窓、私のひざくらいの高さしかないので、誰かが後ろから押したら、簡単に転落してしまいそうなのだ…ブルブル。
下に下りるごとに温度が下がってきて、底に着いたときには、涼しいどころか寒いくらい。
水のたまっている底には橋が渡してあって、その真ん中から上を見上げると、幻想的な光が差し込んでいて、とてもきれいだった。


今度は反対側ののぼり用螺旋階段を使い、階段を上っていく。
ぜえぜえはあはぁ…!
こ、これはきつい。何度も休憩しながら、全部で248段を上りきるころには、ぜっかく冷えた体も汗まみれ。
こりゃあ、馬がいるはずだわ(笑)

少し涼んでから、町の中心部にあるドゥオモを見に行くことにする。

石畳の坂を、日陰から日陰へ渡るようにして上っていく。
坂の両側には、日用品を売る店や、みやげ物やがところどころに並んでいた。
その中のひとつ、針金細工の店のウインドウがかわいくて、思わず店内を覗いてみることにv
店は、工房も兼ねているようで、若い男女2人と、おじさんが机に座って作業をしていた。
ウインドウや壁の棚には、金属でできた写真たてや時計、ろうそくたて、アクセサリーなどが、シリーズごとにディスプレイされている。
クリスマスがテーマのシリーズもすごくかわいかったのだけれど、私は一番最初に目に付いた、海をモチーフにしたトレイを購入。
ヒトデや貝殻がデザインされていて、すっごくカワイイvv(今は玄関のキー置きに使ってます)
AちゃんもTちゃんも、小さな写真たてを買っていた。

人のいいおじさんが、品物を包んでくれながら、片言の英語で品物や店内について説明してくれた。
おじさんは、昔、10日間だけ大阪に行ったことがあるらしい。
ここの商品は日本でも人気だったんだよ、だって!
おしゃべりついでに、この近くでおいしいレストランはないか聞いてみると、おじさんは「うーん、私は実はナポリの出身で、この町についてあまり詳しくないんだよね…彼ならわかるかな」と、店にいた若いニイちゃんに聞いてくれた。
ニイちゃんは、実は僕もあまり…と悩みながら、そこの店ならピザがオススメ、そっちもなかなかおいしいよ、と近所のレストランに案内してくれる。

あらら、これはおすすめっていうか、ほんとにただの近くの飲食やに案内されちゃっただけだわ…と思ったものの、せっかく案内してくれたことだし、喉も渇いてるしそろそろお昼だし、とそのレストラン(?)でランチすることに。
駐車場にはみだすようにして置かれた、簡易なテーブルと椅子に座り、まずはワインを注文。
カーサ・デ・ラ・ヴィノ!
店員「?」
あ、あれ?間違えた!ヴィノ・デ・ラ・カーサ!(wine of the house)
「シ、シ!ビアンコ?ロッソ?」(にっこりv)
ビアンコ!よかった、通じたv
メニューを眺めて、私はトマトソースのニョッキと、

モツァレラとツナのサラダを注文。

シンプルな味付けだけど、なかなかおいしかったvv
ネコが足元に来て、エサをねだっていたけど、テーブルに乗ると困るので、かわいそうだけど無視。ごめんねネコちゃん(T_T)
Tちゃんは小動物が苦手で、ネコが足元をすり抜けるたびに、ひぃいい!と叫び声をあげていた(笑)

ランチを終えて、予定通り町の中心ドゥオモへ向かう。
中心部へ向かうほど、石造りの家がぎゅっと寄せ集まって日陰が増える。入り組んだ石畳の小道が雰囲気あって素敵v

地図も見ないでぶらぶら歩いてたら、いつの間にかドゥオモに到着する。
巨大なドゥオモは、全体像を写真におさめるのが難しく、しゃがんだり立ったり四苦八苦(笑)

ドゥオモの前には、ツアコンに連れられた日本人観光客もいて、女3人だけで写真を撮ったり土産を眺めてる私たちを不思議そうに見ていた。
団体客は、ぞろぞろとドゥオモの中へ入っていく。
私たちはあの人たちが出て行ってからにしよう。

オルヴィエートの観光名所として、「地球の歩き方」によると、エトルリア時代の地下洞窟探検ツアーというのがあるらしいんだけど、ツアーというからには開始時間が決まっているだろうし、いったんツアーに参加したからには1,2時間は拘束されるし(オランダ・ベルギー旅行記参照;)、gucciの中では最初から諦めるべきものとして認識していたのだけれど、Tちゃんの中ではそうじゃなかったらしい。
「えーせっかく来たのに、地下行かないの!?」と大ブーイング。
参加すると数時間かかる旨を説明したのだけど、「なんでよ、わかんないじゃん。さっきの井戸みたいに、お金払って自由に見学ってのもあるはずだよ。とりあえず聞いてみてよ」という。
いやいやいや、地下洞窟を自由に見学させたら、行方不明者頻発でしょう(だって地下にひとつの町があったって書いてあるもの)…と思ったけど、まあいいや。そこのインフォメーションで聞いてみるだけ聞いてみて、ダメだと言われればTちゃんも納得するでしょう。

ドゥオモの前の観光案内所に入ると、カウンターにはおばさんと若い男の人。
おばさんのほうでは、でっかいリュックをしょったカップルが長々とホテルの相談をしていたので、迷わず男の人のほうに近づいて、「すみませんが…」と話しかけると、憮然とした顔で「隣で聞いて」とピシャリ。
びっくりして、「あ、そうですか…」と一度は引き下がったものの、何度見てもここはインフォメーションカウンター。そしてやつはカウンターのど真ん中に座っている。
もしかして私たちがなんかチケットを買うとか思ってる?
もう一度「あの、地下洞窟のことで、ちょっと聞きたいだけなんですが…」と寄っていくと、「そっち行けって言ってるだろ!」とけんもほろろ。
ムカムカムカムカ…!!!!!!
なんだこいつ…!!!!
しばらくおばさんのほうに並んで待つも、一向に空く気配が無いので、もう一度隣へ。
今度は、こっちもけんか腰。ふざけんなよ!
「あのね!私はチケットが欲しいわけでもホテルをとりたいわけでもないの!たったひとつ質問があるだけ…」
「だから、さっき言っただろ!あっちへ行け!」カウンターをこぶしで叩きながら、怒鳴られる。
ファック・ユー!!!!!!!
サノバビッチ!!!
ボラーレヴィーア!!!!!
思わず頭の中で中指を立てて悪口雑言のオンパレード。
あとちょっと理性が麻痺してたら、ほんとにやりそうだった。(私の理性がうらめしい。やればよかった)

そのとき、ようやく隣のカウンターが空いたので、おばさんに「地下洞窟ってツアーじゃなくても見れるんですか?」と聞くと「いいえ、ガイドツアーだけ。次のツアーは3時間後」とのこと。
ほれ見ろ…!!!!

いろんなことにはらわたが煮えくり返ったけど、とりあえず、落ち着け…せっかくの楽しい旅行が台無しになっちゃう!とじっと我慢。
……ウガーーー!!!!!ム・カ・ツ・クーーー!!!
絶対、帰ったらtripadviserに報告してやる…!!!
Tちゃんも今度から自分で聞きに行けい!!!

落ち着け…落ち着け…と念仏のように唱えながら、ドゥオモの内部を見学する。
さまざまな絵で埋め尽くされた壁に、スペインのメスキータのように黒白模様の壁、柱。
美しい…と日記には書いてあるけど、実はgucci、その光景を覚えていない。
あまりの怒りに、記憶まで失ってしまったようだ(笑)

なんとか心を落ち着けて、駐車場まで戻る。

ここからは私の運転。
一直線にローマへと向かう。

実は…私たちは3人ともローマに行ったことがあったので、本当ならローマは行くはずではなかったのだけど、Tちゃんがどうしてもローマに行きたいと言ったので、仕方なく行くことになったのだった。
私とAちゃんの予定では、さきほどのオルヴィエートにそのまま宿泊し、次の日ローマはすっとばしてポンペイへ…というコースを取るはずだった。
なぜなら、大都市に車で進入するのはとてつもない苦労と時間がかかるから。
それに、ホテルが異常に高いというのもある。
事前にTちゃんに説明したのだけれど、「でも大都市に一回も行かないなんて、旅行したって気がしない」というので仕方なく…
このときの判断を、あとであれほど悔やむことになろうとは!!

あっという間にローマに着き、インターを降りたはいいものの、街中は一方通行と交通渋滞、ついでに道路工事で通行止めがたーーーーくさん!!!
30万分の1の地図で追いつくはずがない。
何度も道を間違え、人に聞き、渋滞にはまり、ぐるぐるした挙句…日もとっぷり暮れたころ、ようやくホテルに到着した。
これを見越して、町の中心部から離れたホテルにしておいたからこの程度だけど、中心部のホテルだったら一体何時に着いたか…考えるだに恐ろしい。

ホテルにチェックインして、しばし呆然。
疲れた…
あああ、当初の予定通りオルヴィエートに宿泊してれば、今頃は素敵なレストランでワイン空けてるところだったのに(T_T)

気を取り直して、ローマの観光計画を立てる。
入場料がいるようなところはとっくに閉まっているので、スペイン階段とか、モニュメントみたいなものしか見られないけど。
Tちゃん、ローマで何が見たかったの?
「え、別にー。一回来たことあるし。特にこれといって見たいものがあったわけじゃないよ」

じゃあなんで絶対行きたいって言ったんだよ

私、間違ってませんよね…?

怒りというより脱力感を味わいつつ、じゃ、じゃあせめてローマのおいしいものでも食べに行こうか…とガイドブックを繰る。
そうそう、うまくいかなくても「プランB!」プランBの精神で行けばきっとだいじょーぶ…

ガイドブックに載ってた素敵なお店に狙いを定めて、ロビーに下りてフロントのお姉さんにタクシーを呼んでもらおうとすると。

「今日はストなのでタクシーが動いてないの」。

…すと?
すとって、ストライキのことデスカ??

ぷ、ぷらんB、いや、プランC…

じゃ、じゃあここから地下鉄でローマの中心地まで行くと…?
「バスと歩きで地下鉄の駅まで行って、そこから20分くらいかしら」
と、遠ッ!!
じゃ、じゃあ私たちの車で…って、もう一度ここを出て戻ってくる自信が 全 く な い 。

しかも、この時点ですでに夜8時。
へとへとでおなかもすいている。
仕方ない、今日はこの辺で夕飯を済ませよう、とフロントのお姉さんにホテル近くのお店を聞く。
ローマに来た意味、まるでなし。

ホテルから1ブロックのところにある、ポモドーロ・ロッソ(赤いトマト)とかいう店に入る。
どうやら、ピザの店のようだった。
せめてこのお店が正解でありますように。

店の裏のオープンエアのテーブルに案内され、南イタリア名物・レモンチェッロを食前酒に頼む。
リモンチェッロは甘くて、強い(強すぎる)お酒だった。
ひと舐めでクラクラになってしまいそうだったので、諦めてビールを注文しなおす。
ありがたいことに、モツァレラとルッコラ、ペコリーノチーズのピザは最高!

おなかがすいていたのもあって、めちゃくちゃうまかった!!

サラダもシンプルでおいしいv
途中から、店の中央のスクリーンでサッカーワールドカップ、イタリアVSドイツ(準決勝?)が始まってからは、客がどんどん入ってきて、大盛り上がり。
レストランの隣の民家でも、テラスにテーブルを出して、テレビを見ながら盛り上がっている。いいなあ、こういうの!
私たちはデザート(プリンv)と食べて帰ったけど、その後イタリアが勝ったらしく、一晩中、パーティの騒音やクラクションやホーンの音でいっぱいだった。

ホテルに戻り、就寝。

二人で泊まるには、わりと素敵な部屋だと思うんだけど(広いベランダもついてるし)、

3人目のエキストラベッドはいただけなかった。
部屋に続く通路に、担架が置いてあるかんじ。

まあ今日はTちゃんの順番だからいいけど(笑)

そのTちゃん、お風呂がとてつもなく長いので辟易してしまう。
なんせ、洗顔料だけで、4種類も持って入るのだ!(なに洗ってんの?)
そして、私顔洗うだけだから最初に入るねーとバスルームを占領。
夜は1時間かけて洗顔だけ、朝は1時間半かけて髪と体を洗い、その後髪をブローしてセット…

…二度と、Tちゃんとは旅行に行かないようにしよう。

こういう人は、女同士の旅には向いてないよね。わがまま聞いてくれる彼氏と、ハワイ5日間の旅にでも行くべきだ、絶対。
はー寝よ寝よ…