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9月24日(月)

7時起床。
顔洗って(今日の肌は普通だった…残念(T_T))服を着替えて、朝食へ。
昨日よりも時間が遅いせいか、テーブルはほとんど埋まっていた。
使用済みの食器が散らばっている席を確保して、ウェイトレスに片付けてもらう。
昨日よりも時間をかけて、ブッフェを物色v
料理は、昨日よりも温かかったので、やっぱり作りおきを蒸気で温めてるんだと思う。
パンのコーナーに、ウェイターがバゲット(とカッティングボードとナイフ)を一本置いていったら、すかさず欧米人がとんできて、一本丸のまま持っていってしまったのには笑った。つーか空気よめ。

のんびりしたいけど、今日はお昼の飛行機までに北京動物園を見る予定なので、そろそろ出発しなければ。
と、レストランを出ると、そこには長蛇の列!!

どうやら、朝食をとるために並んでいるらしいんだけど、半端じゃない行列なのだ…!!
例えるなら、ディズニーランドビッグサンダーマウンテンの「ここから30分待ちでーす!」くらい!?
(30分ってたいしたことないじゃーんと思われるかもしれませんが、ここはホテルのロビー、しかも、客の回転はビッグサンダーマウンテンよりかな〜〜〜〜〜〜り遅いはず!)
しかもウェイティングスペースなどあるはずもなく、全員ロビーに立って並んでいる。

うおお、は、早くきてよかった…!!!
やっぱりこのホテル、かなりおかしいよ!
これだけの部屋数のあるホテル(建物二棟分)に、朝食用のレストランはたった一つだけ。誰がどー見ても、つりあってない。

行列する人々に心の中で合掌しつつ、部屋で荷物をまとめて、部屋の鍵を持ったまま外へ。
今チェックアウトして、フロントに荷物を預けたら?という案もあったけど、いざ帰国する段になって、フロントが混んでて荷物を出してもらえなくなる可能性が高いので却下。(どんなホテルだよ…)

ホテルを出ると、目の前が地下鉄「崇門文」駅。
動物園は北京中心部からちょっと離れるので、地球の歩き方に書いてあるとおり、迷わず地下鉄に向かおうとすると、Rちゃんから待ったがかかった。
「地下鉄で行くの!?中国の地下鉄なんて危ないよ、タクシーにしようよ!」

ええー…(T_T)
でもみんな乗ってるし、タクシーでって言ったって今通勤時間帯だからきっとすごい渋滞だし、第一、動物園すごい離れてるから、お金かかるよ〜〜〜?いいの?

…と、思ったけど、言えなかった;

その場の思いつきで言ってるだけだから「絶対、事前の情報収集をしまくった私の言うとおりにしたほうが確実なんだってば!」と主張すればすむことなんだけど…
自分のわがままを通してると思われるのがイヤで、つい相手の言うとおりにしてしまう;(でもみんなそうだよね!?)

ホテルの前に停まってたタクシーに、動物園まで乗せてってと頼んでみる。(もちろん、たまには自分で話さんかい!と思わないでもないですが)
すると、案の定というかなんというか…遠すぎる、とかなんとか言って断られてしまった。
2台目、3台目もやっぱりダメ。
「動物園行くのか。2倍出すなら行ってやる」と話しかけてきたタクシーは、Rちゃんにより却下された。
あああ、故宮博物院の悪夢、再び。

途方に暮れてホテルのドアマンに、動物園行きたいんだけど、タクシーでは行けないの?と聞いてみると、「行けるけど、今の時間は渋滞ですごく時間がかかるので、タクシーは行きたがらない。動物園に行くなら地下鉄が一番便利」とのこと。
だよねーーーーーーーーーー。私もそう思う。

気をつけてれば大丈夫だから!とRちゃんを説得し、地下鉄で行くことを了承してもらってようやく駅へ。
窓口(自販機はない)で切符を買い、山手線のような環状線に、行き先を確かめて乗る。
朝の通勤時間帯なのでコミコミだけど、東京の通勤ラッシュのようにすし詰めで体が浮くほどではない。それとも、ピークは過ぎたのかな?

それでも、動物園のある西直門駅で降りるのは苦労した。
都心から離れれば車内もすくだろうと思っていたのに、どの駅でも大量に降りて大量に乗ってくる(笑)
西直門駅のひとつ前から、体の向きを変えて準備してたおじちゃんが、ブルドーザーのように乗客を掻き分けていく後ろにぴったりくっついて、なんとか脱出。

駅を出ると、そこには普通のビルが立ち並ぶ、観光色のカケラもない町並み。
スーツを着たサラリーマンやOLが、私たちの横を足早に通り過ぎていく。
ぐるりと周りを見回してみるけど、動物園はおろか、動物園への案内標識も、全く見つけることができない。
とにかく、地図上でも実際の道路でも、目印になるような建物やお店が全くないので、方向すらわからないのだ。
ガイドブックの地図と道路標識を見比べて困っていると、三輪自転車に乗ったおばさんが声をかけてきた。

身振りで「どこへ行きたいのか」というようなことを聞くので、ガイドブックの動物園のページを見せると、うんうん、とうなずいて、自転車の後ろについた小さなリアカー(段ボール箱2個分ぐらいの大きさ)に乗るよう手招きする。
これは…親切で乗せてってくれるのか?それとも、自転車タクシーのような商売?ガイドブックには載ってなかったと思うけど…。
いくら?と聞くと、指一本を立ててみせる。
一元?それはないな…10元かな。
それでも170円。よし、乗った!

「ここから動物園まではすごーく遠いって書いてあったよ!それに迷ってたら時間がもったいないじゃん!」と、今度は少々強引にRちゃんを説得し、リアカーに押し込む。
Rちゃんはちょっとの間「え〜歩ける距離だって」と抵抗していたけど、「じゃあ帰りは歩けばいいよね」と言うと納得してくれた。
はーっ。

この自転車タクシー(?)、おばさんの乗った三輪車が、二つの車輪がついたブリキの箱をひっぱる形。
箱の上には板が渡してあり、そこに後ろ向きに腰掛けるようになっている。
おばさんは私たちの重さをものともせず、ペダルを踏んで走りだした。
後ろ向きに座っているので前が見えないし、狭いので転げ落ちそうでこわい!

でも地元の人がおかゆを食べていたり、洗濯物を干している朝の風景を眺めながら、風を感じるのはとっても気持ちがいい。
Rちゃんも、おもしろーい!とはしゃいでいた。

自転車は大きな通りを走り、生活感の漂う細い道を曲がり、工事中の道路を渡り、どんどん走っていく。
はじめのうちは、帰路のために曲がり角を数えていたRちゃんも、あまりの距離に早々に諦めて「こりゃ歩いてはこれないわ」とボソリ。
かなり走ったと思うのに、動物園はまだ見えてこない。
もしかして、おばさん、行き先を間違ってないかな?
それとも、10元じゃなくて100元の距離だった?
心配になってきたころ、おばさんが何か言って前方を指差した。
動物園だ!

おばさんは切符売り場の前で私たちを降ろし、10元を手に、笑って去っていった。
なんだかとっても申し訳ない気分になる。
おばあさんといってもいいような年齢の女性を、たった170円で働かせるなんて…
この国の物価で、これが普通ならいいんだけど。

動物園のチケット売り場で、大熊猫(ジャイアントパンダ)館も入場できるセットチケットを買う。
朝早いせいか、チケット売り場には私たちのほかに誰もお客さんがいない。
入り口を入ると、正面に北京オリンピックまであと○日、という電光掲示板が立っていた。

10年くらい前の長野オリンピックでは、長野市内のいたるところでこういうのを見かけたっけ。懐かしい…

この動物園のウリ、大熊猫ゾーンは、入り口のすぐ裏手にあった。
係員にチケットを切ってもらい、入場。
誰もいない薄暗い大熊猫館に入ると、パンダの展示室。
ガラスの向こうでは、飼育員が床に水をまいてデッキブラシでこすっている。
パンダはまだいないみたい。来るのが早すぎたかな…

展示室を出て、建物に沿ってぶらぶらあるくと、両側に笹が茂った小道があった。
奥へ歩くと、建物との間に柵で囲まれたお堀のような窪みがあり、中にちょっとした林や、タイヤで作った遊び道具などが置いてある。
ひょっとして…と覗き込むと、いた!
パンダだ〜vvv


初めて見るパンダは、一心不乱に笹を食べていた。
近づいて写真を撮っても動じず、もしゃもしゃもしゃ。
しかしそのとき、欧米人観光客の団体ががやがやとやってきて、歓声を上げ始めたので、パンダはくるりと後ろを向き、展示室に入る鉄のドアに向かって行ってしまった。
あーあ。

このあと、パンダは鉄のドアを叩いて「中に入れろ〜」と訴えてました。動物のお医者さんを思い出しました(笑)


他にもパンダがいないかと探してみたけど、このお堀(?)にいるのはこれ一頭だけみたい。
別の小さな窪みにはもう一頭、

パンダ遠景。

後姿、きゃわゆううぅい!!

緑が全くない小さな(ようやく歩けるくらいの)檻の中にもう一頭。


日によって場所を入れ替えるのかもしれないけど、この檻にずっと一日中入れられたらツライだろうなあ…
逆に、小さな森のようになったお堀にいるパンダは、ずいぶん快適そうだ。

大熊猫館をあとにして、親切な家族連れに道を教えてもらい、金絲猴(キンシコウ)館へ。
動物園は広大で、途中水鳥の暮らす大きな湖があった。

鳥なんて飛んで逃げてしまいそうなのに、不思議。
湖のほとりで地元のお年寄りが散歩したり、お喋りしたりしている。
いいなあ、私も年をとったら、こんなふうにのんびり暮らしたい…と一瞬思っては見たものの、私ならそんな時間あったらネットやってるなと思い直す(笑)

キンシコウ館は、いろんな種類の小さな猿の檻が集まった建物だった。
私たちを見ると走り回って威嚇するサルや、私たちの真似をするサルを見る。
結局、どれがキンシコウなのかよくわからず。

ゴリラに威嚇されつつ、ウマやシカのいるゾーンへ。
ここには中国でしか見られないシカがいるはずなんだけど…
日よけもなく暑いし、動物の匂いがキツイし、案内表示が全くないので、早々に諦める。
なんだか北京の観光っていうか、ただ動物園に来たってだけだな〜。
ま、動物園なんてどこもおんなじか。

出口を探して、しばしさまよう。
大きな蓮の池があったりして幻想的。


かと思うと、カラフルなトレーニング器具に地元のおばあちゃんがふぅふぅ言わされてたりして、やっぱり中国って不思議…(笑)

↑Rちゃんと地元のおばあちゃんの共演!

たくさんのトレーニングマシン(?)。どうやって使うの?

やっと出口にたどり着き、タクシーを捕まえて(乗車拒否されないか毎回ヒヤヒヤ。もうすっかりトラウマ…;)、ホテルへ戻る。
明らかに地下鉄の駅の方角もわからず、明らかに飛行機の時間が迫っていたので、Rちゃんも今回は文句を言わなかった。

まとめてあったスーツケースを運び出し、キーを返すだけのチェックアウトを終わらせ、JTBのスタッフが私たちを拾いに来るのをロビーで待つ。

約束の時間まで30分以上あるな… しかも、お財布には小額の元が余っている。
Rちゃんにスーツケースを任せ、ホテルの隣のベーカリーを見に行く。
毎日甘い匂いがしていたし、地元の人たちに人気の店っぽいから、きっとおいしいはず!

店内はすでに地元のOLっぽい女性や、主婦でにぎわっている。
プラスチックのケースの中にあるパンは、どれも同じ生地を使っているみたいで、その生地で何を包むか、何を混ぜるかで名前が違ってくるだけのよう。
日本なら、クロワッサンだとか、バゲットだとか、食パンだとか、いろんな種類があるのになー。
しばらく眺めて、人気があるのか、女性客がみんな買っていくパンを、私もトレーに乗せてレジへ向かう。

ホテルのロビーへ戻り、早速パンを一口。

ま、まず〜〜〜〜っ!!!

固!
しかも、最初から固いパン(ドイツパン)のような食感ではなく、製造日から5日くらい経ったバターロールってかんじ!!
しっとり感がなく、ぼそぼそしている。
うぐいすあんのような緑色のペーストが練りこんであるけど、これもぼそぼそ。
なんじゃこりゃあ…

どんなまずい日本のパンやだって、こんな味は出さないぞ!
それとも、これが中国人好みなのか…
3口くらい食べて、ゴミ箱にさようなら。

15分遅れで、JTBのスタッフが私たちを迎えに来た。
もうひとつ別のホテルでも客を拾って空港へ。
飛行機はやっぱり遅れた。
オリンピックが本気で心配だ…


夕方関空着。
新幹線で名古屋に帰る。
あーつかれたー。
でも楽しかった!
今回の旅行は、なんといっても万里の長城!ほんとに素晴らしかったです。
みなさんも、一生に一度はぜひ!!