おさむさん おすすめシリーズ

第七弾



放浪探偵と七つの殺人
歌野 晶午


タイトル通り、放浪探偵・信濃譲二が七つの殺人事件に挑むお話しです。
この信濃譲二って探偵さん、ちょっと変わっていてユニーク。
大学一年らしいのですが、ちょっと年はいってそう(^-^;
ロックバンドをやっていて、いつも黄色いタンクトップにビーチサンダルを履いているらしいです。
寒い時もこのスタイル(^-^;
そう言えば、小学生の頃、いましたよ〜。
冬でも半袖半ズボンで過ごしている子が。
なんであんなコトしてるんだろう?
今でもその疑問は解けずにいます(^-^;
今時もそんな子供っているのかなあ。

そんなことを思い出しながら、お話しを読み進めていきました〜。


『ドア⇔ドア』

上の記号、チョット違うんですけど、これしか出てきませんでした。
ごめんなさいm(_ _)m

信濃譲二が住んでいるアパートで起きる殺人事件のお話しです。
年末年始、論文を書く為アパートに残った大学生の山科大輔。
他の住民もそれぞれ帰省し、静かに論文に集中出来るはずが・・・

ふとしたきっかけで、人は殺意を抱くもの。
ただ、それを実行するか否かが問題。
普段から負の感情を持っている相手に対してだと、
ほんのちょっとのきっかけが、人生を狂わすことにもなる。
踏みとどまれるかどうかは、紙一重な気もします。

今回のこの犯人、犯行を隠す為に頑張ります(^-^;
アパートの作りにも助けられ、彼の偽装工作は成功したかに見えたのですが・・・
その偽装工作の課程も読んでいてハラハラして面白いです。
これもまた読みどころだと思います。
でも結局悪さを隠そうとしても、そう簡単には上手くいかないよってことですね(^-^;
その偽装工作を見破る鍵はどこにあるのでしょうか(^^)


『幽霊病棟』

このお話はある廃墟と化した病院が舞台です。
殺人を犯した犯人が、死体を隠す為に廃墟にやってきます。
その後、信濃譲二を含めた3人の大学生が、あるウワサの真偽を
確かめる為に、同じ廃墟にやってきます。
死体を発見してしまった信濃探偵。
ウワサの検証が犯人を思わぬ形で追いつめることに・・・

にしても、これってありがち〜と思いました(^-^;
そんな所ってあるよねって、皆さんも思うはず。
何が?それは読んでのお楽しみ〜。
でも幽霊ちょっと怖かった(><)


『烏勧請(からすかんじょう)』

巷でいうところの『ゴミ屋敷』。
今回はこの『ゴミ屋敷』が事件の舞台となります。
なぜその家が『ゴミ屋敷』と化したのか。
それが話のポイントかもしれないです。

一時期テレビでも『ゴミ屋敷』が話題?になってましたね(^-^;
とある番組ではそれを片づけるなんて企画もあったり。
ここしばらく『ゴミ屋敷』の話題を聞かないような気がします。
でもまだまだ存在しているんでしょうね〜(^-^;
ゴミを集めて積み上げてしまう人たち。
皆寂しいんですよね。
だからって何故ゴミ?っていうのは解りませんケド・・・
今読んでる本もそうなんですが、『孤独』って怖いです。
どうしようもない、行き場のない気持ちにバランスをとるために、
そんな行動に走っちゃうんでしょうね。
悲しいことです。

あ。あまり本に関係なかったかも(^-^;


『有罪としての不在』

今回の舞台は大学の寮。
その一室で殺人事件が起こります。
状況的に内部の人間の犯行らしい・・・
でもその時間寮にいた全員にアリバイがあった。

このお話は『読者への挑戦』になっています。
一生懸命考えてみたのですが・・・
う〜〜〜ん、見事正解vとはいきませんでした(><)
だって・・・一言言いたい。
そんなのあり??
思わずそうつぶやいてしまいました(^-^;
事件は単純じゃ〜ないんだね。


『水難の夜』

あるマンションの一室で女性が殺された。
傍には男性が倒れており、犯人に襲われたらしい。
事件を発見したのは、宅配ピザの配達員。
偶然にもそのマンションの管理人をやっていた信濃探偵が捜査に加わり、
事件解決に挑みます。

タイトル通り、正に『水難』。
あ〜そういうことかあ〜〜〜って思いました。
やっぱり完全犯罪って難しいんですね。
犯人にとってはこれで完璧!と思っても、
どこかにほころびってあるモノなんですね〜。
でも殺された女性もねえ、あまり同情出来なかったり(^-^;
現実にもなきにしもあらず的な事件です。
人を故意に不幸にすると、必ず報いは受けるものなのです。


『W=mgh』

タイトルみて思ったこと。
なんのこっちゃ?
私物理苦手なので(^-^;・・・ってこれ物理ですよね?
読んでいけば解ると言うことで〜。

あるお寺の墓地で、女性の死体が発見されます。
死亡推定時刻は午後3時から5時の間。
でもその日の夜、生きている女性を見かけたという人物が・・・
この矛盾に信濃探偵が挑みます。

にしても信濃探偵、いろんなところでアルバイトしてるんですね〜。
でもってどこでも黄色いタンクトップとビーチサンダル(^-^;
それがスタイルなんだと言われれば、それまでだけど〜。
今回は出版社でアルバイト中に事件に遭遇。
謎解きにこの物理だかなんだかの公式?が絡んでくるワケなのです。

でもさ、実際無理があるよなあと思いました。
だって、そううまく行くかなあっていうのと、
見つかるでしょ、そこの時点で!!っていうのがあって(^-^;
でも必ずしも不可能ではないっていうことなんだろうなあ。
にしても、アレを目撃したらちょっと怖いかも(><)


『阿闍梨天空死譚(あじゃりてんくうしたん)』

舞台はある宗教団体の『降臨祭』が行われる場所。
なんともいかがわしい宗教団体が行う、これまたうさんくさい儀式(^-^;
その儀式が終わって暫く立った頃、敷地内に立つ塔で磔にされた死体が見つかる。
その儀式にも参加?していた信濃探偵。
迷宮入りになったこの事件を解決出来るのでしょうか。

このお話はちょっとね・・・
なんて酷いコトするんだろう!!って思いました。
人間のエゴっていうのは醜いモノですね。
宗教って人の心を救うモノでしょう。
それを隠れ蓑に、悪いことばっかりやっているのは許せませんよね。
世の中からそんなことがなくなればいいのになあ。



感想なのかなんなのか・・・な文章になっちゃいました(^-^;
短編集ってこともあって、読みやすかったです。
内容もそれぞれ楽しめたし、何より
ちょっと変わり種の探偵さんも面白かった♪
でも探偵さんはやっぱりスマートでこざっぱりな感じの人が良いなあとは
超個人的意見です(笑)

歌野先生の本は初めてだったので、これを機に他の作品にも挑戦してみようと思います(^^)