華氏911



ネタバレがあります。
ご注意ください。





観てきました。
話題の『華氏911』

イラク戦争。
同時多発テロ。
これらはアメリカが世界から注目された出来事。

ブッシュ大統領の政権を支える人たち。
上院・下院議員たち。
この出来事が起きたとき、彼らの脳裏には
どんな想いが渦巻いていたのだろうか・・・

ブッシュ大統領を取り巻く、ある一族の存在。
ブッシュ大統領はいったい誰のために、誰のことを想い、
どこに向かって進もうとしているのだろうか。

同時多発テロで犠牲になった多くの人たち。
イラク戦争で犠牲になった多くの人たち。
皆、それぞれに自分の人生を精一杯生きていた。
愛する人たちとのささやかな幸せに感謝しながら・・・

イラク戦争は本当に必要なものだったのだろうか。
戦争を望んでいた人とは誰なのだろう。
イラクに赴いた多くの若者たち?
兵士たちを見送る家族?
なんの罪もないのに、傷つけられたイラクの人たち?
彼らが望んでいたものは、本当の意味の『平和』だったはず。

戦争をしたがる人たちは、いつも安全な場所にいる。
命が尽きてしまうかもしれない場所で必死に戦うのは、
いつもそんなこと望んでいない人たちばかり。
映画の中で語られていたことだけれど、
裕福な人たちは戦争には行かない。
彼らの平和を守って戦うのは、いつも底辺の人たち・・・
アメリカの議員の中で、子供が軍に入っている人は、たった一人なんだそう。
解りやすすぎる・・・
そう、誰だって自分の家族を、あんな危険な地へ行かせたくはないのだ。
でも他人が行くのは別らしい。
どんなに沢山の命が奪われようと、平気な顔をしているのだから。
それはわが国の首相にも言えることなのかもしれない・・・

いえ、本当はこの人たちも心を痛めているのかもしれない・・・
でも、もしそれが本当の気持ちなら、こんな悲惨なことが長く続くはずがない・・・

教育を受けさせたいために、わが子に入隊を勧め続ける母がいた。
イラクで戦うわが子を誇りに思っているという。
国のために精一杯頑張っている姿を、応援し続けている一人の母。

イラクに派兵されることになり、恐怖に泣いていた息子を励まし、送り出した母がいた。
家族からの手紙を励みに、精一杯戦った息子は、イラクで戦死した。
ホワイトハウスの前に立った母は、泣きながらこう言った。
『ようやく見つけた。
私の悲しみと怒りをぶつけられる場所を・・・』

ブッシュは言った。
『イラク人は占領されるのが嫌なんだよ。
だから抵抗しているんだ。
気持ちは、わかるよ』

自由にしてあげたのに・・・と思っているらしいです。
『自由の国・アメリカ』
そのアメリカの誇る『自由』とは、いったいどんなものなのでしょうか・・・


本当は感想なんて書けない・・・と思っていたのですが、
結構書いちゃいました。
戦争のことばっかりになっちゃいましたが(^-^;
私はこの映画がこんなに心を揺さぶるものだとは思っていませんでした。
映画を観て・・・テレビ番組や本を読んで・・・
こんなに号泣したことはありませんでした。
映画が終わってからも、涙は止まらず、立ち上がることも出来ませんでした。
戦争は憎しみしか生みません。
傷つけられた人たちの心を救えるものは、何なのでしょうか。