2014年
1月1日(水)めでたいわけがないちんげーる

 あんな法が成立してしまい、もはやめでたいことなど何もありません。



1月2日(木)へーそうだったんだ

 本屋さんに行くと、「哲学は人生論でなければならない」などと帯に書かれた本が平積みになっていました。そうだったのか。共通教育の哲学基礎Aの一番最初の授業で言うことは、「哲学は人生論なんかじゃない」ってことです。自分の人生をどう生きるかについて、哲学研究者ごときに決められてどうするんですか、と言うのですが、ひょっとして決めてほしい人がたくさんいて、そういうことを臆面もなくべらべらだらだらと言っちゃう哲学もどきが流行っているのでしょうか。流行っているのでしょう。まったく嘆かわしい限りです。



1月3日(金)相変わらず・・・

 その隣には、いわゆるニュー・アカの旗手と言われた人の推薦文がつけられたこれまたいっちゃってる本がありました。この旗手は、反原発デモに行くかつての盟友のことを「あの人も懲りないから・・・」と言うわけですが、自分だって、ろくでもない本だとわかりつつ、かつて『○○的、××的』とかなんとか言う本を褒めたように、またしてもろくでもない本だとわかりつつシニカルに褒めてみせるわけで、やっぱり懲りないわけです。同じ懲りないなら、かつての盟友の方がはるかにまともで正しいと思います。



1月4日(土)『ベロニカは死ぬことにきめた』

 真木よう子がエロいからレンタルしただけなのに、そのシーンにたどりつくまで、劇団四季や北の国からのくさくさ演技をともなったくだらん説教を聞かされ、しかもその肝心のシーンも、ゲージュツやらアートやらを意識しているのか、ぴくっともしない代物。その結末だけはやめようね、って思っていた通りのつまらん結末で、ただただ「お前がスケベ根性で観ようとするから悪いんだ」というメッセージしか理解できませんでした。はいはい、同じ日なんてけっしてないから、前向きに生きちゃってください。



1月5日(日)終了

 もう冬休みが終わってしまいました。明日から授業が始まります。いらぬことを書くと、何も知らないしったかたちに「たっぷり休んでおきながら・・・」とかなんとか言われるので、やめておきます。ぼけが。



1月6日(月)しかもトワって・・・

 なんと、あのちょーすんばらしい映画のタイトルは『・・・きめた』ではなく『・・・した』でした。こんなのはしかし些細な間違いです。問題なのは、ベロニカなんて名前のやつはだれ一人登場しないってことです。でも、桐島的な意味でも、ゴドー的な意味でもなく、たんに出てこないだけです。そして死にかけたのは、共同体の押しつける善構想がうざいからではなく、共同体の押しつける善構想に気がつかなかったから・・・。まったく、わらかすまらかすますから。



1月7日(火)ヤパーナー

 帰宅途中、大きな声でドイツ語を話す2人組に遭遇しました。ヤパーナーがどうのこうの、と言って大笑いしています。どうのこうののところは聞き取れなかったのですが、まあ、大笑いする内容だったのでしょう。ドイツで、育ちすぎた人たちが近くにいるときに、「ふとっちょ」とか「ぶーちゃん」とか「でぶ」とか言っても、怖くないのと同じでしょうか。



1月8日(水)わんの方が怖い

 強盗および集団強姦の容疑者が逃走して、例によって善良な市民たちが口々に「怖い」「怖い」と言っています。しかしこれを口実にわんたちがうようよそこらじゅうにいることの方が、よほど怖くないのでしょうか。逃走者を見つけるまでに行われる数々の不法の方が、はるかに恐ろしくないのでしょうか。そして確保された後の「柔道」を思うと、ちびりそうにならないのでしょうか。



1月9日(木)惜しいか???

 「歯に衣着せない人だった」とか「本音を言う人だった」とかと、故人をもちあげる言い方があります。しかし、歯に衣着せなかったり本音を言ったりすると、差別主義的で歴史修正主義的で好戦的なのであれば、歯に衣着せたり本音を言わない方が、はるかによかったのに、と思います。もっとも、こういう方の語る建前はどうせ第2の本音みたいなもので、ろくでもないことに決まっています。そもそも歯に着せる衣ももってないし、建前も理解できないのです。



1月10日(金)『生徒会役員共』

 第2期が始まっていて、なんと、みなさまのサンテレビが放映しています。なのに、昨年秋からあれが巨大ラジオと化してしまい、もはや映像を観ることができません。とほほ…、と思っていましたが、つべで昔のを流してくれている奇特な方がいらっしゃって、スペイン語字幕のついたものとかを観ています。わはは。



1月11日(土)進歩しない

 学部時代の同窓会がありました。ううう、またしても、しかも複数の方から言われてしまいました。バカとは口きかない人に見えていた、と。今もそう見えるらしいので、何の進歩もしていないようです。小学校の忘年会では不健康ネタが多かったのですが、今回は、借金ネタとか養育費ネタとかが面白かったです。その額の半端のなさと言ったら・・・。



1月12日(日)その扱いはないんじゃね?

 政界を引退してろくろを回していたお殿様が、都知事選に出るとか出ないとかで、他の候補者がついでに言及されていました。なんとかさんは単独で紹介されていましたが、色物の発明家とか軍人とかは十把一絡げの扱いで、それはまあそうなんでしょうけど、いくらなんでももっともまともな弁護士までもがそこに含められているのはどうなんだ、って思いました。



1月13日(月)なんとぉぉぉ

 世論調査によれば、フランス大統領の密会は、大統領のまったく私的な事柄であって政治には何の関係もない、と考えるフランス国民は80パーセント近くだそうです。ちょっとびっくりです。どうして100パーセントじゃないんでしょうか。フランスにさえ、公私の区別がつけられない人が20パーセント以上もいるなんて、やはり驚くべきことでしょう。びっつら。



1月14日(火)そのくらい知ってるはず

 同窓会の折に、「卒業後に何も残らないから、自分の子供には文学部は勧めなかった」とおっしゃる方がいました。まあ、たしかに財産を残す方法とかは、まったく学べませんよねー。「就職のサポートをしない大学の文学部は詐欺だ」とおっしゃる方もいました。しかしそれって詐欺ですかねぇ。高級レストランへやってきて、カップラが食べられないと言ってるアホが悪いんじゃないの、って思いましたが、まあ、めんどくさいので何も言いませんでした。ああ、こういうところがあれなんですね。



1月15日(水)まねできません

 フツーの歯医者へ行きました。歯を磨いていただき、歯石をとっていただくのですが、朝っぱらから人の歯を磨かなきゃならないなんて、なんて気の毒な、と思いました。まあ、いつなら気の毒じゃないかって言えば、いつだって気の毒なんですが・・・。しかし、朝眠たいのに無理やり起きて、「今日も人の歯を磨くんだ」と思った瞬間に、いろんなことが嫌にならないものかと思うわけです。難しいのは、じゃあ、「今日も人の歯を磨くんだ」と思った瞬間に、るんるん気分になっちゃったりしたら、それはそれでよいのか、ってところです。



1月16日(木)だしょ???

 査読の時期になりました。人の文を読んでいると、だんだん、その文を理解できない自分の方に問題があるんじゃないかと、疑わしくなってきます。基本的には、一読して意味のわからない文はダメな文だと思っていますが、しかし一読しても意味がわからないのは自分に読解力がないからで・・・、と思い始めると、もう危険です。そんなに数多くの文が熟読玩味に値するわけがないのに、一文一文熟読玩味してしまいます。「好意の原理」をフル活用して、なんとなくわかるようになってきてしまいます。しかしやっぱり、そういう文はダメな文でしょう。でしょ?



1月17日(金)理解不能

 朝5時過ぎに、高級マンションの前の道を消防車が何台もサイレンを鳴らしながら走って行きました。目が覚めてしまったので仕方ないので走ることにしました。外気の入る浴室が、なんだか何かが燃えたような臭いで、玄関を開けると同じ臭いが立ち込めていました。走り始めると、坂の上の方で消化活動が行われているのが見えました。煙の出ている家の前を一瞬通り過ぎましたが、熱心に、画像やら動画やらを撮っている方たちがいらっしゃいました。この人たちはいったい何なんでしょうか。あんなものを撮って、だれかに見せちゃうんでしょうか。そんなことをしたら軽蔑されるだけだとか思わないんでしょうかねぇ。ひょっとして羨ましく思われたりするんでしょうか。お前、ええもん見たなぁ、とか。まったく理解不能です。



1月18日(土)やはりわからない
 
 ひょっとして、人に見せるのではなく、一日の終わりに、今日の自分の行動を確認するために撮っておいたのでしょうか。それならある意味では、まあ、品性下劣じゃないかもしれません。しかしこの場合は、別の問題があるような気がします。



1月19日(日)『ローズ家の戦争』

 むかし観たときは、単純に、行為がエスカレートしていくところが面白いだけだったのですが・・・。なんだか悲しくなりました。ところで、煙草を吸ったことも、したがって禁煙したこともないので、なぜあれが禁煙を止める原因になるのか、まったく想像がつきません。



1月20日(月)市長ばんばれ

 原発の是非は東京都民が決めることではなく、基地移転は名護市民が決めることではない、と。政府の方針に逆らうのは、たんなる地域エゴだ、と。そして、政府の見解には民意が反映されている、と。つねにこういうやり方が行われてきたことを、なぜ忘れてしまうのだろう。やっぱ線香の力か。



1月21日(火)『シーラ号の謎』

 とんでもなくむかしに、『日曜洋画劇場』で観て、とんでもなく面白かったような記憶があったので、レンタルしました。やっぱり面白かったです。最初の頃の『刑事コロンボ』を髣髴とさせるところがありますが、なんと脚本のひとりがアンソニー・パーキンスなんです。初めて観たときは幼すぎて、「幼女なんとか」は隠すべきことなのだと、この映画を通じて学んだことを覚えています。ともかく、ミステリファンなら必見でしょう。



1月22日(水)サメの脳みそにしては・・・

 人間なのに「サメの脳みそをもつ」とかつて言われたことのある人物が、「原発ゼロなら五輪返上」とおっしゃったそうで、おぉ、サメの脳みそなのに立派なことを、と思いました。これぞ一挙両得、二兎追う者が二兎を得てしまうという素晴らしい出来事です。ぜひ実現してほしい。



1月23日(木)買いかぶり

 駐独大使ともなれば少しは頭が良いものかと思っていましたが、完全に偏見でした。フランクフルター・アルゲマイネで、靖国参拝を擁護しちゃうんですからね。過去についてドイツのような反省ができていないという批判に対して、周辺諸国が和解しようとしないからだと言っちゃうわけです。人の家に行ってさんざん大暴れしておいて、大暴れされた側が和解しようとしないのが悪いんだと言うんですよ。ホント、バカでしょ。



1月24日(金)偏見でした

 そして参拝したその方は、「靖国にはヒーローはいない」とおっしゃったそうですね。その通りです。いるのは戦犯ですから。そりゃヒーローじゃないです。よくご存じなんですね。いやもう、そんなこともご存じないのかと思っていました。またしても、偏見でした。



1月25日(土)猛省

 みなさんにとっては今更かも知れませんが、本人は知らなかったので、やはり衝撃でした。どうも私は行為が子供じみているそうです。正確に言うと、だれか特定の人に対してだけでなく、だれに対しても普遍主義的に子供じみているそうです。子供じみていることは、いわば、私の行為の超越論的制約のようです。知りませんでした。これまで私の子供じみた行為によって不快な思いをなさったみなさんに、衷心よりお詫び申し上げます。なによりガキんちょは許しがたい存在なので、悔い改めたいと思います。



1月27日(月)落書きすんなって

 今日はテストでした。かつて私立大学で働いていた頃は、解答用紙の欄外に「単位ください」とか「一生がかかっています」とか落書きがあるのを何度か目にしないこともなかったわけではないのですが、今の職場にきて、さすがにそういうことはなくなっていました。しかし今年度は2度、そういうのを見ました。言うまでもなく、こんなことが書いてあっても、60点なければ落ちます。困るのは、60点あるのにこういうことが書かれている場合です。60点あるのですから、通さないといけないのですが、しかし落書きしたアホは、単位が認定されていたら、「単位ください」って書いたからだ、って思うかもしれません。あの教師はそういうことがわかる人なんだと完全な誤解をするかもしれません。卒業予定者だったりしたら、完全な誤解を訂正されることなく、卒業してしまうかもしれません。アホなことを書いたから、落とされたんだって誤解してくれるのは、まだよいのですが・・・。そんなわけで、困るのです。



1月28日(火)なんつーか

 上のようなことを書いてしまう人と書かない人との差異はどこにあるのでしょう。書かない人は、たんに、こいつに対してそんなことを書いても通用しないと諦めているだけなんでしょうか。まあ、そうかもしれません。しかしひょっとすると、善に対して正を優先させているのかもしれません。幸福などよりも大切なものがあると考えているのかもしれない、というわけです。書く人は、幸福がすべて、って人なんでしょうか。もしそうだとすると、なんつーか、サイテーですね。



1月29日(水)講演会

 人権問題に関する講演会というのが開かれ、諸般の事情により、行ってきました。各部局5名出せと言われているけれど、こういう催し物への参加を強制することは人権問題なので、喜んで行っていただける方のみ、ご参加くださいと、教授会でアナウンスしたら、文学研究科からの参加者はおひとりさまでした。わはは。実例を挙げながらのお話は、言うまでもなく、消防関係の方のだべりなんかよりもはるかに洗練されていて面白かったのですが、まあ、わざわざ吹田まで聞きに行きますか、ってところではありました。



1月30日(木)やっぱダメか・・・

 昨日の講演会は、これこれはセクハラでしょうか、セクハラじゃないでしょうか、というような問題を出して、聴衆に考えさせる、という手法で盛り上がったのでした。ある大学でプロのモデルを目指すサークルが作られて、そのサークルの扉に「ブスお断り」と張り紙がされたことがあったけど、それはセクハラでしょうか、とか、ではその張り紙をやめて「美人歓迎」にしたらオッケーでしょうか、などなど。そもそもモデルなんて存在自体がセクハラだって視点は、しかしまったくありませんでした。現にモデルは存在しているのに、そんなふうに考えるのはまったく現実的ではない、と言われてしまうのかもしれません。だから哲学はダメなんだってつけ足されるかも知れませんが、しかしそういう視点ってやっぱ重要でしょ? でもないのか・・・。



2月1日(土)アツくねーし

 もう昨年のことですが、アツい教師が学生とフランクに話すなんちゃらなんちゃらとかいうイヴェントに出演依頼をされたことがありました。へー、フランクに話していいんだな、と思いましたが、ひょっとしたらフランクの意味が取り違えられていて、たんに言いたいことをだらだらべらべらと人の言うこともきかずに垂れ流す会かもしれないと思い、「そういう集団的モノローグなら、嫌悪の対象なので出席はお断りしますが、そうじゃないのなら、もちろん喜んでお引き受けします」と答えました。すると、どういう返答があったかと言うと…。返答がありませんでした。一切。その態度がまさしくモノローグ的なのですが、まあ、そういう意味じゃ首尾一貫しているのでしょう。しかしこんなことをわざわざ頼んでくるくらいなら、相手がどんなやつか、ちゃんと調査くらいしたらどうなんですかね。



2月2日(日)反動的ですんません

 こんなアホな出来事を思い出してしまったのは、なんちゃらなんちゃらという大学生協の情報誌の表紙になんちゃら革命の面々が掲載されているみたいなのをちら見したからです。相手のことも調べずにフランクに話そうとしていた方は、その革命の担い手のひとりだったので(みずから氏名と所属とそのことを書いていました)、ひょっとしたらその表紙にご尊顔が写っているかもしれないじゃないですか、というわけです。みなさん楽しげに笑っていたように思いますが、その中にはモノローグ的な笑顔の方もいるという話です。



2月3日(月)謎解き

 公約を掲げて当選したけど、公約を実現できそうにないことがわかり、信を問う。信を問うたら、やっぱり支持された。だけど、やっぱりやっぱり公約を実現できそうにない。つまり、支持されているのは政策じゃなくて、あなたご自身なんですよ。あなたが人として魅力的だから選ばれるだけのことです。けっして政治的信条が支持されているわけじゃありません。だって、大阪ですよ、ここは。



2月4日(火)誤解なきよう

 まさかとは思いますが、念のために書いておきますと、私にはあの方の魅力がわかるほどの美的センスが著しく欠けています。投票しちゃう方がいらっしゃるので、きっとそういう方たちは魅力を感じているのだろうと、愚考したまでです。ひょっとしたら、歴史修正主義についても共鳴なさっているのかもしれません。あっ、スッチーのコスプレもでしょうか。



2月5日(水)あれまっ

 フィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなりました。てっきり心臓病とかかと思ったら、薬物の過剰摂取だそうです。ドーナツとか食べ過ぎちゃう感じの人だと思っていたのですが、さすがですねー。あんなふうに見えて、ちゃんとドラッグやってたんですから。しかもやりすぎって。いろんな意味で褒めちゃいけないんでしょうけど、しかしだれもハリウッドの俳優にフツーの市民の生活なんて求めていないわけで、そういう意味ではすんばらしい。



2月6日(木)ふーん

 そしてウディ・アレンは、22年前の性的虐待に関してニュースになっています。被害者は、アレンがアカデミー賞候補になって、今後賞賛されるのを考えると、我慢できなくなったのだそうです。虐待されていたときに、おもちゃの電車がレールの上を走るのを見ていたため、いまでもおもちゃの電車を見ることができないらしく、そりゃー大変ですね。おもちゃの電車を見ることができないんですよ、なんといっても。世の中にこれほどつらいことがあるでしょうか。じゃあ、アレンを賞賛する連中は、賞賛の後にことごとく、「でもおもちゃの電車で遊ばせながら性的虐待したんだよね。そのせいで、彼女はおもちゃの電車を目にできないんだよ!」ってつけ加えることにしたらどうでしょうか。



2月7日(金)あるゲーニン

 あるテレビ番組がどうこうと問題になっていて、資本主義的スポンサーが全部降りたとかなんとか言われているようです。このことに関して確実に言えるのは、どこで笑えばよいのかまったくわからない猿に似たあるゲーニンが、この番組を終わらせるようなことがあればテレビの未来はないとか言ってるそうですが、そんなやつが出ている時点でテレビの未来はない、ってことでしょう。



2月8日(土)99の次は下町

 さらに、基本的にいじめを笑いのネタにしている人たちの年末の番組も、槍玉にあがっています。問題となっている具体的なシーンが紹介されていましたが、それはもう、バカバカしい、ではなく、たんにバカなだけです。放送に値するかどうかなんて問題じゃなくて、そんなことをする者からは選挙権をはく奪するか、あるいは逆に、もう何をしても許すか、どっちかってレヴェルです。



2月9日(日)寛大なみなさんについて

 都知事選はとんでもなく投票率が低いそうですが、みなさんどうして投票しないんでしょうかねぇ。だれがなっても同じ、なんてわけがないですよ。ひょっとして都民のみなさんは寛大な心根の持ち主ばかりで、なにがあろうとすべてを受け容れる人たちなんでしょうか。えらいなぁ。こんなことを、大阪に住んでるやつには言われたくないかもしれませんね。しかしじゃあ、どこに住んでる人なら言えるのでしょう。



2月10日(月)たまにはいいこと言います

 首都は世界で一番安全な場所を目指すそうですから、そういう安全なところに原発を作ったらいかがでしょう。はやりの地産地消にも合致していますし。もちろん放射性廃棄物もそこに貯蔵しましょう。なにしろ、世界で一番安全なんですから。それでもテロとかが不安なら、沖縄の米軍をすべて首都に移しましょう。もう、これで何の問題もありません。都民のみなさんは寛大だし。



2月11日(火)休日出勤

 今日はイデオロギー的に休みの日にしたくないと思っていたので、ふらふらと休日出勤してしまいました。けっして、休みの日になってもすることがなくて時間を持て余してしまうというわけではありません。すべては思想の問題です。そんなわけで、予想以上に仕事がはかどってしまいました。恐るべし、イデオロギー。



2月12日(水)『ふがいない僕は・・・』

 たしかにふがいないです。しかし、中途半端なルサンチマンから見てふがいないのでも、大人に支えられて生きているところがふがいないのでもないです。そうじゃなくて、ある経験を通じて共同体の善構想をあっさりと受入れてしまうところがふがいないのです。最初は面白かったのに、だんだんいや〜な方向に話が進み、やっぱりという「いい結末」そのものがふがいなさの正体なのです。藤真利子(実は、原田美枝子でした!)の隣にいたやつこそが、倒すべき敵だと言うのに・・・。



2月13日(木)『アニマル・キングダム』

 上のふがいない善構想の押しつけに比べ、なんなんでしょうか、この映画は。共同体の善構想なんてろくでもないし、そもそも共同体そのものがろくでもないことを明確に示しています。承認したりされたりするのが大好きな共同体主義者には、絶対に理解できない映画だと思います。



2月14日(金)ある逆転について

 ベルギーで、未成年者に対するいわゆる安楽死が法的に認められることになりました。法案に賛成したのは、リベラルと社会党と緑の党、反対したのは保守系の政党と極右政党です。このあたりの逆転現象は、やはり、あっちは近代的主体が確立されていることになっている共同体だけど、こっちは永遠にパターナリズムが支配する共同体である、という違いからくるのでしょうか。



2月15日(土)未成年とはだれか

 上の法案に対する反対者のなかには、子どもの決断がときによって揺らぎ、「もういいや」と思ったり、「まだまだ」と思ったりすると言う人がいますが、そんなことは大人にだってあることですから、反対の論拠にはなりえないだろうと思います。ただ、原理的な問題として、自分が死を望んでいるかどうかを決定できる未成年じゃなければ、この法は適用されないのですが、しかしそんなことを決定できるのになぜ未成年と呼ばれるのか、よくわからない、ということがあります。



2月16日(日)自殺は法制化されるか

 今後、世界中で高齢者が増え、しかし国家が年金は支払えないとなると、自殺を法制化しようという話になるのではないかと思います。そうなると、保守派は賛成するでしょうけど、左翼はどうするのでしょう。もちろん、貧困ゆえの自殺を認めるわけにはいかないでしょうけど、しかしどうしても貧困を解消できないとすると、それでも悲惨な生活を生き続けよと言うのでしょうか。



2月17日(月)欺瞞的な言い回し

 自殺のことを自死と言い換える人たちがいて、非常に欺瞞的というか、なんちゃってヒューマニズムというか、ともかく気に入らないです。このように言い換える人たちは、結局、自分で自分を殺すことはよくないことだと考えているのでしょう。そう考えているから、「殺す」という表現を避けようとするのでしょう。しかし、もしそう考えているのなら、よくないことをした人たちのことを、よくないことをしたんだということが含意されるように「殺す」を使って表現すべきではないでしょうか。私は、自分で自分を殺すことがつねに正しくないというわけではないと思っていますから、「自殺」という表現を用いても、それを実行した人のことを貶めることになるとはまったく思いません。



2月18日(火)『フィクサー』

 面白いことは面白かったのですが、やはりこういう描き方は、典型的なミソジニーではないのかと思います。そしてこの役でアカデミー助演女優賞が授与されるという点に、ハリウッドのミソジニー体質が現れているのではないでしょうか。主演は社会派の人だし、ゲイの権利を支持するまともな人なんですが、しかしまあ、そのこととミソジニーは論理的に矛盾するわけではないという残念なお話なのでしょう。



2月19日(水)『トランス』

 話は面白かったのですが、しかしこの手の変態がむかしから理解できません。こういう性癖はいったいどこからくるのでしょうか。ひょっとしてペドなのか、それとも大人だからこそよいのか。ご存知の方は、こっそり教えてください。内緒にしておきます。



2月20日(木)実態ってなんですか?

 実際に一緒に生活せず、結婚の実態がないと、偽装結婚と言われるようですが、これって、そんなに簡単な話なんでしょうか。ずっと離れて暮らしているカップルは、婚姻届を出しても偽装結婚なんでしょうか。必ずしもそうではないと言うのなら、じゃあ結婚の「実態」がいったいどのような内容をもつのか、説明してもらわないといけません。まさか、「愛」があるかどうかとか、バカなアイドルくらいしか口にしないようなものが切り札になるんじゃないでしょうね。婚姻届を出せば、婚姻関係は成立しているのであって、そこに余計なものを読み込むのは勝手でしょうけど、そんなものに何の意味もないことは自明でしょう。



2月21日(金)ちょっとびっくり

 噂には聞いていましたが、東京にはまだまだ雪が残っていて、ちょっとびっくりしました。心のふるさと八王子は、積雪60センチだったそうですから、もっとたくさん残っているのではないでしょうか。大阪は、雪にさえ嫌われたからなのか、あるいは、「民意」という名の強権が発動されたせいなのか、こんな雪の塊を見ることはもはやありません。



2月22日(土)世田谷代田

 ある会議があるので小田急に乗っていたら、世田谷代田という駅がありました。到着前に、「せたがやだいた、せたがやだいた」というアナウンスがあるのですが、なんだかそんなことを報告しなくても、という感じに聞こえます。しかも内容的には一人称なのに、それを三人称的な口調で言うので、ますます笑えてきます。抱いたのは、隣の大田か、川向こうの川崎か、あるいはひょっとして渋谷か、などと妄想が止まりません。



2月24日(月)よかったね

 震災2ヶ月後くらいに、ある社会学者がいわゆる「災害ユートピア」に言及しつつ、書いていました。その地で行われたことは、「民主主義と市民社会の成熟の証だと思えばよい」そうです。社会学者は単純でいいなぁ、なんて言いたいのではありません。ただ、日ごろからあれほど実証主義を信奉なさっているわりには何の根拠も示さず「思えばよい」ですか、と思わずにはいられないだけです。最後は、「希望を持ってよい」と、希望をもつことについて許可まで与えてくださるわけですが、社会学者っていつからそんなに偉くなったんですかね。こういうことを無根拠に許可してくれるのは聖職者だと思っていましたが、社会学者も聖職者も変わらないという実証なんでしょうか。



2月25日(火)あなた(たち)のことです

 今日は前期日程入試でした。詳細なマニュアルを用意していただいているので、よほどのことでもないかぎり、新聞沙汰になるようなことはやらかさないですみます。にもかかわらず、こういうのに絶対あたらない人っているんですよね〜。そういう人ってどうなんでしょうか。やっぱ、あてられなくて「ラッキー」とかって思うんでしょうか。でも、わざと外されちゃってたりするかもしれないのにですよ。それならそれでますます「ラッキー」って思える人は、まあ、いわば才能ですね。まったく羨ましくない才能ですけど。理性的存在者なら、まぬけを誇りにしちゃいけません。



2月26日(水)フランクフルト

 昨日は8時間くらい立ちっぱなしでしたが、今日は12時間くらい座りっぱなしでした。フランクフルトは、思ったほど寒くなく、これなら東京の方がよっぽど寒いです。ひょっとしたら、ファシズムの街大阪の方が寒いかも・・・。まあ、そこは別の意味で寒いわけで・・・。



2月27日(木)『真夏の方程式』

 たぶん、することもないどうしようもない状況じゃなければ見なかったと思います。東野圭吾は、いまみたいに有名になる前には、よく読んでいました。『仮面山荘殺人事件』とかは、プロットが面白いだけじゃなくて、それを表現することが非常に難しいにもかかわらず、見事に文章化されていて、「うまいなぁ」と思ったものでした。これもひょっとすると原作はここまでひどくないのかもしれません。あるいは、飛行機で流すやつは元の映画を編集しているから、元の映画はもう少しましなのかもしれません。途中で『砂の器』?と思わせるシーンがあったり、最後の子どもに対するメッセージなんかは、睡眠導入剤でした。



2月28日(金)『ゼロ・グラビティ』

 これもたぶん、することもないどうしようもない状況じゃなければ見なかったと思います。なんというか、「はぁ、ご苦労さま」って感じです。相変わらず、無茶なことをするのはソユーズ関係者なんですねー。そして、くじけなければなんでも実現できちゃうという、迷惑きわまりないポジティヴ思想。そりゃ、流行るはずです。



3月1日(土)偏屈じいさん

 昨日、哲学フォーラムを主宰するケーラー氏と会いました。共同研究するドイツ人に、ケーラー氏と会う予定だと言ったら、「ふ〜ん」という感じだった理由が、会ってすぐにわかりました。ちょー偏屈じいさんです。顔を合わせてこちらの名前を言ったら「そうだと思った」とか言うし、「会談していただきどうもありがとうございます」と言ったら「まだしてないよ」とか言うし…。質疑応答やらを通じて、考えていることが明確になったのは、収穫でした。帰り道で、それにしてもあれほどぶっきらぼうなのはどうよ、と思いつつ、はたと「明日はわが身か」と思い、「いや、すでにわが身か」と気がつきました。わはは。



3月3日(月)なんとぉ

 非常勤をしていた頃の知り合いでフランクフルトの日本学の教授になっているキンスキーさんと会いました。16年ぶりでしたが、最後に会ったときに北村薫の『スキップ』について話をしたことを覚えている、とおっしゃっていました。たしかに、かなり辛辣な批評をうかがったのでした。ドイツは、国の方針として、大学生を増やそうとしているけれど、すでに高校の教育がでたらめになっているため、まともなドイツ語を書けないような学生がたくさんいると嘆かれていました。へー、ドイツでもそんな状況なのかと、にわかには信じがたい情報でした。マルクスがだれかさえ知らないのが普通だそうですし…。フランクフルトで…。



3月4日(火)ウクライナ

 ウクライナの問題をめぐって、オバマが弱腰だからプーチンはやりたい放題なんだという報道がなされていました。こういう発想は、その局のイデオロギーの反映なのか、それともそれがヨーロッパの一般的な見方なのか、よくわかりません。ドイツの経済界はロシアに対する経済制裁に反対していますが、それはけっして平和を望むからではなく、経済的な打撃を受けるからです。まあ、お金持ちになることしか考えていない経済界はよいとして、この手のパースペクティヴしかもちえない自称学問もあって、それはやっぱり自称にすぎないということがよくわかります。



3月5日(水)胃もたれ

 今回は1週間の滞在でした。1週間だと、ちょうどハムとかサラミとかが胃にもたれ始めるころです。だからといって、米が食べたいなんてアホなことは言いません。あのバカほど量の多いチョコレートムースとかを食べられなくなるのが、ちょっぴり残念です。



3月6日(木)そんなぁ

 そんなわけで、戻ってきました。ドイツは観測史上4番目に暖かい冬だそうで、フランクフルトでは雪が観測されていないと言われていました。それが戻ってきたら2℃とか言ってて、モノレールを降りると雪が舞っていました。ドイツより寒いなんて、いったいどうなっているんでしょう。



3月8日(土)『ブルージャスミン』

 面白かったです。「負け組」とバカにされる妹の方が幸せじゃん、などというつまらない話にならないところが、素晴らしいです。昼間っから、ボクシングの中継を熱心に見てしまうような男(たち)は、やっぱいらんでしょう。単純な価値の逆転で話をまとめたりしないところが、『そして父になる』なんかとは、まったく比べ物にならない点でしょう。まあ、養女がトラウマでおもちゃの電車を見られなくなっちゃったそうですけどね。



3月9日(日)『本泥棒』
 
 『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』と同様に、やっぱりこのくらいの年齢の男はガキで、見ていてムカつきますね〜。もちろんだからと言って、このくらいの年齢の女が好きだというわけではありません。かりにそうだとしても、そんなことを言うわけにはいきません。いや、「かりに」ですよ。接続法II式です。



3月10日(月)反復

10 週末は東京で研究会でした。まだ時差ボケが残っていて、あまり睡眠時間をとれていなかったので、瞬間的に意識が飛んでいたりして、ちょっとビビりました。研究会では、カントとヘーゲルの差異が、ハーバーマスとホネットの差異として反復されているのが改めて確認でき、そしてやはり相互にわかり合えないことも明瞭になり、面白かったです。



3月11日(火)くだらん

 ところで『ブルージャスミン』は、登場人物が喫煙するシーンに反タバコ広告を入れなかったという理由で、インドでの公開が取りやめになったそうです。やっぱ大切ですよね〜、反タバコ運動。喫煙に比べれば、カーストを維持し続けることなんて、別に大したことないっすね。



3月12日(水)でっちあげ

 ある事件の容疑者逮捕の決め手の一つは、容疑者の靴に被害者のDNAが確認できたことだそうです。しかし逮捕する前に、なぜ容疑者の靴を調べることができたのでしょうか。こういうことが平気でできてしまうとすると、でっちあげだって簡単だと思うのですが、あやしいやつだったからよいのでしょうか。



3月13日(木)『ブレーキ』

 まったくクソ映画だと腹を立てていると、まあまあ小さな喜びがあるかもしれません。それにしても、大統領ってそんなに大切ですかって思わなくもないです。まあ、ホワイトハウスでジョギングできちゃう特権はもっていますが、しかしその程度の特権とも言えますし…。



3月15日(土)キリ番(死語)

 キリ番に近づきつつありますが、しかしもはやキリ番は死語のようです。1,000とか10,000とかの頃は、まだそういう言葉を聞いていたような気がしますが、しょっちゅうつぶやくのが流行るようになり、それが廃れ、などなどの間に、もはやカウンターをつけたり、その数に意味を見出そうとしたりすることもなくなりました。でもまあ、100,000を踏んだ方には、場合によっては何かを用意するかもしれません。もしよければ「踏んだ」っておっしゃってくださいね。



3月17日(月)『サイド・エフェクト』

 展開が速くてついていくのが大変ですが、いろんな伏線もあって面白かったと思います。もうちょっと長くしてくれてもよいのでは、ってシーンもありましたけど…。専門家の評価が意外に低くて、「はぁ、そういうもんすか」と思いましたが、とりあえず専門家じゃなくてよかったです。



3月18日(火)故郷って・・・

 世界を異郷ではなく故郷として見ることができると正義を実現することができると考える人がいるそうですが、そういう考え方は全面的に間違ってると思います。故郷として見ることができる場合には、その対象を大切にすることができるということそれ自体も疑問ですが(だれもが自分の故郷を大切にするわけじゃなくて、むしろ故郷だからこそ憎悪の対象になるということもありえますし)、かりにそういうことがあるとしても、故郷として見ることができないにもかかわらず、それを大切にするということにこそ、正義の実現の可能性はあるわけで、結局、故郷として見ることが正義を実現するための前提なのであれば、そんな仕方で実現される正義なんて、差別に基づく代物以外の何物でもないでしょう。



3月19日(水)ダメでしょ

 学術論文の中に日常において使用される言い回しが用いられていると、面白いと思う半面、やはりちゃんと考えた言葉づかいをしないといけないのでは、とも思います。学術用語だって時代とともに変わっていくものであり、いままさに、その変化のただなかにいるのだと思えばよいのかもしれませんが、しかし変化ならなんでもありってわけでもないでしょうし、その見極めがよくわかりません。ひょっとして、変化ならなんでもありってわけじゃない、って考え方が保守主義=権威主義以外の何物でもないと言われちゃうのかもしれませんが、いくらなんでも、論文の中で「換言すれば」のかわりに「てゆうか」とか「つーか」を使っちゃまずいでしょう。「セーフな」もセーフじゃないです。言うまでもなく。



3月20日(木)『マイレージ、マイライフ』

 主人公はくれぐれもその生き方を反省したりしてくれるなよ、と思いながら観ていましたが、結局反省なんかしてくれなくてよかったです。ホントはちょっと危うかったのですが、偶然が働いてダメな道を選ばすにすみました。『ブルー・ジャスミン』の妹たちと同様に、この主人公の妹たちも、残念極まりない人たちです。そして最後に出てくる「子どもと家族が俺の生きがい」とか言っちゃう人。子どもと家族が迷惑してるかもしれないとか、きっとみじんこほども考えたことはないでしょう。もっと明確かつ正確に、共同体のレールに乗るのが俺の生きがいだと言うべきです。



3月21日(金)罠か・・・

 そんなわけで、たまたま新大阪駅へ行ったら、八王子の人たちと出くわしました。聞けば、朝、八王子駅で偶然同じ列車に乗り合わせたとのこと。偶然出会ってしまった以上仕方がないので、黒潮に乗って南紀白浜へ行きました。冷たい風が吹き荒れる中、千畳敷とか三段壁とかへ行きました。千畳敷では、下へ降りるなどという野蛮なことはせずに上で待っていましたが、あんな強風の中、ミニスカで来ちゃってる人がいて、「これは何かの罠だろうか」と思いつつ、えーい。



3月22日(土)いつか

 今日は偶然、熊野古道へ。説明書きを読みましたが、その道が一体何物なのか、よくわかりませんでした。なんちゃら神社とかへも行きましたが、どうやら願い事を叶えてくださるそうです。神社仏閣がこの世から消えてなくなってくれることを願ったのですが、少なくとも即効性はない模様です。「いつか」果たせばよいのなら、私だってどんな願い事も引き受けますよ。



3月23日(日)はぁ?

 今日は偶然、紀の松島めぐりに乗り合わせました。大半を睡眠学習に費やしていたら、非難されました。でも岩やら島やらがラクダに見えたりライオンに見えたりするからって、「はぁ?」って感じじゃないですか。ラクダやライオンが実際に海面にぷかぷか浮いてたら、そりゃそれなりにびっくりしますけどね。



3月24日(月)白票

 37万人も支持しちゃう人がいるのは、まあ大阪だから仕方がないとして、積極的に不支持を表明した方が45,000人くらいしかいらっしゃらなかったのは、やはり残念です。もちろん、投票へ行かなかった方が必ずしもあれを支持していることになるわけではありませんが、しかしやはり明確に「ノー」と言ってもよいのではないか、とも思います。投票は権利であって義務じゃないのだから、態度を表明するべきだ、なんてことにはならないのではありますが…。



3月25日(火)『ヤギと・・・』

 こういうのは一応反戦映画なのかも知れませんが、やはり好きにはなれません。邦題がそもそもクソですが(だからフルタイトルを書くのはやめました)、バカにしているおさるのジョージの命令で、実際にはイラクに対する爆撃が行われたわけであり、おさるを笑い者にするのは結構ですけど、こんなふうに笑い者にされたやつに殺された人たちはどうなるんでしょうか。そういうことがちっとも描かれないのに平和がどうこうと言われても、おさるの語る平和とどれほどの違いがあるのか、さっぱりわかりません。



3月26日(水)ううう

 昨日から研究会に来ています。クールマン教授は、17時間もかけてやって来ましたが、時差ボケもなんのその、今日も朝から元気に議論されていました。クールマン教授は、明日午後のご発表でハーバーマスを批判されます。そして私は、明日午前の発表でハーバーマスを支持します。ううう。



3月27日(木)合意形成

 発表の結果、ある点に関して一致できないということについて合意を形成することができました。合意できないということについて合意できた、というわけです。まあそれだけのことなんですが、しかし、通常意見が対立すると殺し合いにまで発展するものですが、私たちは理性的なので合意を形成できたのでした。すんばらしい。



3月28日(金)テレ朝的知性

 冤罪で収監されていた人を車に乗せて48年ぶりに外の風景を見せ、「変わりましたか?」と尋ねているアナウンサーは、心の底からバカなのか、表面的にバカなのか、バカそれ自体なのか、いったいなんなんでしょうか。冤罪の問題をとりあげることそれ自体は、きわめてテレ朝的なわけですが、しかしエンターテインメントと報道の区別もできないような番組作りをするくらいなら、いっそのことスケートがどうこうという人情物を垂れ流していたらどうだと、ふと思いました。



3月29日(土)たわごと

 宿泊先で地デジを見ていたら、「夏色のナンシー」とか「夏のお嬢さん」とかをそれぞれ本人が歌ってました。どっちも当時、好きじゃありませんでしたが、やっぱいまも好きじゃないことがわかりました。「狼なんか怖くない」も本人が歌っていて、やはり当時はあんまり好きじゃありませんでしたが、しかしいまは前のふたりよりもはるかにいいなぁと思いました。妹もセットでついてきそうですし…。



3月31日(月)教育的配慮

 昨日、出張から帰る機内では、隣の4列に頭の悪そうな一家が勢ぞろいしていました。乗り込むやいきなり頭の悪そうなガキんちょが頭の悪そうな父親とアイスクリームを食べ始めます。飛んでる間は、頭の悪そうな父親が機内放送を見ながら声を出して大笑いしています。そして着陸して機体が静止し客が降り始めたころ、アイスクリームの兄でやはり頭の悪そうなガキんちょが「おしっこ」と言って、トイレへ行こうとします。世の中にはなかなか自分の思い通りにならないこともあるんだよ、ということを教えてあげないといけないので、脚でこっそり行く手を阻んでとうせんぼをしてあげました。教育的配慮ですね。



4月1日(火)いつの間にやら社会派

 冤罪問題に関係して、ある映画監督が識者のようにメディアに露出しています。しかしこの人が撮った冤罪物は、痴漢の冤罪についての映画ですよ。長い間、痴漢が行われてもまったく声を上げることなどできない状況が続いていたわけですが、それがようやく口にされるようになるとただちに冤罪の可能性が取り上げられるようになり、「そうだそうだ」と言わんばかりに撮られたものなわけです。この映画は「社会派」だそうですが、もうどういうイデオロギーに加担しているのかは自明でしょう。その作品の前に撮っていたうるわしいジェンダー規範を讃える作品のことを考えても、またこの「社会派」映画の制作会社のことを考えても、「なるほど」と思えます。



4月2日(水)何でも知ってるふり

 明日は新入生のガイダンスがあり、共通教育の単位取得に関して説明しなきゃいけないので予習しています。なぜか3年連続でこのような名誉ある仕事をいただいているのですが、いやもう説明文が難しいのなんのって。誤読されないように書かれているため、非常にまどろっこしい言い方がなされていて、いろんなことがわかっている人にはわかる文ですが、大学のことをまったく知らない新入生がこれを読んでわかるものでしょうか。ともかくこちらは、何でも知ってます的な態度を見せないといけません。よく言われるように、たんに不遜には見えるでしょうけど。



4月3日(木)狙ってません

 1時過ぎにお昼を食べるため、丘の上にある食堂へ行ったところ、お弁当がいくつか残っていました。そのうちのひとつを手にしてレジにもっていくと、なんとタイムサーヴィスで値引きされてしまいました…。しかし言うまでもなく、値引きを目当てにその時刻にお弁当を買いに行ったわけではありません。けっして。お願いだから、表示されている値段通りで売ってくださいと思いました。



4月4日(金)あああ

 大学院生の新入生ガイダンスのおりにハラスメントの講習会もあって、委員なのでサクラをしてきました。このところ立て続けに、委員なんて無力だということを思い知らされているので、まったくアリバイ作りに加担しているだけなんだよなぁと思いました。以前は、こんな委員をやっていると、秘密警察とか風紀委員とか呼ばれて、それなりに力をもつ人たちではあったのです。そういうのは全面的によくないと思ったので、組織そのものを民主化したのですが、その結果、しかるべき人に対処をお願いしても動いてもらえないという状況ができてしまいました。言うまでもなく、悪いのは民主化ではなく、動いてくれない人なのですが、そのせいで泣き寝入りが生じてしまうのではあります。



4月5日(土)「ド」

 昨日は出勤前に歯の定期健診へ行きました。言われたとおりにお掃除していたせいか、2ヶ月前よりも格段によい状況になっているそうで、担当の方が「うひょ〜」と言わんばかりに興奮されていました。そして例によって歯磨きしてくださるのですが…。朝っぱらから人の歯を磨く仕事って、どうなんでしょうか。もちろん、大口開けて磨かれちゃってる方もかなりの羞恥ですが、磨いちゃう方もきっとどっちかじゃないでしょうか。それも「ド」がつくほどの…。



4月6日(日)『悪の法則』

 キャメロン・ディアスが車でではなく、車と××するシーンは、やはりエグいだけです。やっぱ『ベスト・フレンズ・ウェディング』のときが一番よかったかなぁと思いました。たぶん映画のポイントはそこじゃないと思いますけど…。



4月8日(火)くったくた

 昨日はくったくたでした。まだ授業も始まっていないというのに、くったくたとはどういうことでしょうか。まあ、またあんまりこういうことばっか書いてると、公務員のくせに的なことを言われるので、やめておきます。くったくたになれて光栄です。この上授業も始まったら、もっとくったくたになれそうで、もう最高善の実現かと思うほどです。これなら文句は言われまい。



4月9日(水)プリンターさま

 プリントしようとしたら、黒のインクがないと表示されました。仕方がないので生協へ買いに行き、セットして、プリントしようとしたら、マゼンタがないと表示されました。なぜ同時に言ってくんないんだと思いつつ、買い置きしておいたマゼンタをセットしようとしたら、どうもうまくいきません。よく見たら、それは他のプリンターのためのマゼンタでした。ここで会議へ行かねばならなくなり、会議から戻ってマゼンタを生協へ買いに行き、セットして、プリントしようとしたら…。用紙トレイに用紙がないと表示されました。はいはい、どうもすみません、プリンターさま。私のようなふつつかな者があなたさまに動いていただこうとしたりして。いつか廃棄してやんからな。



4月10日(木)哲学基礎A

 今年も1学期は木曜日の1時間目に哲学基礎Aという共通教育科目があります。またしても登録者は制限ぎりぎりの200名。190名分のプリントを用意して行ったら、なんと足りませんでした。そんなに真面目で大丈夫ですか、って感じです。まあ、すぐに減るでしょう。当然です。そもそも1週間のうち2番目くらいに辛い曜日の1時間目から哲学の授業を聴講する学生が200名近くもいるなんていう状況は、尋常じゃないですから。



4月11日(金)さすが球界の盟主

 違反球が使用されていたというのに、さすが、日記のコピーに1億円も払っちゃう若大将は、「与えらえたボールで戦うことに、なんら変わりはありません」と。この人、つくづく「戦う」のが好きなんだなぁということはさておき、この調子でいけば、いつの間にか使用球が砲丸とかピンポン玉とかになってても、戦っちゃうんだろうなぁ、って思います。すごい。



4月12日(土)『嘆きのピエタ』

 監督はキム・ギドク。この人の撮るものは、いつも観ていて嫌な気分になるのですが、今回もやはり嫌な気分になりました。何と言うか、もっていないつもりでいたのに、実はまだ少しは希望のようなものをもっていたことが事後的にわかるような、絶望的な気分に陥ります。ヴェネツィアでは金獅子賞だけど、ハリウッドでは最終候補にも残らなかったというのも、わからなくはないです。



4月13日(日)『エリジウム』

 2154年になってもまだ格差社会があって殺し合いがあるのですね。そして貧乏人たちはスペイン語らしき言語を話し、富裕層はおフランス語を話す。これって近未来というより、現在じゃないのって感じです。140年後には、武器なんて存在せず、エスペラントが普及していればいいなぁ、と思いました。



4月15日(火)バカ話

どっかの大学の教員が、ある球団がリーグ優勝したら単位を認定するとか言ったそうです。「単位を認定する」なんて立派な言い回しではなく、恩赦がどうこうとか言ったらしいのですが。この手の話はむかしからあって、よく聞かされたのは、ある哲学の教師はカレーの作り方を書いたら単位を出してくれたが、別の学生が同じことをしたら単位が出なかった、人参を忘れていたからだ、というバカ話。こんなのを古き良き時代の話だというのなら、より正確に、古き良き時代だと思ってるだけのバカ話と言うべきです。



4月16日(水)補遺

 冗談に目くじらを立てて…、と言われるのかもしれませんが、こんなくだらない話を冗談として言っても許される(と思える)、己れのもつ権力を問え、と言いたいですね。こんなことを言われてなぜ学生のみなさんは黙っているのでしょうか。これは明らかに学生をバカにしているのですよ。ハラスメントと言ってもよいくらいです。



4月17日(木)恩赦とか

 そもそも恩赦なんてものがあるのはおかしいと思います。人は法の下に平等であるはずなのに、恩赦というのは、恩赦を与える超法規的存在が前提されるからです。逆に、時効をなくすなんてことも暴挙だと思います。法は人が作り出したものであるにもかかわらず、そこに無限をもちこむような真似をするのは明確な誤りだからです。



4月18日(金)こわっぱ

 「哲学の研究者というのは、(お前のように)少しだけ反抗的な人たちなんですか?」というお言葉をいただきました。うー、これは明らかに批判ですね。なんか反抗的なことを言ってるけど、でも、ちっちゃいことばっかだよね、という意味なのでしょう。何十億もの詐欺をやらかす度胸はなく、せいぜい町内会費をねこばばする程度で、しかもそれさえびびってついにはげろってしまう、小市民にすぎないよな、ということですね。防犯カメラという名の監視カメラに反対し、ひのきみも原発もいらないってだけじゃ、やっぱこわっぱですか…。


4月19日(土)そのとーり

 そう言われてみれば、以前から、「長いものには巻かれる人」とか「権威に対する態度と自分より下だと見なした者に対する態度がまったく違う人」とか「年長者の覚えがめでたい人」とか、言われていました。「婚姻制度に反対するなら独立行政法人に勤めるのもやめるべきだ」という忠告もいただいたことがありました。そのときも忠告くださった方に、婚姻制度にのっかって妻に自分の姓を名乗らせて堂々となさっているあなたのようには生きられませんよと、思ったけれども言ったりはしませんでした。



4月20日(日)曇りの日曜

 今日は朝から曇っていて空気もひんやり。日曜日の住宅街は公園にも人はいないし、静まり返っていました。そんな中、市議会議員補欠選挙へ行きましたが、受付して投票して会場を後にするまで、他の有権者はだれひとりやってきませんでした。こんな憂鬱な状況なのだから、明日から働く必要もないのではないかと思いました。



4月21日(月)『さらば、ベルリン』

 酷評ばかりで、かわいそうになるくらいです。この手のモノクロ映画は、むかしは深夜放送で流していて、なんだかいいものを観たような気分を味わえたものですが、たとえば『凱旋門』とかも、わざわざDVDで観ると、「はぁ」という感じがしたものです。だからこれだって、深夜放送なら…、と思うのですが…。たしかにちょっと話が難しいです。そして、スパイダーマンがうざい。



4月22日(火)嘆かわしい

 ウクライナの情勢が緊迫していますが、そのせいでイースターに教会を訪れる人たちが例年より多いというようなことが報道されていました。ああ、嘆かわしい。マルクス主義は何も残せなかったんですか。やっぱ、二段階革命が必要だったんでしょうか。これじゃあ、ごりごりの近代的主体ばっかのEUではやっていけませんよ。



4月23日(水)担当木下

 アクアスクリーンの木下からメイルが届いた。うざい。民事訴訟を起こされないですむように、仲介してくれるらしい。お節介なこと、このうえない。ほっといてくれ。人の心配するより、お前が刑事訴訟起こされないように、気をつけろ。



4月24日(木)「真逆」は×

 申請書をチェックする時期になっていて、連日何本も人の研究計画を読んでいます。非常によく書けていると思ったものがありましたが(たぶん、ここ数日間で読んだもののうちではベストだと思います)、なんと、「真逆」という言葉が使用されていました。たぶん、これを書いた方はその語がたんなる俗語だということをご存じないのでしょう。いずれそういう方が多数を占めるようになると、学術論文でも使用できるようになるのだと思うのですが、しかしいまはまだダメじゃないでしょうか。私が審査員なら、別にどうでもいいかと思いますが、しかしそう思わない審査員が主流だと思ったので、他の語を使用するように勧めました。むずい(←この語は明らかにダメでしょう)。



4月26日(土)大阪のおばはん

 超多忙の中、東京の研究会へ行きました。新幹線で申請書チェックをしようと目論んでいたのですが…。斜め後ろの席に典型的な大阪のおばはん2人組がいて、しゃべるの止めたら確実に死ぬんだろうという勢いで新大阪から東京までしゃべりまくっていました。大声のおばはんの大阪弁ですよ。これはもう、電車内の551と同じくらいのテロリズムです。いやまあ、551は強烈な臭いを発するだけでしゃべらないから、比べちゃいけませんね。すみません。一生懸命、早送りのボタンを押したのですが、全然通じませんでした。



4月27日(日)イタコおやじ

 そして研究会には、カントの意図を代弁しちゃうイタコおやじがいました。もう、カントが本当に考えていたこととかカントの意図とかを、声高にバ○の一つ覚えのように繰り返し叫び続けるのは止めたらどうなんだろうと思いました。著者の意図を探り当てることが文献を理解することなのだとしたら、著者が死者の場合、みんなでイタコ競争をして、だれがいちばん優れたイタコなのかを競わなきゃいけなくなっちゃいますよ。大阪のおばはんにイタコおやじ。2日続けて、理性の他者と遭遇してしまいました。



4月28日(月)イタコン

 だれがすぐれたイタコなのかを競う研究会なんて、イタココンテスト、略してイタコンじゃないですか。それはもう、そのままイタコン、つまり痛いコンテストでもあります。そして早送りボタンを懸命に押しても、全然通じません。



4月29日(火)唯一無比

 今日も今日とて、せっせと申請書チェックに励みました。読んでいると、学会はこんな状況で大丈夫なんかいと思えてきます。なぜなら、自分の研究がどれほど独創的であるかを書く欄には、たいてい、この研究は唯一無比だというようなことが書かれているからです。もちろん、そういうことを書いてアピールするように指導されているわけですが、もしそれが本当なら、もろもろの学会は、たかだか博士課程の学生が唯一無比の研究をできてしまうレヴェルにしかない、ということになってしまうのです。恐るべし、博士課程の学生、か?



4月30日(水)疲れてねぇーし

 朝から不快なことがありました。いまや完全に落ち目の大阪なんちゃらの会とかいうのが、モノレールの出口でしゃべっています。いつものように、「バーカ」と言ってやったら、わざわざ「お仕事お疲れ様です」とマイクで言われお辞儀されてしまいました。悔しいので、立て続けに2度「バーカ」と言ってやったのですが、これではまるで「『バカ』って言うヤツがバカだ」という『フォレスト・ガンプ』みたいな状況です。「バカ」って言われるヤツがバカなんだけどなぁ。



5月1日(木)親しみなんてねぇーし

 大阪のおばはんという言い方に対して、大阪のおばちゃんという言い方があります。ひょっとすると、「ちゃん」をつけることによって、親しみが表現されているのかもしれません。おぞましい。そんなわけで、嫌悪の対象だから「おばはん」でよいでしょう。



5月2日(金)『コッホ先生と・・・』

 人権問題啓発活動の一環で、大学祭期間中に毎年映画が上映されますが、それが今日でした。上のような記事を書き、おばはんには人権なんて関係ないでしょと思ってしまう私には、人権問題に対する意識が低いため、「もっと勉強せよ」ということで、人権問題委員会委員の役がまわってきて、外でバカ騒ぎが行われているなか、映画鑑賞を余儀なくされてしまいました。ドイツへサッカーを輸入した人が主人公のお話でしたが、なんでもサッカーは国境を超えるそうです。なのにどうしてワールドカップとか称して国別で優劣を競っちゃうんでしょうか。しばらくしたら、またそこらじゅうにナショナリストたちがあふれ出す野蛮な時期がやってきます。



5月3日(土)ロイヤルってwww

 おまけにサッカーには貧富の差はないそうですが、世界に先駆けて資本主義=帝国主義=悪のかぎりをまき散らしてきた島が、そんな社会主義みたいなものを認めちゃってよいのでしょうか。おまけにあそこにはロイヤル・ファミリーなんてものが存在するんですよ。言うまでもなく、UKなんて大嫌いですが、ことは好き嫌いの問題ではなく、正不正の問題であり、国家ごと正義に反していると思っているのです。



5月4日(日)田中

 いまさらなんですが、田中ってヤンキースへ行ったんですね。アメリカへ行くとかは知っていたのですが、書けないようなさまざまな理由から興味がなかったので、そこへ入団しちゃったのは知りませんでした。やっぱそういう人だったのですね。もう、すでにそれだけで野茂なんかとは比べ物になりません。ニーチェかぶれはルサンチマンだとか言うかもしれませんが、強い方に乗るっていうのは、典型的な右翼の発想です。



5月5日(月)あ〜、働きたい

 もう何十年も思っていることですが、ゴールデン・ウィークって無駄です。こんなところで連日休んでも仕方がないです。連休なんてやめて、これから毎週一日ずつ、休みをちりばめてはどうでしょう。まあ、今日みたいにちょっとひんやりして雨が降るなら、連休のままでも結構です。そんなわけで、行楽地なんて行くわけもなく、静まり返った職場で過ごしてしまいました。



5月6日(火)サルでもしない暴挙

 連休中には、遊園地へ行き、水族館へ行き、山登りをして、ウィンドサーフィンして、それから海外旅行もしようと思っていたのですが、めんどくさいのでやめました。だから、拡大解釈によって集団的自衛権を認めるなんてサルでもしないような暴挙はやめてください。



5月7日(水)当たり前のこと

 待ちに待った授業が再開されました。きゃっほー。当たり前ですが、ちゃんと決められたとおり授業をしました。だから、憲法を遵守してください。



5月8日(木)『スーパー・チューズデー』

 政治なんだから所詮はこんなもんだと思うべきなのか、政治だけどこれじゃダメだろうと思うべきなのか。民主党がこれじゃダメだと思うのは、民主党に期待しすぎであって、民主党の大統領も実際には「不適切な関係」をもつわけだし、所詮は共和党と変わるところはないのか。もちろん映画としては、清廉潔白な人ばっかじゃさっぱり面白くないのですが、民主党支持者の監督がわざわざこういうものを撮ることの狙いはどこにあるのだろうと考えざるを得ませんでした。



5月9日(金)サルゲ―

 研究者なのだからその研究のあり方が問われるのは仕方のないことでしょうけど、笑いのネタにされてしまうとは…。しかも、サルに似ているところ以外、どこで笑えばよいのかさっぱりわからないゲーニンごときのネタにされるとは…。「小バカにするつもりはなかった」って、当たり前でしょう、なにひとつ芸のないつまらんゲーニンごときが科学者をバカにできるはずはないのですから。すべてのことは笑いの対象にしてもよいと考えているアホがいまだに存在するのは奇跡的ですが、じゃあせめて、いまだに原発を推進しようとしている政治家をコケにしてくださいな。まあやらないでしょうけど。



5月10日(土)プーチンは怖いが・・・

 ウクライナの問題に関して、西側メディアはこぞってプーチンがいかに恐ろしいかということを伝えているような印象があります。まあ、たしかにホワイトハウスを走り回って喜んでいるような人よりも、プーチンの方がはるかに怖そうです。あんな人が目の前にやってきたら、それだけでちびっちゃいそうです。しかしそのことと、住民投票という手続きを認めるかどうかは別問題ではないでしょうか、当たり前ですが。西側が大好きな自己決定とか住民自治とかいうことをどのようなロジックで否定できるのか。私にはよくわかりません。



5月11日(日)育ちすぎる・・・

 この週末は、大阪のおばはんにもイタコにも遭遇せず、快適に過ごすことができました。しかし新幹線が静かなせいで、仕事もほとんどせずに居眠りしてしまいました。もったいない。



5月12日(月)必死だな、か

 東ウクライナの住民投票に関して、投票用紙に最初っから分離に賛成する印がつけられてあったとか、一人の人間が何度も投票できたとか、不正があったと報道されています。まあ、そういうことはきっとあったのでしょう。しかし不正がなければ、分離派が多数を占めることはなかったと西側は考えているのでしょうか。もし不正がなくても、分離派が多数を占めているとしたら、分離をすんなり認める用意が西側にはあるのでしょうか。制裁に躍起になっているところを見るにつけ、「あなたたちはリベラルなんじゃないの?」と思わずにはいられません。



5月13日(火)感じがするとか気がするとか

 「××についてどう考えるか」式の質問に対して、「○○だと感じる」とか「○○だという気がする」とかいう答え方をするのはなぜでしょう。「その主張は間違っている」と指摘された場合に、「主張なんかしていません。感じるままを答えただけです」とか「そういう気がしただけです」とかいって、言い逃れをするためなのでしょうか。まあ、言い逃れをした時点で論議の参加者だったことが判明するので、「主張なんかしていません」は遂行的矛盾だと言われちゃうわけですが…。感じることや気がすることは、日記にでも書いていただけたらと考えます。



5月14日(水)『第9地区』

 映画館で予告編を見たときは、「なんだ、またエイリアンと戦争かよ」と思い、敬して(ではないですが)遠ざけていました。たしかにこれを観た後で、『エリジウム』を観ると、つまらなく思う人はいるかもしれません(しかし『エリジウム』では、つんつんしたジョディ・フォスターを観ることができます)。エイリアンの使う武器が、もう半端なくすごくて、不快を通り越し、崇高ささえ感じられてしまいます。主演が、監督の高校時代のたんなる知り合いということにも、驚きを禁じえません。



5月15日(木)しょうがない

 4月は質問タイムに複数の方が手を挙げていたというのに、5月に入るとだれも手を挙げなくなってしまう。1ヶ月の間に、恥じらいを覚えてしまうのでしょうか。バカな質問をしてバカだと思われたくないとか。あるいは、大学における「語法」を了解してしまうのでしょうか。「質問ありませんか?」なんてのは、「これで今日の授業は終わり」と同義だという。お前の努力が足りないからだと言われるに違いありませんが、努力なんて初めからしてません。アホが。



5月16日(金)うんざり

 諸般の事情により、またしても人の書いた文を集中的に読まねばならない羽目に陥っているのですが、なんというか、なんでそんなにカントラヴなんですか、と思わずにはいられません。カントが矛盾したことを言っていても、なんとか道筋をつけて矛盾じゃないと言い張るか、どうしてもそれができない場合は、「時代的制約」という切り札を出す。そんなことをするのは、きっと愛のせいでしょう。そんな人たちばっかが集まって議論すると、重要なのは解釈の整合性じゃなくて、愛の強さだってことになってしまいます。ばんばってください、と言うほかないです。



5月17日(土)『フォロー・ミー』
 
 ずっとむかしに観て「よかった」と思ったから、また観てみたのですが、「よかった」と思ったのは同じミア・ファローの『アリス』で、これはたぶん人から名作だと勧められていたのでした。たしかに面白かったです。『第三の男』の監督の遺作と言われると、一瞬「えっ?」っと思いますが、しかしわからなくもありません。ただし、Wikiを見て、これを評価している監督がふたりいて、きっとその人たちの評価ポイントはあるべき婚姻関係の描写にあるんだろうと思うと、がっくりきました。なるほど、そういうクソ映画であったかと。



5月18日(日)いっちゃってる人たち

 ああ、週末が終わってしまいました。まだ5月の半ばとは、にわかには信じられません。夏までにしておかないといけないことが山ほどあるので、すぐ夏になってしまうのは困りものですが、しかしこのままずるずると5月とか6月とかが続くのも考えものです。すべて片づいて、しかもあっという間に夏休み、というのがもっともよいのですが、きっと現実はその逆でしょう。いや、私がどう思おうと、時間のあり方はそんなこととは無関係です。時間を情念と相対的に考えるなんて、どっかのいっちゃってる人たちだけですから。



5月19日(月)目くそ鼻くそ、ではない

 そりゃまあ「自分で着たい」からって、夜中に高校に侵入して女子高生の運動服を盗んじゃいけませんが…。しかし午前2時半に不審な車が止まってるのを発見できちゃう巡回中のわんがいるって、不気味じゃないですか。あんなのが夜中にうろうろしてるんですよ。いくら社会正義に燃えてるからって、いやむしろ、社会正義に燃えちゃってる人が夜中にうろうろなんて、あんたこそ不審だろって話ですよ。しかもきっと無断で高校に侵入しちゃってるわけで。



5月20日(火)国として対応って

 あるマンガについて、「根拠ない風評に国として対応」とか言っちゃってるいっちゃってるのがいるそうですが、「国として対応」って、いったい何をするんでしょうか。やっぱ発禁ですかね。それともお手本通りに焚書か。あっ、まさかの集団的自衛権の行使か。でもそれは、いくらA級戦犯の孫だからって、憲法を変えなきゃできないことですよ!



5月21日(水)国分からのメイル

 昨日、青山情報通信事務所の国分からメイルがきました。「本日中に」連絡しないと法的手続きを取るとありましたが、連絡を忘れてしまいました。きっと今日は法的手続きを取ってくれていることでしょう。つーか、ちゃんと取ってほしいところです。私が支払うべきものを支払っていないということを知っているのに、見て見ぬふりをするのは、義を見てなさずは勇なきなり、どころか、共同正犯ですよ。てことは、集団的自衛権の発動の場合と同じく、相手から攻撃対象にされてしまいますよ。



5月27日(火)法的手続きを取られたわけではありません

 この間、いろんなことがあって週末は静岡地獄もあじわい、なんだかずるずるとずっと更新できなかったのですが、しかしそれでもまだ5月とは、やはり5月は恐るべき月です。事情通によれば、5月はなんと今週の土曜日まで続くそうじゃないですか。これって独禁法に違反しているんじゃないでしょうか。どうして2月は何も言わないのでしょうか。やっぱオレ様野郎にはかかわり合いたくないんですかね。でもそうやって黙って我慢しているうちに、憲法を変えることなく、集団的自衛権も容認されてしまうことになるのですよね。



5月28日(水)ナショナリスト

 欧州議会の選挙がありました。オレ様野郎のフランスや、世界に先駆けて悪をし尽してきたイギリスでは、ヨーロッパ連合に反対する右翼政党が躍進しました。ナショナリストたちは、自国がなくなってしまうことに危機感をもっているわけです。面白いのは、それぞれ反ヨーロッパということでは一致しているものの、しかし国を超えて共闘しようとはしない点です。そんなことができてしまったら、ナショナリストじゃなくなってしまうわけで…。



5月29日(木)ちゃんとやってください

 上のようなナショナリストの発想は、ある意味では首尾一貫していると言えるでしょう。ナショナリストなんだから、自国の主権が奪われることを意味する連合体には反対する、という点においてです。それに対して、英霊を祀るのが大好きなどこかのナショナリストたちは、アメリカと仲良くしようと躍起になっています。そんなことでよいのでしょうか。ちゃんとナショナリストをやってくださいよ、って言いたくなりますね。



5月30日(金)大金持ちは敵じゃないの???

 ウクライナの大統領選挙は、まずは大金持ちが勝ってしまったわけですが、その点だけを見ても、やっぱダメだなぁって思わないのでしょうか。あの人たちが入りたがっているあの人たちにはお金持ちクラブに見える連合体は、憎むべきドイツ人たちが独り勝ちしていて、なまけ者たちではとてもやっていけないところなわけで、離脱したがっている人たちもたくさんいるというのに、そんなところへわざわざ行きたいんですね。



5月31日(土)分析命題

 この前、「9回目の年男」とかいう見出しのつけられた、だれそれの誕生日を祝う会の記事がネットにありました。むかし神戸へドイツ語を学びに行っていたとき、同じクラスに敗戦時この老人と同じ船に乗っていたと自慢げに語るア○がいました。そいつは、あの時点で戦争が終わってくれてよかった、そうじゃないと、船の上で贅沢三昧していて命を縮めるところだった、と言っていました。軍人なんてものは、殺人を任務にしている時点で、すでに頭が悪いと言ってやったら、本気で反論してきたので、面白かった記憶があります。



6月1日(日)しかも食べ物もまずい

 欧州理事会議長の選出をめぐって、いまだに女王様にひれ伏しているあの大英帝国様が欧州連合離脱をちらつかせて、だだをこねているそうです。この人たちはユーロを使っているわけでもないし、いまだに立憲君主制で動いているのですから、むしろ欧州連合にとどまっているのがおかしいくらいなのであって、とっとと出ていけばよいのだと思うのですが、なぜ出ていかないのでしょう。やっぱ世界に先駆けて囲い込み運動をやり、植民地を作り出し、ナチスによるユダヤ人移送を見て見ぬふりをしつつイスラエル建国を口約束した自負からでしょうか。



6月3日(火)ゾウ狩りが好きらしい→やっぱアホ

 昼寝の大好きな人たちのところで国王が突然退位したからといって、「驚きの声」があがっているそうです。いまだに国王なんてものが存在していることこそが驚きであり、そのことについてなんら驚かないことの方が驚きです。と思っていたら、それはネット上に配信されている3Kの情報で、実際には、君主制の廃止を要求するデモが起きているという報道がドイツではなされていました。もう、さすが3Kと言うしかありません。



6月4日(水)ばんばれ

 フランス革命の数少ない功績のひとつは国王の処刑だと思っていますが、21世紀にもなるとさすがに処刑はもったいないので、ぜひゾウと素手で対決させてほしいです。しかしそんなものを見たいとは思いませんから、どっかでこっそりやってほしいものです。



6月5日(木)無名ですみません

 ある出版社の社主が、独法化以降、国策に批判的な学者は排除され、御用学者ばかりが大学の中枢を担うようになっていると書いていました。まあ、そういうことはあるかもしれないし、そうしたありようを批判的に論じるのは重要なことだと思います。このことは否定しません。ただ疑問なのは、この出版社に平和論に関する企画をもちこんだおり、有名な書き手もいないのに売れる見込みはあるのかと率直に言ってのけたそのメンタリティが、御用学者批判とどのようにすれば整合性をもつのか、という点です。なぜハーバーマスの翻訳本も出したりしているのか。言うまでもなく、売れるからですね。



6月6日(金)何の識者だ???

 ある事件の容疑者逮捕が、事件発生から8年以上もかかったことに関して、「科学捜査の偏重など教訓は多い」と指摘している識者なる人たちがいるそうです。やっぱあれですか、重要なのは刑事の勘すか。そして、無職で引きこもってる怪しいヤツがいるって告げ口してまわる市民の善良さすか。



6月7日(土)『公共の敵 2』

 たんに家柄やら人脈やらがものを言うような社会は許せない、そうした糾弾はわからないではありません。こつこつ真面目に働いてる者がしあわせになれないのはおかしい。しかしここまでくると、ちょっと何だかなぁと思わざるを得ません。人より余計にこつこつ真面目に働いて、競争で抜きんでた者がしあわせになる社会がよいなんて、全然自明じゃないです。競争なんてしたくない、って自由を主張する者が、なぜ怠け者というレッテルを貼られてしまうのか、その根拠を論点先取に陥ることなく説明していただかないと。そんなわけで、たんなる娯楽映画です。



6月8日(日)ぼんやりんぎんぐ

 昨日は東京である会議に出席し、1日に2度も静岡地獄を味わってしまいました。今日も職場で昼から会議があり、することもないので会議後もすぐには帰らず、部屋であんなことやこんなことをしてしまいました。よく考えたら、レンタルDVDが届いていたので、それを観ればよかったのでした。しまった。なんだかぼんやりしているので、重大なミスをしないか、心配なところです。きっと、ミスしてもすぐには気がつかないのでしょうが。



6月9日(月)テキサス

 テキサスの共和党支持者たちが、ホモセクシュアルを治療の対象とすることは合法的だと主張しているそうです。ホモセクシュアルは病気だから健康にしてあげないと、ということなのでしょう。こんなことを、しゃれでもなんでもなく本気で言っちゃってるところは、ほとんどマンガなんですが、しかしマンガだと笑ってられない状況があることがなんとも恐ろしいかぎりです。



6月10日(火)『天国と地獄』

 インターンの何が許せないのか。それは人に道徳を強要してくるところでしょう。道徳があるとしたら、それは人から強要されるものではなく、自分で自分に課すものです。身代金を支払わなかったとしても、それは他人からとやかく言われる筋合いのことではなく、本人が日記でも書くときに苦しめばよいだけのことです。ああいうのは、道徳というよりかは善構想が絡んでいる倫理であって、倫理は共同体の掟なので人から強要されることもあるかもしれませんが、そんなものは無視しちゃえばよいのです。



6月11日(水)23点くらい

 大協総合調査の井川裕介から、またしてもお節介メイルが届きましたが、今回は、これまでのバカとは異なり、原告による訴状が裁判所に受理され、訴状取り下げ期日までに手続きしないと、出廷命令が届くぞという大掛かりな脅しとなっています。別にあんたみたいなのに仲介してもらわなくても裁判所へ行きゃあいいんでしょ。なんであんたみたいなのに仲介してもらわなきゃならんのだ? 「訴状が裁判所に受理された」という点は、これまでにない新味だったけど、まだまだ仲介の必然性を説明できていない。こんなんじゃ、23点くらいで不可だよ。バカ。



6月12日(木)本日のくろねこたん



 全学教育推進機構の大講義室を借り切って、足を舐めるくろねこたん。少し前まで、この部屋を借り切って講義が行われていたようですが、そんなものよりくろねこたん。担当者によれば、来週からは1時間目をまるまる提供してもよいそうです。でも、きっと気まぐれなので、そんな好意に応えていただけないのが残念きわまりないです。



6月13日(金)嘆かわしい

 今年の文学部紹介は、見開きに「20年後のわたしへ」という問いに対する学生たちの答えが披露されています。言うまでもなく、これから書くことは私の個人的見解の開陳であり、これをもって答えを書いた人たちへの誹謗中傷を行っているわけではありません。「結婚してたらいいなあ」とか「幸せな主婦」とか「暖かい家庭を築いていますか?」とか、大丈夫なんでしょうか。これはひょっとしてだれかに突っ込みを入れさせて、突っ込んでるそいつに「マジレス乙」って言うための仕掛けなんじゃないかと思えてくるほどです。もしそんな手の込んだ悪意のあるネタなら、まだ大丈夫でしょうけど、どうやら本気でしょう。「こんなふうにしか物事を見られない人はかわいそう」と憐れみをもっていただくのは結構ですが、この体たらくを嘆かずにはいられません。



6月14日(土)驚き

 専修決定の理由については、嘆かわしいと言うよりかは、驚きと諦めです。何と、研究内容で選んでいる人より、共通概説が面白かったからと言う人とか研究室の雰囲気と答える人の方が多いのです。文学部に来ちゃうような人は、大半が確信犯で、何をするかは入学時にもう決めてるだろうし、そうじゃなかったとしても、まさか1回切りの講義なんかで決めるわけがないだろうと思っていました。



6月15日(日)諦め

 研究室の雰囲気なんかで選ばれたら、もうダメです。おそらく、求められているのは家族的団欒でしょうけど、少なくとも教員からは、そんなものはまったく得られないことが研究室訪問で丸わかりですからね。あれ、ひょっとしてひとり以外はそうでもないのか…。



6月16日(月)『さよなら渓谷』

 やっぱ芸術系はわかんないです。絶賛されたそうですが、小説や映画だからこれでよいのでしょう。つまり、娯楽として。正義とか規範とかいうこととは何の関係もない話なんだと思いました。



6月17日(火)イラク派兵の弁明も

 憲法を変えずに解釈でごまかす案に、いずれは賛成するだろうと見られていたあの人たちは、やはり賛成するようです。昨年のカント協会のシンポジウム「カントと日本国憲法」を聞きに来ていたその人たちの選挙母体の大学の人たちは、このことをいったいどのように考えるのでしょうか。まさか、自分たちは巻き込まれている被害者などとは思っていないでしょうね。そんなふざけたことを言うのはやめて、ぜひ、賛成を正当化してほしいものです。どんなふうに正当化するのか、直接顔を合わすと唾でも吐き掛けそうなので(レトリックです。唾さえもったいないのでそんなことはしません)、だれか訊いてきて報告していただけないものでしょうか。



6月18日(水)付加ゴミ

 自国のたまけりのゲームを見ないと非国民と言われるそうですが、残念なことに、そんなものを見なくても国民であることに変わりはないのですよ。国民国家の国民は、その国家の成員であるということ以上は意味しないのですが、それでは満足のできない人たちが、国民であるための条件を勝手に付け加えていくわけです。しかしそんなものはすべてゴミであって、なんの根拠もありません。「梅干しが嫌い」と言ったら、「それでも日本人?」と言われたことがありますが、その人なんて、国民であることの条件に梅干しが好きであることを付け加えちゃってるわけですから、もう、頭大丈夫ですかのレヴェルです。



6月19日(木)誤った前置き

 しかし、自国のたまけりのゲームをことさら避けるのもおかしく、それは自然ではない、と言う人もいます。この手のことを言う人は、たいてい、「私はナショナリストではないが…」という前置きをします。この前置きは、しかし120パーセント誤りです。「私にはナショナリストの自覚がないが…」が正解です。



6月20日(金)声の大きいバカ

 この「自然」は、セックス=自然/ジェンダー=文化という二項対立をバトラーが批判的に論じている際に用いられる「自然」と同一です。ところで、人から教えてもらいましたが、以前私がバトラーについて書いたものが、どっかのアホにさらされているそうです。まあ、どうせ哲学的素養もろくにないバカが、バカゆえにバトラーのバの字も理解できず、ただただ己れのバカさ加減を披露しているだけなので、私としてはどうでもよいのですが、ただこういうのにかぎってアレだったりして実害を受ける人がいるので、それは大いに困ったことかもしれません。



6月21日(土)『殺人処方箋』

 ついにコロンボに手を出してしまった…。これは退職後の楽しみにとっておこうと思っていたのだけれど、退職してコロンボが理解できる状態かどうかわからないわけだし、まだ理解力のある間に楽しんだ方がよかろうということで…。やっぱ面白い。小池朝雄の声ではなく、ピーター・フォークの肉声を聞くのもなかなか悪くない。ついつい、こういうのが制作されていた時代は、ジャック・バウアーが出てくるようなものが作られている時代より、はるかにましに違いない、と思いつつ、そういうことを言ってはいけないと反省する。



6月22日(日)ぬぁんと

 諸般の事情により散歩をしていたら、川西あたりで雨に降られ、仕方がないので宝塚まで歩いて、そこからあずき色に乗りました。車内では、幼い風貌をした二人連れが幼いしゃべり方で大学の教員の話が面白いとか面白くないとか言ってました。まったく、人は見かけやら話し方やらで判断するものではありませんでした。あんなふうに見えあんな風な言い回しを使いながら、教員の話が面白いとか面白くないとか言えるわけですから。そして、石橋で降りちゃうんですね…。



6月23日(月)処置なし

 やじったことをようやくゲロった都議の真意は、「『早く結婚していただきたい』という軽い思い」にあったそうです。バカだなぁ、やっぱり何にもわかっちゃいない。その軽い思いがすでにセクハラなんですよ。それをわざわざ記者会見で言っちゃうんですから、もうつける薬はありません。どっかで強制労働でもさせてあげるしかない。



6月24日(火)そもそも顔が嫌い

 そしてつまらない物書きの息子である政治家は、都議のやじを批判します。こそこそやじなど飛ばさずに、私のように堂々と「最後は金目」と言いなさい、ということでしょう。公費を使って現地へ行き、頭下げりゃすむんですから、大したことじゃありません。こんなのが環境大臣でいられるなんて、なんという茶番でしょうか。もっとも、父親だって確信犯的に差別的な発言を繰り返しつつ、都知事を続けていましたから、別に茶番ではなく、それがカスタマイズ不可能なデフォなんでしょうか。どっかで強制労働でもさせてあげるしかない。



6月25日(水)蛇足

 言うまでもなく、顔が嫌いということと、そいつを正義に反しているとみなすこととは、まったく別の事柄です。顔に限らず、ある人物についての好悪と、その人物を不正とみなすこととは、まったく異なることです。まあ、不正なやつのことはたいてい嫌いですが、しかし不正だとみなす理由は、そいつのことを嫌いだということにあるわけではありません。こんなことは当たり前ですが、まま混同されます。ある出来の悪い学生がいたとして、その方に単位が認定されなければ、それはその方の能力が単位を取得するための水準を満たしていないからであって、私がその方を嫌っているからではありません。よくそうやってごまかす方がいますが、ちゃんと現実を直視しましょう。嫌われたわけではなく、たんに能力がなかったのですよ。



6月26日(木)反対の賛成とかも気に入らない

 なぜか朝から「やなぎのしたぁに猫がいる、だから〜猫やなぁぎ〜」が脳内でぐるぐるまわっていました。あの絵に描いたような(まあ、絵に描いているのですが)ジェンダー規範がうっとうしく、ナンセンスギャグとか言ってるわりにはしっかりイデオロギーなんだよなぁと思ってきたし、いまもそう思っているのですが…。憲法を変えることなく解釈でごまかすというようなことがあっても、「これでいいのだ」と言いそうです。



6月27日(金)「しみけんのセカンドラブ」

 これは非常に面白かったです。なにしろ、しげぞうもこやぶもいしだも出ていません。ここが重要なポイントでもあります。この人たちが出ると、劇としてのまとまりがなくなり、要するに劇そのものがぶち壊しになってしまいます。なぜか笑いがとれるので、ひょっとすると勘違いが生じるのかもしれませんが、きっと共演者たちにはわかっているのではないでしょうか。個性が発揮されない方が劇としてのまとまりがあるなどと全体主義的なことを言っているのではありません。むしろ逆で、この人たちが出ると、この人たち以外の出演者の個性が失われてしまい、独裁政治が行われると言っているのです。



6月28日(土)日帝

 日本哲学会の大会があって、昨日から北海道に来ています。学生の頃、七帝戦という帝国主義的な大会があって来て以来です。そのときは、イデオロギー的に、日帝による植民地主義の歴史もろくに知らないバカ学生が北海道観光なんてできるかと思い、レース翌日にはフェリーに乗って帰りました。30時間くらいかけて舞鶴港に着いたとき、街中がスチームサウナ状態だったのをよく覚えています。



6月29日(日)日帝とか米帝とか

 日帝とか米帝は、すでに死語になって久しいと思いますが、大学1年の頃は、授業のときに「アジらせてくれ」と運動家がやってきて、10分くらい、日帝とか米帝とかの話をすることもありました。受講していた哲学の授業のときにもそういう機会があり、運動家がアジって教室から出て行ったあと、授業担当の哲学教員が「日本は民主主義であって帝国主義ではありません」と言うので、今頃言わないでさっき言えよ、と思いました。存命中のその教員だった人は、まあ、政治的には明らかに右の人なんですが、哲学の教員てこんなものなのかぁと少しがっかりしました。



6月30日(月)あっ、けむに巻くのか…つまらん

 線香屋は、拡大解釈の恐れはないとか言ってるそうですが、改憲しなきゃいけないのに解釈でごまかすってことは、いかなる解釈も拡大解釈であるってことがわからんのでしょうか。わからんのでしょう。しかしこの人たちは、いかなる解釈改憲も「断じて認められない」とか言ってきたんじゃなかったのでしょうか。そんな言葉は、だれひとり、信者のおばはんやじじいたちだって信じちゃいなかったとしても、そんなこととは独立して、前言とどう整合性をつけるのか、何とか言ってみろよ。



7月1日(火)ふざけた状況

 閣議決定されてしまいました。集団的自衛権を認めるということは、これまでの状況をドラスティックに変えることになるわけですが、しかし憲法改正だったらもっと大きな問題となりえたところを、解釈でごまかすことにしたので、反対運動も大きなものとはなりにくくなっています。もちろんそれが狙いなわけですから、戦うのが大好きな人たちの思惑通りにことが運んでいると言えるのでしょう。こんなことをカミング・アウトしても、さまざまな意味で無意味ですが、私は自由民主党や公明党に投票したことは一度たりともありませんし、今後もけっして投票しません。国立大学法人に勤める者として、将来人民政府によって尋問され、あのときお前だって賛成したんだろ、と言われないために、解釈でごまかす案には反対だと明確に表明しておきます。 



7月2日(水)問題は殺すかもしれないことです

 巻き込まれて殺されるかもしれないということに訴える人たちもいるようですが、そんなことは、どうでもよい些末なことです。むしろ、そんなことに訴えないといけないところが問題です。そもそも、巻き込まれるんじゃなくて、自ら進んで戦いに行くわけです。問われるべきは、自ら進んで人を殺すかもしれないということです。イラクで米兵がどれだけ死のうと、知ったことではありません。イラクで米兵が殺戮することこそが問題なのです。



7月3日(木)正戦なんてありません

 先週の1限目の共通教育の授業で、カントの平和論を紹介し、小レポートとして「正戦はあるか?!」について書いてもらいました。その結果、「ある」が40名、「ない」が82名、「どちらとも言えない」が21名でした。昨年も同じ授業で同じことを尋ねたのですが、結果は、「ある」が30名、「ない」が90名、「どちらとも言えない」が20名。この変化は、たんなる誤差なのか、それともこの1年で勇ましい人が増えるような状況の変化があったのか。あまりこの手の話を長々すると、教壇で政治活動をしていると告発されそうなので、適当に切り上げましたが、解釈でごまかすなんてのはとても成人のすることではないくらいは、言えばよかったです。



7月4日(金)軍隊の成員は軍人と呼ばれる

 東北地方で大地震があったときに、復興に尽力する姿を目にして、自分もなろうと思っただけで、戦うなんてことはまったく考えてなかった、という言い方があるそうです。こういう言い方をフォローして、現場がかわいそうだと同情する人も出てきちゃったりします。冗談じゃありません。あの組織の名称が災害復興隊じゃないことはだれだって知ってるわけです。海外メディアでは、「軍隊」と表現されています。軍人が戦うつもりじゃないとか、一体どういうつもりなんでしょうか。まさか災害復興隊には戦車やF14が必要だとか思ってたんじゃないでしょうね。



7月5日(土)ち〜ん

 都議会のセクハラ議員でひっぱり、次に兵庫のバカ議員でひっぱる。その間に、憲法改正せずに解釈でごまかす案を閣議決定してしまう。たまけりでナショナリズムを高揚させておいて、というのは失敗に終わりましたが、それでもこんな出鱈目がまかり通っているのですから、上出来なんじゃないでしょうか。今後は、法治国家という名称はやめて、法律解釈国家と名乗るべきです。あるいは、なんでもありち〜ん国家とか。最後の「ち〜ん」はあれの音です。



7月6日(日)読めますか?

 日曜の朝から、わんたちは税金使ってパトに乗り、柴原周辺で小遣い稼ぎに励んでいます柴原周辺の交通安全に尽力しています。こんなところでなされるかもしれない信号無視の摘発に血道を上げるのではなく、明確に行われている憲法無視を摘発してくださいよ。「憲法」は、書けるかどうかは別として、ご存知ですよね?



7月7日(月)銃後を支えるあくなきバカたち

 なんとあくなきバカたちが戦いたい人たちを募集するCMに出ているそうですね。原発推進のCMに出ていた桃太郎や1001みたいに、そんな過去は知りません的な態度はとらず、将来ちゃんと責任をとってくださいね。プロデュースしているあの男の責任は言うまでもありません。ったく何なんでしょうか、このジェンダー規範は。茶番を演じてみているだけですというような80年代風の言い訳は、くそ面白くもなんともないので、もっとちゃんと「右で何が悪いんじゃ」と言ってくださいね。



7月8日(火)誤解すべし

 3年に1度まわってくる英語授業がありました。『トランスクリティーク』というか、その著者というか、そのへんの紹介です。京都学派も知ることなく、柄谷がこの地の代表的な思想家であると誤解してくれたら、これに勝る喜びはありません。マルクスの顔を見せるときに、マルクス兄弟の顔も見せて、笑いをとる予定でしたが、マルクスの顔だけで笑ってる人たちがいました…。そこまで地に落ちているとは知りませんでした。



7月9日(水)訳詞はどうかと思うけど・・・

 50年に1度(なんか最近、毎年のように50年に1度がやってくるように思うのですが)の台風が近づきつつあります。そんなわけで、「アイ・ライク・ショパン」を聴いていたら、なんだか気が滅入ってきて、さらに、歌ってたあの線の細い方がすでに60になっていることを知り、もう立ち直れない気分になったことだなぁ。



7月10日(木)成長した私

 1時間目の授業は、配布物を授業前に前方の机の上に用意しておいて、セルフ・サーヴィスで受け取って講義に臨んでもらう、ということにしています。前方の机の上なので、授業開始後あまりにも遅くやってきた学生は、かなり恥ずかしい思いをするはずなのですが、どうやらそんなことはまったくなさそうに見えます。みなさん、こんなことくらいじゃ恥ずかしくないぜ、と強がっているのか、それともたんに厚顔無恥なだけなのか。今日も1時間以上経ってからお見えになり、フツーにプリントをもって行く○○がいました。しかし驚くべきなのは(まあ、実はそれほど驚いているわけではないのですが)、そのお方よりももっと遅くにやってきたため、プリントを受け取れなかった社長令嬢とか社長のご子息とかが、「プリントありませんか?」と言ってきたことです。余計なことを言いそうになるのをぐっとこらえて、「ありません」とだけ答えた私は、なんと成長したことでしょう。



7月11日(金)恋する扇風機って???

 生協に、「恋する扇風機」なるものが売られています。いったいこれは何者なんでしょうか。扇風機が恋をするのなら、それはオカルトだし、扇風機に恋をするのなら、それはフェティシズムでしょう。こんなふうに気にしている時点で、「お前が恋しているんだろう」とか言われちゃうのなら、それはオカルト+フェティシズムです。



7月12日(土)気持ちいい

 お上からのクールビズに反抗してネクタイを着用しているため、部屋ではクーラーをつけていません。あいつエラソーに反抗とか言ってるけど、部屋でクーラーがんがんかけてんだから、大したことないよな、って言われないためにです(そもそも、だれもそんなことは言わないでしょうし、もっと言えば、だれも反抗のためにネクタイしているなんて知らないでしょう)。そんなわけで、今日のような休日出勤のときだけ、Tシャツで来てクーラーをかけています。なんて気持ちいいんでしょう。



7月13日(日)やせたソクラテス

 今日も今日とてパトわんが徘徊しています。もし、ああ、こんなくだらないたんなる権力行使の小遣い稼ぎを社会正義の名の下にやり続けてしまったと、わんなのに思うときがくるとしたら、きっとそのことで心の病を発症することでしょう。しかしそんなことはありえないですね。アホだから、死ぬまで、本官は社会正義を生きてきた、と思うことでしょう。こういうのを幸福と呼ぶのであれば、アホの方が幸福になれるということになってしまいます。



7月14日(月)『Alice』

 まったく違う映画を想像していて、完全に記憶違いでした。あの映画はなんてタイトルなんでしょうか。ミア・ファローが主演だったはずなのですが…。もはや調べようもないです。この映画は、それなりに面白かったのですが、やっぱりウィリアム・ハートは嫌いだということを確認しました。そして昨日見たのに最後を思い出せませんでした。ネットを探して、ようやく最後のシーンがわかりました。そりゃ思い出せないはずです。ひょっとしたら、居眠っていたのかもしれません。



7月15日(火)さっぱりわかりません

 なんとかのマーニーというあれがあるようですが、ポスターに書かれてあることが、もう理解できません。永久に待ってる、ってどういうことなんでしょうか。永久ですよ、永久。もはや何を言っても無意味じゃないですか。なにしろ永久に待っちゃうんですから。



7月16日(水)ツイッターは怖い

 いくら相手のことをアホだと思っても、そしてそれが事実と合致していたとしても、やっぱ「死ね!」なんて書いちゃダメです。ツイッターなんかだと、ついつい大脳反射ではなく脊椎反射しちゃうんでしょうか。そこはじっくり考えて、「生きてください、永久に」でしょう。



7月17日(木)なぜなのか

 人身事故のためダイヤが乱れているというニュースがアップされると、かならず「迷惑だ」と書き込む人がいます。わざわざ書き込まなくてもよいものを、わざわざ書き込むわけです。どうせちんけな人のちんけな予定がちょっとばっかし狂っただけなのに、わざわざ書き込むのはなぜなのでしょうか。そんなに自己のちんけさをアピールしたいのでしょうか。もう十分にちんけだというのに…。人の命よりも重い予定をもっている人なんて、そうそういないことを確信していますが、違うでしょうか。



7月18日(金)チキンの虐待について

 こうクソ暑いとまったく食欲がわきませんが、しかしミスター・デフォの私は昼を食べないわけにはいかず、ふらふらと食堂へ行きました。そうしたら一番前に出てるのが、チキン南蛮。ゲッ。ただでさえ食欲ないというのに、あの黄色いのがたっぷりかかってて気持ち悪いのなんの。あれは、チキンに対する虐待じゃないでしょうか。ところが前に並んでいる3人が3人とも、チキン南蛮を注文していました。もう、きみたちの胃はいったいどうなっておるのだ。



7月19日(土)希ガス

 今週も休日出勤して、快適に過ごすことができました。ちょっと残念だったのは、午後から雨が降って少し涼しくなってしまったことです。せっかくクーラーをつけているのだから、外はガンガン晴れていただかないと…。毎日が土曜日なら、もっと仕事がはかどるような希ガス。



7月20日(日)暴力行使のあいつら

 今日も暴力行使の現場を目にしてしまいました。あいつらの行使する暴力は、唯一法的に正当なものと認められているものではありますが、しかし行使されるのが暴力であることに変わりはありません。あいつらにはそういうことがわかっているでしょうか。わかっていないでしょう。そして今日、ふと思いましたが、ひょっとして日曜に仕事しているからとかで、特別な手当てがついてたりするんでしょうか。仕事と言っても、暴力行使なんですが。あいつらが日曜に暴力行使するために余計に税金が使われているなんて、私たちはなんて豊かなんでしょうか。



7月21日(月)どーせ私が悪いんです

 今日もせっせと9時過ぎには休日出勤して、「さくさく」というわけにはいきませんでしたが、それなりに仕事をして、午後から申請書づくり。共同研究者からいただいた申請書づくりのための情報を切り貼りしたり、作文したりして、6時間くらいで申請書ができる寸前のことでした。消えました。いまどきそんなことはないだろう、どーせ自動保存してるだろー、と思いましたが、まったく保存されていませんでした。えーーー、マジですか! 私の今日の午後はどうなったんでしょう…。はいはい、私があまりにもしあわせだから、世の中の苦しみをすべて背負っていかなきゃいけないんですね。わかりましたよ。私が悪うございました。



7月22日(火)『ホリスター将軍のコレクション』

 子供のころに観たときも、軍人なんて消えてなくなればよいものを、と思ったものですが、今回もそう思いました。その将軍がいかに勇敢な人であったかを紹介するニュースが流れ、その直後に、軍事費を増額する必要性があるというニュースがちらっと流れるというシーンがあります。あれってひょっとして、そういうメディアのあり方に対する批判だったのでしょうか。おそるべし、『刑事コロンボ』!



7月23日(水)『レッド・ブル』

 いまやこのタイトルで検索をかけると残念ながらへんてこな飲み物ばかりがヒットしますが、やっぱ面白い。ついつい冷戦構造のままでよかったんじゃないの、っていけないことを思ってしまいます。ダンコ大尉がシカゴの安ホテルに泊まり、お金を入れてテレビをつけたら、ポルノが流れ、「キャピタリズム」と吐いて捨てるように言うシーンとか、悪いやつが、ソビエトの人間はスターリンを耐えたんだから麻薬くらいなんてこともないとうそぶくシーンなど、たんなるアクション映画ではない優れ物だと思います。



7月24日(木)傲慢でした

 休日出勤して6時間くらいかけて全部消すための申請書を作り、帰宅してから3時間かけて再現し、いい気になっていました。私以外は各ブロックの重鎮を揃えた共同研究で、もう他の競合する研究がかわいそうだと思ったほどでした。ボツです。あの9時間は「傲慢になっちゃいけないよ」という学習時間だったのでしょうか。これで「立ち直れない」とか言うと、ますます傲慢だということになるので、粛々と現実を受け入れることにします。つーか、受け入れようと受け入れまいと、現実にとってはどーでもいいことなんですけどね。



7月25日(金)ハラスメント防止等に関する研修会

 今年も参加してしまいました。参加する場合は、庶務に連絡するのですが、係の方から「ご参加いただけると思っていました」と言われてしまいました。ふつう、こういう期待には応えたくなるじゃないですか。つーことは、ひょっとして来年以降も行かないといけないのでしょうか。



7月26日(土)未熟な人格ですみません

 36℃の中、吹田地区でも地の果てにある保健学科の講義棟まで出かけて行って、なにか得るものがあるのでしょうか。なわけがないでしょ。いや、ここで書くためのネタの宝庫ではあります。初めっから、もうそのことしか考えていませんでしたが、わざわざ探すまでもなく、最初から最後までネタがちりばめられていました。いきなり、ハラスメントの加害者は、人格が未熟だとおっしゃるのですから。さすが、成熟した人格をお持ちの方はおっしゃることが違うと思いました。しかし、成熟した人格をお持ちの方が、他人の人格のことを未熟だとかおっしゃるものなんですね。



7月27日(日)笑顔がなくてすみません

 そして、ハラスメントの加害者も被害者も、コミュニケーション能力に問題があるそうです。さすが、コミュニケーション能力に自信のある方は、おっしゃることが違いますね〜。コミュニケーションの極意は、なんといっても、笑顔だそうですよ。笑顔で話しかければ、話しかけられた方は笑顔になるそうです。いやいや、これを冗談ではなく、マジでおっしゃっているのですよ。すみません、意味もなく笑顔で話しかけたりしたらアホだと思われると思っていましたし、意味もなく笑顔で話しかけてくるようなやつはアホだと思っていました。そういえば、被ばくしようとなんだろうと、笑顔でいれば元気になれるとか言ってた人もいましたね。がんばってください。



7月28日(月)それ、ハラスメントなんすけど???

 言葉遣いにも習熟しているそうで、立派なことを教えていただきました。「『おいしい?』と訊いて、『これは味覚を刺激し、神経なんとかを伝わり、大脳が…』と答えてもらって、嬉しいですか?」とおっしゃるのです。そして、「女性のみなさん、いかがですか?」と。そして<女性のみなさん>がどう反応したか知りませんが、「男性のみなさん、気をつけましょう」とおっしゃるのですよ。は〜ん、ハラスメント問題に対処する専門家は、料理を作るのは女性の仕事であり、それを食べるのが男性だとお考えなわけですね。さすがです。コミュニケーション能力には優れていらっしゃるのかもしれませんが、あまりべらべらしゃべらないことをお勧めします。なぜなら、その持てる知力を尽くしたお考えは、まさかいまだにそんなことを言う人はいないだろうというくらいのちょー古典的なセクシュアルハラスメントですから。



7月29日(火)めでたい

 文学研究科の教員には、言うまでもなく自分自身も含め、いろいろと問題があると常日頃思っていますが、しかしこの手の話を得々と垂れ流してしまう人を容易には信用しないという優れたメンタリティがあると思います(まあ、そうじゃない善良な方もいるでしょうけど)。その点は、高く評価されてもよいのではないかと思いますが、きっと、コミュニケーションの達人とか成熟した人格者とかからすると、ダメ印を押されそうですね。めでたい。



7月30日(水)釣る気あんのかっ

 うっかりしてました。先週、真下システムの丸山から本日中に連絡を寄越さないとえらいことになるぞ的なメイルが届いていたのに、いろいろと諸般忙しく、バカ研修会にも出なきゃいけなかったので、すっかり忘れていました。このクソ暑いのも、ひょっとして連絡しなかったからなんでしょうか。文面は相変わらず、釣る気はあんのか、という感じですが、0120を取得していたところを評価して、17点かな。でも、土日祝日も休むそうです。そんなことしてちゃダメですよ。もっとちゃんと人を騙しすぎて死んじゃうくらい働かないと。



7月31日(木)歩きスマホの学生さま

 この前、歩きスマホのやつが前から歩いてきました。顔見知りの学生だったので、安心して、聞こえるように舌打ちをしてやりました。すると、世界を動かし中なのか、一瞬だけ顔を上げ、ただちに画面へ。こんなやつに世界を動かされているのかと思うと、胸糞が悪くなりましたが、幸いなことに傘は手にしていなかったので、突いたりしなくてすみました。なるほど、こいつは世界を動かしているかもしれません。



8月2日(土)『もう一つの鍵』

 ほとんど記憶にない作品でした。最後に犯人がコロンボに銃を向けるシーンがあり、「そういうのはレディーにはふさわしくない」とかなんとか言うのですが、こういうところは実に余分です。まああのいやらしさでは、とてもハラスメント防止の専門家にはなれそうにありませんが、しかし女性に敬意を示していると思い込んでるところは、ちょっと通じています。ああ、不快。



8月3日(日)『死の方程式』

 一番最初に放映されたときに、たまたま目を覚まして親が観ていたところに出くわし、最後のロープーウェイのシーンだけ目にして、なんだか面白そうなものを(こっそり)観ているんだなぁと思ったものでした。その後、そのシーンを含む作品がどれなのかわからず、いつか観ることができるのだろうかと思っていましたが、ついに巡り会えました。犯人はアホですが、追い詰め方としてはやはりなかなか面白かったです。



8月4日(月)やったもん勝ちか

 イスラエル軍は学校を爆撃してこどもの死者を出し、「国際世論は黙っていない」と報道されましたが、その後、イスラエル軍がそのことで罰せられたという話は聞きません。ガザ地区でやりたいことだけやって、休戦協定を結ぶなんて、要するにやったもん勝ちっしょと言ってるようにしか見えません。トロッコがどうしたこうしたなんてどうでもいい話で白熱しないで、正義に反したことがこんなに堂々と行われている現状を問題にして欲しいものです。



8月5日(火)それはおかしい

 人が死んだときに、その人が死んだためにある分野が大きな損失をこうむると言うことは、その死者のことを讃えていることになるのか、それとも貶めていることになるのか。その人がいなくなっても、どの分野も大きな損失をこうむるようなことがなければ、別にその人がいなくなったことそのことはどうでもよいことなのか。ところで、死ななきゃならないくらいに追い込んでおいて、死んでしまうと「弱い人」と言い、死に方によっては「迷惑」と言ってのける、これもやっぱりおかしくないのか。



8月6日(水)まあ、なさそうだが

 今日は歩きスマホおばはんが私の前をのろのろ歩いてくれました。通常なら抜くときに舌打ちをするところですが、なんだかもうめんどくさくなりました。どうせもうすぐ死ぬわけですし。いくら平均寿命が延びたからといって、まあ、あと150年も生きることはないでしょう。だったら歩きスマホくらい好きにさせてやるか、と。ひょっとしたら、おばはんは集団的自衛権を認めない人かもしれないし、原発がただちになくなってくれればよいと考えている人かもしれないし。



8月7日(木)用心

 今日は小学校の門の前で大きな声を上げて泣いている女の子を見かけました。明らかに、泣いている私を助けてアピールをしているように見えましたが、諸般の事情により、素通りしてしまいました。まあ、仕方ない。



8月8日(金)甘口って・・・

 久しぶりに激辛担担麺を食べました。激辛でした。1日限定50食なので、いつもびくびくしながら注文するのですが、「今日は終わりました」と言われた試しがありません。世界のあり様からして、こんなに幸運が続くとはとても思えないのですが…。ところで、甘口担担麺ってなんでしょうか。甘口カレー同様、「担担麺食べたぜ」とかって自慢したいけど舌がお子ちゃま仕様の方用なんでしょうか。おとなしく、そうめんとかハヤシライスとか食べときゃいいんじゃね?



8月9日(土)ばっかじゃねーの

 大雨洪水警報が発令されていることも知らずに、休日出勤してしまいました。こんなときに何かあったら、また何を言われるかわかったものではありません。なにしろコンテクストを抜きにして、自分にとって都合のよい部分だけを抜き出し、ストーリーを作り上げるわけですから。ばっかじゃねーの。



8月10日(日)『ロシア・ハウス』

 初めてドイツへ行った帰りの飛行機で上映されていた作品。当時はまだ、ひとりひとり別々の画面じゃなくて、みんなでひとつの画面を観るという映画館式の上映でした。なんと、ソ連でアメリカ映画のロケが行われた第2作目だそうです。主演の男はマッチョなので好きじゃないですが、しかもかつて女王のためにスパイ活動をしでかしたようなヤツですが、この映画では大英帝国やアメリカよりもロシアが好きだと言ってたので、許してあげます。現実に帰ると、ああやってプーチンを追い詰めるようなことをしちゃって大丈夫なのかな、と思います。



8月11日(月)フィールド・オブ・そらみみ

 初めてドイツへ行ったとき、行きの飛行機で上映されていたのは、『フィールド・オブ・ドリームス』。もう、『ロシア・ハウス』とは格段の違いです。なにしろ声が聞こえてきちゃって野球場を作るって話なんですから。やっぱロシアの方がいいよな、って思わずにはいられません。



8月12日(火)貶め

 実は、『ロシア・ハウス』に続いて上映されたのが、『ニュー・シネマ・パラダイス』です。ああ、どこまでアメリカを貶めるつもりだったんでしょうか、日航は。念のために申し添えておきますが、日航を選択したのは私ではなく、奨学金を出してくださったお金持ちクラブの方たちです。



8月13日(水)一斉休業

 一斉休業。出勤できません。出勤してもいいけど、電気類を使ってはいけません。そっか、電気類を使わなきゃ行ってもよかったのか…、と思いましたが、やっぱこの暑さで使わないのは無理でしょう。そもそもPCも使えません。そんなわけでピンチです。自宅警備です。こんな日が3日も続き、そして週末とは…。やっぱゴルフとかテニスとかの予約を入れておくべきだったか。言うまでもなく、そんなカピタリスムスには毒されていません。わはは。



8月14日(木)短針不要論



 この前、もはや働くことを拒否しているテレビから、前世紀より使用している時計を巻き添えにしてダチョ之が飛び降りました。その結果、短針はいつまで経っても6時しか指せなくなってしまいました。まあ、時計を見るときというのは、たいてい何分かを知りたいのでしょうから、長針が動いていれば問題はないとも言えます。じゃあ、はじめっから短針はいらないじゃん! おお、それで単身赴任か。



8月15日(金)立憲主義

 まあ、スポーツ紙のネットでの世論調査ですが、集団的自衛権でたらめ閣議容認決定に賛成している人が6割を超えているそうです。「自衛は重要」だとか、勇ましいことをおっしゃっる方もいらっしゃるようですが、だったら、ちゃんと憲法改正からやらなきゃダメです。ある事柄が重要だから憲法違反でも構わない、っていうのは、もはや立憲国家じゃないです。あそこにあるおもちゃが欲しいからと泣きわめく洟垂れのために、おもちゃをかっぱらえば、それは違法です。正当化したければ、泣きわめく洟垂れのためにおもちゃをかっぱらっても合法になるよう、法を変更しなければいけません。そんなことは、その洟垂れにだって理解できるでしょう。



8月16日(土)責任もって「キモい」と言うヤツ

 公共の電波を使って「キモい」と言ったから倫理規定に違反するとかなんとかいう争いがあるそうです。その発言は、責任をもってなされたとかなんとかほざく文化人気取りのゲーニンもいるそうですが、あんなのが電波に乗ってる段階ですでに正義に反しているのですよ。そもそもその局の系列の新聞社は、戦後、先頭切って原発を推進してきたメディアであり、いまなお推進しつつあるメディアなわけです、正義に反していないわけがありません。ところでその議員は、責任をもって「キモい」って言われちゃったことになります。これから、責任をもって「キモい」と言われた私です、をウリにすりゃいいんじゃないですかね。どーせろくな政見はもっていないわけですから。



8月17日(日)すっげー自信

 ハハハー、この齢になって生き方を説教されてしまいました。あまりにも面白すぎるので、全文公開したいくらいですが、バレたら何かと面倒なのでやめておきます。それにしても、どうしてあれほど自分の生き方に自信たっぷりで、それを受け容れようとしないあなたはかわいそうだ的なことを言えるのか、まったく理解に苦しみます。私にはわからないだけで、世界革命に通じるような生き方をされているのでしょうか。私には、自分の帰属する共同体の価値観に対してなんらの反省ももたないたんなるバカにしか見えませんがね。「あなたのためを思って」というのは常套句ですが、これを口にするヤツが「あなたのためを思って」ることなんて、人類史上、ありませんでした。ひょっとして、その方は人類初なんでしょうか。アホが。



8月18日(月)そんな務めがあるんすか

 宴席で、酌をして回るのが女性の務めだと信じて疑わないようなのがいる宴席に出ないと、「他人を避けている」ことになるそうです。避けているのは他者一般ではなく、そういうことを平気で言っちゃうバカなあなただけなんですけどね。



8月19日(火)ご立派な違和感

 バカな忠告をしようと思ったのは、「違和感を感じた」からだそうですが、違和感を感じさせてしまう相手がおかしいと考える前に、違和感を感じてしまう自己のメンタリティを少しは反省してみたらどうかと思うのですが、しかしそれは無理ですね。反省するには多少なりとも知性が必要ですが、違和感を決め手とするような方は反知性主義ですからね。そう言われてみれば、閣議で集団的自衛権の行使容認を決定してしまう今の政府首脳たちは、反知性主義と言われています。激しく納得。



8月20日(水)しつこいよ

 しっかしここまでしつこく罵倒し続けると、やっぱおまえがおかしいんじゃね的な視線を浴びせられそうです。そういえば、自分より強い者にはへいこらし、自分より弱いと思った相手は徹底的にたたき続けると、かつて言われたこともありました。強い者にへいこらしているように見えることに関しては、そう見えるのだからどうしようもないですね。まあ、幽霊が見えちゃう人もいるわけですし。しかし反知性主義に対しては、たとえ届かないことはわかりきっていても、バカだって言い続けることこそが、未完のプロジェクトです。



8月21日(木)それともイラク市民はどうでもよいのか

 ドイツの左翼政党は、現在のイラクの状況を招いたのはアメリカだと言っています。こうした言い方は、逆に、アメリカの全知全能を想定することにもつながりうるのでよくないかもしれませんが、しかしありもしない大量破壊兵器の存在を口実にして石油利権のために爆撃したことが、今の状況と無関係とはとうてい考えられません。ひとりのジャーナリストが処刑され、それが世界的に配信されることはセンセーショナルではありますが、しかしイラクの空爆によって世界的に配信されることもなく死んでいったイラク市民がたくさんいたことを忘れるべきではないのではないでしょうか。



8月22日(金)こまったこまったこまどりしまい

 諸般の事情により、『日本近代文学の起源』をノートをとりつつ熟読玩味しています。難しいです。「私小説」の「私」はコギトではない、と言われても、コンテクストからはそういうことになるのだとわかりますが、じゃあそれがいったい何者なのかが、さっぱりわからないのです。しかし逆に、自我が消えてなくなる恐れということも、どういう恐れのことなのか、よくわかりません。困ったもんじゃ焼き。



8月23日(土)うぃーんうぃーんうるさい件

 ノートパソコンがうるさい。やたらうぃーんうぃーん声を上げる。「自分、頑張ってます」とアピッてくるのです。そりゃあなたが働いてるのは知ってるけど、それは仕事でしょ、黙ってさくさく仕事しなさいよ、と言いたくなります。ろくに仕事もしていないのに、やたらうぃーんうぃーん言うので、この前「いつかぶっ壊して買い換えてやるからな」って思ったら、なんとネットに接続しなくなりました。こいつ、わざとやってんのか。いつか絶対ぶっ壊してやる。



8月24日(日)『ローマでアモーレ』

 娘の婚約者に会いにイタリアへ行くのですが、はじめっから共産主義者と決めつけているところがなんとも面白かったです。イタリアではまだ、まともなことを言う若者は共産主義者だという俗説が生きているということなのか、あるいはアメリカのインテリはそういう偏見をもっているということなのか。いずれにしても、例によって一言一言に嫌味が含まれていて、いつものドタバタがなかったら、疲れてしょうがないかもしれません。「こんな経験、嘘みたいだ」と思うときは、たいてい嘘だ、というのも大笑いです。



8月25日(月)山と石と水と皮

 『日本近代文学の起源』、ハードカヴァーを発刊後、4年にして文庫版を出すとは、商魂逞しい以外のなにものでもありませんが、まあ、それはよいです。文化人だって、ご飯を食べたいということなのでしょう。許せないのは、ページ付けが異なっていることです。どっちも「定本」をうたっているのにですよ。これだと、引用ページを記しても、どっちからの引用かわからんではないですか。こういうところが、その出版社はひょっとしたら売ることしか考えてないんじゃないかと思わせるのです。



8月26日(火)文献学者には垂涎ものかも知れないけど

 おまけに、これらの「定本」にはドイツ語版への序文というのがついています。ドイツ語に翻訳されたときにそのドイツ語版のためにつけられた序文が翻訳されているのです。問題は、そのドイツ語版の底本がこれら「定本」のいずれでもないというシャレにも何にもならない事実にあります。つまりこれら「定本」には、これら「定本」を底本として訳されたわけではないドイツ語版への序文の翻訳がつけられているということです。これはいったいだれに文句を言えばよいのでしょうか。もっとちゃんとやれ、と言いたいです。



8月27日(水)保健体育じゃ・・・

 「騒いだら殺すぞ。パンツちょうだい」って言った中学の教師がいるそうです。この言語感覚ってちょっとすごいな、と思うのです。一つ目の文と二つ目の文のギャップが激しすぎます。「殺すぞ」と「パンツ」と「ちょうだい」が共存しちゃってるのですよ。こんな表現を思いつくのは国語教師に違いないと思ったのですが、正解は保健体育の教師で、かなりがっかりしました。別に凝った言い回しではなかったわけですから。



8月28日(木)観念論の敗北

 保存してあった文書に上書きをして、名前をかえて保存すれば、ファイルは2つできることになります。保存してあった文書に上書きをして、そのまま上書き保存したら、ファイルは1つのままです。そして、前に書いてあった部分は、当たり前ですが上書きされています。ということは、前に書いてあった部分は、消えてなくなっています。たとえそれが、休日出勤して書かれたものだとしても、です。そして、そのことがわかってPCの前でどれほど悪態をついたとしても、です。私がかりに死んでも輝きは戻らないという歌詞と同じくらいに、観念論の敗北を痛感します。



8月29日(金)プロゴルファーじゃあるまいし

 現政権下で6度目の国家による殺人が行われました。「被害者感情、国民感情からみて死刑制度には十分理由がある」という法務大臣のこれまでの記者会見での発言が、ニュースで引用されています。感情なんてものを、制度を正当化する理由として挙げている点に驚愕します。しかもプロゴルファーではなく、法務大臣が、です。こんなものが理由になるのなら、そもそも法なんて必要ないです。みんな感情の赴くままに生きればよいではないですか。



8月30日(土)気持ちの悪い話

 そもそも、国民感情ってなんでしょうか。国民はひとつの主体なんでしょうか。そしてそれが感情をもっているということなんでしょうか。気持ちの悪いこと、この上ありません。国民であるということは、国籍をもっているということ以上を意味しません。そこに共通の感情だとか価値観だとか善構想だとかを付加したりするから、くだらない話題で教室が白熱しちゃうんですよ。アホが。



8月31日(日)粛清前に・・・

 というようなことを書いてアップしようとしたら、ノーパソがぐずり、ついに動かなくなりました。自動修復不可能だそうです。ひょっとして、国家による殺人を肯定する輩だったのでしょうか。あるいは、国民感情万歳派だったのでしょうか。いずれにしても、粛清する前に、死なれてしまいました。死んだって、戦争責任は追及されますけどね。



9月1日(月)ケーニヒスベルクのじいさんでさえ・・・

 ドイツで、イラクのクルド人たちに武器を供与することが決まりました。国会で議決があったわけですが、大連立政権ですから国会における採決はほとんど象徴的な意味合いしかもちません。左翼政党は全員反対、緑の党は意見が分かれました。緑の党の反対意見は、武器が確実にクルド人たちの手に渡るかどうかを問題とするもので、武器そのものの問題性を問うわけではありませんでした。それが「政治」というものなのでしょうか。死刑制度を擁護していたケーニヒスベルクのじいさんでさえ、政治は実地の法学だと言ったのに、です。



9月2日(火)目くそ鼻くそ

 ケーニヒスベルクのじいさんは、パトリオティズムとナショナリズムは異なっていて、後者はダメだが前者はよいと言っちゃってます。ひょっとして、後者は虚構だけど前者は虚構じゃないとか考えたんでしょうか。大きな間違いです。そしてどちらがより悪質かと言えば、虚構性が自明な後者よりも、虚構であることが忘れられて「実感」されてしまう前者じゃないでしょうか。この「実感」を土台にしてこそ、虚構のナショナリズムが正当なものとして拵えられてしまうと、なぜ考えなかったのでしょうか。



9月3日(水)ドキドキ

 先週、健康診断がありました。近頃は、受検者を増やす目的からか、スタッフのみなさんが恐ろしいほど親切です。そんな中、ある検査の係の方は、往年の無愛想さでつんつんしており、今にも「何ぐずぐずやってんだよ、タコ」と言いそうな感じで、ちょっとドキドキしました。怖いのでペコペコしてましたが、きっとそういうペコペコした態度も気に入らないことでしょう。もう、ごめんなさい。



9月4日(木)たんぱく男最強説

 しかし、あの手の人を前にしても、たんぱくが検出されて翌日再検査を求められ半ばキレ気味になってるじいさんは、びびったりしません。ひょっとして、つんつん女よりもたんぱく男の方がステータス的には上位なんでしょうか。たとえ後者がたんなる失笑の対象である一方、前者からはぜひ失笑されたいと思ってるようなヤツがいるとしても…。



9月5日(金)びっつらだ

 内閣が改造され、支持率も上がったそうなので、やっと反原発、死刑制度廃止、何が秘密だか秘密だ法はやめます、憲法なんて解釈でどうにでもなるさなんて考えてバカでした、って方向性が示されたのかと思いきや、違うんですね。ますます右方向に磨きがかかっているそうで、そんなに戦いたいなら、まずはウクライナかイラク、ガザ地区あたりへ行ってきなさいって感じです。



9月6日(土)爆撃だ

 ところで、閣僚に選ばれた女性の父親は、脳梗塞で倒れていたというのに、きちんと後継指名をできちゃった奇跡の人なんですよね。そんなすごいことができたのに、どうして医者たちは学会発表しなかったのか、まったく不思議なこと、この上ありませんでした。この奇跡の人が「人柄」と呼ばれ、後継者が人類なのにサメの脳みそをもつ「大柄」、そしてこの「大柄」と同様プロゴルファーなのが現在の行政府の長。うーむ、やっぱアメリカはまず東京を爆撃する必要があるんじゃないか。



9月7日(日)いろいろヤバい

 キャンパスセクハラに関する全国集会があり、諸般の事情によって参加してきました。会場の最寄駅は、なんとホットスポット「代々木公園駅」です。そんなところへわざわざ出かけて行くなんて、飛んで火に入る夏の虫というか、夏の虫に刺されたらえらい目に遭うというか。建物の中に入れば入ったで、いまだに男性叩きに血道を挙げる方もいらっしゃるので、やっぱ飛んで火に入る夏の虫状態。あまりにもひどい状態にある大学の状況が紹介されているときに失笑していたら、隣に座っていた女性が突然泣き出して、「やっべぇ〜」って状況にもなりました。知らんふりしましたが。



9月8日(月)よいことかもしれないが

 学内でアカハラを訴えようとすると、「訴えてもいいけど、もう学会じゃやってけないよ」と堂々と言ってのける教員がいます。それを思うと、学会にアカハラを訴える窓口があるのはよいことなのかもしれません。しかし、私がこんなにひどい目に遭わされたのに、なんの処罰も受けずに学会で活躍しているのは許せない、なんとかしてほしい、という話になると、ちょっと待ってよ、と思い始め、スカートの中を盗撮して刑事罰を受けたのに学会ではなんの処分もされないのはおかしい、なんて話になると、もうまったくついていけません。それはあなたが男だからだ、と言われるなら、もはや議論の余地はないのですが、それを出さないとしたら、どのような正当化が行われうるのか、よくわかりません。



9月9日(火)右なのに自分だけ特別って・・・

 ある新聞社がバッシングに遭っており、週刊誌の中吊り広告に、100田何某の「私と日本人を貶めた」というその新聞社に対する言葉を見つけました。この100田何某は、たしかナショナリストだったと思いますが、ナショナリストがこんな言い方をしてよいものなのでしょうか。「私」は大好きな「日本人」じゃないんでしょうか。「私」はそんじょそこらの「日本人」ではないと言うのであれば、「日本人」を貶めていますし、そもそもみずから大好きな集団への帰属性を否定していることになります。こんなことでナショナリストが務まるんでしょうか。戦争を美化するだけでなく、右なら右で、もっとちゃんと右をやってほしいものです。



9月10日(水)郷土ってなんすか

 あるテニス選手の活躍に関して、「同じ××人として誇りに思う」(××にはある国家の名称)という言い方がなされるとき、ケーニヒスベルクのじいさんはそれを認めないかもしれません。しかし、その選手の「地元」(これもきわめて大雑把な表現です)が万歳三唱していることを、そのじいさんは批判できるでしょうか。できないでしょう。郷土愛はすばらしいと考えているからです。郷土なんて発想こそ、まっさきに否定されるべきものであるにもかかわらず。



9月11日(木)『ハンナ・アーレント』

 ひげを生やしたいかにもペテン師丸出しのハイデガーとかいう人の描き方が、なかなか面白かったです。「情熱的思考」とか、いかにも意味ありげでその実無意味な言葉を操りつつ、しっかり考えてます的な学生をころっと騙す手口など、見事です。むしろアイヒマンの方が誠実に見えるくらいで、ひょっとしてこの映画のメッセージは、インテリこそがもっとも陳腐な悪だというところにあるんじゃないかと思わせるほどです。アーレントの部屋を訪れたとき、いきなりそこですか、と思ったのは私だけでしょうか。



9月12日(金)ヨナス笑える

 まあ、ヨナスはあんなもんでしょう。それよりもアーレントの夫があんなにまともな人だとは知りませんでした。不当逮捕したアイヒマンを裁く権利のことを「神聖な権利」と批判的に語るところなど、「その通りだ」と思って観てましたが、「ベルリンの共産主義者」と呼ばれたりして、「わはは」と思いました。



9月13日(土)答えてほしいものです

 「法に従っただけだ」と主張する人に対して、モラルを持ち出されてしまうと、ちょっとちょっとと思わざるを得ません。しかもそのモラルとは、自己内対話によって思考することなんですよ。アイヒマンだって、思考して法に従うことに決めたのではないのでしょうか。このとき、思考していたら虐殺に加担することなどなかったはずだ、と言うのは反則です。そういう言い方をするのであれば、結局のところ重要なのは思考することなどではなくなります。思考することとは独立してすでに一定の規範が妥当性をもっているということになります。まあ、アーレントはジャーナリストだから議論をつめる必要はないでしょうけど、アーレント好きの哲学研究者の方たちには、ぜひ答えていただきたいところです。



9月14日(日)『LUCY/ルーシー』

 そんなわけで久しぶりにレイト・ショーへ行きました。たぶんそうだろうけど、ひょっとしたら何かの間違いで…、と思ったのですが、ヨハンソンはまったくエロくなく、こんなんじゃジョボジョボと変わらんではないか、と思いました。チェ・ミンシクも出ていて、最初はものすごく面白かったのですが…。ああいうどうでもいい形而上学はやめにして、せっかく人よりたくさん脳みそを使えるようになったのなら、あんなことやこんなことに使ったらどうよ、って思いました。



9月15日(月)悪魔の所業なら裁けない

 イスラム国とやらのグループにイギリス人が処刑され、その様子がネットに公開されました。イギリス首相は「悪魔の所業」と言ったそうです。「悪魔」だったらもはや人の法では裁けないではないかと思いますが、それはさておき、大量破壊兵器の存在というでっち上げによってイラク市民を殺戮したことはお忘れなんでしょうか。そういうのは「天使の所業」なんでしょうか。パレスチナの問題だって、元々は自分たちがまいた種だったでしょうに。



9月16日(火)『スイミング・プール』

 たぶんミステリなんだと思うのですが、脳内メーカー的には「透け透け詐欺」に遭ってしまう私なので、もうなにがなんだか考える間もなくガン見(これって、「ガンガン見る」からきているのですね。「ガンガン見る」もかなり面白いと思いますが。)して終わってしまいました。朝、授業する教室が全然見つからずに走り回り、元々カバンに持っていた授業一覧でようやく講義室がわかりぐったりしたところで夢から覚め、ミステリの謎解きを考えようとしたのですが、ガン見の残像ばかりが脳裏をよぎり、もういいや、って諦めました。



9月17日(水)『危険なプロット』

 ガン見した映画と同じ監督の作品で、今回は男子が主人公でした。うー、いろいろとメッセージはあったのでしょうけど、結局のところ、凡庸な中産階級には勝てないという結論でしょうか。夫が妻から「マゾ」となじられるシーンがよかったです。



9月24日(水)できるビジネス・パーソン

 毎年ドイツで開催されているコロキウムを、今年は東京で開くことになり、バタバタしていました。その間、急遽こしらえることになった書類の提出締め切りがあったり、だれかの思いつき予算のために会議があったり、大学院入試があったりして、6時20分発ののぞみで帰るとかいう、「できるビジネス・パーソン」みたいなことも経験しました。でも、その「できるビジネス・パーソン」たちは、朝から口を開けて眠りこけ、前夜のアルコールの臭いを撒き散らす、とんでもな人たちでした。ああ、やだやだ。



9月25日(木)((((;´・ω・`)))

 お招きしたドイツ人のひとりが、こちらへ来る2日前に、行きたいところリクエストとして、週末のジャイアンツ戦を希望されました。そんな直前に、しかも週末なんて、チケットは入手不可能だろうと思っていたら、なんと、2枚だけ購入できてしまい、アメリカやエゲレスと同じくらい、足を踏み入れることはないと思っていた東京ドームに行く羽目になってしまいました。行ってびっくり。席は一番後ろの一番高いところにあります。私は上品なので高いところから下を見下ろすなんて下品なことはできず、着いてすぐに帰ろうかと思ったほどでした。しかしそんなわけにはいかず、なんとか、目にしているのは平面に過ぎないのだと思い込むことにしました。これで結構騙せていたのですが、フライが飛ぶといけません。フライによって、その平面幻想が打ち破られ、突如として、自分が高いところにいることに気づかされてしまうのです。やっぱ下品なことはしちゃいけませんね。



9月26日(金)馬耳東風

 コロキウムは、5回目あたりから「マジレス乙」状態にあり、8回目となる今回もなかなか厳しいものがありました。「attraktiv」と評してもらったところだけはしっかり聴き取って、あとは野となれ山となれ。私は、人に何を言われてもまるで応えていないように見えるそうですが、まあ、そういうふうに見えるのは悪くないことだと思っているのですが、ひょっとするとそもそも都合のよいところだけしか聴いていないのかもしれません。わはは。



9月27日(土)プロパガンダ

 神戸で小学校1年生が殺され、バラバラにされた遺体が発見されたという事件に関する報道について。ある新聞社は1面で報道しているのですが、コンビニの防犯カメラに映っていた被害者の描写として、「お気に入りの日傘をさして歩く」と書いているのです。報道がニュートラルであるなんていうのは幻想であり、偏向のない報道なんてありえませんが、しかし「観察文」とそうじゃない文との差異も、ある程度はあるでしょう。にもかかわらず、1面に「お気に入りの」という形容を含む文を掲載するとともに、社会面で小さな子が傘をさしている画像を掲載し、同時に容疑者の近隣住民との「トラブル」を書き連ねる。狙いはもう、まるわかりでしょう。



9月28日(日)提供元

 しかもその画像の提供者はだれかと言えば、県警なんですよね。防犯カメラの記録が証拠として押収され、それが報道に提供される。新聞叩きが、ほとんどヘイト・スピーチの延長線で行われていますが、問題とすべきなのは、言うまでもなくこうした報道と権力との癒着の方でしょう。もちろん、私はこういう見え透いた報道のなされ方があったからといって、オピニョン・リーダーを気取ってヒステリックに謝罪を求めたりはしませんけどね。



9月29日(月)検察官がヒーローだってよ

 定宿では例によってその新聞社の新聞が読め、「祝日に日の丸を掲揚する家が少なくて寂しい」などと投稿する読者の声とか、まあ、びっくりするような情報が入手できます。何とかという番組が終わってしまって残念という声もありました。なんでも、「まっすぐに」悪と向き合う人が主人公だとかいう、いまどき頭の悪い小学生だって使わないような修飾語が用いられて、番組が紹介されていました。ともかく、検察官をヒーローなんて呼んでしまう番組制作者のイデオロギー性は非常によくわかりました。たんにアホなんでしょう。



9月30日(火)たかだか

 ビールかけとか、あれは何なんでしょうか。米軍機がエゲレスを誤爆したとかならわかりますが、たかだか野球で優勝したとかじゃないですか。マイクを向けられれば、バ○の一つ覚えのように「サイコーです」しか言えないわけです。いまがサイコーだったら、今後は転落する一方じゃないですか。まあ、どっちみちくだらない人生を生き続けるわけだから、それでよいのでしょうか。



10月1日(水)エンゼル・パイ

 10月になってしまいましたが、諸般の事情により、冷蔵庫を空にする必要があり、朝からエンゼル・パイとか食しています。そういえば、塚口にあった森永の工場がなくなってしまいました。うー、残念なことです。



10月2日(木)残念な話

 女性問題で脅されて1億円払っちゃうあの監督が泣くのは、まあ、わかりやすいところです。ぼくちゃんだって泣くんだよ的な姿を見せたいのでしょうが、そういうどーでもいい「人間らしさ」は、しかしみんなもう知ってるわけで…。ソフトバの監督が号泣しちゃうのは、もっとクールな人だと思っていたので、それこそ悲しいことではないでしょうか。あるアイドルグループのメンバーのひとりが小学生の時に球場で当時選手だったその人の名前を呼び捨てで呼んだら、「○○さんだろっ」って言ったそうで、そんな面白い人なのに泣いちゃうなんてもったいないかぎりです。



10月3日(金)ハンブルガー

 今日はドイツ統一の日です。そんなわけで、20日ほど前に突然「10月3日に行くから」と言ってきた、もちろん何の面識もないハンブルク大学の教授と会いました。団体でまず本部を訪れ、その後、タクシーで文学研究科に来たのですが、帰りは天王寺の都ホテルまで、これまたタクシーを使いました。お金持ちなんですね。



10月4日(土)『白ゆき姫殺人事件』

 いろいろと片づけないといけないことがあって、今日も休日出勤してしまいました。予想よりかは捗りましたが、しかしすべては片づかず。なのに、帰ってきて標題のDVDを観てしまいました。人のためにお弁当作っちゃったり、「あれ」を知らなかったりするところはめんどくさそうですが、しかしそれを差し引いても、城野さんの方が惨殺される女より、はるかにいいべ、と思うのは私だけなんでしょうか。ともかく、なかなか面白かったです。片づいていないことが残ってしまいましたが…。



10月5日(日)疲れました・・・

 諸般の事情により、高級マンションの騒音をめぐるいざこざにかかわる羽目になり、「こんなことしてる場合じゃないんすけど…」と思いつつ、両者の言い分を聞きに行きました。相互に「幻聴だ」「ボケてんだ」などと言い合われてもねー。そんなわけで職場へ向かったのはすでに夕方になってから。なのに停電中じゃないですか。もうすっかり疲れました。



10月6日(月)台風め

 もう台風め、何してくれるんだよ、まったく。これで書類の出し直しとかめんどくさいことになったら、どうしてくれるんだ。



10月7日(火)フランクフルトにて

 そんなわけで、今朝は12℃しかない雨の中で日課をしました。昨日は暴風雨の中。昨日は飛んできた枝とか看板とかに当たって怪我なんかしたらちょー大笑いの世界でしたが、今日はたんに薄暗いのと寒いのだけ。なんだか幸先がよすぎて笑えてきます。



10月8日(水)ハイデルベルクにて

 昨日、フランクフルトからハイデルベルクへ移りました。まあ、そんなところだろうとは思っていましたが、10月1日から入れることになっているゲステハウスへ手続きに行くと、まだ準備ができてないから2時間後に来てくれって。もう、お約束すぎて笑えてきます。しっかも、2時間どこへ行けって言うのでしょう、それは私の知ったことではないとおっしゃるでしょうね、きっと。そして今日は大学へ来て、居室が与えられました。道に面した1階にあり、自転車を停めにきた学生とばっちり目が合います。わはは。



10月9日(木)『ディパーテッド』

 娯楽映画としては楽しめました。暴力シーンは不要でしたが。それにしても、マット・デイモンとディカプリオが似ていて、ときどきどっちがどっちかわからなくなるのは、私だけでしょうか。だったらもう、ケイト・ブランシェットとマット・デイモンで『タイタニック』を撮っても、だれもその誤りに気がつかない、って話になります。



10月10日(金)残念なこと

 今日はハイデルベルクの日本学のスタッフのみなさんとお昼を食べ、その後ルッツ氏に呼ばれていたのでフランクフルトへ行きました。移動中の列車で、パツキンのお子様が走り回っていたので、「ぶっ殺すぞ!」と言ってやりました。フランクフルトの大学レストランでは、バカそうな顔をした学生がバカ騒ぎしていたので、「バカのバカ騒ぎ」と笑顔で言ってやりました。ハイデルベルクの職場だと、こんなことはおろか、「ぶーちゃん」とか「小太りじいさん」とか言えないのが残念です。



10月11日(土)治るんでしょうか

 ルッツ氏の夕食会には、ある哲学研究者とその妻も招かれていました。妻はセラピストだそうで、ドイツ語がまったくできない○○人がカウンセリングに来るという話をしていました。○○人でも悩みがあるのかと軽く思いましたが、それに加えて、ドイツ語ができないのにドイツ語でどうやってカウンセリングされるのか、いやそもそもなぜドイツ語が使用されるカウンセリングを受けようと思い立ったのか、かなり不思議に思いました。



10月12日(日)とほほ

 今日はようやく晴れました。「こちらへ来てからずっと雨が降っている」と言ったら、「先週までは晴れてたのに…」と、人からはまるで因果関係があるかのように言われたりしましたが、幸いなことに、天気を左右できるほどの力は持ち合わせていないことを十分承知しています。ともあれ、あまりにもよい天気なので、昼寝をしました。雨降りの日でも気持ちはよいのですが、晴れた日の昼寝も、これまた言うことがありません。任務が昼寝ならよかったのに、と思わなくもありません。とほほ。



10月13日(月)ガイダンス

 今日は日本学全体のガイダンスがありました。まずは自己紹介しないといけなかったのですが、主任教授が細かく説明してくれたのでしゃべることがなく、「彼女がすでにすべて言ってしまいました」と言ったら、爆笑されてしまいました。笑いをとってなんぼなので、よかったのですが、本務校だと、共通教育の初めの数回以外は、どの授業においてもまったく笑いなどとれません。もう転げまわるほど面白くてしょうがないはずなのに、みなさん何をいきがっているのか、「ふん、何言ってやがる」ってポーズをとってますからね。やっぱハイデルベルクの学生はえらい。



10月14日(火)彫り物

 ゲステハウスの下にはパン屋さんが入っていますが、そこのおねえさんが立派な彫り物をしていて、そりゃもう、おっとろしい。「ハロー」と言われただけでちびりそうです。なのにあれとこれとと、あっち行ったりこっち来たりさせたりして、実に申し訳ないです。あんなに親切な人なのに、銭湯とか温泉とか、拒否されちゃうんでしょうか。



10月15日(水)忙しい忙しい

 今日は9時前に大学へ行き、6時前に帰ってきました。することもないので、仕事をしてしまいました。なぜこんなに仕事をしてしまえるのか。はたと気がつきました。雑務をしなくてもよいからです。今の時期だと、あんなことやこんなことをしないといけないところですが、ここにいたら仕方ないですよね〜、ということで。ああ、こんなことを言ってたら、また遊びに来ていると思われてしまう…。



10月16日(金)はいはい

 不覚にも東京ドームへ一緒に出掛けてしまったニーダーベルガー氏のゼミに出るため、エッセンへ行きました。エッセンへは、切符の上で3時間半くらいかかります。それが昨日から今朝4時までストがあり、駅へ行くと、いきなり乗るはずだった列車の運行は取り止めと表示されています。駅で確かめると、隣の大きな駅まで行けば、接続していると。はいはい、行きますよ。その隣の大きな駅に着くと、予定の列車は15分遅れていると表示が出ていて、当然のように実際には20分遅れてやってきます。結局エッセンには45分くらい遅れて着きました。帰りの列車が1時間以上遅れたことは、「ドイツの時間の正確さ」神話のために、伏せておきましょう。



10月17日(金)おぞましい

 夏にハラスメントの相談員に対するアンケートがあり、その結果がまわってきました。ハラスメントの防止策として、「監視カメラ等の設置」とか記述する人がいるのです。こういう方がいったい人権をどんなふうに理解しているのか、私にはさっぱりわかりません。犯罪が起きないように監視すればいいじゃん、てことなんでしょうけど、監視することそれ自体が人権侵害だとわからないのでしょうか。まあ、わからないのでしょう。こういう「善良な」市民が、怪しいヤツについてちくりっこするのが「健全な」社会だというわけです。おぞましい。



10月18日(土)あらあらあらと

 やっぱ東京ドームへ行ったときにおもっくそ呪いをかけておいたせいでしょう、これは。いやもうそれしか考えられないです。反証できないから、これは真理です。もっとも、今日負けたらだだすべりするだろうとびくびくしていたのではありますが…。



10月19日(日)美よりも量か・・・



 このくらいが量的にも穏当なところです。昨日食べたものなんて、スパの上にカツレツが乗り、ソースはボロネーゼ風ということでしたが、これってカツレツを切るとスパも切れるわけで、もうまったく美よりも量って感じでした。



10月20日(月)初ゼミ

 授業がありました。柄谷の著作は2つがドイツ語に翻訳されているけれど、反ネーション、反国家、反資本とかを扱うような本を、ハイデルベルクのゼミで使うわけにはいかないですよね、ハイデルベルクは行儀がよい町ですから、と皮肉交じりで言ったところ、予想外にウケて面白かったです。学生たちもハイデルベルクについてはそんな風に思っているようでした。かなり驚いたのは、出席者の大半がヘーゲルを知らなかったことです。別に哲学を専攻していなくても、ドイツの学生ならみんなヘーゲルのことは知ってるだろうと思っていました。近くには、ヘーゲルが住んでいたという看板のつけられた建物もあるのですが、「興味ない」とのことでした。まあ、私もいろんな意味で興味ないのではありますが。



10月21日(火)大好きな自己を恥じよ

 ヘイトスピーチを肯定する人は言論の自由をもち出すのでしょうけど、そもそもヘイトスピーチが言論かどうかを問うことはしないでしょう。夜な夜な日記に書きなぐったり、便所で落書きしまくったりするのは、まあ、品性下劣ですが、愚行権の行使として認めてあげてもいいです。それはひょっとすると、線香クラブに入りながらカント研究しちゃうのと同じレヴェルかもしれません。しかし公共圏においてゴミをまき散らしてはいけません。こんなことは、小学生だって知ってますよ。尊敬する父親あたりから教わらなかったのでしょうか、そういう行為は気高き日本民族を汚す行為であると。



10月22日(水)へびの足

 言わずもがなですが、「尊敬する父親」なんて形容矛盾だし、「日本民族」なんて存在しません。それから、ゴミを落書きしまくったりするのは自宅の便所でお願いしますね。



10月23日(木)半端ない



 今週もエッセンへ行きました。労組が休憩を宣言したので、ストはないはずで、行きは10分遅れただけでした。帰りに、すごいものを見てしまいました。私が乗る列車は上から3つ目のもので、30分遅れです。「すごいもの」は、一番上です。最初に見たときは、何かの間違いかと思いました。なんと、260分遅れです。どっかで道でも間違ったのかって感じです。どこかをうろうろしている像を思い浮かべて、笑えてきます。こんなのもはや「遅れ」とは呼べないのではないでしょうか。この260、実は私が乗るのと同じところから同じところまで行く列車だったので、それが来ない限り私のも来ないのかと心配になりましたが、私のは(ちゃんと!)35分遅れでやってきました。わはは。



10月24日(金)ちゃんとやれ!(怒)

 「こんにちは!2014年「三菱東京UFJ銀行」のシステムが安全性の更新がされたため、お客様はアカウントが凍結?休眠されないように、直ちにアカウントをご認証ください。」というクソメイルが届きました。「こんにちは!」とは、なんともフランクな言いがかりです。しかし、騙すつもりなら、こんな出来の悪い翻訳ソフトみたいな言い回しを使っていてはいけません。おそらく、翻訳ソフトを使ったのではなく実力だと思うのですが、あまりにも言語能力が不自由すぎます。もっとちゃんとやれ。



10月25日(土)「ルイルイ」

 朝、日課を終えて、仕方がないので出勤しました。なぜか、今週はずっと「ルイルイ」が脳内ヒットしていて、気分も爽快、なわけはありませんが、ここ数日より少し暖かかったので、よかったです。このまま雪も降らずにすんでくれれば、ずっと「ルイルイ」がヒットし続けてくれても構わないかも。



10月26日(日)極東の野蛮な共同体

 イランでレイプ犯を刺殺したとされる女性に対して死刑が執行されました。すでに捜査過程でさまざまな人権侵害のあったことが伝えられています。では、もしこうした人権侵害が一切なかったとしたらどうでしょう。そして「正当防衛」も過剰防衛だったとしたら。それでも、言うまでもなく死刑を執行することはおぞましいことであるし、死刑制度が存続している共同体は野蛮です。イランでは、なんとかという大統領に代ってから死刑執行が急増しているそうですが、そういえば、なんとかという首相になってから、国家による殺人を着実に行うようになっている極東の野蛮な共同体もあります。



10月27日(月)さぶいっちゅーねん

 昨日、午前2時が2度あって、サマータイムが終わりました。って、もうダウン着てるっていうのに、サマーだったんかい、と突っ込みたくなります。授業の部屋へ行くと、窓が全開で、十分寒いのですが、「ああ、こういうものなのか」と我慢してたら、ひとりの学生が立ち上がって、閉めまくってくれました。寒いけど、だれか閉めるのを待とう、ということだったのですね。なーんだ。勝手に閉めたらどやしつけられるのかと思って我慢して損しました。



10月28日(火)たぶんタブー

 大阪へ行ってみたいと言う、ハイデルベルクで哲学を学ぶドイツ人学生と会いました。話し方やら言葉遣いやら、非常にまじめな人でした。××学派に興味があると言うので、その人たちはプロパガンダとして侵略戦争に積極的に加担したんだよと伝えると、そんな話は聞いたことがない、どんな入門書にもそんなことは書いてない、とびっくりしていました。そりゃそうでしょうとも。その話は哲学研究者ならみんな知ってることなのかと尋ねられましたが、どうなんでしょうか。少なくとも、知ってても言っちゃいけないことにはなっているのではないでしょうか。なんつっても、いろいろと怖そうですから…。



10月29日(水)単純に、バ○

 政治資金に関して野党側にも問題が発覚したから、これで「撃ち方やめになれば」と言ったバ○がいるそうです。単純に、この人バ○ですよね。そこに不正があったのなら、与党にも野党にも問題が出たんだから不問に付そうなんて話になってよいわけがないのに、この人、国家が大好きなくせに法治国家のことは何もわかってないんですよね。まったく、バ○も休み休みに、というか、永久にお休みになったらどうでしょう。こんなやつのせいで、集団的自衛権が容認されるようになるなんて…。



10月30日(木)巨大な鉄の塊



 先週からすでに始まっていました。エッセンのクリマです。ドイツで一番早いというのが、ウリ(?)だそうです。この下品な乗り物も、今の時期にだけ設営されます。短時間で。ただでさえ下品なのに、あの人たちが短時間で組み立てた物なんて、絶対に乗りたくありません。もう少し暗くなると、電飾に灯がともりますが、しかし鉄の塊であることに変わりはないので、この巨大な醜い姿をお見せしておこうと思いました。



10月31日(金)巨大な人間たち

 そういえば、巨大な人間たちの集団を4タテした縦じまたちは、1勝したあと、4タテされたようで、何よりです。これって、巨大な人間たちがどれほどダメだったかってことを意味しないでしょうか。それはそれで、大笑いです。



11月1日(土)オカルト審判

 野球の審判がお粗末なのは、まあむかしから自明ではありますが、ルール違反をする「意図が見えた」とか「意図を感じた」とかが判定を正当化するわけがないことも自明です。記事には、野球規則からの引用がなされていますが、そこには意図の有無を判定の基準とするなどとは一切書かれていません。当たり前ですけど。そもそも意図があるかどうかなんて、どのようにしてわかるのか、他人の意図が見えちゃったり他人の意図を感じちゃったりするのは、それはもう、オカルトの世界ですよ。気持ちで打ったり、魂をこめて投げたりしちゃうオカルトには、オカルトで制するということなんでしょうか。



11月2日(日)オカルト共同体

 しかしまあ、この極東においては、遺族の感情とかを根拠にして国家による殺人を正当化してしまうわけで、オカルトは共同体の掟なのかもしれません。そうじゃなきゃ、いまだに原発を推進し、侵略者の英霊を賛美し、解釈を変更するだけでごまかそうとするような政権が支持されることの理由が、わかりません。



11月3日(月)文化の日じゃないか・・・

 先週は扱ったところが難しかったこともあるけれど、説明もうまくできず、学生のみなさんもわからないままで、授業後、かなりとほほな感じでした。それがあったので、今週は一層入念に予習をしたものの、授業時間を迎えるのが憂鬱でした。しかし今日は、内容に関してよく理解できているようだったし、こちらの伝えたいことも伝わったように見えたので、よかったです。実際がどうかなんて、どうでもよくって、そう見えただけで精神衛生上、十分です。これで明日からも歩いて行ける、みたいな感じです。



11月4日(火)はいはい

 「幸せな人を妨害したかった」と、線路に一升瓶を置いちゃった人がいるそうです。なんつーか、そんなにフツーの理由でいいんすかね。このニュースに対して「人の幸福を妬む方がおかしい」とか、これまたフツーの反応をわざわざネット上でしちゃう人もいたりして、とか書くと、そういうお前だって高いところにいるつもりなだけで、凡庸なことに変わりはない、と言われそうです。はい、そのとーりです、それがわかるなんて、なんてお目が高い。



11月5日(水)まあ、待兼山ではよくあることだけど・・・

 私服のわんが京大に無断で侵入したそうです。これが大したニュースにされていないうえ、ネットの見出しでも、なんだかわんを取り囲んだ者の方が悪いかのような書きっぷりです。しかしこれは明確に、大学の自治権に対する侵害であり、たんてきに不法侵入です。あっ、ひょっとして犬だから人間の法は適用されないのでしょうか。その割には、動物愛護団体ではなく、武装した仲間が100匹も出動したそうです。ひょっとして、これがほんとの101匹わんころでしょうか。



11月6日(木)91時間もすることあるんすか???

 今日はエッセンへ行く日でしたが、「日本語を話す会」という催し物があり、フツーならこんなナショナリスティックなものに出るわけがありませんが、日本語を学ぶ人たちのために設けられている機会なので、まあ、仕事の一環で出ることにしています。どっちみち、あれほど遅れまくっても謝ることなどごくたまにしかない鉄道様が、最長91時間というわけのわからないストライキを決行中なのです。いつも乗る電車は走ることになっているようでしたが、ストをしていないときでもちゃんとやれない人たちが、ストをしながらちゃんとやれるわけがないでしょう。ともかく今晩は、ついうっかり「アホ」とか「ボケ」とか言わないように気をつけることにします。



11月7日(金)せっかくなので

 昨日の会は、日本語を学ぶ人たちのために設けられている機会だと思っていましたが、それは半分で、もう半分は、日本人留学生が親交を深める機会のようでした。留学生じゃねぇーしというわけで、かなり場違いでした。とはいえせっかくなので、日本語を流暢に話すドイツ人が「お邪魔します」と言ってテーブルに就こうとしたので、「邪魔するんやったら帰ってんかぁ」と言ったら、通じました。わはは。



11月8日(土)連邦大統領 1

 ドイツの連邦大統領には、アメリカの大統領やフランスの大統領とは異なり、政治的権力が賦与されていません。ということは、政治的に中立的であることが求められます。まあ、政治的に中立的なんてことはありえないのですが、しかしそうあるように求められるわけです。現在の連邦大統領は、その就任の仕方からいって、いろいろと問題があるのですが、かつて公の場で右翼の民族政党を2度バカ呼ばわりして、その政党から訴えられたことがあります。判決は、連邦大統領には民族主義者をバカ呼ばわりする権利があるという、ある意味ではびっくりするようなものでした。



11月9日(日)連邦大統領 2

 その大統領が、調子に乗って、なのかどうかは知りませんが、ある州において政権を担うことになった旧東ドイツの社会主義統一党の流れをくむ左翼党について、テレビのインタヴューで堂々と「疑わしい」と言いました。やつらは過去の考え方のままではないのか、という異議申し立てです。もしこの発言でさえ政治的に中立的だと言われるのなら、もはやいかなる発言もすべて政治的に中立的でしょう。さらにこの発言は、たんに左翼党を批判するだけでなく、左翼党に投票した人たちをも批判していることになるでしょう。それがよいかどうかは別にして、とりあえず今は国民に主権があるわけで、連邦大統領は行使された主権を否定していることになるわけです。これって、通常、テロリズムって呼ばれることじゃないでしょうか。



11月10日(月)ダメだこりゃ〜

 11月9日は壁がなくなって25年ということで、連邦議会に、かつて体制批判をしたため東ドイツの市民権をはく奪されたじいさん(本当は著名な詩人ですが、まあ、貶めているわけです)が呼ばれ、そのじいさんが左翼党を批判して喝采を浴びるという、はい、ごくろうさま的な演出がありました。そして昨日の夜は、ブランデンブルク門を中心にして記念式典。テレビでは、どっかの学者が一生懸命、この日はドイツ統一だけではなく、ヨーロッパ統一という意味をもっていたのだと力説するのですが、ドイツの作曲家ベートーヴェンの第9番第4楽章が演奏され、ドイツの詩人シラーのすべての人間が兄弟になるという恐ろしげなやつが歌われるわけです。言うまでもなく、国家も演奏され、メルケルとアホ面した連邦大統領が心を込めて歌っていました。ドイツでさえ、この体たらくなんですから、線香屋とかが政権に就いているような国家じゃあ、まあ何が起きても仕方ないですね。



11月11日(火)カレー

 東ドイツは国を挙げて反体制派がいないかを監視する国家だったわけで、そんな国家がすばらしいわけはありません。では、自由主義を謳う国家はすばらしいのでしょうか。「安心、安全」を旗印に、いたるところに監視カメラが設置されていて、しかもそのことに対して何の疑念ももたれない。ロンドンは世界でもっとも魅力的な都市だそうですが、世界でもっとも監視カメラが設置されている都市でもあります。しかも女王までいます。もし何かの罰ゲームで、ロンドンなんかに行かなきゃいけなくなったら、う○こ味のカレーを食べるから、と許しを乞いたいと思います。



11月12日(水)地の果てグライフスヴァルト

 昨日から、地の果てグライフスヴァルトに来ています。どのくらい地の果てかと言うと、ベルリンまで飛行機で飛んで、ベルリンからさらに特急で2時間半というところです。ちょっとした学会があるのですが、軽い気持ちで「その時期、ちょうどドイツにいる」というようなことを言ったら、関係者の方が招聘状を作ってくださり、もう行かないわけにはいかなくなってしまったのでした。とりあえず、宿選びに失敗しました。なんと、いまどき部屋でネット接続ができないのです。これはもう、朝から晩まで学会会場にいろということなんでしょうか。いやですが。



11月13日(木)実績豊富

 ネット接続ができないので、仕方なくニュース番組を見ていたら、なんと国家大好きの歴史修正主義者が年内に選挙をすると表明したとか言ってました。くっそー、主権を行使できないではないですか。デモにも行かない者としては、数少ない政治参加の機会だというのに。ともかくちゃんと、憲法を変えることなく集団的自衛権を行使できるよう閣議決定した内閣であるとか、何が秘密かは秘密だ法を成立させたのもわれわれだとか、その実績をしっかりと宣伝するとともに、今後、増税する予定でもあるよーんと、その固い意志を強く訴えてほしいものです。



11月14日(金)イケてないし

 今日も午前中はホテルで仕事をして、午後から英語を聞きに行きました。オランダの、自分はイケてると思い込んでるやつがうざかったです。あるドイツ人が発表しているときに、自分の隣に座っているドイツ人とべらべらしゃべり始め、周りのドイツ人にたしなめられても、静かにしていられないのか、またべらべらしゃべるのです。まあ、発表が気に入らないのはいいですが、どーせ自分の発表だって大したことないわけですから、せめて大人しく聞いてたらどうなんだと思いました。しかし、ひょっとしたら、天に唾してるかもしれませんが…。



11月15日(土)親切なんだけど

 地の果てグライフスヴァルトを脱出しました。グライフスヴァルトは北のはずれにあるので、これも脱北なのかもしれません。ホテルの人はもちろん、スーパーのレジの人でさえ、とんでもなく丁寧なあいさつをしてくれた印象(だけ)が残りました。夜遅くに、フランクフルトに着きましたが、言うまでもなく、丁寧なあいさつなどありません。しかし、ネットはちゃんと接続できます。親切にしていただいて大変申し訳ないのではありますが、ネットに接続できることの方が、丁寧なあいさつより、大切かな。



11月16日(日)デモ

 昨日は、反イスラムを公然と表明する民族主義者たち(フーリガン)のデモがハノーファーでありました。裁判所が、デモを正当であると認めたのでした。まあ、バカ顔の連邦大統領に民族主義者をバカ呼ばわりする権利があるくらいなら、パンピーの集団である民族主義者たちにもデモするくらいの権利はあるということでしょうか。柄谷は、反原発デモの折にマイクを持ち、デモには意味がある、なぜならデモができる社会が形成されるからだと主張していました。ヨーロッパには当てはまるかもしれない、と思います。



11月17日(月)季節外れだけど

 100田何某が、宮崎氏について「××大丈夫かな」とか批判し、自分のことについては「ぼくは単に愛国者なんです」と言ってるそうです。そんなことを平然と言ってのけるあなたこそ大丈夫なの、っていう突っ込みは間違いです。もはや大丈夫じゃないことが自明だからです。ああ、おめでたい。頭の中は桜満開。



11月18日(火)話自体はつまんないけど・・・

 高倉健が偉いと思ったのは、桃井かおりと武田鉄矢のやりとりにも、まったく笑わないところでした。ひょっとして、桃井かおりも武田鉄矢も、あのときが最高の演技だったのではないでしょうか。なのに笑わないとは…。



11月19日(水)大女優

 まあ、いくら政府を批判するような歌を歌ったとしても、ポストモダンをそのまま生きているような人ですから、勲章も喜んでもらっちゃうでしょう。それは別に意外でもなんでもないのですが、あの女優がかつて辞退もせずにもらっちゃってるとは知りませんでした。田中角栄に反対して立候補した野坂昭如の応援に駆けつけ、アンチ・ジャイアンツを標榜してライオンズ・ファンを公言した人なのですが、でも国家による顕彰はありがたくいただいちゃうんですね。やっぱコマキストの方がはるかにまっとうでしょう。



11月20日(木)ゼニラー

 地方の国公立大学を職業訓練校にすればよいなどと公言している輩がいるそうです。少なくともこんな発言がいかにバカげているかを学ばなければならないということを考えるだけで、当該の発言が誤っていることは明確でしょう。カネ儲けなんかとは結びつかないことばっか考えてる学生がたくさんいる社会が、いかに豊かな社会であるか、そういうことのわかる人材がお金大好きゼニラーによって駆逐されないことがきわめて重要だと思います。



11月21日(金)まだいたか

 今日は朝から太陽が出ていました。なんとも久しぶりのことで、あら、まだいたんですね、って感じです。たしかアル・パチーノが主演した映画で、白夜の時期には自殺率が高くなるということが言われていたような気がしますが、やつがまったく姿を見せずにずっと灰色のままというのも、結構気分が沈むかもしれません。と思いましたが、こうやってときたま明るくなると、それはそれで憂鬱ではありますが。



11月22日(土)素敵な土曜日の昼下がり

 今日は授業時間数の関係でゼミがありました。何を発表してもよいということにしてあったのですが、芥川と枕草子と、そしてなんとカント。なぜカントかと言えば、柄谷がカントに言及しているからで、カントを理解できれば柄谷の議論を理解しやすくなるだろうと考えたからだそうです。なんて真面目なんでしょう。もう、感激してしまいましたよ。物自体がどうこうとか、現象がどうこうとかいう話をしなきゃいけなくなったので、かなり焦りましたが、いやもう、土曜日の昼下がりの素敵な時間でした。



11月23日(日)これって・・・



 これって、期待できることなんでしょうか。むしろ、絶望的な気分にしかならないのですが。得票数で上回っていても、議席数ではこんなに大差になってしまうのです。沖縄では基地移設に反対する候補が大差で当選したというのに、何もなかったかのように工事は進められるわけです。議員定数の削減を約束して解散が行われたというのに、削減しないまま、また解散されちゃったのです。東ドイツのことを今になって「不正国家」と言うのはどうかと思いますが、村社会の延長にあって今まさに絶望が支配するこの国家のことを不正と呼ばずして、いったい何を不正と呼ぶべきか、「よほどのバカか偽善者」なので、皆目わかりません。



11月24日(月)まあ寒いことに変わりはないけど



 恐るべき、角にある薬屋。右と左で1℃も違う。薬屋自身はいったい何℃なんでしょうか。ひたすら40分歩く出勤途中に見かけたので撮りました。



11月25日(火)アヘンをばらまくやつ

 ローマ教皇がEU議会に招かれることになっていますが、この方は、難民政策や貧困対策に関してたびたびEUを批判してきたので、EUにとっては耳の痛い招かれざる客であると報道されています。ちょっと驚きました。この人の考えによれば、難民が困っていようと、貧乏人がたくさんいようと、祈ってりゃよいのではないのでしょうか。この人は、困っている難民に対しては困っていない人たちを羨んじゃいけないよって教え、路上生活者に対しては屋根のあるうちに住んでる人たちを妬んじゃいけないよって教えてるんじゃないんでしょうか。貧乏人にとってのアヘンをばらまいてるやつが、何をエラソーに抜かすのかと思いました。



11月26日(水)アヘンの売人

 アヘンの売人は、ヨーロッパはばあさんとなり、もはや実を結ぶこともない状況にある、と言いました。これって、どっかの知事だった物書きと同様のジェンダー差別じゃないでしょうか。さらに「社会の基礎は家族だ」とか平気で言っちゃってました。俗物のくせに神にもっとも近い存在者であると自分のことを思うのなら、もう少し知性を備えた方がよいのではないかと思いますが、しかしそんな知性が備わったなら、自分のことを神にもっとも近い存在者だなんて思えなくなるわけですから、そういう意味では首尾一貫しているのかもしれません。首尾一貫してアホなんですが。



11月27日(木)想像するだに・・・

 さらに言えば、その売人はある宗教団体の長であるにすぎないのです。それが選挙によって選ばれた人たちの前で、説教を垂れるというわけです。言ってみれば、線香屋の会長みたいなのが永田町で演説をぶつのと同じなわけで、ああ、なんとおぞましい。



11月28日(金)覚えていたとは・・・

 昨日はエッセンからニーダーベルガー氏と一緒にフランクフルトに戻り、フランクフルトの哲学フォーラムでニーダーベルガー氏の発表を聞きました。フランクフルトの哲学フォーラムには、今年の2月に訪れ、主宰者のちょー偏屈じいさんケーラー氏と会いました。きっとこっちのことなど忘れているだろうと思いきや、いきなり笑顔で迎えてくれ、参加料は「ゲストだから」と言ってちゃらにしてくれたうえ、主宰者の挨拶の折に、「今日はゲストを迎えています…」と参加者に紹介してくれました。紹介してくれているのだからと、立ち上がったら、「立たなくてもいい」と言われてしまい、やっぱ相変わらずだなぁと思った次第です。



11月29日(土)すみません、読んだことないです

 今日も授業時間数の関係でゼミがありました。先週とは異なり、太陽が出ておらず、寒風が吹く中、鼻水を垂らしながら出勤しました。発表予定者のひとりが体調不良のため休むと言ってきたのですが、こやつ、次の月曜のゼミでは発表担当です。今日が病気なら、月曜だってきついのではないかと思うのですが…。発表は、各国民がもつメンタリティの社会学的分析と『とりかえばや物語』。分析の基準のひとつにジェンダー規範がとりあげられていたので、ふたつの発表は見事に連関していて、なかなか面白いと思いました。



11月30日(日)ほかになにが???

 そのジェンダー規範によれば、「生きるために働く」のが女性ジェンダーの規範で、「働くために生きる」のが男性ジェンダーの規範ということでした。そうした記述そのものが規範を再生産するんじゃないの、という突っ込みはもちろん可能なのですが、まあ、単純な社会学者のやることなので大目に見ることにして、さて、週末も勤め先へ行ってしまうというのは、やっぱ男性的なんですね。でも、けっして仕事が生きがいとかじゃなくて、ほかにすることがないからなんですけど、仕事以外にすることがないというのも、結局のところ男性的だということになるのでしょう。でも、ゴルフなんて論外として、ショッピングやらガーデニングなんて、やってられますか???



12月1日(月)でも落ちないんだな、これが

 公示されると、ここに何か書くといろいろと問題があります。何が秘密かは秘密だ法というナチスの全権委任法に匹敵する法案を通したやつらは絶対に落とさないといけません。憲法を変えることなく解釈でごまかして集団的自衛権の行使を容認することを閣議決定したやつらも絶対に落とさなければいけません。昨年は8人、今年は3人と、国家による殺人に関与した者も絶対に落とさなければいけません。



12月1日(火)スマホいじるよりましか

 フランクフルトで人と会うために、高速バスに乗りました。電車は、何の理由もなく遅れますが、バスはよほどの渋滞でもないかぎり、奇跡的に時間に正確です。そのうえ値段も安い。ただ、帰りの運転手は、一番前に座ったおばちゃんと、ずーーーっと談笑していました。それってどうなんでしょう。アルコールを摂取しているよりかはましだろってところでしょうか。



12月3日(水)クレマトップはちょっと違うか

 ちょっとした寒波がやってきていて、昨日の夜は、雨にみぞれが混じっていました。今朝、例の薬局の温度計を見たら、どっちもブライトでした。いや、クリープでした。いやいや、マリームか。正解はニド。でも、ニドって販売完了って書いてありました。あまりの寒さに、頭をやられてしまいました。



12月4日(木)目的外使用について



 あの野蛮な乗り物に近づいてみて、わかりました。こんなことになってます。なんとも野蛮な上に野蛮です。しかもこれらが信じられないくらいに速いスピードでぐるぐる回るのです。身体の作りが、そのくらいじゃないとこーふんできないようにできているのでしょうか。あるいは、問題は脳みそでしょうか。いずれにしても、こっちでは、あの乗り物は悪いことをするためのものではないようです。



12月5日(金)やらかさないようにします

 選挙前なので、言動に注意せよ、というメイルが本部から届き、年末なので、アルコール関係の問題を起こさないようにというメイルがこれまた本部から届き、さらに部局長からも、くれぐれも酒席における言動に気をつけるようにというメイルが届きました。そうなんですよ、教員はこんなに注意しないといろいろやらかしてしまうのです。いや、こんなに注意しても、やらかしてしまうのです。でも、組織ぐるみでやらかしたのなら話は別ですが、個人が勝手にやらかしたのなら当の個人が責任を負えばよいだけの話だと思いますけどね。



12月6日(土)ある種の学生のみですが

 今日はゼミはありませんでしたが、することもないのでやはり鼻水を垂らしながら出勤しました。道すがら、なぜある種の学生に名前を呼ばれるとドキッとするのか考えました。こちらは学生をファースト・ネームで呼びますが、向こうはこちらを敬称つきの名字で呼びます。敬称は名字の前につけられますが、それはほとんど聞き取れないくらいに発音されるので、なんだか呼び捨てにされている感じがするわけです。ハハハー、そういうことであったか。わざわざ来た甲斐がありました。



12月7日(日)いまだにギョエテですか

 昨日は日本学の主任教授によるお呼ばれがありました。そこで初めて知ったのですが、日本学に在籍する学生は400人いるのに、任期のついていない教員は、なんとその主任教授だけとのこと。まあ、学ぶ対象が学ぶ対象なだけに、そんなに予算を組むことはできないというのはその通りだと思います。しかし「これ以上に無駄なことはない」ということに対して支出ができるというのは、それはもう、何よりも豊かさの証しと言えるのではないでしょうか。その場にいたひとりのドイツ人が「ここのゲルマニスティックはいまだにゲーテなんだよ」と嘆いていましたが、そんな無駄遣いができるのですから、もう後一歩でしょう。



12月8日(月)知らん

 今日はゼミがありました。柄谷が言ってるキリスト教というのは、日本で受容されているキリスト教であって、キリスト教そのものとは違う、って知らねぇーよそんなことは、柄谷本人に言ってくれ、と思いました。キリスト教そのものってなんだよ、なんてことは言わず、はいはい、すみません、そうかもしれません、と言っておきました。ああ、疲れた。



12月9日(火)なぁんだ



 今週もフランクフルトへ行きました。ほとんどの学部は新しいキャンパスへ移っているのですが、残った建物はどうするのだろうと思っていたところ、今日、こんなものを目にしてしまったわけです。これはかつてハーバーマスの講義を聴いたことのある校舎で、スペイン語の授業もここで行われていました。併設されている博物館ともども取り壊されるのだと思い、写メしました。あとで話を聞いたら、取り壊すのではなく、博物館の一部にするために設備を整えているための工事だそうです。なぁんだ。



12月10日(水)村人の腹芸

 ギリシアは国家予算の編成に注文をつけられるほど財政上逼迫しているにもかかわらず、ドイツからドイツ製の戦車を購入しています。それで潤っているのは、賄賂を噂されるギリシアの政治家とドイツ企業であり、割を食っているのは社会保障関係の予算が削られ教育にお金をかけられない貧困層である、というような番組が堂々と制作され、放送されていました。おまけにドイツの保守系の政治家が「ギリシアは主権国家であり、主権国家がその国家予算をどのように使おうと、それは自由に決定できることである」と言ってのけるインタヴューまで、流していました。このような報道番組にだって問題はあるでしょう。しかし明確に武器商人と政治家を批判するこうした言論空間こそが、自由で民主主義的な社会を構成する重要な要素であることは疑いないところでしょう。これは、コミュニケーションを腹芸のことだと考えている村人には、とうてい理解できない空間です。



12月11日(木)下手に出る

 昨日はPCがペコンペコンと警告音を鳴らし続け、何しようと治まらなかったので、数々の酷使を反省しつつ、お休みいただくことにしました。人間じゃないんだから、休ませたって同じだろうと思っていたのですが、今日は一度再起動をなされただけで、なんとか機嫌よくお仕事をなさっています。どうもネットの接続を、有線にしたり無線にしたりするのがよくないようです。まだ倒れられると困るので、おもっくそ下手に出ておくことにします。



12月12日(金)奴隷のメンタリティ

 この前、ドイツでは平均して年間16日しかストが行われていないということが、批判的に報道されていました。ぬぁんと、比較の対象となったおフランスでは、年間150日だそうです。休暇は別腹でしょうから、いったいいつ働くんだという感じです。そしてその働きっぷりたるや…。言うまでもなく、ストライキという権利がまったく行使されないような社会よりも、行使される社会の方が優れていると思いますし、休暇の権利だって同様です。でも、働くときはちゃんと働いて、列車が遅れるなんてことはないように、できないものでしょうか。それとも、権利の行使と怠けることはつねに連動していて、怠けることのできない奴隷のメンタリティをもつような者こそが権利を行使できない共同体を構成してしまうのでしょうか。


12月13日(土)くさいしまずい

 ナスカの地上絵にどれほどの価値があるのかは知りませんが、その近くに正義の味方グリンピースがいかにも正義の味方らしく落書きをしたそうです。別にクジラを食べる文化を守るべきだなんて思っていませんし、そもそもそんなものが文化なのかどうかもあやしいと思っていますが、だからといって自分たちは正しいんだから何したってよいのだ的なふるまいにはうんざりです。それはもう、ありもしない大量破壊兵器を口実に正義を振りかざしてイラクを爆撃するメンタリティと変わらないでしょう。そもそも、グリンピースってくさいしまずい。



12月14日(日)恐ろしい

 ニュルンベルク近郊で、難民用に建てられていた建物が放火され、鉤十字とともに「難民出てけ」の落書きが残されていました。ちょうどニュルンベルクでは政権与党のひとつが党大会を開催し、「ここに住む者は家でもドイツ語をしゃべるべきだ」というスローガンを党の方針として掲げていました。なんだか非常に恐ろしい。



12月15日(月)右で保守でう○こ

 圧勝を伝える第一報では「リベラルで保守的な政党」と形容され、ああ、民主的ではないということか、と思いましたが、第二報以降は、「右で保守的な政党」と形容され、もはや党名にはかすりもしていませんでした。そしてさっそく特集が組まれ、そのタイトルが、「経済的には成功してないのになぜ圧勝したのか」というもの。観たかったのですが、眠いので眠ってしまいました。どっちみち、合理的な説明なんてできません。そもそもかの地に合理性なんてないのですから。



12月16日(火)仕方がない、か

 あんなに無茶苦茶な人たちだと思っていたのに、圧勝してしまう。なんだか、批判している側がおかしいんじゃないかって思えてきます。こういう状況において、なお危険な人たちだとか言い続けたりすると、「よほどのバカか偽善者」と言われちゃうんでしょうか。ドイツの記者が、この雰囲気を「仕方がない」と表現していましたが、shigataganai と読み方を間違っていました。



12月17日(水)全廃するだけなのに

 柄谷行人は、憲法9条を実行に移すことを主張しています。つまり、軍備を全廃するということです。憲法にそう書かれているのですから、全廃しないと理論的には矛盾していることになります。ところが実際には、この主張はとんでもないことのように聞こえてしまうようです。まあ、聞こえてしまうだけですから、たんなる空耳なんですけど…。しかしこうした空耳しか聞こえない人たちによって、矛盾を解決するもうひとつ別の方法が取られようとしていることは、まったく嘆かわしいかぎりです。



12月18日(木)親切すぎるぶーちゃん



 最後のエッセン行きでした。そんなわけで、またしても野蛮な乗り物を撮ってしまいました。ほんとは好きなんじゃないの、って思われそうですが、そんなことはありません。思えば、最初のころは30分、40分遅れるのが当たり前でしたが、今日は5分しか遅れませんでした。しかも、エッセンの駅員の方(ぶーちゃん)がやたら親切で、他の客が尋ねてきているのも無視して、「ハイデルベルクはいいとこだ」とか世間話をしてくれました。あんまりいいとこだとは思ってないのですが、そんなことを言ったら国際問題になるかもしれないので、東洋のほほえみでごまかしました。



12月19日(金)忘年会

 なんと今日は忘年会でした。日本学の建物の入口とかにも、ローマ字で忘年会と表記されていました。最初は教員たちも参加していましたが、途中から帰り始めたので、「合コン」会場にいても仕方がなく、帰りました。これで大学は1月7日まで休みだそうです。でも鍵持っちゃってるので、まだまだ出勤できる罠。



12月20日(土)粛々と

 そんなわけで出勤してしまいました。外はクリスマスマーケットに訪れる人たちで賑わっており、そんななか、しーんとした部屋で粛々と雑務に勤しむのはなかなかいい感じです。ちょうど大学祭のときの出勤みたいな感じでしょうか。今日は買い物が23時までできるぞ、どうだ、という大きな看板が出ていましたが、地球上には年中24時間開いてる店だってあるんだぜ、と思いました。


12月21日(日)

 先週までは、翌日の予習があるので日曜日はそれなりにすることがあったのですが、休みに入ってしまい、もうすることがありません。こまっちんぐです。仕方がないので雑務に勤しんでしまいました。もう、バイトとかしたいくらい。処罰の対象ですが・・・。



12月22日(月)相手の立場に立って考えている私

 またしても、年度末にハラスメントを起こさないよう注意しましょうメイルが届きました。注意書きの一番最後には、「常に相手の立場になって考える習慣をつけましょう」と。じゃあ、相手はこちらの求愛を(強く)望んでいると考えたらどうすんでしょう。セクシュアル・ハラスメントの加害者とされる方が、「恋愛関係だった」と言うとき、まさしくそんな風に考えてるんじゃないんでしょうか。いやぁ、相手の立場に立って考えていたら、そんな風には考えないよ、という言い草は、結局のところ相手の立場に立って考えることを決め手にしているのではなく、考えちゃいけないことをはじめっから決めちゃってるわけです。だから、そんなに注意を喚起したいのなら、「××と考えるなかれ」と言うべきであり、出来の悪い高校生じゃないんだから「相手の立場に立って考えよう」なんて言ってちゃダメです。



12月23日(火)玉ころがし

 あるスポーツの賞金王の服装やら喫煙やらが品格を欠くとして批判されているそうです。そのスポーツをするためにあれほど環境破壊をしておいて、品格を問うとは、なんと立派なことでしょうか。あんな競技をする時点で、すでに品性を欠いているかもしれないとか、まあ、考えないのでしょうね。



12月24日(水)不快なバカ面

 連邦大統領によるクリスマスのメッセージというのがあり、ニュースであのバカ面がさらされていて、見る者を実に不快にしてくれます。難民に対する連帯やらを訴えるのですが、ドレスデンで断続的に行われている「ペギーダ」という多くの一般市民が参加するイスラムからの難民受け入れに反対するデモには一言もふれません。「一言もふれない」と報道するメディアは、きっとふれないことに対して批判的なのでしょうが、バカ面の当人に、その批判が届くかどうか。



12月25日(木)他者理解

 昨日はなにかあったのか、夜遅くに教会の鐘が乱打され、「うっさいなぁ」と思いましたが、難なく眠りました。今朝は、出勤の際に数えるほどの人としかすれ違わず、非常に不気味な感じがしましたが、共同体的には、きっとこんな日に出勤しちゃってる方が、不気味でしょう。わはは。しかしまあ、ちゃんと他者を理解してもらわないと。



12月26日(金)大笑い映画

 独裁者の風刺と言ったって、どうせ例によって偏見に満ちたろくでもない内容で、「あ〜、自由の国アメリカにいてよかった」と思わせてくれるイデオロギー映画に違いないだろうと思っていました。公開されたクソ映画を観た脱北者の記者によれば、やはりその類だそうで、むしろ北で上映した方がよいくらいだと。しかしその自由の国には、偏見を偏見だとも思わずに、「独裁って怖いねー」と言いつつ、黒人を撃ち殺す自由を謳歌しちゃう人たちがたくさんいるんですよね。そういう意味じゃ、大笑い映画ではありそうです。



12月27日(土)吹雪

 まったく、ついに本気を出してきました。昨日の夕方あたりから危なかったのですが、今朝は吹雪でした。日課をしながら、許しを乞うたのですが、聞き入れてもらえませんでした。やっぱりアンチ・クリストだとわかってしまったのでしょうか。しかしアンチ・クリストの願いに手を差し伸べてこその神様じゃないんでしょうか。それともひょっとして休暇中で、グリーンにいるとかでしょうか。しかしそれじゃあ、豪雨だろうとなんだろうと知ったことじゃないアジアのプロ・ゴルファーときどき行政府の長たちと変わらないじゃないですか。



12月28日(日)めんどくさい

 フランクフルト空港の手荷物チェックが甘いそうで、民間の会社が2回に1回の割合で凶器となり得るものを持ち込めたそうです。そんなアホな抜き打ち検査をするから、ますます手荷物チェックがめんどくさくなるのですよ、まったく。フツーは、チェックが厳しいからとても持ち込めないだろうと考えているでしょうし、それでも持ち込んでやろうと考える人は、並みのチェックじゃ引っかからないような細工をするに決まってます。だから、2回に1回の割合で持ち込めたからって、大騒ぎする必要なんてないんですよ。



12月29日(月)ばっかじゃねーの

 昨日は晴れましたが、夜中の内にこっそり雪がやってきたようで、朝は一面、雪。しかも「こっそり」は止めたのか、堂々とお降りになっていました。でも出かけないといけなかったので、せめて機嫌を損ねないようにと歩きましたが、どうやらそういう心遣いは関係がないようです。いろいろとめんどくさいことも重なって、もうすべてどうでもいいや、って気分。 



12月30日(火)ふとっちょなんかへでもない

 今日もいったい何のために向かっているのだろうと思いつつ、雪の中を滑らないように気をつけながら出勤しました。「ふざけんな」と思っていることなどを考えながら、立腹のあまりでかい声で歌を歌っていたら、ふとっちょのくせに歩くのが速いふとっちょが抜くときにわざわざこっちの顔をのぞきこんできました。ここで歌うのを止めると「『恥ずかしい」』と思ったんだな」と思われるので、おまえのことなんかへでもないぜという感じで、でかい声のまま歌い続けてやりました。ざまぁみろ!



12月31日(水)思慮がないだけ

 雪が降るとがきんちょたちは雪玉を作って人にぶつけ、「無邪気なこども」と称賛されます。冗談じゃありません。無邪気ということで、思慮がないことを意味するのなら、同意しても構いませんが、そうじゃないかぎり、こどもが無邪気なんてわけがありません。小学生は、激しく憎しみ合っている隣のクラスのやつらと、石の入った雪玉や途中からはたんなる泥玉とかをぶつけ合ったりするわけです。教師は、事なかれ主義なのか、こどもを大人扱いしているからなのか、事後、何も怒ったりせず、ただ「いま思うところを書け」と言います。こうして初めて、反省されるべき内面が形成され、主体が作り上げられるのです。むろん主体であることは過去にも遡及し、お前は主体的に隣のクラスのやつらに石や泥を投げたのだ、と言われることになります。反省文なんて書かなきゃよかったのか。



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