SWEET & SWEET  /月嶋海里さまv






くだらない会話と多少のスキンシップ。
優しい空気と穏やかに流れる時間。

―――たまには、こんな夜もいいよね。




蛮ちゃんが好き。
本を読む真剣な顔も、サングラスの奥に隠された綺麗な瞳も、ページを捲る細くて長い指も全部大好き。
オレはクッションを抱えて、ゴロゴロと床の上を転がりながら、大好きな蛮ちゃんを見つめる。
だって視線を外したら勿体無いもんね。
「何だよ、オレの顔に何か付いてるか?」
オレの熱い視線に気が付いた蛮ちゃんが、本から視線を外してオレを見る。
晴れた空の色の様な青い綺麗な瞳に、オレの顔が映ってる。何だか嬉しい。

「えへへへへ〜」
「何笑ってんだよ?」
「ん〜〜、蛮ちゃんってカッコイイなぁって」
「はぁ?」
「凄く大好きだなぁって思ったの」
「……あのなぁ」
蛮ちゃんは頭を抱えて、深い溜息を吐いた。

あっ、もしかして照れてる?
蛮ちゃんってば、顔が赤くなったよ。
オレはゴロゴロ転がって、蛮ちゃんの足元で止まった。
そのまま顔を見上げると、少し困った様な蛮ちゃんの顔。
「照れなくても良いじゃん」
「そんなんじゃねぇっ」
「わ〜〜い、蛮ちゃんが照れてる」
「違うっつ〜の!」
手に持ってた本を投げ付けてくるから、またオレはゴロゴロ転がって、それを避けた。
「当たんないよ〜だ」
「待てっ、このヤロウッ!」
ムキになった蛮ちゃんが、オレの事を捕まえようと追いかけてくる。

楽しいね、凄く楽しいよ。
だって蛮ちゃん、凄く真剣な顔してるんだもん。オレの事を必死になって捕まえようとしてる。
「チョロチョロ動くなっ!」
「えへへへ、捕まんないよ〜」
ゴロゴロ、ゴロゴロ、オレは伸びてくる蛮ちゃんの手から逃げる。
そうすると蛮ちゃんが、もっと必死になって追いかけてくるから……。
「蛮ちゃん、コッチだよ……痛っ」
転がり続けたオレの頭に、何かがぶつかった。
それを見て蛮ちゃんが、凄く楽しそうに……違う、意地悪く笑ってる。

何でだろう、イヤな予感が……。
「もう逃げらんねぇぞ、銀次ィ」
そうなのです、オレってば転がって逃げている内にいつの間にか部屋の端っこまで来ちゃってて。
さっきぶつかったのは、部屋の壁だったのです。
もしかしてオレ、超ピンチなのでは……?
「覚悟は出来てんだろ〜な?」
「ば…蛮ちゃん、そんなムキになんなくても……」
完全に逃げ場が無いのです、絶体絶命なのです。
うわ〜〜、蛮ちゃんってば凄く嬉しそうだよ。
絶対に何か企んでるって言うか……オレ、無事に明日を迎えられるのでしょうか?
「オレ様で遊んだ事を後悔させてやる」
「やだやだっ、いや〜〜〜」
蛮ちゃんの手が伸びてきて、オレは完全に捕まってしまった。
こうなると、どんなに暴れても蛮ちゃんの腕の中から逃げ出すのは不可能で。

「うぉりゃ〜〜〜っ!」
叫び声と共に蛮ちゃんの手は、オレの脇腹とか腰骨の辺りを、思い切り擽り始めた。
「やっ…蛮ちゃっ……やめっ…やめてぇっ…」
「オラオラ〜、泣け、喚け〜〜」
「やぁっ…くくく、擽ったい……」
「そんじゃ、この辺はどうだ〜〜?」
「やっ…あっ……」
蛮ちゃんの手が、オレの敏感な場所に触るから、思わず変な声が出ちゃった。
うわ〜恥ずかしいよぉ。
「次はココだぁ〜〜」
「ちょっ……あっ…やぁっ」
蛮ちゃん、蛮ちゃんっ!
さっきから手の動きがオカシイです。そこ擽る場所じゃ無いでしょ〜?
「蛮ちゃっ……ソコ…違うっ……」
「あぁ〜?何の事だかな〜?」
「意地悪〜〜っ!!」
「おうよ、オレ様は意地悪だからな」
そう言って笑った蛮ちゃんは、見惚れるくらい綺麗だった。
は、反則だよ。そんな顔されたらイヤだって言えないじゃんか……。もう、蛮ちゃんのバカ〜〜!
「どうした銀次、降参か?」
「………知らないよっ!」
オレの事を擽ってた手は、いつのまにか抱え込む様に腰に回ってる。

ドキドキする、凄くドキドキするよ。
オレの心臓、爆発しちゃうよ。

「……で、どうする?」
オレの耳元で、蛮ちゃんが静かに囁く。
蛮ちゃんはズルイ。
そんな事、訊かなくても分かってるくせに。オレの反応見て楽しんでるんだ。
「もう、ホントに意地悪っ」
「テメェは、そんなオレ様に惚れてんだろ〜が」
「うぅ……」
「どうした、反論してみろ?」
「もうっ、蛮ちゃんのバカ〜ッ!」
せめてもの反撃に、オレは噛み付く様に蛮ちゃんの唇にキスをした。



ふざけて笑い合って触れ合って。
甘い空気と幸せな時間。
大好きなアナタの腕に抱かれて、オレは幸せな夢を見る。


だからずっと、ずっと傍に居て。
この手を離さないでいてね。


―――蛮ちゃん……大好きだよ。






「Secret Garden」 月嶋海里さまvからいただきました。


『ポラすけ」さま内の奪還屋中心サイト「Secret Garden」さまで、『祝・5000HIT達成!大感謝御礼企画』にて、フリーにしておられた月嶋海里さまのSSをいただいてまいりましたvv いやーんもうv ラブラブで甘甘〜な蛮銀に、本当にアテられっぱなしですvv 銀ちゃんのコトバに、照れて赤くなっちゃう蛮ちゃんがなんだか可愛いですvv その分照れ隠しに、追いつめて掴まえてvv 余計意地悪しちゃうんだね! シアワセな二人を、本当にありがとうございました・・!! 
続きはやはり裏・・ですね!!!(本気で待ってます。私vv)
それにしても、毎回フリーにされるたびに、あつかましくお持ち帰りさせていただいちゃって本当にスミマセンー! それでもOKよvと言ってくださるやさしい月嶋さんに大感謝なのですv



モドル