「LULLABY」より一部抜粋。ほんとにちょっとだけ・・。(↓)
「銀次! おい、しっかりしろ! 目をさませ、オラ!」
苦しげに哀しげにかぶりを振り、揺り起こそうとする蛮の手を押し返す。
「銀次!」
「はなせ・・・・いやだ・・! もう、やめて・・・くれよ・・! やめろぉ! やめろおおぉぉ―――!!!」
喉の奥から叫んだ次の瞬間、やおら銀次は自分の両手で自分の首を絞めるかのように、ぐっと喉元に指を食い込ませていた。
ぐうっと喉が鳴り、それでも本気で自らの息の根を止めようとするかのように、力まかせに絞め上げる。
「銀次、やめろ!!何やってんだ、馬鹿が・・・・!!」
蛮が青ざめ、慌てて銀次の手をその首からはがそうとするが、渾身の力を込められたそれは簡単には離れない。
片腕だけではどうにもならず、蛮は口で右の腕を吊った結び目を外すとばらばらと包帯がはがれるのも構わずに、両の手で銀次の腕を強く掴んだ。
右肩に鋭い痛みが走るが、そんなことはどうでもいい。
それよりも蛮は、力の加減に失敗して、銀次の手の骨を自分の握力で粉々にしてしまわないかとその方を恐れた。
自分も傷を負っている分、どうも力のコントロールがしづらいのだ。
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サイトにおいてます「ららばい」と「ららばい2」をちょっと手直しして再録、
プラスその前後に書き下ろしが合計12Pぐらい?入ってます。
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