■文化祭


今日はタケルと大輔達の通う中学の文化祭の日
タケル達の通う中学では3年生有志が集まって自分達で脚本から舞台設定まで
企画して作る劇をいつもやっている。
今年3年生のタケルやひかり、もちろん何でもやりたがりの大輔も参加して
夏休みから皆で話し合って作り上げてきた。
劇の題名は”ロミオとジュリエット、中学生活バージョン”
配役は普通では面白くないので炉未男にひかりちゃん
樹梨絵にタケル、二人の仲を邪魔する先生に大輔となっている。
その他級友達が絡んで結構コメディータッチで劇は進んでいく。
タケルはもともと脚本を書いて自分はちょい役で出るつもりだったのに
みんなの話し合いでヤッパリいくらコメディーでも樹梨絵は可愛くなくっちゃ
と言うことになりタケルに決まってしまった。

タケルはヤマトに3年生有志の劇に出るとは言っていたが、
その日は平日でヤマトは学校があるし来ないだろうと樹梨絵をやるとは
言っていなかった。

舞台の幕が開いてまずは各学年ごとの合唱。
それから放送部の放送劇、演劇部の劇と続いて次は3年生の劇の番になった。
舞台は中学なので女子の制服を借りて毛糸で作ったかつらを被り
舞台に出て行ったタケルは客席を見て一瞬動きが止まってしまった。
なんとまだ学校にいるはずのヤマトが客席の後ろの方に立って舞台を見ていたのだ
タケルの見ているほうをちらった見た男装のひかりちゃんはタケルを
つんつんとひじで突くとせりふをしゃべり始めた。
「樹梨絵、僕たちの交際は校則違反だとあのうるさい山辺先生が見張っている。
暫く会うのは止めよう!」
「いやよ だれがなんといってもわたしはろみおといっしょにいたい」
焦ってせりふが棒読みになりながらタケルは樹梨絵のせりふをいった。
ひかりちゃんは気にしちゃだめと言うようにしっかりタケルの目を見て
「僕たちがしっかりしていたら、気持ちは離れるわけが無い!!
少しの辛抱だから!」
「嫌よ〜!!」もうこうなればやけだ!とばかりに開き直ったタケルは
気持ちをこめて言うとひかりちゃんを見つめて抱きついた。
普段でも二人が仲良くしているのが我慢できない大輔はここぞとばかりに
二人の仲に入ってきてベリっと音が出るぐらい二人を引き離すと
「あなた達、ここをどこだと思っているんざぁますか〜〜!とくりゃ。わたくしの前で
いちゃいちゃしやがって!反省室にいれるざぁますわよ〜!」
「やばい!山辺だ!」
二人は大輔を思いっきり突き飛ばすと走って舞台の袖に入っていった。
「こら待ちなさい〜〜!」
突き飛ばされて大きくしりもちをつきながら大輔の山辺は大声でわめき回って
観客の笑いを取っていた。
舞台裏で大輔の演技を見ながら
「ビックリした! まさかお兄ちゃんが来てるとは思わなかったよ。」と
まだドキドキいってる心臓を押さえながらタケルが言うと
「ヤマトのことだから学校抜け出しても劇見に行くんじゃないかってお兄ちゃん言ってたわ」
と涼しい顔で言うひかり。
「そんなこと劇の前に言ってよ、ひかりちゃん!」
「だって、そんな事言ったらきっとタケルくん恥ずかしがって出ないって言い出すでしょ。
主役がそんなじゃ困るでしょ(ニコ)」
「ひかりちゃんは太一さんが来ないからそんな事いえるんだ!」
「あら!タケル君ヤッパリヤマトさんしか目に入らなかったのね。 
お兄ちゃんもヤマトさんの隣に立っていたのに、かわいそ〜」
とくすくす笑いながらひかりはタケルに
そっと観客席を指し示した。
確かにヤマトの隣に太一が立っていた。
「何で二人して高校ぬけて来るんだよ〜!」
と太一を見落としてしまった不覚を隠すように怒ったように言うタケル。
「いいのよvv だってタケルくんとヤマトさんてラブラブなんですものvv」
とニコニコひかりちゃんに言われてしまうと
真っ赤になってうつむいて何もいえなくなってしまうタケルだった。
『ひかりちゃんには勝てないよ!』と苦笑いを浮かべると
後は出来るだけヤマトを見ないように樹梨絵を演じ終えた。

文化祭の後、着替えたタケル達を一緒に帰ろうとヤマトと太一が待っていた。
ヤマトを見つけて
「何で、学校抜け出してくるの?お兄ちゃん!」と怒ったように言うタケルに
「おまえ、可愛かったよvv はじめはどうなるかと思ったけどな」
とニヤニヤ言うヤマト。
「あれ! タケル出てたのか?気がつかなかったよ。」という太一に
ひかりが何事かささやくと
「ええっ! 樹梨絵がタケル? 可愛い子だから紹介してもらおうと思ってたのに!」
とさも残念そうに言う太一のお尻を思いっきり蹴飛ばして
「俺のタケルに手を出すなよ!」とふざけて言うヤマト
顔を真っ赤にして俯いてしまったタケル。
そんなタケルの姿にも気がついていない大輔は
「太一先輩!俺、俺はどうでした?」と太一達に絡んでいく。
「大輔! おまえ適役。あの役はおまえしか出来ねえな。
腹抱えて笑っちまったぜ!」と大輔の背中をバンバン叩いて
さも面白そうに笑って言う太一。
小さい声でヤマトに
「変なこと言わないでよ!」と恥ずかしそうに抗議するタケルに
「本当のことだからかまわないよ」と肩を抱き寄せるヤマト。
「ヤマト! ブラコンもいいかげんにしないとタケルに嫌われるぜ!」
とあきれたように言う太一の腕と太一に誉められて嬉しそうな大輔の腕を
取るとひかりはヤマトとタケルに
「私たちこっちだから、じゃあまたねタケルくん!さようならヤマトさん」と言うと
二人をぐいぐい引っ張って連れて行ってしまった。

「お兄ちゃんの意地悪!来るんなら来るって言ってくれたっていいのに。」
と恥ずかしそうに下を向いて言うタケルに
「急に行って驚かそうと思ったら、すっげえいいもの見せてもらったよ」
とニヤニヤ笑って言うヤマト。
耳まで真っ赤にして
「もう!お兄ちゃんなんて大っ嫌い!!」と叫ぶと駆け出して行ったタケルの後姿を
嬉しそうに見つめるヤマトの金色に輝く髪を秋の夕日がやわらかく照らしていた。


 


602ヒットと取ってくれた風太さんのリクエストは文化祭のお話
題名はそのままだし本当に笑ってごまかさなければならないような
出来ですが風太さんにささげます。良かったらお持ち帰りしてね(*^^*)

智ちゃんありがとう〜vvv お持ち帰りしましたv
これは智ちゃんのサイトで、602でニアピンリクさせて〜vとおねだりして書いてもらったものですvv
自分で書けない、むずかしいリクにしてごめんなさい; でもでもうれしいよ〜vvv
いや、もう女装ですよアナタ! ヤマトが舞台に上がってかっさらっていきそうで、思わず期待してしまった
私っていったい・・・? 
そして、ヒカリは何でも知っている。。。(笑)またまた書いてやってくださいね!本当にありがとう。
私も智ちゃんのキリリクがんばりまっすv(風太)
         
                                              モドル