解説3
1)斬り下ろしは、どの流儀でも、鍬やラケット、野球選手のバットにしても振ると言うことは同じです。右の脇がしっかり開く、肘が外へ開けば、振り下ろした力が強く成るものです。肘を前に寝かせては いけません。普通、両手で持ちますから右肩は45゜前、90゜上となるでしょう。
2)頭上の受けは、相手が立ちの場合を想定して有ります。
自分も立ちの場合、相手の打ち下ろす力は、自分が座の場合と異なり半減しますので 刀の鎬で受け流せます。この時、最も注意すべき事は、前や横へ出ての受け流しです。相手踏み込みの浅い場合が多い為に受けに至らず、腹や足を切られてしまいます。必ず右後方へ体をかわすが大事です。自分が座の時、両手で刃を上に、刃で受けませんと自分の刀ごと、頭を割られる。もしくは刀が折れると教わります。刃で受ければ、この後、立ちでも座でも相手の刀を巻き落とせます。一般に 稽古で刀を置きに行かれる打ち手の方を拝見いたします。そのようにされますと、自分の刀が打ち手の腹を突くように巻き落としてしまいます。これでは、いけません。打ち手が斬るべく本当に強く打ち込まれたならば、打ち手は首を突かれるよう体が出るはずです。相手を斬るのですから、打ち手は本気で打ち込んでみましょう。
3)抜きつけで、下からの切り上げ、これは弟子にしか申し上げられません。
4)流名は、長尾美作守が新影流より新抜流に名を変え、次の益永白圓入道盛吉から竹内新抜流、神影流、久枝流と色々な分派が出ています。これら、どの流派も長刀を使用します。さらに益永軍兵衛尉盛次が新抜流を心貫流に変え、永山大学入道が、三原にて信抜流と名を変えました。益永軍兵衛尉の心貫流神妙剣が現在の信抜流居合術です。正確には、益永軍兵衛尉盛次が信抜流居合術の祖となります。
5)お問い合わせの通り、古武道協会のビデオに撮影されている抜きでは、2尺の真剣でも鞘を削ります。ご注意ください。