パラガスxブロ母2-オンセン惑星湯けむり超慰安旅行そのA

-パラガス-

きれいに磨かれた廊下を歩く若い男
名はパラガス
サイヤ人エリート部隊に所属する将来を有望とされる若きサイヤ人
そんな彼が普段来ないような場所を歩いている
パラガスの表情は硬かった
最上級エリート居住区、サイヤ人の中でも王族に近い最も高い身分のみが住むことを許された居住区である
暫く長い廊下を歩くと立派な扉の前に立つ
どこから家政婦が現れパラガスに会釈をする
パラガスは視線を送るだけですぐに扉に視線を戻す
「お待ちしておりましたパラガス様、どうぞ中へ」
扉を開く家政婦、無言で中に進むパラガス
中は書斎のようだ、きれいに片付いた部屋
棚には本や装飾品などきれいに並べられていた
ゆっくりと中へ進み置かれているソファーに腰を下ろすパラガス
少し落ち着かない様子で視線を周囲にめぐらせている
「落ち着かないようだな、パラガス」
パラガスが振り向くと奥から
がっしりとした体つきの大きな男が出てくる
着ている戦闘服などきれいに飾られており一般の戦士との違いを見せ付けている
「クレイソン隊長、私に用とは珍しいですね」
パラガスが少しいやみったらしく言う
「まあそう言うな、パラガス」
クレイソンは奥にある机の豪華に飾られた椅子にどしっと座る
「今回呼んだのは頼みがあってのことだ」
「私にですか?」
近くにあったソファーに座るが
クレイソンの言葉により不信な表情になるパラガス
「おいおいそんな顔するなよ、お前の働きが認められて部下、それもエリート候補生をつけることになった」
「は?エリート候補生!?」
パラガスは驚きの声を上げ、クレイソンを見る
「ここ最近のパラガス、君の実績には目を見張るものがある
 上に立つためにも経験をつんでもらわなければな」
ロツマロブ星での一件以降パラガスは順調といえるほど実績を上げていた
そこでパラガスの上官、エリート部隊のクレンソン上級隊長がじきじきに推してくれたそうで
パラガスに育成官としての役割を任せより上をという上層部の思惑であろう
「そんなまだ数年しかやっていない私のような若造にエリート候補生を担当しろなどと・・・」
「自信がないのか?、エリートでも抜けて成績優秀な君がそんなことを言ってもらっては困るのだがな」
クレイソンはパラガスを挑発するように言うが効果がないとわかると言い方を変える
「ふむ、突然呼んでエリートの育成という話だからな、下級戦士を扱うのとは違うからな」
ぽんと、クレイソンはパラガスにデータチップを投げ渡す
「・・・?」
「お前が担当する候補生2名の情報が入っている、実際拒否権はないからな、後はパラガス、お前の好きにしろ」
明らかにパラガスは迷っていた、
自分の力にはそれなりの自身があったが育成となればまた別である
しかし絶好のチャンスではある
エリート候補生を育てるということはすでに上級エリート評価があるということだ
「・・・了解した、クレイソン隊長の期待にこたえられるよう努力はしてみましょう」
パラガスの言葉を聞きクレイソンは口元に笑みがこぼれる
それを見るとパラガスが立ち上がり
「ほかに用件は?」
ほかに用件はないと踏んだパラガスは一応確認を取る
「ああ、これだけだ、すまなかったな休日だというのにな」
社交辞令的にクレイソンが言う
「いえ、最近営業(惑星侵略)が少ないので暇をしていたところでしたから、丁度良かったですよ」
少しいやみたらしくパラガスは答える
「では、失礼する」
部屋を出て行くパラガス
クレイソンは無言でパラガスが出て行くのを眺めていた
そしてパラガスが見えなくなる
「パラガス・・・実力は十分なのだが・・・私は間違っているのかもしれん・・・」
しんと静まり返った書斎で
クレイソンは天井を見上げつぶやいた




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