福島県福島市 微温湯温泉 2004/3

出張で福島に来て3週間。雪はほとんど降りませんが、やはり寒いです。
今日の仕事は日曜で早上がり。毎日レンタカーで現場に向かう時に見る、
微温湯温泉の看板に誘われて行ってみました。
ところが、雪道を甘く見ていた私は、大変な目にあったのです。


 毎日、他社の技術屋さん達を乗せて現場とホテルを行きかいする時は、アクセルはできるだけゆったりしたり気を使いっ放しで、道を間違えたりしてましたが(^^;、みんなを下ろしたら後は自分だけ。買い物して19時を過ぎていましたが、せっかくの日曜の一人の時間なのでCDをかけて早速GO!

久々に聞くHighway starに乗って(最近ワゴンRのCMで頭だけかかっていますね)行き慣れた現場を通り過ぎて、しばらく走ると微温湯温泉への分かれ道。入ってみるとちょっと細い、速度を落とさないと離合出来ないような舗装路。路肩に残った雪が月明かりに照らされてちょうど良い道案内になって、たまに数mの圧雪路でわだちにハンドル取られても逆ハンで姿勢が簡単に直せる。雪道を走ったことが無い私はどんどん進んでいきました。
ここでやめとけば・・・  上っていくと、わだちはあるが舗装が見えない雪道に遭遇。ここで一度はまったのですが、前進とバックを繰り返すうちに抜けだせました。ここで諦めて車を別の道へ向かわせると、雪に覆われた原っぱに出て行き止まり。私はその原っぱに入って大きくターンしようとしました・・・そして、またはまりました。このとき20時。

これで出られると思っていました・・・アマイ  左前輪が雪で空転。前進とバックを繰り返しても進めない。近くにあった草を敷いても空回りが止まらず、杭で雪をかき出してもダメ。1時間やっているうち左前輪は景気良く雪と泥を巻き上げるだけで沈んでいき、雪面にタイヤでなくシャーシで腹ばいになっている状態になってお手上げ。助けを呼ぼうと携帯を出しても、電波が弱くてつながらない。さらに電話が出来ても場所が説明できないので、分かるところまで歩いて下りることにしました。
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 風の音も聞こえず月明かりと雪に照らされた山道を、雪と氷に足を取られながら下りていく。山に囲まれた道から街の夜景が遠くに映える。自分以外に誰もいない静寂に包まれるのもいい経験かと思いながら歩いていく。車で20分ほど上がった道をいつになったら下りられるのかわからず不安にかられても、下りればどうにかなると思えれば何のことは無いはず。自分の事よりも他人のこと・・・誰かと一緒にいたらどうしたらいいのか・・・考えて気を紛らわせながら歩き続けました。普段見ない夜空はきれいだったり、熊とか出てこないか草むらの音に聞き耳を立てたり、黙って下り続けました。
 30分ほど下りていくと、車が止まっていました。下まで乗せてもらおうと頼んでみようと思いました。でも、自分でやったことだし自分でなんとかしようと思い直して、携帯を使うと何とかつながりました。切れ切れになる通話で何とかロードサービスにつながって応援に来てくれそう。しかし正確な居所が説明できない。また下り続けて、下りきったところで住所を調べよう。携帯の電池は切れかけ。カメラなど使うんじゃなかった・・・かける時だけ電源を入れていたけれども、ロードサービスからの電話を待つために電源が切れなくなって、数10分後に電池切れ。
 月明かりに照らされている道はまだましで、だいぶ下りてからの背の高い木の茂みで月明かりが入ってこない暗闇が一番怖い。

 22時半に山道を下りきって公衆電話で現在地を連絡。それから30分ほど座り込んでロードサービスを待つと、やってきたのは熊みたいなオジサンと携帯を手放さない若い人(仕事で使っていたようだ)。私がソロソロ上がっていた道を一気に上がる中、その熊みたいなオジサンに、冬眠していない熊は凶暴だし、自殺の名所になっているここをよく歩いて下りたもんだと言われてぞっとしました。
 置いてきた車の前まで戻ると牽引作業10分で解決。雪に埋もれた車が、大根を引きぬくように勢いよく飛びだしてきました。そのあと作業費として2万4000円。自力でどうにもならなった状況と高い授業料で反省。雪の山道をナメてはいけない。私も車も泥だらけで、ホテルへ戻りました。

 翌日、スタンドで洗車してもらう時にその話をすると、その道は春まで通れないとか。それに地元の人も私の通った道では微温湯に行かないとか。
  微温湯温泉はぬるいのか? その答えは春までお預け・・・
インドネシアに再出張した後また福島に戻りますが、微温湯温泉に行くかどうかは不明です・・・。
更新履歴

2004.3.6 新規作成
2004.4.11 リンク変更



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