<時の流れの中旅人は想ふ> 旅人は思ふ 我有って、此処在りと 此処在って、我有りと されど旅人は此処を発つ それは旅人であるから 人であるから ―――眼下には。此処 人々の優しい優しさを惜しみ 此処の素晴らしい日々を惜しみ 旅人は旅立っていく 大きな思い出と 小さな同伴者を連れて ふと想えば泣顔が ふと想えば笑顔が 揺れる旅雪が全てを覆い 覆う中 揺れない腕で彼女を包む 包んだ ありがとうの一言があたたかい はにかむ笑顔の内に溢れる気持ち 一繋ぎのいとしい心 ギュッと抱き合ってわかる 旅人は旅人故に旅の中思ふ 『いつか、此処に帰って来よう』 と 「うん」 元気一杯に返って来た一つの返事