猛->@因みにタナトスは死を運ぶ物、奴の口車に乗ったら容赦なく地獄まで連れ去られてし まいますので 拓己->@い、イエッサーっΣ( ̄ω ̄;ゝ 猛->@ではでは、時間的はタナトスが皆の目の前に現れたところから始めますよ 猛->@ たつき->@了解 珮李->@ういっす 猛->@夜は明けていない、いや……もう二度と明かないのではないだろうか。 猛->@小さなあの少年を見ているとそれほどに不安が押し寄せてくる。彼を見るこの目から、 心へと不安ソノモノが流し込まれてくるかのように 猛->@子爵――遷ろう死神(タナトス) 猛->@生きとし生けるものの影(し)を司る者 猛->@何百と言う魂の怨念から這い出た、冥界の申し子の参上であった…… 猛->@ 猛->デイブレイク>現界……しやがったのか。 ッチ、俺の魂を奪わないと現界出来ないっ てのは嘘かよ 猛->タナトス>そんな言葉、信じてたのかい? 君程度の魂を奪ったところで、高貴なるボ クが現界に至るわけないじゃないか(アハハハ、と楽しそうに笑いながら) 猛->@そんなわけで開始ですー 旋->つーか、悪魔が離れてもそのままなんだねキミ。スノウホワイト・バージョン2って感 じ?(肩に刀担いだままデイブレイクのほう見てる) 猛->タナトス>でも、ご苦労様だったね。君はとても役に立ったから、お礼を言ってあげる よ。 悪魔はね、人間の願いを聞き届けなきゃ力を振るえないんだ(ニッコリと、満面の 笑みを浮かべて) 拓己->(@ようやく砕いたコンクリの破片を蹴散らして出)またまた悪趣味なヤツが出てき たモンだなオイ 雫->何と言うか…すっごい見ててヤダ。アレ…(タナトスを見て、眉を顰め たつき->現界を防ぐ為にこんな事をしていたってことか(デイブレイクを見) 珮李->これ以上事態が悪くなるなんて思わなかったけどねぇ。下には下があるか(眉を顰め て) たつき->だが、そうする事がヤツの狙いだったって訳か 猛->デイブレイク>そのままなのは当たり前だ、俺はとっくに壊れている。既に脳の7割は 死んでるからな……<旋 猛->デイブレイク>ソレはちょっと違うな<たつき たつき->どういうことだ? 猛->デイブレイク>奴の現界を防ぐのは、あくまでついでなんだよ たつき->ついで…じゃあ本当の目的は? 猛->デイブレイク>……俺は、お前達をこれから殺すことになる。ソレをさせないために、 俺は……そこの、悪魔に身体も頭も食われる運命のバカを殺しに来たんだ 旋->……(大きく溜息を吐き…)…あの身体付きの悪魔に、オマエか。手に負えねぇなこりゃ。 拓己->一人称と人称代名詞が一緒だとややこしいったら無いな。とりあえず支部長、怪我人 連れて早く離脱してくれ 旋->ついでに本部へ駆け込んで、増援お願いしたいなァ… 雫->この少人数で対応ってのも…ねぇ たつき->戦力的に厳しいからな 猛->さくら>(ジェスチャーで『了解』と答え、猛を担ぎ蔵人を誘導して離脱していく) 珮李->しんどいというか、相当きっつい状態だねこれは。 旋->折角オレが来たのに、二人も離脱されちゃ±0だよ、もう。 珮李->……そうだ(はた)旋、何してるのこんなところで(今更気づいたように) 旋->……今気付いたンかぃ たつき->そういえばいつの間にいたんだ? 旋->……しくしく。オレ、もう帰ってもいいかな…ッ 珮李->いや、旋っぽいのがいるなとは思ってたんだけど何分記憶があれだったからさ。 雫->帰ったら困るからまだ居てよー 猛->デイブレイク>……ついでにこの足もどけてくれねぇか?(あい変わらず地面に縫い付 けられたまま) 拓己->仕事片付けてから帰れ。あれだけ格好良く良いとこ持っていっといて、何もせず帰る なんぞ俺が許さん 珮李->そもそも、どうしてここが分かったのかっていう話でもあるけど。 旋->朝っぱらから、リースさんに叩き起こされたんだよ。今近場で増援行けるのオレぐらい しか居ねぇっつうから…つーかデイブレイクくん、このまま止め刺しちゃ駄目? 猛->デイブレイク>戦力が減るのは困るんだろ? 今なら特別に加勢してやってもいい ぜ? 旋->……。理性、暫く持ちそうか? 雫->今なら特別に、してやってもいいぜ?………止めさしたい気もするけどね(ぼそり 拓己->わざわざ時を飛び越えて自分殺しに来た奴が、偉そうな 珮李->こういう発言聞いてると、とても同じには見えないね。 猛->デイブレイク>残った理性は全部が全部こう告げている、『アイツにお礼参りをしろ』 ってさ(タナトスを睨みながら) たつき->まあ目的は一緒だからな。 旋->よっしゃ。猛くんのお礼参りの執念はよーく知ってるから、任せる…畜生、ジュース取 っただけで半日追い回しやがって… たつき->…追い回されたのか 雫->ジュースで半日って 珮李->何してるのさ二人して。 拓己->美しい思い出だな 猛->デイブレイク>……そっか、そんなこともあったんだな。(遠い他人事のように言う) たつき->というか、ジュース取るなよ。大人気ない>旋 旋->ちょっとしたメタルギアソリッドだったよ。っとに…(足を退け) 猛->デイブレイク>俺はまだ能力者だ、一時的になら奴の介入に抵抗できる。それに……奴 と契約した制限時間は『七日間』だからな、あと一日残っている。ソレまでは、俺が死ぬ まで魂を奴に奪われることはない 旋->動ける上に、一日あれば結構。生きてたら、最期はちゃんと看取ってやるよ。 猛->デイブレイク>ああ、とどめはそんときにでもしてくれ(いやに軽く) 拓己->………… たつき->ヤツを倒せば死ななくていい…という事にはならないのか? 猛->デイブレイク>それが許されるのは『今の俺』だけだ 雫->今は良くても未来は…って事? たつき->…了解した。 猛->デイブレイク>同じ人間が存在する矛盾は、『世界そのもの』が否定する。奴の魔力が 途切れれば……な 旋->(刀を鞘に収めると。さっさと階段がある踊り場に走っていって。ぽいっ、と今の刀を 放り投げた代わりに…違う刀取り出してる) 珮李->………(小さく溜息をついて) 旋->(袋から取り出したソレは、先程のより長い…というか刀身だけで一メートルを越す日 本刀持ってきて)ままならんものさ。 猛->デイブレイク>なに、どちらにせよ俺は敵だし嫌われもんだ。なら去り際ぐらいは綺麗 に済まさねぇとな 猛->タナトス>……フフ、君たちは面白いね 珮李->あーもう、やな感じだなぁ…(ふて腐るように呟いて) 旋->面白いといえば、自称高貴なわりには人に振り向かせるだけのカリスマが無い悪魔もだ けどね。 旋->ちったぁ輝かんかぃ、危うく半日追い掛け回されたトラウマで欝になるところだっだろ うがっ 雫->さっきまで完全空気な自称高貴、ってやつ?確かにある意味面白いけどねー たつき->八つ当たりもいいところだな(呆れ>旋 猛->タナトス>ゴメンゴメン、あまりにも面白かったからつい見入っちゃったんだ(微笑み つつ 拓己->……どうにもこうにも不愉快だな 猛->タナトス>本当に面白いよ。人間ってさ、何でそんなに死に拘るの? 猛->タナトス>人が死ぬことなんて誰にでも怒る当然のことじゃないか。誰によるか、早い か、遅いか、そんな違いなんて……世界記憶から見れば瑣末な違いでしかないのに 旋->まァ。色んな感情があったりなかったりするせいじゃねぇ? ほら、人間って『個』も 重視するけど『全体』も重視するとかなんとか。 拓己->……人が失えるモノの中でも、特に大きくて取り返しの付かない“喪失“だからだと 俺は解釈してる。そもそも、俺が持つ以外の「世界の記憶」なんかに興味も意味も無い。 旋->死んでたら何も出来ないし…ッてアァァァァッ!?(しまったぁっ! と言わんばかり に頭抱え) たつき->どうした? 珮李->拘る理由なんて聞かれたら、そりゃ人間だからって答えしか…って何!? 雫->いきなり何叫んでんのよ! 旋->あ、朝の…『諸葛凛先生のモーニン』…ろ、録画するの忘れてたァァァ…ッ(一生の不 覚! とか地面につっぷしてる 雫->………アホくさ!! 猛->タナトス>感情……? 人が生きるために生み出した、生きるための機能によって死ぬ というのかい? 分からないなぁ、知らないなぁ(クルリとその辺りを回り) 珮李->……(ぁぁ)旋、斬っていい?(ぼそ) 拓己->……どうせしょうもない事だろうと思ってたがここまでとは…… 旋->アホくさいとは何だアホくさいとは! どうしようもないとは!? 拓己->どうぞ<珮李 雫->じゃんじゃん斬っちゃって>珮李 旋->くっ、時間が無いッ、無駄話する時間も惜しい。さっさと片付けて家へ帰ろう…ッ! 猛->タナトス>死が、喪失だって? ……フフ、ソレは違うよぉ。だって、ボクは死後の世 界の住人なんだから 珮李->今斬ると戦力減るし、後でにするか…(残念そうだ) 旋->…諸君、今はオレを斬るよりアレをなんとかしたほうがいいとは思わないか、ええ。オ ネガイキラナイデ 旋->ザンネンソウニシナイデ。 猛->タナトス>殺しちゃいなよ 珮李->代わりに蹴っていい?(何処を) たつき->許可する 旋->(サッ、と股間を庇う構え) 雫->そこを庇うあたりが男よねぇ…良い図じゃないけど 旋->いやん。 拓己->生憎、死後の世界を否定できるほど現実論者でもない代わりに……死後の世界を信じ られるほど常識外れでもないんでね 珮李->ま、今は時間もないし。…後で斬って蹴る(増えた) 猛->タナトス>ックック、だったらさ、死んだらどうなっちゃうのかな? 考えたことはな いかい? 猛->タナトス>痛いのかな。苦しいのかな。それとも、それすら感じることも無く―――― ―――消えちゃうのかな? 猛->タナトス>知らないならボクが招待してあげるよ。死後の、世界にね 拓己->――知るか。いい加減黙れよ元凶。どうやったって、お前とは何もかも相容れないん だ 珮李->好き好んで知りたくも無いしね…。 雫->そんな事今知る必要もないし、知るのも嫌だしねー たつき->お前に招待されたくはない。余計なお世話だ。 猛->タナトス>フフ、相容れなくても。ボクは君たちの影として常に一緒に居るんだよ 猛->タナトス>ねぇ、君……生きてるのって、楽しいかい? 拓己->………… 猛->タナトス>僕からは逃げられないよ。人が人である限り死の恐怖(スケィス)からは逃 れられないんだ。必ず夜がやってくるように、絶対に逃げられない。 猛->タナトス>どうしたらいいと思う? ……ねぇ、君はどうしたらいいと思う?  猛->タナトス>―――簡単さ。 消 え ち ゃ え ばいいんだ 猛->@さて、それではタナトスがニタリと微笑むのと同時に『世界から色が抜け落ち』ます 猛->@反転、現実の世界から精神の世界。バテンカイトスへと視線を切り替えさせられたの です 猛->@周りにいた仲間は突然姿を消し、声も届かない 猛->@人は真っ暗な部屋に閉じ込められると2日間で発狂するという。目を瞑って歩いたと きのような言い様のない恐怖が皆を襲います 猛->@その中で、唯一見える確かな光源。 猛->@そこに目を向けると―――― 猛->@ 猛->@まずは珮李のシーンです 猛->@暗い闇の中、光を追っていたと思うと……あなたは急に目が覚めます 猛->@そう、いつの間にか現実の世界に戻っているのです 猛->@ですが他のメンバーは居ません 猛->@(お好きな所から始めちゃって下さいです) 珮李->あ、れ…?(辺りを見回して)今のは…いや、それより皆は…? 猛->@見渡してみると、少し離れた場所、に避難したはずの猛が蹲っています 猛->@背中を向けながら 珮李->…あっ、猛!?(猛の姿を見つけて駆け寄り) 珮李->どうしたのっ?さくらと一緒に避難したんじゃ…。 猛->なぁ、珮李(ゆっくりと、振り返る――) 珮李->猛…?(1メートルほど距離を開けたところで立ち止まり) 猛->@すると、その顔にはタナトスと同じ赤と黒の泣き仮面。肌は真っ青に変色し、声は猛 獣のように低くくぐもっています 猛->@そして何より、その身体には”敵”の匂い。悪魔の持つ魔力が漂っています…… 猛->俺、悪魔に、なっちまったみたいなんだ…… 珮李->なっ!?(その場から半歩後ずさり)…猛、そんな…ど、どうして急に…ッ…。 猛->だから、頼む。俺が俺でなくなる前に―――殺してくれ。 頼む、お前にしか出来ない し、お前以外に殺されたくないんだ 珮李->(嫌な汗を感じながら、武器を握る手が力を込めていいのかどうか迷っていて) 猛->俺を……殺せ 猛->@その声が木霊のように頭の中に、何度も、何度も、響いていく 猛->@悲痛に満ちた猛の声があなたに降りかかる 珮李->…ッ…(目を大きく開いて猛を凝視して)そんなっ…ボクは、猛を殺すなんて……。 猛->や、止めてくれ、そんなことを言わないでくれ。俺を……最後の最後で、裏切るのか? 猛->仲間だろ、仲間じゃ……ないのか? 珮李->な、仲間に決まってるじゃないかっ!だから、だからこそっ、ボクには……ッ! 珮李->(心拍数が高まる。声が、自然と震えているのが自分でも分かって) 猛->ざん、ねんだ……はい、り…… 猛->@では、グガァァアッ!! と、獣のような声を上げて猛が襲い掛かってきます 猛->@いや、もう猛でもなんでもない。ただの、悪魔が 珮李->猛ッ!?(反射的に横に飛んで距離を取ろうとする。武器は握っているが、迷いをあ りありと顔に浮かべて) 猛->@では、悪魔がいきなり苦しみ出します 猛->@あなたは武器を振るったつもりはありません。ですが、刃は深々と悪魔に突き刺さっ ています (幻想なので勝手に操られてます) 猛->@そのまま……悪魔は消えていきました。あなたの目の前で。そして、あなたの手によ って 珮李->―――ッ!!(信じられないもののようにその光景を見て)あ…た…猛…?(呆然と 自分の手を見て) 猛->@真っ赤に染まった、自分の両手 猛->@ソレを見つめる珮季の耳に、優しく囁きかけるような声が聞こえます 珮李->ち、が…違う…っ…ボク、ボクはこんなっ…!こんな、事…っ…。 猛->『違わないよ。ほぅら、人間なんてこんなにも脆い。そして……こんなにも人生は悲し い』 猛->『辛いよね、苦しいよね。でも……君たちがしていることって、つまり、こういうこと なんだよ』 猛->『殺して奪ってまた繰り返して。生き物はね、皆他者の屍の上に生きてるんだ』 猛->『辛いよね、苦しいよね。だったらさ……逃げちゃいなよ?』 猛->@悪魔の声は君を誘おうと、囁きかけています 珮李->…う、あ……(泣きそうな顔で、血濡れの手で耳を塞いで首を振り) 珮李->(歯を食いしばって耐えながら、絞るような声で)……うる、さい…ッ! 猛->『そんなに尖ることはないよ、逃げてしまえばね、全てが楽になるんだ』 猛->『さぁ、僕と一緒においで。怒りも、悲しみも、憎しみも不幸も無い世界へ』 珮李->……知ってるよ。ボクが今まで、誰かを護ろうとして誰かを傷つけてきたなんて事(俯 いたまま、ゆっくりと喋り始め) 珮李->所詮ボクは、ボクの手の届くものしか護れないし。そのために、誰かに大事に思われ てる誰かも殺してきた。 珮李->ボクの願いや幸せは。その悲しみの上で、其処でしか成り立たない。……分かってる よ。だからこそ…。 猛->『だからこそ? そんなものはね――』(声はここで途切れ) 珮李->――――逃げない。逃げるわけにはいかない。誰かの悲しみも怒りも背負っていくん だ。これからもっ! 猛->@珮李が言葉を紡ぐたびに、ビキリ、ビキリ、……と。その世界に亀裂が走っていきま す 猛->@けれどソレはタナトスが敗れたわけではなく。珮季が、己の殻を砕いた証 猛->@割れた世界の向こう側から 猛->@本当の光が君の心に差し込んだ―――― 猛->@ 猛->@次は雫となります、準備OKですか? 雫->@うい、了解しましたー 猛->@ 猛->@君は闇の中で、ただ孤独を感じていた。誰もいない、誰も知らない、誰も自分を知っ ていない――アイデンティティが揺らぐような不安 猛->@そんな中で、君の携帯の着信音が鳴り響いた 猛->@震えるその振動も、音も、確かに誰かと繋がっている証。この闇の中では蜘蛛の糸の ように思える…… 猛->@(お好きな所からリアクションして下さいですー) 雫->携帯…なんでこんな時に?と言うか誰から……(ポケットから携帯を取り出し、発信者 を確認する) 猛->@見れば、発信主は良く知った人物だった 雫->……!せ…先輩からっ(思わず周りを確認し、焦ったように通話ボタンを押して)もし もし!? 猛->@先輩……君が不安なときに、いつも君を助けてくれた大事な人の名前が表示されてい る 猛->@通話ボタンの押された携帯から、声が聞こえる 猛->「おかけになった電話番号は、現在使われておりません――」 猛->@ブツン 雫->―――――え?(画面を見て、着信を確認し)使われて…ない? 猛->@通話は一方的に切れてしまう、何かの間違いだろうか 猛->@着信には確かに………いや 猛->@「着信なし」 猛->@確かに、そう表示されていた 雫->着信……なし…(愕然として、画面を見据える) 猛->@……では、ここで君は気付きます。いつの間にか周りの景色が変わっていることに 猛->@そこはとても見慣れた部屋です。何しろ、そこは雫の自室なのだから 猛->@ただ、人の気配はまるで、感じられない 雫->(ふと顔を上げ、目を見開き)え……!?何で…ここ?(周りを見渡し) 雫->私の部屋……え、でも。何か…(混乱したように頭を振り、頭を抱える 猛->@……では、頭を抱えた君に天の助けが舞い降りたかのように、また風景が変化します 猛->@それはとても見慣れたようで、そして忘れられない家の前。先輩の……家の前 雫->……ホントに、何なのよコレ…っ(額を押さえ、目の前に広がる家を見) 猛->@分からない。けれど、あのインターホンを鳴らせばあの扉が開いて、いつものように 先輩が迎えてくれるはずだ 雫->(ふっと表情を和らげ)……先輩。居るかな?あの電話…、多分間違い…だよね?(ド アに近づき、インターホンに手を伸ばした) 猛->@少し間があいて、インターホンに出る気配が伝わります 猛->「はい、高瀬ですが」 猛->@ですがソレは先輩のものではなく、年配の女性の声。母親の言葉だった 雫->あ、先輩っ。私……っと。和人さんの、お母さん… 拓己さんが入室しました 猛->「あのぅ、どちら様でしょう? ご用件は」 雫->えっと、いつもお世話になってます。和人さんの後輩の不動峰です。あの…和人さん、 居ますか? 猛->「カズ、ト……?」 猛->「誰ですか、それは。そんな人は知りませんが」 猛->「それに、貴女は……誰ですか?」 雫->………え?ちょっと、冗談は止めてください!私はいつもこちらに伺ってたじゃないで すか!! 猛->「まぁ。まったく、悪戯は程ほどになさって下さい」 猛->「そんな人間はこの世の何処にも居ません」 猛->「貴女と言う存在は、誰にも必要とされていません」 雫->イタズラ……?ちょっと、そっちだってふざけてるんじゃないの!?(怒りをあらわに し、ドアノブに手をかけた) 猛->@ドアノブを開くと、そこはがらんどう。誰もいない玄関が広がっています 猛->@生活観も何もない、車の音さえ聞こえない。そうまるで――――”世界に、誰もいな いかのような” 雫->何……これ…(威勢を削がれ、思わず後ずさり) 猛->@だけど、後ろを振り向けばそこは闇。前を向いてもやはり闇。 何もない空間に君は 引き戻されてしまう 猛->@もう、誰もいない。 猛->@もう、誰にも会えない。 猛->@もう、君は要らないから。 雫->誰も…何も……ない。私は……ここに居ない?要らない……っ?(体が震え、膝をつい た) 猛->『……人の心は遷ろうもの、そして生き物ってものは勝手に無くなって行くよね』 猛->『君は確かに繋がっていると思っていたのかもしれないけど』 猛->『見てご覧よ、絆なんてものはこんなに簡単になくなってしまう』 雫->(自分の体を抱き締め)何も…ない? 猛->『そう、何もない。だけど君は知っていたはずだろ? 親でさえ信用できないんだ。だ ったらさ』 猛->『他人なんてみんな信用できない』 猛->『自分なんて信用されて、いないんだ』 雫->違う……こんなの違う……っ(首を振り、抵抗を示す 猛->『居なくなってしまう、寂しさだけど残して消えてしまう。ソレが人生と言うものの終 着点さ』 猛->『怖いよね、独りって、イヤだよね』 猛->『でも、一つだけ助かる方法があるんだよ』 猛->『……だったらさ、君も同じところに行けばいいんだ。君も消えてしまえばいい。ほぅ ら、同じ、同じ、みんなと一緒に居られるよ』 雫->違う!居なくなっても、信用されなくても……独りが、怖くても……私は消えたくない …っ(泣きそうな声で、精一杯叫んだ 雫->私はここに居る。自分でしっかりと立って、自分を意識すれば、絶対他の何かも見えて くるから…! 猛->『死んでしまえばもう、居なくなることは無いんだよ? だって死者は生き返らないじ ゃないか。君も死者になってしまえば、君たちは永遠に仲間と同じ場所に居られる』 雫->でも死んじゃえば、それで終わりじゃない!終わってからの永遠よりも、私は今を限り あるときまで生きている方が良い! 猛->『独りでかい? ずっと独りのまま、君は生きていくと言うのかい? そんなの、死ん でるのと同じじゃないか――?』 猛->@闇は雫を囲い込むように包んでいます 雫->独りでも、自分を見失わなければ生きていられる!そうすれば周りの人たちと一緒に生 きる事もできるじゃない! 珮李->――― 、…ッ!!(どこか遠くから、声にならない声が雫の耳に聞こえてくる。何 を言っているかは分からないが。それが、必死に誰かを伊呼んでいる。その気配だけは確 かで) 雫->独りの時よりも、独りじゃない時の方が多いのよ。人間ってのは!だから私は独りにな っても…独りじゃなくなる時を待って生きて見せるんだから! 猛->@タナトスには聞こえないものが、雫の耳に届く。生きようとする雫にだけ聞こえる、 生者の声 猛->@仲間の声が―――― 猛->@ 猛->@うぃ、では次はたつきのシーンです 猛->@ 猛->@闇と言うものは、黒である故に全ての母でもある。 猛->@全てを孕む記憶、即ち過去。故に何も含まぬ空白こそ未来であり、白となる 猛->@黒に包まれたたつきは古い記憶を呼び起こしていた……過去を振り向く限り、けして 目を背けることの出来ない記憶を 猛->@過去、兄のように慕っていたボディガードが目の前で死んだ 猛->@自分を庇い、自分の為に、自分のせいで 猛->@誰かも知れぬ黒ずくめの覆面の男に連れ去れそうになったとき、自分を助けてくれた 猛->@助けてくれた安心感に浸ったその瞬間、……乾いた銃声が響き。自分を抱えていた腕 から力が抜けていった 猛->@しかし……ソレも遠い記憶 猛->@気付けば、君はいつものように戦場に立っていた 猛->@どうやら悪い夢を見ていたようだ 猛->@だってそうだ、ここはちゃんと廃墟の上で。周りには皆がいて、敵としてあのピエロ が居る 猛->@(というわけでここからリアクションどうぞです) 猛->たつき、後ろで支援を頼む! 俺達が前に出てアイツを倒す! 猛->@仲間達はいつもの戦術で敵に向かっていく たつき->今のは…(首を振り)分かった。ヤツの動きはこちらで抑える 猛->頼んだぜ! たつき->(何、思い出してるんだ。今は集中しないと…っ!)任せろ 猛->@そういって、猛も珮李も雫も旋も戦いを始める たつき->@いつものように蔓で敵の動きを抑えようと集中し── 猛->@――能力が、発動しない 猛->@――何も、起こらない たつき->な… たつき->@もう一度…だが 猛->な、なにやってんだたつき! 早くアイツを抑え…… 猛->@鈍い音がして、仲間が打ち倒された たつき->何で力が─…っ!? 猛->@しかし何をやったのかはよく分からない。ただ、君が何も出来ないまま……仲間達は 次々と倒されていく たつき->@眼前に散る血の雨。紅く紅く──あの時のように たつき->な、んで…? 猛->@珮李が倒された、血飛沫が舞った。拓己がやられた、足元が暖かくなった。……信じ られない、旋をも跪いている 猛->@そして悪魔は、ゆっくりと君の方へ歩んでくる…… たつき->ひっ…!(怯えた表情で一歩後ずさる) 猛->タナトス>さぁ、邪魔者はいなくなったね? まったく愚かだね人間達は、現界したボ クに勝てるとでも思ってたのかな たつき->@力が使えなければ自分はただの小学生。なぶり殺しにされるのは目に見えている。 猛->タナトス>さぁ、次は君の番――(そこで、たつきの前に影が飛び出してくる) 猛->@あの時と、同じだ たつき->(勝てない!殺される!怖い!…足が動かない) 猛->@そうだ、その足が悪い。君が動かないせいで……目の前で、猛が奴の凶刃に貫かれた のだから 猛->ガッ……ハ……、たつき……オマエだけは、逃げろ…… 猛->オマエは小学生なんだ、何も出来ないんだ、だから……逃げたっていい たつき->たけ…っ…ぁ、ああ…(足がガクガクして動かない) 猛->タナトス>あーぁ、”また”失ってしまったね? たつき->(”また”という言葉にハッとする) 猛->@周囲の風景が、闇へ戻る 猛->『愚かなことだよ、戦いなんてさ』 猛->『抗うことはこんなにも辛くて、受け入れることはこんなにも容易い。だったら、認め てしまえばいい、戦わなければいい』 猛->『フフ、君ってさ。ボク以上の死神だよね?』 たつき->違うっ!俺は…っ 猛->『だってそうさ、君が心を開いた人間は、君が関わったせいで……死んでしまう。君が 大事だから、弱い君の代わりに死んでいく。違ったかい?』 猛->『フフ、ソレを死神と呼ばずになんと言うのさ?』 猛->『君はね、生きている限り他人を不幸にする。生きていちゃいけない存在なんだ』 たつき->…俺は弱い。弱かったから…だから『タキ』は死んだ たつき->俺を護って。俺なんかを助けようとして… 猛->『そう、君のせいで失われた。死ななくても良かったのに、なんて可哀想なんだろう』 猛->『ああ、可哀想だよ、君も、周りの人間も』 たつき->甘えていたんだ。護られる立場だと。護られるのが当然だと。……あの頃は、そう 思ってた 猛->『嘘。それは今でも変わらないだろう?』 猛->『だからさ―――こっちへおいでよ? こっちにくれば、君の為に、もう誰も死なない よ』 たつき->違う!そうじゃない!『タキ』が死んだとき、決めたんだ。強くなるって! たつき->もう、自分の為に誰かが死なないように…。もう二度とあんな思いをしないように。 猛->『フフフ、ソレは叶わない願いだよ。君はボクには勝てないし、君の仲間もボクには敵 わない』 猛->『君は、必ず、二度目を味わう』 猛->『それでもいいのかい? 逃げたくは無いのかい? 逃げ道はいつだって君の隣にある んだよ』 猛->『そう、ボクが用意してあげるからさ――――』 たつき->そんなの…要らないっ!(いつの間にか流れていた涙を拭い) たつき->逃げたって、結局苦しいのは変わらない たつき->自分で何とかしない限り、何も変わらないんだ! たつき->だから…俺は逃げないっ!! 猛->@――身体が、軽くなった 猛->@君は記憶の彼方に沈もうとしていた、そのまま沈み込めばタナトスの下に堕ちていた だろう 猛->@だけど、君はその流れに抗った。浮かぼうと、息を吸おうともがいた 猛->@強くなりたいと、逃げないと 猛->@記憶の闇、今……その中からゆっくりと浮上しようとしている 猛->@流れ去った時、済んでしまった光景、消えかけた記憶が君の目の前を過ぎっていく 猛->@その幾億の映像の片隅で、君を見て頼もしそうに笑みを浮かべる……『タキ』がいた 猛->@つぎは旋。ではでは、いっちょ気合入れていきましょう 猛->@ 猛->@馬鹿らしいことに、君の周りはあまり変わらなかった。辺りはどうやら闇になったら しいが、もとから光のない君にとってはそんなものどうと言うことはない 猛->@しかし行動は制限されたらしい、上下感覚、距離感覚、平衡感覚、全てがあやふやだ 猛->@ただ……一つ。そんなことはどうでも良くなるぐらいの”気配”を君は感じた 猛->@振り向くと、そこには”君が立っていた” 猛->@(ここからリアクションをどうぞですー) 猛->旋>よう、俺。ハジメマシテ 猛->@ソイツは自分の癖に気軽に話しかけてくる、まるで鏡に嫌われたようだ 旋->よう、オレ。やけに立方体だと思ったら、やっぱ鏡じゃなかったか。…ところで此処何 処だ?(刀を肩に担いだまま、目の前の『オレ』を見て) 猛->旋>オマエは知らないのか? だったら、俺が知るわけがない。俺はオマエ、オマエは 俺だからな 旋->それもそうだが行き成り現れたなら、それぐらい知ってろよ。オレのくせに気が利かな いな、オマエ(ハァ、なんて…目の前の自分より気軽っぽい) 猛->旋>それは残念だったな俺、悔い改めろ? けれど俺、オマエじゃない俺は、オマエの 知らない俺を知っているぞ 旋->……何か何処かの小説で見た『喋る合わせ鏡』みたいだ…。…ところで、オレは知らな くて、オマエが知ってるオレってのは? 旋->…ま、まさか新手のお肌ツルツルローションの先行発売場所とかッ? 猛->旋>あー、近からず遠からずか。半分正解、”未来”って所は合っている 旋->先行ってところしか合ってねぇってことは半分どころか九割方不正解じゃねぇかっ 猛->旋>あの悪魔のせいで俺は現れた、ならば当然俺は未来のオマエを知っている。ローシ ョンの販売場所も知ってたが昔のことなんで忘れてしまってね 猛->旋>オマエさ、人間辞めるぜ? 旋->オレが肌の手入れ熱心にやってるの知ってて忘れるか、普通…。…で、オレの未来が… って(行き成りそんなことを言われれば、眉潜めて) 猛->旋>いやそうな顔をするなよ、薄々分かってたことだろう? 何かを極めるということ は、”普通”からドンドン遠ざかって行くことだと 旋->そりゃ嫌そうにもなるってんだ……(聞けば聞くほどに、眉間に皺が寄り) 猛->旋>人間は比較的自分達と似たものを人間と呼ぶ、少し離れれば怪人に、もう一歩行け ば怪物になる。オマエはもう”怪物”の域に達しつつあるってことだ 猛->旋>そうなってしまったらもう、人間はオマエを”人間だと認めない”別のモノだと認 識するぜ 旋->……まァ、そうだろうな。そういうことも、あるだろう(実に、相手をするのが面倒そ うというか。嫌そうというか、眉間に皺が寄りっ放しで溜息一つ) 猛->旋>……まァ、それまではいいんだ。問題なのはここからだな 旋->……オレだけに、嫌な話方するよなオマエ。で、何が問題だって? 猛->旋>特殊な眼を持ったからかも知れないが、どうもその力を鍛えすぎると身体まで人間 から離れちまうらしい 猛->旋>例えば、こんな風に 猛->@スッと、音もなく映像だけが挿し変わるように。目の前の自分の姿が一変する 猛->@待ったなし、心の準備もさせない、どうも容赦の無さまで同じらしい 旋->あァ…?(胡乱と言えば胡乱気な…しかし何処となく、何か、決まったレールの壊れた 行き先を見せられているような。不愉快な気持ちが沸くのに…眼が、逸らせない…) 猛->@まず眼が縦に割れた、かと思うと禍々しく紫に輝く。一つ、二つ、三つ……額に7つ も紫の眼が縦に割れている。現実を捉えていない、魂を直接凍らせそうな目線を持った瞳 猛->@その位置は高い、身の丈は倍近くになり手足は3倍近くに膨れ上がっている。……人 間の筋肉をしていない、膨れすぎた肉が皮を突き破って肉の筋が直接むき出しになってい る 猛->@凶悪な人体模型のようだ、息をするたびに赤黒い全身が脈打ち、その荒々しい熱を維 持するために常に得物を探していそうな気配………ソレは正しく”怪物”であった 猛->旋>酷いよなぁ? こんな姿になっても、心は人間のままなんだぜ? 猛->旋>なぁ俺、どうするよ。人間辞めてこの道に往くか、人間のまま消えるか。今ならま だまだ選べるぜ―――― 旋->…外見だけ取れば、妖怪絵巻の『百鬼夜行』に出られるよなぁ…(なんともあんまりな 怪物の姿。なるほどコレは怪物で、斬り甲斐はありそうだ。しかしソレから自分の声が出 るとなると…) 旋->(……そして、何れは成るであろう。何処か心の奥底では案じていた未来の一つに、ソ レが当て嵌まるとなると。口元は引き攣り、筋肉が冷えていく。と、いうより…心臓が止 まりそうだ) 猛->旋>やめとけよ、オマエが一番恐れてるのは自分だ。だからこそ知っているだろう、オ マエは。最後は自分に食い殺される生き物だってさ 旋->……(ふいに、眉が吊り上り…)……おぃ、一つ聞いていいか? 猛->旋>なんだよ俺、自分に遠慮なんかしなくていいぜ 旋->じゃあ二つか三つになるけど聞いとくぜ。このまま行けば、オレはそのオマエになって、 挙句の果てには自分自身に食い殺されるホラー映画なバッドエンド確実? 猛->旋>確実じゃあない、今この時点で未来は変わった。俺の知っている未来とここから先 に繋がる未来は別物だ。……が(ここで初めて、苦渋を噛み締めたような表情を作る。化 物の顔に) 猛->旋>強さのみを追い求めれば、等しくこの”結果”が待っている 猛->旋>まァ、簡単な理屈だよ。これが一番殺しやすいカタチだし 旋->(…冷えて固まっていた腕が、あァ、動いてくれた…)……結構。それじゃ、あぁコレが 最後でいいや。その結果に行き着くまで、オレは何してる? 旋->オレが、オレじゃなくなる瞬間まで。オレは一体、何をやっている…? 猛->旋>俺……答えられないことを分かってて聞くな。そんなもの”気分次第”でやってき ただろう?  猛->旋>そうだな、例えば――どっかの支部長殿から電話が掛かったり、どうしようもない 馬鹿が自分を殺そうとしてたり、悪魔の娘を助けようとしてるへたれがいたり、 猛->悪魔になっちまった友達を追いかけるケモ耳を見かけたりしたら 猛->旋>俺は、やりたいことをやる。それだけだ 旋->(…冷えていた筋肉は解れ、早くなっていた血流が元に戻る。そのあと、引き攣ってい た口元が歪み)…クク、ハッハッハ、ハッハッハッハッ!!!(目元を押さえて…可笑しそう に笑い出した) 旋->ハッハッハッハッハッハ、ハハハハハ、ハハハハハハハハハ!!!!(…哄笑のような、 只管可笑しくて笑ってるような…しかし。何処か…自分自身でも、ゾッとするような。笑 い声が、響く) 猛->旋>………思った。自分が大笑いしてる姿ほど気持ち悪ぃもんはねぇな 旋->いやいやいや、オレもそう思う。いやしかし、ハッハッハ…OKだ。万事、OKだ。… …何やってんだよ、オレ(まだ笑いながら…ふいに怪物を見てから…) 旋->あの、迸るような、血が煮えたぎって、頭の中が真っ暗になるような……憎悪は?(… もしや、この闇よりも深いかもしれない眼光が。ぎらりと、闇の中で暗く光る) 猛->旋>溜め込む、なんて事はしないタマだろ。気に入らない奴にぶつけるばっかりだった が……そうだな、発散より生産の方が上回った時が”最期”だ 旋->阿呆が。とっくに、この身は生産のほうが多いんだよ……駄目だ。もう、駄目だ。可笑 しくて、笑い死ぬ……(柄に手を掛ければ。あの長刀を、抜き放ち) 猛->旋>なんだ、もう終ってたのか(此方も楽しそうに、凶悪な笑みを浮かべ) 旋->この身は、怪物になるからと憎悪を棄てられるのか? そんなに脆弱なものなのか?  ……タナトス。オレの憎悪は、何処までも止まらないんだよ(逆手に、持ち) 猛->旋>そうかい。それじゃあお別れだな、俺。 旋->あァ。オマエは、別のオレだ。せいぜい、自分に殺されてくれ(憎悪が、骨を超え血を 超え肉を超え…刀が、紫色の魔力を放つ) 猛->旋>(切り裂かれ、まるで紙の様に安々と真二つに分かれる) 猛->旋>同感だ。どうやらオマエは、俺ではなかったらしい―――― 猛->@さて、では七市さん時間大丈夫でしょうか? 拓己->@とりあえずはオッケーですよー。待ちくたびれ感はありますが(ぁぁ 旋->@お待たせしました。 猛->@全力投球でお待たせいたしました(汗 珮李->@トリをお願いしましょう(ぁ) たつき->@さあ、見せてくれ。オチを(ぇ 猛->@綺麗に締めてくれると嬉しい、けど拓己らしくいこう 猛->@ではでは―― 猛->@ 猛->@君は他のメンバーとは違い、闇の中で幸せな夢を見ています 猛->@単純な話、記憶の闇の中で真白との思い出に浸っている 猛->@家に帰ると真白が三つ指突いていたりして驚いたこと、がんばって作ってくれた料理 を焦げていたけど結局は食べたこと、夜になると必ず寂しそうな顔をする彼女と語らった こと 猛->@色んな記憶が流れては消えていく 猛->@そして最期に、こんな風景が現れる 猛->@そこは君の家の玄関。どあの外に真白が居て、ドアの内側に君がいる 猛->@(っとここから開始ですー) 猛->真白>それじゃ、行ってくるね 猛->@少し名残惜しそうに、けれど勤めて明るく。彼女は君と出会ってからずいぶんと明る くなった 拓己->あ、ああ。いや……やっぱり待て、一人で大丈夫か? やっぱり俺も一緒に―― 猛->真白>拓己は、13番隊の仕事があるでしょ? 大丈夫、私は平気だから、ね 猛->真白>夜になれば、また会えるから(ニコリと笑みを浮かべます) 拓己->〜〜〜、……オーケー、わかったよ。その代わりくれぐれも! 気を付けて行けよ 猛->真白>うん、分かってる。……あ、でも拓己も気をつけなきゃダメだよ? 私よりずっ と沢山怪我するんだから 猛->真白>家で待ってて、大怪我をして今日は帰れないって電話を貰ったりするときの気持 ち。とても、悲しいから 拓己->(@無言のまま頭を掻いて)……悪い。 猛->真白>お説教タイム終わり。それじゃ、行ってきます―――― 猛->@そこで記憶は途切れ 猛->@舞台はいつの間にか、『月光』の司令室へと変わっている 猛->@君は戦いを終えて帰ってきたところだ。約束どおり、珍しく無事に帰ってきた 猛->@だと言うのに、隊長―――鷹は厳しい声で君を呼びつけていた 拓己->……無傷が「珍しい」って辺り、ほんっとにしっかりしないと――鷹さん? 何です か? 猛->鷹>拓己、……お前に連絡がある。(いつもしかめっ面をしている隊長だが、今日は特 に……寒気がするほど真剣な眼をしていた。知っている、コレは……鷹が戦場に立つ時の 眼だ) 猛->鷹>一つ、間を置こう。そして誓ってくれ、何があっても錯乱と現実逃避だけはしない と 猛->@真剣な瞳で、君に問う 拓己->……何、なんですか?(@ちりちりと……心を炙られるような感覚を感じながらも、 鷹の目を真っ直ぐ見返して) 猛->@鷹は時々個人よりも『月光』を優先させる言動をする。その眼だ…… 猛->@ゆっくりと、しかしはっきりと。口が開かれる 猛->鷹>……真白が、戦死した 拓己->…………は? 猛->鷹>裏切りだ。投入した戦闘部隊の中に悪魔に心を操られている者が居た 猛->鷹>真白は仲間だと思っていた人間に背後から心臓を刺され、死亡した 拓己->え……? ちょっ……なんですって? 待ってくださいよ、そんな……冗談にしたっ てタチが悪すぎますよ? 猛->鷹>現実逃避はするなと言ったはずだ(冷静に、言い放つ。現実に突き落とすかのよう に) 拓己->あいつが、戦死? そんな馬鹿な……馬鹿な、事が…………(@言いつつも……その 目は冗談を言う目でない事は、良くわかっている 拓己->……嘘でしょう。あいつが死んだ? それも、そんなあっさりと? ありえない…… 嘘でしょう、嘘だと言って下さいよ! 猛->鷹>………。(何を言うでもなく、口を噤んだ) 猛->鷹>……わかった、付いて来てくれ 猛->鷹>(ソレだけを言うと。席を立って歩き出す) 猛->@その背中は広く、高く、強く。……そしてどこか、冷たく感じた 拓己->(@棒立ちになったまま、わずかそれを見送っていたが……我に返り、小走りでその 後を追う) 猛->@つれてこられた場所はいつも厄介になっている部屋――――『集中治療室』だった 猛->@水色のカーテンを潜り、鷹はその中に入っていく 猛->@中にはベッドがあるようだ……。カーテンの下に脚だけが見える 拓己->(@鷹が通り過ぎて閉じたカーテンを前に少し躊躇し……開いて、自分も入る) 猛->鷹>(自分はベッドの端の横に静かに控えるように立つ) 猛->@ベッドの上には。……病室の服に着替えさせられた真白が横たわっていた 拓己->(@一歩ずつ、ベッドに歩み寄る――) 猛->@顔に、白いガーゼのようなものをかけられて 猛->@肌は白を通り越して青白く、体は見るからに冷たい。そして何より……左胸に真新し い赤い染みがある 猛->鷹>……………。(本当に、何も言えないだけの沈黙が続き) 猛->鷹>………すまん。(やっとの思いで、言葉を紡ぎ出す) 拓己->…………(@ただ現実感が麻痺して……まるでそう、ブラウン管越しに世界を見てい るような、そんな違和感だけがある 拓己->……真白?(@ぽつりと呼びかけて 猛->真白>―――――(ガーゼの被せられた顔は、何も答えない) 猛->@ついさっきまで君が心配だといってくれた彼女が、ここで、こうして―――― 拓己->おい……起きろよ真白。ほら、今日は……今日は珍しく無傷で戻ってきたんだ、奮発 してメシでも食いに行こう。 猛->真白>―――― 拓己->和でも洋でも、好きなもん好きなだけ食っていいからさ、だから、……だから、ほら ―― 拓己->(@伸ばした手で、ガーゼを落とし――) 猛->真白>――――(閉じた瞼、紫に染まった唇。君と話しているとほんのりと上気した頬 も、今では氷のように青白く冷たい――) 猛->@もう二度と、ソレが動くことはないのだ 猛->@ハラリ……と舞ったガーゼが、地面に舞い落ちる 拓己->…………っ(@触れてその冷たさを確かめ――そのまま、その手をベッドに付く) 猛->『……どうしたんだい? コレで良かったじゃないか』 猛->@声が、聞こえる…… 猛->『君の仕事は悪魔を殺すことだよ。ならさ、コレこそ正しいあり方なんじゃないかな?』 拓己->……違う…… 猛->『そうかな? 彼女は、悪魔だ。いつ君を取って食ってもおかしくない、悪魔とはそう いうものさ』 猛->『彼女が死んだ、君は生き残った。コレでやっと、君は人間と結ばれることが出来る』 拓己->違う……他の連中の認識は知らんが、「俺の仕事」はそんなもんじゃない…… 猛->『そう、じゃあ仕事はいいや。でも一つ言えるよ、悪魔の呪縛から解き放たれたんだ』 猛->『君は自由になったんだ、ソレは素晴らしいことじゃないのかい?』 拓己->「俺の仕事」は……“人”を守る事だ。馬鹿言うな、誰が悪魔だ? 何が呪縛だ? 俺 は俺のするべき事をしてただけだ! 猛->『……そう、ソレは残念だ』 猛->『それじゃあ、君は本当に彼女を愛していたのかい?』 拓己->………… 猛->『保護欲とは違うのかな? ただの好意ではなかったかな? 勘違いではないのかな?  君は、彼女に愛していると……言われたことはあるのかい?』 拓己->……っ 猛->『不幸と不幸の連鎖、悲しいなぁ。何一つ知らぬまま彼女は散り、何一つ理解せず君は 残る。運命って残酷なんだね』 拓己->……だから、何だ。何が言いたい 猛->『簡単なことさ、彼女にもう一度会いに行ってみたら、と。ボクは言っているんだ』 拓己->……もう一度、だと? 猛->『ボクはね、死神なんだ。冥界に旅立った彼女の元に君を案内するぐらい、簡単なこと さ』 拓己->……ハッ、それで? 切符は往復券を買えるのか? 猛->『まさか、でも……この片道切符の終点は冥界じゃない。転生先の未来さ』 猛->『本当は冥界じゃ人間は幸せになっちゃいけないんだけどね。彼女は特別、……望むな ら、会わせてあげるよ』 猛->『そして、その先の未来へ歩めばいい。君たちにはその権利がある、そうだろう?』 拓己->は……は、はは、はははははッ! そんな事知るか。失せろよ死神。うまい話を持ち 掛けたつもりかもしれないが、生憎そんなもんは願い下げだ 猛->『ボクは君のために言ったのだけどね、残念だよ』 拓己->十数年の人生だ、まだまだ楽しみ足りねえよ。焦って次なんか勿体ないだろうが?(@ 皮肉気に口元を歪めて 拓己->俺は冷たい人間だからな……失くしたものを、命賭けてまで拾い戻そうなんて考えら れないんだよ…… 猛->『そうだね、ソレが正しい人間のあり方だ。応援しているよ。――彼女のいない世界で、 幸せになっておくれ』 猛->『ああ、最期に一つ忠告を残しておこうかな?』 猛->『――――コレが夢だとは、思わないことだ』 拓己->――だったら、何だ? お前如きが、人間様の事を知ったような口を利くんじゃねえ よ。 猛->『フフ、最初から分からないと言ってるんだけどね。ソレすらも分からなかったか。い いよ、でも一つだけ分かったから』 拓己->あいつと過ごして苦労したのも、楽しかったのも、全部俺の感情だ! それを失って 悲しいのも虚しいのも全部! 拓己->どうせ俺には、他人の心の中なんてわかりゃしない。生きてようが死んでようが、こ っちからしてやれる事は何もかもこっちの勝手な感傷だ! 拓己->だからな、言うんだよ、失せろ死神。人の感傷に口出してくるんじゃねえよ、 猛->『分かったと、言ったろう? もうボクからも願い下げだよ』 猛->『君の魂は、とても不味そうだ』 拓己->大切なモンを失ったなら――もう戻らないなら、その“喪失”を引きずりながらも楽 しく生ききってやろうと足掻く! それが俺の人生だ! 猛->@では、そこまで言った時点で風景がくるくると回転し始めます 拓己->消えろ幻想。いい加減うんざりだ 猛->@あたかも走馬灯のように 猛->@しかし一つだけおかしいのは、その走馬灯は逆向きに流れているという点 猛->@『巻き戻しボタン』を押したかのように風景が逆転し時が逆巻く、やがて…… 猛->@あの玄関の光景へと、立ち戻る 拓己->――――っ! 猛->@ドアの外に立って逆光気味の真白がいる 拓己->……真白………… 猛->@あの時のように微笑んでいる、けれど 猛->真白>ここじゃダメだよ。待ってるから、その時に言わせて。その言葉を―――― 猛->@ ――――――――――――――――――――――――――――――― <感想> ……もしかしなくてもこの回って名シーンではなかろうか? GMも精神的にハイになってましたし、個人的にはかなり面白く【演出】が楽しめたのでは 無いかと思ってます。 駆け引きのあるリアルなバトルもいいですが、精神的な葛藤を描く演出もTRPGの醍醐味 です。前者では黒斗さんに敵いませんし、今回は後者に拘ってみようと力を入れてみまし た。 けっかブラック注意報な回になってしまったわけですが(ぁ ……すんません、こういう黒さは好きなんです。ホラーは苦手なくせに。 ただ今回反省するとすれば、もう少し事前調査を深めておくべきだったかなと。事前に時 間をかけて打ち合わせしておけばもう少し凝った演出が出来たかもしれないとは思ってい ます。 特に旋のシーンとか、相手が黒斗さんなのだから終盤もうちょっと黒くしてよかったのだ と反省。そして七市さん相手の場合はもっと攻めに回るべきだったかなと。 しかし即興でやったからこそ面白かった部分もあるわけで。 つまるところ今回は満足だったのですよ。