<過ちなんて気にしないで>  僕は……、なぜ、ここに居る? 仲間と何気ない話をしながら。不意にそんな事を思い出した。  仲間達は僕の表情が微妙に変わった事になんてまるで気付いていない。当たり前だ、僕 は呪紋使いで後衛、更に言えば仲間はThe Worldにそんな微妙な表情を出せる存在がいる 事を知らない。  僕は最近は普通に。ただ普通に冒険をしながら仲間と暮らしてきた。  何も考えないで生きてきた日常の中で、冷水を浴びる、行き成り理性を取り戻したかの ような感覚だった。  簡単に言えば、怠慢な夢から覚めたようだ。 僕は……、壊れたんじゃなかったのか? リアが死んだ時に、データと一緒に心までを壊されたのでは……?  不意に道の真ん中で立ち止まる。  仲間はまだ誰も気付いていない。皆一人称視点で動いているロール好きな連中だ。 僕は碧衣を恨む一心で動く、心を取り込まれたのに心を失った。ただの廃人だった筈……  僕は……、なぜ、ここに居る?  狂った歯車が、不意に何かの衝撃で元に戻ったとでも言うのか?   分からない……。  神は、今も僕を見ているのだろうか……。ならば何故……。 「ん? おーいアスクどした。 そろそろ落ちるのか?」 「………ああ、いや、何でもないよ。 でも、そろそろ落ちようかな」  (落ち着けるエリアに帰るだけだけどね)  心の中で少し訂正する。 「やっぱ落ちるんじゃねぇか(苦笑) またなっ!」 「うぃっす、また明日ね」  僕は調子を合わせて彼を見送ると、すぐにまたその場で立ち止まった。彼らがカオスゲ ートの前で消える所が見える。  でも今度は別に複雑な考えを巡らせている訳ではない。単に遊んで帰るかそのまま寄り 道しないで帰るか考えていただけだ。  が、これも結構重要な事なのだ。  僕みたいなのにとって、一人で歩くのは中々危険な事なのである。 ―――――‐ドンッ!  そんな時だった、思い切り勢いのついた肘鉄を首の側面に決められたのは。  PCなら兎も角、僕にとっては……。 「ぬぁっ!?」  はっきり言って、とっても痛い。  しかしこれ以上オーバーなリアクションをするのも、怪しまれる。僕は死ぬ気でこの痛 みを我慢した。  く、くぅー……  何か、何か気を紛らわさないと声が出そうだ…… そして気を紛らわす為に辺りを見回してみると、痛みの為に忘れていたが、ぶつかって きた張本人の女の子が頭を下げていた。  サラリとした長くて薄い茶髪の、僕より辛うじて背が低い程度の女の子だ。つまり平均 よりも少し低め。 ……リアルの年齢が有った頃にその年齢に合わせて体を作ったから、僕は背が低いので ある。  だが今は彼女が頭を下げている為に、自然見下すような形になってしまう。  どうも人を見下すのは好きじゃない……。 「すみませんっ! はしゃいで急にぶつかったりして……」  僕は供給過剰に平謝りする女の子を制した。 「そんなに謝らなくても良いよ、僕は気にして無いから」  僕がそう言うと、彼女はまだ申し訳ないと思っているのかゆっくりながらもやっと顔を 上げてくれた。  これでやっと目線を合わせて話が出来る。  やれやれ…………、って、リアッ!?  表情の硬直。  そして次に彼女の顔を見た瞬間に、僕は自分の目を疑った。……こんな事、ある筈がな いと。 彼女は消えた筈だと。  だがしかし表示される名前は間違いなく『リア』の2文字、そしてThe Worldでは同じ 名前を名乗る事は出来ない。……彼女は、消された筈のリアなのだろうか?  その考えを僕は必死に『否』と否定する。他人の空似、名前は前のリアが居なくなった から他の人が名乗れるようになっただけの事。  だけど……、この世界ならば神が再生したと言う事も有り得る。とも期待してしまう僕 が居た。  そんな僕の反応を知ってか知らずか、いや多分そんな事は知らないで彼女は話を続けて いる。  もし本物だったとしても、記憶は失っているのかもしれない。 「でも、悪い事したら謝らないといけないんでしょ?」  ……やはり  言動も容姿もPCとは微妙に異なっている、少なくとも彼女はAIだ。……生まれてから 左程も経っていない、若いAI。 僕は自分も今はAIと言う立場だから、彼女がAIかどうかは一目瞭然だった。 PCとは 細かい動作などが違っているのだ、例えば瞬きの間隔の不規則さ見ていれば分かる。  だが僕がAIかどうかは、向こうからは分からないだろう。何しろ元は普通のPCなのだ。 僕は少し考えて彼女の質問に答えた。 「そりゃあ、相手が嫌がったり悪い事をしたと思ったら絶対にすぐに止めて謝らないとい けない。 けど、今回は僕は不快に思ってないし怪我もしてない。ついでに君にも悪気は無かった。  無罪放免、謝罪の必要性無しっ!  謝る必要の無い時に、謝る必要は無いんだよ」  僕は出来る限り明るく普通に答えようとした。  ……自分で言うのも何だけど、かなり演技は下手だった。容姿が容姿だけに、どうして も僕の知っている彼女と被ってしまうのだ。    ちょっと説教臭かったかな?  『謝る必要の無い時に、謝る必要は無い』……リアが、良く使っていた言葉なんだけど。 「………」  あー…、やっぱり。  あの顔には『難しい』って何かで書かれている、これは全部理解してくれるまで時間掛 かりそうだ。  それとも初対面で行き成りこんな事を言ったから警戒されてるのかな?  少なくとも僕は初対面では無いのだけど……。  僕はもう一度彼女の表情を確認した。何かと彼女は考えが表情に出る。 「えっと……、ゴメンなさいでしたっ!」 「あ、ちょっと!? 日本語の使い方間違って…………。行っちゃった、か」   大振りな動作で素早く一礼して走り去っていく彼女……。あの方向は多分どこかのホー ムに向っているのだろう。  彼女のホーム……、いや、誰か知り合いのホームだろう。  このまま彼女を追う事も出来る。追って彼女がどのようにして戻って来たのかを聞く事 が出来る。  だけど……。 僕は反対側を向き、カオスゲートの方に向かって歩き始めた。  今はまだ何をするべきか分からない。聞いてどうするのかが思いつかない。  今日は帰ってゆっくりと休もう。 そして考えよう……。 ・・・・・・・・・・・・・ 「今日はー、スタイエルさん! 今日も面白い事教えてね!」  私は自分でも元気が良いと思う程の勢いで、扉を開いた。  これが『好奇心』と言う物の力なのかな?  今日もワクワクしながらホームに入って行った。白い壁に暖色系の絨毯とソファー、そ れに様々な置物が更に気分を盛り上げてくれる。  でも  通い慣れたホームの中には、何やら知らない人達が沢山居た。ここのホームの持ち主、 スタイエルさんと話してたみたいだ。  ……もしかして私、お邪魔だったかな? 「やあ、今日は元気が良いねリア。 面白い事か……。勿論、昨日よりもっと面白い事を 教えてあげよう」  スタイエルさんは気にしないで振り返ってくれた。  その反動でサラリと髪が流れる。  スタイエルさんは、長いサラサラの私でも溜息が出ちゃうような金髪で、それが良く似 合う格好良い人。ちょっと怖そうな感じがするけど、いつも『面白い事』を教えてくれる 凄く良い人だ。  昨日も『泉の妖精さんを何度も呼び出す方法』を親切に教えてくれた。でも人前では使 っちゃいけないんだって。  何でかなぁ?  あ、それよりも聞きたい事が有ったんだった。 「ねぇ、この人達は?」 「ああ、彼らは俺の友達だよ。大丈夫、良い人達だから安心して」  スタイエルさんはいつもの様に薄く笑いながら答えてくれた。  この表情がまた格好良いんだけど……、何故かいつも冷たく感じるんだよね。何でかな、 こんなに優しそうなのに? そんなスタイエルさんとは対照的に、友達の人はニヤニヤって感じで笑っていた。  こっちはハッキリ言って普通にやだな。失礼かもしれないけど、目は合わせないで置こ う。  私はそっぽを向きながら答えた。 「……う、うん。分かった」  因みに現在の目線は窓。そこなら誰の顔を見ないでも怪しまれないよね。 「さぁ、行こうか。今日はΔサーバーで遊ぼう……。フフッ、楽しみだね」  友達(らしい)の人達はここで待っているみたいだ。悪いけどちょっとホッとしてしま った。  私は前を歩くスタイエルさんに続いてホームを出た。少しだけ背中の視線が気になった けど、振り返るのは止めておこう。  でも、それでも何故か今日はスタイエルさんの後ろについて行くのが怖かった。何故だ ろう?  私がまだ生まれたばかりだから、そう思ってしまうのかな?  あ、でもあの子は『誕生ではなく再生』って言ってたし……。結局の所は何が原因なん だろうか。……分からない、なぁ。 私は一抹の不安を覚えながら、Δサーバー『萌え立つ 絶望の 聖域』に行く為にカオ スゲートへと歩き始めた。 ・・・・・・・・・ 流れていくのは夜の砂漠のみ。  前から後ろへと流れる砂、まるで茶色い海の上を歩いていくかのように僕は歩いていた。  一人で。 一人と言うのは考え事をするのに最適だ。 リアと会ったら何を言おうか…… リアが全てを忘れていたらどうしようか…… リアが、別の経験をして全く違うリアになっていたら……  自分でも馬鹿の一つ覚えかと思うほど、リアの事ばかりを考えていた。  結局、心配なのだ。 離れていると。    だけど流れる砂も、乾いた星の光も、リアを連れて来てくれる訳ではない。  答えをくれる訳でもない。  何かする事が出来るのは、僕自身なのだ……  その内周りにある物が何の意味も無い物だと分かって、段々と何も考えなくなって来て ……。  そろそろ眠ろうかと思った時だった……。 懐かしい声が聞こえる……    懐かしいリアの声、遂に想像と思考が夢にまで彼女を出てきてしまったのだろうか?  だとしても今の僕には、少し残酷だ。  ……ふと地面に手を付ければ、そこには氷の様に冷たい砂が僕の手から熱を奪っていく。 僕は、まだ起きている。 これは『今のリア』の声だ。 「ねぇ、あの人嫌がってなかった? やっぱり急に動けなくするなんて、やっちゃダメな 事なんじゃ……」  リアは、何やらダンジョンの前で倒れ、モノクロになって闇に消えていくPCの前に立っ ていた。  理由は分からないが隣に居るPKに協力しているのだと思う。 思いたくは無いけど状況 がそう語っている。  だけど、自分がした事に戸惑っているようだ。 「この先のダンジョンにはウィルスバグって言う怖〜いモンスターがいるんだよ。そんな のと戦ったらPC自体が壊れかねない。だからここで帰って貰うのさ」 そんな事をリアに言いながら、自分は冷笑を浮かべてモノクロになったPCが落としたア イテムを拾っている。  いかにも慣れた手付きで、だ。 多分PKをする事にもだいぶ慣れている。  リアはそんな男の様子にますます困惑するばかりだった。自分がどうしたら良いのか、 まだ分からないのだろう。  煮え立つような思いが全身を駆けた。 「アイツ……、あんな嘘をリアに……っ!」  ここは僕が寝床にするぐらい普通なエリアなのだ、間違っても過去と噂の産物であるウ ィルスバグなんて物が居る筈が無い。 何も知らないAIだと思って、リアに変な事を教え込んでいるのだろう。生まれたばかり のAIは何でも鵜呑みにしてしまう。  自分に都合の良い事を教え込み、そしていいようにAIの能力を使うつもりなのだ。    そう思うと居ても立っても居られてなくなってしまう。僕は不用心にも足音を消すのを 忘れて歩み寄ってしまった。  ガサリと砂の音がなる。 「ほら、次の人が来たよ。リア」 勿論、見つかった。  リアもすぐにこちらへ向き直ると、両手を掲げて複雑な動作で何かを行っている。…… 大体見当はつく、さっきの台詞からして動きを止めるつもりなのだろう。  ただこの距離では遠く暗すぎて、相手が誰かと言う事には気付いては居ない筈だ。 「う、うん。……えいっ!」  リアは掲げた腕を僕の方に突き出した。まるで音楽の指揮をするかのような華麗で素早 い動きだ。 その瞬間見えない何かが僕の全身を縛り上げる。  一応抵抗してみるが、純粋な『AI』と『AIモドキ』とでは力の差が歴然としていた。僕 はすぐに抵抗を弾き返されてしまい、息が詰まるほどの圧迫感に襲われる。  四方からトラックに潰されているかのような、凄まじい圧力だ。 「だ、ダメだリアっ!! 今すぐ止めるんだっ……!!」  だがPCと違って声を出すくらいは出来る、そして声は時として人を動かす力を持つ。  僕が叫んだ瞬間、その瞬間僅かに全身の圧力が緩んだ。リアが動揺しているのだ。 「あなたは、……え…………わたし……?」  否定されて戸惑うリア、多分今までのPCは何も言わずにそのまま固まってしまったのだ ろう。 「どうしたんだリア、早くコイツを……」  あくまで嫌がって抵抗する僕を見て。リアは激しく混乱しているようだった。  あの男が苛立ち急かすが、そんな言葉が今の彼女に届く筈も無い。 「………」  だがそれもすぐに収まるだろう。  今、目が合ったのだ。……何となくだけど、リアの目を見たら全てが通じた気がしたの だ。  『目は口ほどに物を言う』  僕の切羽詰った目は、だいぶ詳しく多くの事を語ったらしい。  一瞬だけ、何かを思い出したかのような彼女の表情が見て取れた。 「ええい! 早く続けるんだ、リア!」 見ればリアはこちらに走り寄って来ていた。……あの男の制止を振り切って。  その甘い束縛と悪事の渦から逃れるかの様に。  何かに抵抗するかの様に。 「だ……」 「……ダメッ!! 『相手が嫌がったり悪い事をしたと思ったら絶対にすぐに止めて謝ら ないといけない』んだよ! アスクは………、嫌がってる」  リアはそう言って僕の所まで来ると、硬直している胸の上に手を置いて何やら模様を書 くような仕草をした。 少しくすぐったかったけど、氷が瞬間的に解けて蒸発したかのように、僕の体から拘束 力が抜けていった。  僕はすぐに片膝を突いて立ち上がる。そして冷笑の消えているあの男と向き合った。 「ちっ、何処で覚えて来やがった……。 俺の言った事は忘れたのか? そっちが正しい んだぞ?」  あの男はまだ何か未練がましく喚いている。 「ム、ダ。 リアは覚えたんじゃなくて思い出したんだよ、だからこっちの思いの方が強 いんだ」  僕はロールが崩れてきたらしい男に言い放ってやった。何にせよ戯言の信憑性が薄いと いう事には変わりない。 「えっ? でも……」 「まだ、全部思い出せたわけじゃないみたいだけどね」  僕は『思い出す』と言う所にまだ納得のいっていないらしいリアに向き合った。  説明してあげたいけど、残念ながらそんな時間は無い。  若干遠慮がちにリアの手を取ると、僕は一歩前に出てリアと男の間に割って入った。そ して男をありったけの瞳で睨みつける。 「……逃げるよっ! リア!」 「逃がすわけねぇだろ、そんな便利な奴をよっ!!」  もう、ロールなんてクソくらえらしい。  こうなったら力ずくだ、と言う事なのだろう。外見に寄らず至極分かり易い性格をして いるみたいだ。  馬鹿は馬鹿らしく、馬鹿な事をするものだね。 「君は、AIと言う存在を良く知らないみたいだね。碧衣の騎士団でもない君が、追いつく なんて事は不可能なんだよ」 僕はリアに目配せした。 リアもまるで言葉など要らないかのように頷いてくれた。 あの男が意外に素早い動きで僕を斬り付けるよりも若干早く、黄金の輪が僕たちを包む ……、ただそれはいつもPC達が使う物とは、違っていた。  固体ではなく巨大な輪が、僕達2人を纏めて転送したのだ。勿論行く先はルートタウン ではない。  絶対にこの男の手が届かない場所だ。 「待てっ!!」  馬鹿げた台詞が黄金の光と共に薄れていく……。 ・・・・・・・・・・ 着いたのは……、夕焼けが見える丘。 全てが優しく燃えているかの様な、夕暮れ時の草原だった。  赤は、何もかもを包み込んでいる。  そこに僕達は手を繋いだまま転送されてきた。そして赤に包み込まれた。 「………」 暫く2人とも夕日に見入ってしまう……。そこから察するに、多分リアは場所を指定し ないで飛んだのだろう。  偶然の産物は僕達を優しく燃やしている……、何かを慰めるかのように。 「ねぇ、アスク……。 何が、正しい事で。 何が、悪い事、……なの?」  不意に柔らかな沈黙を破って、リアが口を開いた。  声が震えている。 気付くとリアは、泣いていた……。 「そうだね……。 一概に『正しい』や『悪い』なんて言えないけど。 僕は、ありがちだけど自分がやって欲しくない事は、人にもやっちゃいけない。……そ う言うのが基本だと思ってるよ。 何が正しいのか、とかは置いておいても、ね?」  僕は精一杯の笑顔を作って答えようとした、彼女を慰める為に。  だけど、わざわざ作る必要もなく。鏡が有れば自分でも驚くほど、僕は優しく笑ってい た。  今のリアには笑みが必要だと思った。多分、これが答えなのだろう。 「……うん。痛いのも、やな事だから他の人にもやっちゃいけないし。そう言う事なんだ ね……。 なんで私は気付かなくて、悪い事を………」 彼女は、僕の胸元で泣いている。 騙され続けた事を『悪い』と思っているんだろう……。震える肩が、いや、震える心か らそれが伝わって来る……。 気付けば、驚く程リアは近くに居た。……あれほど離れたと思っていたのに。  思えば僕の心には、過去との諍いはなくなっていた。 僕は、そっとリアの肩を抱いた。 「世の中に、償えない罪は無いよ」 「でも、でも! どうやって……」  ギュッと拳を握り締め、潤んだ目をしばたくリア……。  僕を見る目は強く当たってくるようで、でも儚かった。 「悪い事をした、そう思ってるんでしょ? じゃあ、正しいと思う事をすればいいんだよ。  マイナスにはプラスって」 「正しい事……、そんなの分からないよ。また間違ってるかもしれない……」 「本当に正しい事なんて誰にも分からない。だから、『正しいと思う事』をするんだ。  大丈夫、僕も手伝うよ。 二人でやればきっと間違わない」 ……… 「………ぅぅ、………っ……ぇぐっ…」 その後は、もう言葉になっていなかった。 リアは泣いている間、ずっと僕の胸の中にいた。 今ばかりは遠慮するつもりは無いのだろう。 だから、思い切り泣いてくれた。 溢れる涙は冷たいようで温かくて……。温かい氷と言うものが有ったらこんな感じなの だろうか……。   僕は肩ではなく、確りと、リアの今は小さな体を抱きしめた。 文字通り、リアの『支え』となれるように……。 ――――――――――――――――――――――――――――――― なんかもう、遅れたけど満足したぜ! って感じです。 燃え尽きましたね……。 後はもう少し自分に表現力とタイピング速度が有れば、もっと満足できたのですけどね。 まぁ、贅沢は言わない事にします。(苦笑)