「オレに刃を、敵意を、向けてくれるな。気が向いたら逃がしてやれた以前とは、少ゥし事情違ってねェ……
……後ろに居るんだよ、テメェ等如きにゃちっと、勿体無いのが。それを承知で来るなら、いいだろう。魂諸共、灰と化せ」
(別名:強くなり過ぎたたまねぎ剣士)
(担い手が少ないと評判の)無系魔術に精通し、精通し過ぎて遂には、無系の極み(の一つ)空間制御・掌握術式空繰り(エグマ)≠発掘した魔術師。
魔力色は『自由』を示すライトブルー、魔力量は一般魔術師の数十倍、と言われている。少なくとも彼が魔力切れを起こした所は誰も見た事は無い。
九十九の鍵を所持していたり、『夢の王国』について何らかの知識を持っていたり、実年齢とは程遠い外見をしていたりと割と謎ばかりな人。
また、魔術師とは銘打ってあるが、その身体能力だけでも並の階梯では歯が立たぬ程の錬度を誇り、
放つ拳はぶ厚い鉄板をもぶち抜き、穿つ蹴りは戦車の砲身をへし折るのだとか。
千の刃≠フ称号を戴くミユキ・アサノに、彼女の能力使用に欠かせない空間把握能力を、
シェリル・ヴァイザードに、相手の魔術の質・量・御し方と言った制御法を、
一年足らずでそれぞれ達人級にまで叩き込んだ男でもある。二人は当時をこう語る、『いっそ殺せ……』と。
戦士としては、非常に高レベルを維持したままに均等を取った、所謂生けるバグキャラとよく呼ばれるが、
弱点として、とある東方のハゲてきてる脳筋みたく一芸特化し過ぎた生けるチートキャラ等とは相性が悪い。
受けた恩も恨みも忘れないタイプで、特に後者の場合、非常に苛烈な手段で仕返しするとして有名。
その最もたる例がA.D.7097『ブリバロン砦消滅』事件であり、事の詳細こそ協会の必死の隠蔽工作により明るみに出ていないが……、
とある生物兵器の廃棄依頼をゼクシオン他数名にて遂行中、その生物兵器の素体、廃棄理由が偽られたまま彼等に提出されていた事が発覚。
かつソレに対して問い詰めた結果、事が表沙汰になっては拙いと謝罪どころか粛清部隊まで送られ、更には仲間まで死にたくないと向こう側に寝返る始末。
――結果。派遣された粛清部隊はこの世から痕跡を消し、寝返った元・仲間、己に敵意を表した協会幹部数名を、立て篭もっていた『ブリバロン砦』事、消した。
消した、というのは比喩でも何でもなく、現在『ブリバロン砦』が存在していた場所はただの荒野が広がるのみで、瓦礫一つ、血痕一滴見つける事は出来てない。
恐らく、所持している九十九の鍵を利用し最大限にまで空繰り≠フ破壊力を引き上げ、何かをしたのだと予測されているが、原因不明。
確固たる証拠も無く、かつ彼は何処から手に入れたのか、粛清部隊の派遣を示す書類、違法な生物兵器製造・廃棄を示す書類を手に入れてしまった為、
下手に賞金を掛けようものなら確実に事は露見することを危惧した協会は、彼を不起訴にせざるを得なかった。
何処からか漏れ出してしまった噂は何時しか真実と認識され、こうして世界を激震させ、彼を一躍有名にしてしまったとか。
月光東方支部のサイトウ氏とはライバルであり、酒飲み仲間であり、プロレス同好会長・会長補佐。
お互い非常に我が強い為、一見合いそうに無い性格にも見えるが歯車が噛み合ったかのように気が合うらしい。
贔屓の団体は『諸葛凛の殺血悪霊ファイターズ』。
贔屓の選手は『ボンテージ・パープル』。
以前、逃亡者達を討伐に向かうも、結果としては失敗。更に左耳を失うという怪我を負った。
(左耳一つ取られた代わりに、彼等は壊滅寸前にまで追い込まれたそうが……)
現在、何を考えているのか、とても彼クラスが動くとは思えぬ金額(旅費、のみ)で『護衛依頼』を受け持つ。
深く暗く揺らめくように悩み続ける依頼人の下で、助言をするでも慰めるでも無く、
不安と絶望に飛び起きる夜に、静まり返った空気の代わりに一声掛ける役割を、今宵も元気に遂行中。
……最近は、声を掛けるバリエーションが段々少なくなって来たものだから、小道具にコーヒーメーカーを購入したとか
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