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エル(EL-070X)


国籍…ラクナス
所属…逃亡者一味
階梯…なし
年齢…不明
性別…女性型

 


「記憶データが初期化されました。仕様に基づき、あなたを持ち主と判断します。命令を入力してください、ご主人様」


 ラクナスによって開発された完全機械のアンドロイド。
全身の3分の2が演算装置と記憶装置であり、ラクナスにおいても常識を逸脱したスペックを有している。分かっているのはそれと、彼女(?)が九十九の鍵であることだけである。
目の前の事象においてのみ近未来を予知する機能を持つ。
しかしその代償なのか、主記憶及び補助記憶装置の容量が常に限界に近く、定期的に記憶がフォーマットされる。
それが起こると、最初に発見した人型の生命体を「ご主人様」と認識する。
ただ、そんな呼び方をする割りに性格や口調にはなんの特徴も無く、機械そのものが喋っているという印象を受ける。ロボットでも表情豊かである昨今、それは逆に珍しい。
現在は逃亡者一味に匿われており、キャンピングカーの素敵なオプションとして活躍中である。

エルのハードウェアはラクナス製(しかも軍部の研究所製)だと型番から確認されているが、ソフトウェアに関しては何も分かっていない。以前クロエが調べたところ「地球で作れるレベルじゃないっていうか、小宇宙(コスモ)?」という謎の発言を残したほどである。少なくともラクナス製ではないようだ。
彼女の未来予知は予測ではなく”観測”である。
彼女は夢を見ることによって実現しうる可能性のひとつを捕捉し、その結果を時系列にして22時間13分先まで観測することが出きる。つまり、平行世界を夢見ることが可能なのである。
夢によって観測しうる可能性は観測情報を得る我々が体験する未来のものとは限らない、更に言えばこの情報を得ることで新たな可能性が分岐されてしまい観測情報とは違う未来が訪れることは確定される。
しかしこの平行世界と現実の未来との違いは、量子力学で予測される比率と同じになることから”概ね体験する未来と同じ情報”ということになる。
簡単に言えば「自分がエルから未来情報を聞かなかった場合、明日はこうなる」という情報を詳細に知ることができるのである。
因みに、平行世界の観測は安全なものではない。エル自身は未完成な機体である。
下手をすればエルの機能が暴走し現在の可能性の消滅が起こり、”世界全てが平行世界に書き換えられる”危険性がある。ご利用は計画的に。
なお、未来予知は軍事から政略に至るまで非常に有効な情報源になりうる。エルを所持し続ける限りラクナス勢力から執拗に追われることは確実だろう。情報が漏れれば他からも然り。

 

 
機械に見えませんね。
でも人としても微妙なデザインな気がっ。
もっと精進しなければ……


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