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分布:本州、四国、九州。国外では朝鮮半島、中国大陸に分布する。県内では全域に広く分布し、各種の樹林内で低木層に混生する。
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樹幹:灰褐色。若木の樹皮には鋭い棘を持つが、老木ではこれがコブ状の突起に変わり、ゴツゴツする。幹は直立することが多く、特に1m以下の若木では、頂芽が健在な場合にはほとんど枝を分けることはない。 |
枝葉:中型~やや小型の奇数羽状複葉で、長さは10㎝~20㎝程度。葉軸は明瞭で翼などはなく、互生する。小葉は11枚~21枚程度で、小葉柄はごく短い。長さ2㎝~4㎝の長楕円形~広披針形。先端は尖らない。比較的顕著な羽状脈をもち、脈端は側縁に達する。側縁は細かい鋸歯があり、わずかに波打つ。洋紙質で、表面は光沢をもつ。サンショウのような芳香はない。若枝や葉柄の基部には、鋭い棘が互生する。 |
花:単性の虫媒花。花期は7月~8月で、葉の萌芽より遅い。当年枝の先端に散形花序を出し、黄緑色の花を多数つける。花弁と萼片は5個。 |
果実:分離果(2裂)。直径6㎜~7㎜の楕円状球形で赤褐色、熟すと裂けて内部の種子を出す。種子は直径5㎜の球形で、黒色で硬く、光沢をもつ。動物散布型で、鳥類が主。熟した果実はわずかにハッカに似る弱い芳香を持つ。 |
増殖法:実生が可能。 発芽率は80%前後。 |
保護:指定されていない。 |
その他:人間にはほとんど利用されていない。種子の寿命は20年以上とされ、 周囲の植性撹乱が起こるのをじっと待ち続ける強さを持つ。 |