カゴノキ

鹿仔の木

(クスノキ科 カゴノキ属)


 雌雄異株常緑高木。高さ20m~22m、目通り径1.5m程度になる。和名は剥がれた樹皮の様子に由来する。暖温帯性常緑広葉樹林や遷移林で高木層に混生する場合が多く、純林を作ることはない。コガノキ、カゴガシ、カノコガシなどとも呼ばれるが、いずれも特殊な樹皮の模様に着目したものである。


分布:本州(茨城-石川以南)、四国、九州、南西諸島全域。 国外では朝鮮半島南部と台湾に分布する。県内では全域に分布し、極相林や二次林に散在的に普通に自生するが、南部に個体数が多い。ほかには、公園などに植栽されるものも見かける。

樹幹:灰褐色。樹皮は斑状に剥離して、その部分が灰白色の鹿の子模様となる。幹は直立するが、枝をバランスよく分け、端正な樹形となる。
枝葉単葉。葉柄は明瞭で、葉は枝先に輪生状につく互生。長さ5㎝~10㎝程度の倒卵状長楕円形で先端が若干突出する。比較的明瞭な羽状脈をもち、脈端は葉縁にわずかに達しない。葉縁は全縁。革質で表面には光沢があり、裏面は粉白色。成葉の寿命は通常2年程度である。
両性風媒花。花期は8月~9月。当年枝先端の葉腋から無柄の散形花序を出し、淡黄色で直径5㎜程度の小さな花を 数個つける。
果実漿果(単漿果)。鮮紅色で直径およそ7㎜~8㎜の倒卵状球形。翌年の7月~8月に熟す。動物散布型で鳥類が主。
増殖法:不明。
保護:千葉県:
その他:コガノキ、カゴガシ、カノコガシなどとも呼ばれる。公園緑化樹として植栽されるほか、材は器具材、建築材(床柱)などとして利用される。

壮年木 壮年木の樹皮

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