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分布:本州、四国、九州、南西諸島全域。 関東~北陸では沿岸地域に普遍的、東北地方では沿岸地域に局地的。一般に温暖地の沿岸地域に多い。国外では朝鮮半島(南部)、中国、台湾、フィリピンに分布する。県内ではほぼ全域に生育するが、自生の個体は県央部~県南部に多い。極相林のほか、遷移林や二次林に若木や幼木が多い。都市部では植栽されたものを多く見かける。
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樹幹:暗褐色。樹皮に裂け目はなく、細かい皮目がある。幹は直立するが、太い枝を多く分け、堂々たる樹形となる。 |
枝葉:単葉。葉柄は明瞭で、葉は枝先に輪生状につく互生。長さ8㎝~15㎝程度の倒卵状長楕円形で先端が若干突出する。比較的明瞭な羽状脈をもち、脈端は葉縁にわずかに達しない。葉縁は全縁。厚い革質で、表面には光沢がある。成葉の寿命は通常2年程度である。休眠芽は大きく赤い。 |
花:両性の風媒花。花期は5月~6月。枝先から円錐花序を出し、淡黄緑色の直径5㎜程度の小さな花を多数つける。花被片は6個。 |
果実:漿果(単漿果)。黒紫色で直径およそ1㎝の球形。花被が残る。7月~8月に熟す。動物散布型で鳥類が主。 |
増殖法:実生、挿し木、取り木(高取)が可能。実生は発芽率がやや低い。 |
保護:種としては指定されていないが、各地で天然記念物などに指定されている巨樹が多い。県内では香取郡山田町に所在する宇賀神社境内の「府馬の大楠」が県指定天然記念物となっている。 |
その他:公園樹や建築材、家具材、彫刻材のほか、パルプ原料にも利用される。 |