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分布:北海道、本州、四国、九州、南西諸島。県内全域に汎く分布するが、主に平地~低地で里山周縁で潅木の混交林となるほか、湿地化した休耕田で潅木林を形成することも多い。また養蚕の際に植栽されたものが耕作放棄により純林を形成している場合もある。
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樹幹:灰褐色でやや赤みを帯びる。樹皮には縦に不規則なスジが入り、そこから樹液を出すことがある。幹は直立するが、植栽されたものには株立ちするものも多い。 |
枝葉:単葉。葉柄は明瞭で葉は互生する。比較的顕著な網状脈をもち、側脈はいずれも葉縁に達し1次側脈は5対程度。長さ20㎝程度の卵形もしくは広卵形だが栽培種では深く2裂~5裂することもあり不定、基部は心形で先端は鋭く尖る。側縁にはやや細かい鋸歯をもつ。葉表には微毛を疎生してざらつく。晩秋に黄葉する。 |
花:単性の風媒花。花期は4月頃で萌芽より若干遅れる。花は本年枝下部の葉腋からでる花序につき、複合花を形成する。 |
果実:複合果(痩果の集合によるクワ状果)。長さ1.4㎝程の楕円形で花柱が残る。7月中旬~8月上旬に赤色から黒熟する。生食可能。 |
増殖法:実生、挿し木、取り木が可能。挿し木、取り木は容易。実生は発芽率がやや低い。 |
保護:種としては指定されていない。君津市鹿野山に所在する神野寺境内の「鹿野山の大桑」は全国的にも最大級の個体で、県指定天然記念物となっている。 |
その他:かつては養蚕のため多く栽培されたが、ほとんど放棄されている。現在は庭木や街路樹、家具材として利用される。また最近は果実が果実酒などに利用されることも多い |