オニグルミ

鬼胡桃

(クルミ科 オニグルミ属)


雌雄同株落葉高木大高木。高さ25m以上になる。種子は食用で、縄文時代から食されていた。低地の遺跡ではその殻がよく出土する。油脂をきわめて多く含み、栽培されているクルミ(テウチグルミ)よりはるかに美味。暖温帯上部の渓流沿いなど湿度の高い土地に自生するが、種子が下流に流されて発芽定着するため、平地の河畔などでも見かけることがある。


分布:北海道、本州、四国、九州。県内では房総丘陵地域を中心とする渓流沿いや谷沿い、河川流域などの過湿環境に自生するが、野生の個体数は少ない。国外では樺太に分布する。

樹幹:暗褐色。老木の樹皮は縦にやや大きく裂ける。幹は直立し、太い枝ををバランスよく分けて端整な樹形となる。
枝葉:全長50㎝~70㎝の大型の奇数羽状複葉。柄は長く基部が太い。小葉は11枚~19枚。5㎝~15㎝の卵状長楕円形、基部は楔形で先端は尖る。顕著な羽状脈をもち、側脈は葉縁に達する。葉縁は細かい重鋸歯をもつ。洋紙質で表面は光沢を欠き、裏面には星状毛や腺毛が多い。
単性風媒花。花期は5月~6月で萌芽より遅い。雄花序は長さ10㎝~20㎝の尾状花序で、前年枝の葉腋から垂れ下がる。雌花序は総状花序で、本年枝の先端につき、上を向く。
果実核果。直径3㎝程度で卵形。表面は微毛に覆われる。内部の種子は油脂分を非常に多く含み、食用となる。動物散布型。果肉は素手で触るとかぶれることがある。果肉にはタンニンが多く含まれ、落果してしばらくすると黒化する。
増殖法実生
保護:千葉県:
その他:材は建築材、家具材のほか、銃床などに利用される。果肉のタンニンは染料に利用されるが、まだ青いものを使用する。

壮年木 壮年木の樹皮 果実

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