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分布:北海道、本州、四国、九州。県内では房総丘陵地域を中心とする渓流沿いや谷沿い、河川流域などの過湿環境に自生するが、野生の個体数は少ない。国外では樺太に分布する。
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樹幹:暗褐色。老木の樹皮は縦にやや大きく裂ける。幹は直立し、太い枝ををバランスよく分けて端整な樹形となる。 |
枝葉:全長50㎝~70㎝の大型の奇数羽状複葉。柄は長く基部が太い。小葉は11枚~19枚。5㎝~15㎝の卵状長楕円形、基部は楔形で先端は尖る。顕著な羽状脈をもち、側脈は葉縁に達する。葉縁は細かい重鋸歯をもつ。洋紙質で表面は光沢を欠き、裏面には星状毛や腺毛が多い。 |
花:単性の風媒花。花期は5月~6月で萌芽より遅い。雄花序は長さ10㎝~20㎝の尾状花序で、前年枝の葉腋から垂れ下がる。雌花序は総状花序で、本年枝の先端につき、上を向く。 |
果実:核果。直径3㎝程度で卵形。表面は微毛に覆われる。内部の種子は油脂分を非常に多く含み、食用となる。動物散布型。果肉は素手で触るとかぶれることがある。果肉にはタンニンが多く含まれ、落果してしばらくすると黒化する。 |
増殖法:実生。 |
保護:千葉県:D |
その他:材は建築材、家具材のほか、銃床などに利用される。果肉のタンニンは染料に利用されるが、まだ青いものを使用する。 |