コマルハナバチ

小丸花蜂 (ミツバチ科)


シモツケで吸蜜する働き蜂
2005/6/13 千葉市緑区
コマルハナバチ 原名亜種 (ミツバチ科 ミツバチ亜科 マルハナバチ族)
Bombus (Pyrobombus) ardens ardens  Smith, 1879
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では奥尻、屋久島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島に分布する。本亜種は朝鮮半島産を含む。
変異 形態: 北海道産(ssp. sakagamii  Tkalců, )、対馬産(ssp. tsushimanus  Sakagami et Ishikawa, )それぞれ別亜種とされる。個体変異は知られていない。
季節:
性差: 異型。♀(女王)は♂よりはるかに大型。♂は体表に淡黄褐色の毛を密生する。
生態 環境: 各種樹林とその林縁、社寺境内など、森林性の傾向が強い。
発生: 年1回。女王は4月中旬から、働き蜂は5月中旬から、♂と新女王は7月に見られる。
越冬: 成虫(女王)。単独越冬する。
行動: 昼行性。活動は非常に活発で、飛翔は敏速。攻撃性はほとんどなくく、巣を刺激しても攻撃してくることはない。真社会性花蜂。巣はネズミの廃巣などの地中の空間を利用し、巣材には腹部の蝋腺から分泌した蜜蝋を噛み砕いたものを材料とする。巣室は球形で、総繭数は通常200~700程度である。上部には保温のためにワックス状の内被を設ける。働き蜂は花粉ポケットを作らず、内役専門の個体を持たない。
食性 幼虫: 食植性(養育)/花粉
成虫: 食植性/花蜜花粉。バラ科のサクラ類、リンゴ、モミジイチゴ、クマイチゴ、マメ科のシロツメクサ、ツツジ科のツツジ類、クロウメモドキ科のブルーベリー、ナツハゼななど。
類似種: 同属のクロマルハナバチに似るが、本種は頭部が小さく、体表の長毛が少ない。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種だが個体数はそれほど多くない。
天敵 捕獲: 成虫はカマキリ類、トンボ類、ムシヒキアブ類などの捕食性昆虫のほか、造網性クモ類やハナグモ類など。
寄生: 幼虫はアリバチ科のミカドアリバチ、ハナアブ科のベッコウハナアブ類、巣にはヤドリマルハナバチ類がつき、餌を搾取する。


メイン