トラマルハナバチ

虎丸花蜂 (ミツバチ科)


ノアザミで吸蜜する働き蜂
2002/4/27 千葉市緑区
トラマルハナバチ 原名亜種 (ミツバチ科 ミツバチ亜科 マルハナバチ族)
Bombus (Diversobombus) diversus diversus  Smith, 1869
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では国後、利尻、佐渡、対馬で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 樺太に分布する。本亜種は日本固有。
変異 形態: 国後・北海道産は別亜種(ssp. tersatus  Smith, 1869)とされる。このほか、対馬産は赤みが強い。個体変異は軽微。
季節:
性差: 異型。♀(女王)は♂よりはるかに大型。♂は体表に淡黄褐色の毛を密生する。
生態 環境: 各種樹林とその林縁、社寺境内など、森林性の傾向が強い。
発生: 年1回。女王は4月下旬から、働き蜂は6月から、♂と新女王は8月下旬~11月中旬に見られる。
越冬: 成虫(女王)。単独越冬する。
行動: 昼行性。活動は非常に活発で、飛翔は敏速。攻撃性は比較的強く、巣を刺激すると刺しにくる。真社会性花蜂。巣はネズミの廃巣などの地中の空間を利用し、巣材には腹部の蝋腺から分泌した蜜蝋を噛み砕いたものを材料とする。巣室は球形で、総繭数は通常400~1,300程度である。上部には保温のためにワックス状の内被を設ける。働き蜂は花粉ポケットを作り、栄養不足で小型化した働き蜂を中心とする内役専門の個体をもつ。
食性 幼虫: 食植性(養育)/花粉
成虫: 食植性/花蜜花粉。広食性の傾向を示す。山野草から園芸植物までさまざまな花を利用する。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。
天敵 捕獲: 成虫はカマキリ類、トンボ類、ムシヒキアブ類などの捕食性昆虫のほか、造網性クモ類やハナグモ類など。
寄生: 幼虫はアリバチ科のミカドアリバチ、ハナアブ科のベッコウハナアブ類、巣にはヤドリマルハナバチ類がつき、餌を搾取する。


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