クロマルハナバチ

黒丸花蜂 (ミツバチ科)


ウツギで吸蜜する働き蜂
2002/5/14 袖ヶ浦市吉野田
クロマルハナバチ (ミツバチ科 ミツバチ亜科 マルハナバチ族)
Bombus (Bombus) ignitus  Smith, 1869
分布 国内: 本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布するが、やや山地性の傾向を示す。島嶼での記録はない。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸に分布する。
変異 形態: 地理的変異、個体変異共に知られていない。
季節:
性差: 異型。♀(女王)は♂よりはるかに大型。♂は体表に褐色の毛を密生する。
生態 環境: 各種樹林とその林縁、社寺境内など、森林性の傾向が強い。
発生: 年1回。女王は4月下旬から、働き蜂は6月~9月下旬、♂と新女王は8月~9月に見られる。
越冬: 成虫(女王)。単独越冬する。
行動: 昼行性。活動は非常に活発で、飛翔は敏速。攻撃性は弱く、巣を刺激しても軽く攻撃してくる程度。真社会性花蜂。巣はネズミの廃巣などの地中の空間を利用し、巣材には腹部の蝋腺から分泌した蜜蝋を噛み砕いたものを材料とする。巣室は球形で、総繭数は通常200~400程度、最大では1,300という記録もある。上部には保温のためにワックス状の内被を設ける。働き蜂は花粉ポケットを作らず、内役専門の個体は存在しない。
食性 幼虫: 食植性(養育)/花粉
成虫: 食植性/花蜜花粉。やや広食性の傾向を示す。バラ科のサクラ類、リンゴ、ユキノシタ科のウツギ類、アベリア、シソ科のオドリコソウ類、ツツジ科のツツジ類、ミカン科のミカン類、マメ科のクサフジ、メギ科のナンテン、アオイ科のムクゲなど。
類似種: 同属のコマルハナバチに似るが、本種は頭部が大きく、体表の長毛が多い。
保 護: 千葉県:
その他: 普通種だが個体数は少ない。人工飼育が容易であるため、農業用の受粉昆虫としての利用が期待されている。また、近年減少傾向にある。
天敵 捕獲: 成虫はカマキリ類、トンボ類、ムシヒキアブ類などの捕食性昆虫のほか、造網性クモ類やハナグモ類など。
寄生: 幼虫はアリバチ科のミカドアリバチ、ハナアブ科のベッコウハナアブ類、巣にはヤドリマルハナバチ類がつき、餌を搾取する。


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