ムモンホソアシナガバチ

無紋細黄脚長蜂 (スズメバチ科)


ウツギの葉上で休息する働き蜂
2002/5/15 袖ヶ浦市吉野田
ムモンホソアシナガバチ (スズメバチ科 アシナガバチ亜科)
Parapolybia indica  (Saussure, 1854)
分布 国内: 本州、四国、九州。平地~低山地に汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島、黒島で記録されている。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸、台湾、インドシナ~インド、ボルネオに分布する。
変異 形態: 地理的変異、個体変異共に知られていない。
季節:
性差: ほぼ同型。触角は♂が♀よりやや長く、♂は暗色となる。
生態 環境: 各樹樹林の林縁、公園、社寺境内、畑地、人家の庭など。
発生: 年1回。女王は5月上旬に活動を開始、働き蜂は6月中旬~9月、♂は新女王をほぼ同時で、8月~9月に見られる。
越冬: 成虫(女王)。朽木の樹皮下や砂地の崖などで単独越冬する。
行動: 昼行性。活動は比較的活発で、飛翔は敏速。攻撃性は比較的強いが、巣を刺激しない限り刺しにくることはない。真社会性昆虫で、巣は1頭の女王と多数の働き蜂、秋季に出現する♂で構成される。越冬からさめた女王は盛んに吸蜜して体調を整えると、営巣にかかる。巣材は主に植物の表面の毛などで、色調は淡褐色を呈する。営巣規模は少ないもので100房、最大でも500程度、蛹の繭は灰褐色で、巣とほぼ同色である。
食性 幼虫: 肉食性(養育)。鱗翅目幼虫などの昆虫類が主で、他には小型のクモ類や新鮮な動物の死体なども利用する。外役のハチにより肉団子にされたものを与えられて育つ。
成虫: 食植性/花蜜。多くの花を訪れるが、春季にはノイバラやウツギ、イボタノキ、夏季にはヤブガラシなどを利用することが多い。
類似種: 同属のヒメホソアシナガバチに似るが、県内には分布しない。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種だが個体数は少ない。
天敵 捕獲: 成虫はヤンマ類やオオカマキリ、チョウセンカマキリ、ムシヒキアブなどの大型捕食性昆虫のほか、造網性クモ類。また、巣は時折ヒメスズメバチやオオスズメバチなど大型スズメバチ類の襲撃を受ける。
寄生: 幼虫はメイガ科シマメイガ亜科のウスムラサキシマメイガやヒメバチ科の一種、ヤドリバエ科の一種(Euvespivora sp.)など。


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