分布 |
国内: |
北海道、本州、四国、九州。 平地~低山地に汎く分布する。島嶼では対馬、種子島、屋久島、トカラ列島(中之島)から記録されている。 |
県内: |
都市部を含め、汎く全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島、中国大陸、台湾に分布する。 |
変異 |
形態: |
亜種区分は認められていないが、屋久島産は若干鳴き方が異なるという。他に奄美群島、沖縄本島、久米島にはオオシマゼミ(M. oshimaensis (Matsumura, 1905))、九州(大隈半島)~奄美群島、沖縄諸島にはクロイワツクツク(M. kuroiwae Matsumura, 1917)、石垣、西表にはイワサキゼミ(M. iwasakii Matsumura, 1913)、小笠原諸島にはオガサワラゼミ(M. boninensis (Distant, 1905))が分布する。体色は安定しており、色彩変異はほとんどない。 |
季節: |
- |
性差: |
異型。♂腹部は♀より大きい。♂腹部腹面には大きな発音器官があるが、♀は小さい。♀は腹端に長い産卵管を持つ。 |
生態 |
環境: |
樹上性。各種樹林、社寺境内、公園など。針葉樹林~広葉樹林まで汎く棲息する。都市公園や街路樹、社寺境内などにも普通。幼虫は地中性。 |
発生: |
年1回。8月中旬~10月上旬。卵期は60日型。翌年の梅雨時に孵化する。幼虫期間は飼育では2年程度だが、自然状態ではもう少し長いものと思われる。 |
越冬: |
卵・幼虫。最初の冬を卵で越し、その後数回幼虫で越冬する。 |
行動: |
昼行性。午前中はあまり活発でなく、午後が中心。特に夕方から日没直後が最高潮となる。 |
食 性 |
食植性/汁液。広食性。様々な樹種を利用するが、広葉樹に多い傾向がある。幼虫は土中で根から、成虫は幹や枝から吸汁する。 |
類似種: |
ヒグラシに似るが、斑紋と鳴声が異なり、ハルゼミに似るが発生時期が異なる。 本種と酷似するクロイワツクツクは近年県南部に定着した。 |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
普通種。個体数も多い。和名は鳴き声に由来する。 |
天敵 |
捕獲: |
成虫はハラビロカマキリ、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどのカマキリ類 、ヤブキリなどの捕食性キリギリス類、造網性クモ類、徘徊性クモ類。卵はウシカメムシなどのカメムシ類。 |
寄生: |
セミヤドリガ科のセミヤドリガ(成虫)が知られるが、寄生個体の生存に関しては特に影響はないらしい。昆虫ではないが、幼虫には冬虫夏草の一種、バッカクキン科のツクツクボウシタケ(Isaria sinclairii)などがつく。 |