分布 |
国内: |
北海道(南部)、本州、四国、九州。 東日本と北日本では平地~低山地、西日本では山地性となる。島嶼では対馬から記録されている。 |
県内: |
一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島、中国大陸、シベリアに分布する。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は認められていない。体の色彩に個体変異が大きく、完全に黒化するものから緑色の強いもの、黒色部を欠き完全に緑色化するものまである。特に後者はミカドミンミン(f.mikado)とよばれ、地域的に多発することが知られている。 |
季節: |
- |
性差: |
異型。♂腹部は♀より大きい。♂腹部腹面には大きな発音器官があるが、♀は小さい。 |
生態 |
環境: |
樹上性。各種樹林、社寺境内など。大径木の多い発達した樹林で、比較的湿った環境を好む。幼虫は地中性。 |
発生: |
年1回。8月初頭~9月下旬。卵期は300日型。翌年の梅雨時に孵化する。幼虫期間は飼育では4年~5年程度だが、自然状態では6年~7年だという。 |
越冬: |
卵・幼虫。最初の冬を卵で越し、その後6回~7回幼虫で越冬する。 |
行動: |
昼行性。日中の最も暑い時間帯によく鳴く。大木の比較的高い位置にとまることが多い。 |
食 性 |
食植性/汁液。広食性。様々な樹種を利用するが、広葉樹の大径木であることが多い。幼虫は土中で根から、成虫は幹や枝から吸汁する。 |
類似種: |
- |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
普通種。個体数も多い。和名は鳴き声に由来する。 |
天敵 |
捕獲: |
成虫はハラビロカマキリ、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどのカマキリ類 、ヤブキリなどの捕食性キリギリス類、造網性クモ類、徘徊性クモ類。卵はウシカメムシなどのカメムシ類。 |
寄生: |
セミヤドリガ科のセミヤドリガ(成虫)が知られるが、寄生個体の生存に関しては特に影響はないらしい。昆虫ではないが、幼虫には冬虫夏草の一種、バッカクキン科のオオセミタケ(Cordyceps heteropoda)などがつく。 |