分布 |
国内: |
北海道(南部)、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では屋久島、トカラ列島(宝島)、奄美大島、沖縄本島、石垣、西表で記録されている。 |
県内: |
都市部を含め、汎く全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島、中国大陸に分布する。 |
変異 |
形態: |
八重山諸島産は別亜種(ssp. ishigakiana )とされる。 色彩の個体変異が大きく、山地ではまれに全体が黒色化したもの(山地型)が現れる。 |
季節: |
- |
性差: |
異型。♂腹部は♀より大きい。♂腹部腹面には大きな発音器官があるが、♀は小さい。 |
生態 |
環境: |
樹上性。各種樹林、社寺境内、公園など。針葉樹林~広葉樹林まで幅広いが、特に薄暗いスギ植林地を好む。都市部にも多い。幼虫は地中性。 |
発生: |
年1回。7月初頭~9月上旬に見られるが、7月上旬~8月中旬に多い。卵期は40日型。秋の長雨頃に孵化し、すぐに地中に潜る。幼虫期間ははっきりしていない。 |
越冬: |
幼虫。最初の冬を幼虫で越す。 |
行動: |
薄暮性。主に早朝(未明~夜明け)と夕方(午後4時~日没前後)に活動するが、曇天時や、薄暗い林内などでは一日中活動する。鳴き声は「カナカナカナ・・・」という金属音で、連続的に鳴く。 |
食 性 |
食植性/汁液。多くの樹種を利用するが、スギやヒノキ、マツ科マツ類などの針葉樹を好む傾向がある。幼虫は土中で根から、成虫は幹や枝から吸汁する。 |
類似種: |
ツクツクボウシに似るが斑紋と鳴声が異なり、ハルゼミに似るが発生時期が異なる。 |
保 護: |
千葉市:C。 |
その他: |
普通種。個体数も多い。和名は夕方に鳴くことに由来する。また鳴き声から「カナカナゼミ」とも呼ばれる。 |
天敵 |
捕獲: |
成虫はハラビロカマキリ、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどのカマキリ類 、ヤブキリなどの捕食性キリギリス類、造網性クモ類、徘徊性クモ類。卵はウシカメムシなどのカメムシ類。 |
寄生: |
セミヤドリガ科のセミヤドリガ(成虫)が知られるが、寄生個体の生存に関しては特に影響はないらしい。昆虫ではないが、幼虫には冬虫夏草の一種、バッカクキン科のウメムラセミタケ(Cordyceps paradoxa)、オオセミタケ(Cordyceps heteropoda)、トビシマセミタケ(Cordyceps ramosopulvinata Kobayasi et Shimizu)、ツブノセミタケ(Cordyceps prolifica)などがつく。 |