分布 |
国内: |
北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、屋久島から記録されている。 |
県内: |
都市部を含め、汎く全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島、中国大陸に分布する。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は知られていないが、奄美群島、与論、沖縄本島、久米島には近似の別種リュウキュウアブラゼミ(G. nigrofuscata (Motschulsky, 1866))が分布する。色調等は比較的安定しているが、稀に体が褐色を帯びる個体が現れる。 |
季節: |
- |
性差: |
異型。♂腹部は♀より大きい。♂腹部腹面には大きな発音器官があるが、♀は小さい。 |
生態 |
環境: |
樹上性。各種樹林、社寺境内、公園など。針葉樹林(植林地)~照葉樹林まで幅広く、果樹園や市街地にも多い。幼虫は地中性。 |
発生: |
年1回。7月中旬~9月上旬。卵期は300日型。翌年の梅雨時に孵化する。幼虫期間は6年~7年。 |
越冬: |
卵・幼虫。最初の冬を卵で越し、その後6回~7回を幼虫で越冬する。 |
行動: |
昼行性。一日中活動するわけではなく、特に晴天時には朝~午前11時ごろまでと午後3時以降によく鳴き、正午前後にはほとんど鳴かない。市街地など街灯の多い場所では夜間でも鳴いている場合があり、時に燈火に飛来することがある。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/汁液。サクラ類やナシ 、ビワなどのバラ科木本のほか、ミカン科栽培ミカン類を好む傾向がある。土中で根から吸汁する。 |
成虫: |
食植性/汁液。広食性。針葉樹~広葉樹まで各種木本を利用する。幹や枝から吸汁する。 |
類似種: |
- |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
本土地域でのセミ科の最普通種。個体数も多い。 |
天敵 |
捕獲: |
成虫はハラビロカマキリ、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどのカマキリ類 、ヤブキリなどの捕食性キリギリス類、造網性クモ類、徘徊性クモ類。卵はウシカメムシなどのカメムシ類。 |
寄生: |
セミヤドリガ科のセミヤドリガ(成虫)が知られるが、寄生個体の生存に関しては特に影響はないらしい。昆虫ではないが、幼虫には冬虫夏草の一種、バッカクキン科のオオセミタケ(Cordyceps heteropoda)、ツブノセミタケ(Cordyceps prolifica)、トビシマセミタケ(Cordyceps ramosopulvinata Kobayasi et Shimizu)、ツクツクボウシタケ(Isaria sinclairii)などがつく。 |