分布 |
国内: |
本土全域。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では 屋久島、種子島、奄美大島、徳之島、沖縄本島(北部)から記録されている。 |
県内: |
都市部を含め、汎く全域に棲息する。 |
国外: |
朝鮮半島、中国大陸、台湾に分布する。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は知られていないが、前翅の斑紋や体の色調に個体差がある。また、石垣・西表にはヤエヤマニイニイ(P. yayeyamana Matsumura, 1917)、宮古島にはミヤコニイニイ(P. miyakona (Matsumura, 1917))、石垣島にはイシガキニイニイ(P. albivannata Hayashi, 1974)、奄美群島.沖縄本島、久米島にはクロイワニイニイ(P. kuroiwae Matsumura, 1917)という近似の別種が分布する。 |
季節: |
- |
性差: |
異型。♂腹部は♀より大きい。♂腹部腹面には大きな発音器官があるが、♀は小さい。 |
生態 |
環境: |
樹上性。各種樹林、社寺境内、公園など。針葉樹林(植林地)~広葉樹林まで幅広く、都市部にも出現する。ナシやミカン類などの果樹園に大発生することも多い。幼虫は地中性。土壌湿度の高い環境を好む。 |
発生: |
年1回。6月下旬~8月上旬。卵期は40日型で、秋の長雨の頃に孵化して地中に潜る。幼虫期間は飼育によると1年~2年程度であるが、野外ではもう少し長く2年~3年程度と考えられる。 |
越冬: |
幼虫。最初の冬を幼虫で越し、その後1回~2回程度各齢の幼虫で越冬する。 |
行動: |
昼行性。早朝から夕方まで特にピークを作らず、また、やや強い雨の時以外は天候に左右されることなく、一日中鳴く。 鳴き声は「チィー・・・」あるいは「ジー・・」と聞こえる連続音。 |
食 性 |
食植性/汁液。サクラ類やナシ、ビワなどのバラ科木本のほか、ミカン科栽培ミカン類、マツ類を好む傾向がある。幼虫は土中で根から、成虫は幹や枝から吸汁する。 |
類似種: |
- |
保 護: |
群馬:注目。 |
その他: |
和名は鳴き声に由来する。個体数は多いが、都市部では減少傾向が強い。 |
天敵 |
捕獲: |
成虫はハラビロカマキリ、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどのカマキリ類 、ヤブキリなどの捕食性キリギリス類、造網性クモ類、徘徊性クモ類。卵はウシカメムシなどのカメムシ類。 |
寄生: |
セミヤドリガ科のセミヤドリガ(成虫)が知られるが、寄生個体の生存に関しては特に影響はないらしい。昆虫ではないが、幼虫には冬虫夏草の一種、バッカクキン科のセミタケ(Cordyceps sobolifera (Hillmann) Berkeley et Broome)などがつく。 |