チャバネアオカメムシ

茶翅青亀虫 (カメムシ科)


林縁で休む個体
2002/5/16 袖ケ浦市吉野田
チャバネアオカメムシ 日本亜種 (カメムシ科 カメムシ亜科)
Plautia crossota stali  Scott, 1874
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬、種子島、屋久島以南の南西諸島全域で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸に分布する。
変異 形態: 国内での地理的変異は知られていない。色彩に若干の個体変異があり、稀に赤みを帯びる個体が出ることがある。
季節: 夏に出る個体(越冬型)は晩秋に暗褐色に変わる。
性差: 同型。♀は♂より僅かに大きいが、外見での区別は困難。
生態 環境: 樹上性草上性。樹林(照葉樹林~杉植林地)とその林縁。果樹園、畑地など。比較的開けた環境を好む。
発生: 年2回3回。成虫そのものは4月~10月ごろまで見られるが、6月~7月、8月~9月に新成虫が羽化する。
越冬: 成虫。林床の落葉の裏や潅木の繁みなどで単独で越冬する。
行動: 昼行性。夜間燈火に飛来することもある。活動はあまり活発でない。ときに大発生することがある。触ると青臭いにおいのする液を出す。
食 性 食植性/汁液。典型的な広食性の種で、宿主植物として47科117種が知られる。サクラ類、ナシ、ウメ、モモ(バラ科)、ヤマグワ、ヒメコウゾ(クワ科)、クヌギ、コナラ(ブナ科)、ヤナギ類(ヤナギ科)、ハンノキ、ケヤマハンノキ、オオバヤシャブシ(カバノキ科)、栽培ミカン類(ミカン科)、カキ(カキノキ科)、ブドウ、ヤマブドウ、ノブドウ、ヤブガラシ(ブドウ科)、ミズキ(ミズキ科)、タニウツギ、ニワトコ(スイカズラ科)、タラノキ、ヤマウコギ(ウコギ科)、ヤマモモ(ヤマモモ科)などの広葉樹のほか、ヒノキ、スギなどの針葉樹も利用する。葉や茎、果実などから吸汁する。
類似種: ヒメチャバネアオカメムシに酷似する。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種。個体数も多い。和名は色調に由来する。
天敵 捕獲: 成虫はハラビロカマキリ、コカマキリ、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどのカマキリ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、造網性クモ類、徘徊性クモ類。
寄生: 卵はクロタマゴコバチ科のチャバネクロタマゴコバチ(Trissolcus plautiae (Watanabe,1954) )、成虫はマルボシハナバエ(Gymnosoma rotundatum (Linnaeus, ))が知られる。


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