アオマツムシ

青松虫 (マツムシ科)


鳴く♂とそれに寄ってきた♀
2002/10/13 木更津市太田
アオマツムシ (マツムシ科 マツムシ亜科 マツムシモドキ族)
Truljalia hibinonis  (Matsumura, 1917)
分布 国内: 本州(岩手以南)、四国、九州。平地~低山地まで汎く分布するが、人里に多い。島嶼では隠岐、五島列島で記録されている。
県内: 市街地を中心に、汎く全域に棲息する。
国外: 中国大陸に分布する。
変異 形態: 地理的変異、個体変異共に知られていない。
季節:
性差: 異型。♂前翅基部は褐色がかるが、♀は一様に鮮緑色。♀は腹端に長い産卵管を持つ。
生態 環境: 樹上性。各種樹林の林縁、果樹園、公園、人家の庭、街路樹など。人家周辺に多く、深林には少ない。
発生: 年1回。8月下旬~10月に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。♂♀共に燈火に飛来することも多い。活動は不活発で、行動はやや緩慢。日没直後から鳴き始め、街灯周辺などでは早朝まで鳴き続けることがあるが、気温が15℃以下になると鳴きやむという。「リィーッ・リィーッ・リィーッ・・・」と非常に甲高く大きな声で鳴く。
食 性 食植性/広食性で広葉樹を中心に現在までに29科68種が記録されている。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。明治時代に渡来した中国原産の帰化種として著名で、現状では近代以降に帰化した唯一の直翅目である。1898年に東京赤坂の街路樹のエノキで初めて確認された。戦後街路樹の害虫としてアメリカシロヒトリの農薬による防除のあおりをくって都心部では一時姿を消したが、防除が下火になるにしたがって個体数は回復し、さらに高度経済成長期の道路整備により、幹線道路沿いの街路樹や街灯を伝って爆発的に分布を広げた。1980年代頃から果樹の害虫として注目されるようになっている。現在の北限は岩手県盛岡付近。
天敵 捕獲: カマキリ類、スズメバチ類のほか、大型の造網性クモ類など。
寄生:


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