エンマコオロギ

閻魔蟋蟀 (コオロギ科)


2001/9/21 千葉市緑区 2006/8/29 千葉市緑区
エンマコオロギ (コオロギ科 コオロギ亜科 フタホシコオロギ族)
Teleogryllus (Brachyteleogryllus) emma  (Ohmachi et Matsuura, 1951)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では伊豆大島、対馬で記録されている。
県内: 市街地を含め、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸、台湾に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていないが、山地型と呼ばれる個体群があり、顔面の斑紋が若干異なる。また、大きさに個体変異が大きい。
季節:
性差: 異型。♀は腹端に長い産卵管を持つ。
生態 環境: 地上性。各種樹林とその林縁、畑地、草原、公園、河川敷、人家の庭など。
発生: 年1回。8月下旬~10月中旬に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。燈火に集まることもある。羽化直後は盛んに飛翔するが、10日前後を経過すると自ら後翅を引き抜き、鳴きはじめる。「コロコロ・リー」というやや大きな美しい音色が有名だが、これは誘惑音と呼ばれる♀を呼ぶための鳴き方で、♂同士のコミュニケーションや縄張り争いなど、鳴き方には幾つかのパターンがあるという。
食 性 雑食性。地上性小動物を捕食するほか、それらの死骸を食べたり、アブラナ科のキャベツなど多くの草本の葉を食べる。
類似種: 同属のエゾエンマコオロギやタイワンエンマコオロギに酷似するが、現在のところ県内では記録されていない。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。和名及び種小名は、顔面の斑紋が閻魔大王を思わせることに由来する。大型種で、鳴き声も美しい。
天敵 捕獲: カマキリ類、スズメバチ類のほか、大型の造網性クモ類など。
寄生: ケラトリバチ科のコオロギバチ(Liris subtessellatus docilis  (F.Smith))、ヒメコオロギバチ(L. festinans japonicus (Kohl))が知られる。


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