サトクダマキモドキ

里管巻もどき (ツユムシ科)


林縁で休む♀
2002/8/16 館山市国分
サトクダマキモドキ (ツユムシ科)
Holochlora (Holochlora) japonica  Brunner von Wattenwyl, 1878
分布 国内: 本州(関東北部以西)、四国、九州。平地~低山地に汎く分布し、山地では少ない。島嶼では伊豆諸島、対馬、屋久島、沖縄本島、西表で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、台湾、中国大陸(沿岸地域)~トンキン周辺に分布する。近年ハワイにも侵入して定着した。
変異 形態: 地理的変異、個体変異共に知られていないが、東南アジアには外見で区別の困難な近似種が40種以上分布する。
季節:
性差: 異型。♀は腹端に三日月状の産卵管を持つ。
生態 環境: 樹上性。広葉樹を中心とした様々な樹林とその林縁、果樹園や桑畑など。やや薄暗い環境を好む。
発生: 年1回。8月~10月に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。低木上などで「グルルルル・・・」と鳴くが、音は小さく、注意していないと聞こえない。卵は主に低木の枝の樹皮下に産卵管を差込み、1個ずつ産付される。
食 性 食植性/広食性。様々な広葉樹の葉を食べるが低木を利用することが多い。
類似種: ヤマクダマキモドキに酷似するが、前脚の色と産卵管の形状が異なる。
保 護: 指定されていない。
その他: クダマキモドキとも呼ばれる。クダマキとはクツワムシの別名で、和名はこれに似ているという意。かつては酷似するヤマクダマキモドキと混同されていた。産卵の痕が傷となり外側にささくれ立つので果樹などの害虫とされたこともある。
天敵 捕獲: 大型カマキリ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオスズメバチ、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類。
寄生: アナバチ科のクロアナバチ(Sphex argentatus fumosus  Kohl, 1890 )、キンモウアナバチ(S. diabolicus flammitrichus  Strand)が知られる。


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