セスジツユムシ

背条露虫 (ツユムシ科)


林縁の草上で休む♂ 林縁の低木上で休む褐色型♀
2006/8/4 千葉市緑区 2005/11/4 千葉市緑区
セスジツユムシ (ツユムシ科)
Ducetia japonica  (Thunberg, 1815)
分布 国内: 本州、四国、九州。平地~低山地が中心で山地には少ない。島嶼では佐渡、伊豆諸島、隠岐、対馬、奄美大島、沖縄本島、久米島、南大東島、宮古、石垣、西表で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸、アッサム、ネパール、チベット、パキスタン、東南アジア~ニューギニア、ソロモン群島、豪州。東洋区を中心に汎く分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。体色は通常緑色だが、全身枯草色の褐色型が少数見られる。
季節:
性差: 異型。♂は前胸背~翅端に褐色条斑、♀は同部分に黄白色条斑を持つ。また、♀は腹端に三日月状の産卵管を持つ。
生態 環境: 草上性。林縁、草原、路傍、河川敷、堤防上など。開けた明るい環境を好む。
発生: 年1回。8月中旬~10月に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。草むらの上のやや目立つ場所で腹端を上げて鳴く。鳴き声は「ツ・ツ・ツ・ジーッ・ジーッ・ジーッチ・ジーッチ・・・」と次第に速く発音する。音はやや大きい。日中は植物の葉表などで各脚を伸ばし、触角をそろえて前に出す姿勢でじっとしていることが多い。卵は植物の樹皮中や葉の縁に産卵管を差込み、1個ずつ産付される。
食 性 食植性/花粉広食性で様々な草本。特に顕著な嗜好性は認められない。
類似種: ツユムシ、アシグロツユムシ、ヘリグロツユムシに似るが、斑紋や各部の色調が異なる。
保 護: 指定されていない。
その他: 和名は背中の条状斑紋に由来する。普通種で、県内では最も見かける機会の多いツユムシである。
天敵 捕獲: 大型カマキリ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオスズメバチ、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類。
寄生: アナバチ科のクロアナバチ(Sphex argentatus fumosus  Kohl, 1890 )、コクロアナバチ(Isodontia nigella  (Smith, 1856))、ギングチバチ科のオオハヤバチ(Tachytes sinensis  F. Smith, 1856)が知られる。


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