ツユムシ

露虫 (ツユムシ科)


セイタカアワダチソウに来た♀
2005/11/4 千葉市緑区
ツユムシ (ツユムシ科)
Phaneroptera falcata  (Poda, 1761)
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では対馬から記録されている。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、台湾、中国大陸、沿海州(アムール)、シベリア、ロシア南部~欧州。旧北区南部に汎く分布する。
変異 形態: 地理的変異、個体変異共に知られていない。
季節: 知られていない。
性差: 異型。♀は腹端に三日月状の産卵管を持つ。
生態 環境: 草上性。林縁、草原、路傍、河川敷、堤防上など。開けた明るい環境を好む。
発生: 年2回。7月、9月~11月に見られる。山地や寒冷地では1回で、8月に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。丈の高いヨモギやススキの葉上で鳴くことが多い。鳴き声は「ジ・ジ・ジ・ジィ・ジィ・ジィ・・・」とはじめはか細く、徐々に強く 発音するが、全般に音は小さく、注意していないと聞こえないほど。卵は植物の樹皮中や葉の縁に産卵管を差込み、1個ずつ産付される。
食 性 食植性/花粉広食性で様々な草本。特に顕著な嗜好性は認められない。
類似種: アシグロツユムシ、セスジツユムシ、ヘリグロツユムシに似るが、斑紋や各部の色調が異なる。
保 護: 指定されていない。
その他: 欧州ではブドウの大害虫であるフィロキセラの虫こぶを中身ごと食べた記録もある。普通種だが個体数はそれほど多くない。
天敵 捕獲: 大型カマキリ類、 キリギリス、ヒメギス、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオスズメバチ、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類。
寄生: アナバチ科のクロアナバチ(Sphex argentatus fumosus  Kohl, 1890 )、コクロアナバチ(Isodontia nigella  (Smith, 1856))、ギングチバチ科のオオハヤバチ(Tachytes sinensis  F. Smith, 1856)が知られる。


アシグロツユムシ

脚黒露虫 (ツユムシ科)


林縁のつる草にとまる♀
2004/9/21 館山市大神宮(県立館山野鳥の森)
アシグロツユムシ (ツユムシ科)
Phaneroptera nigroantennata  Brunner von Wattenwyl, 1878
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。やや山地性の傾向を示し、低山地~山地に多い。島嶼では佐渡、隠岐、対馬で記録されている。
県内: 県南部を中心に、市街地を除くほぼ全域の台地上や丘陵に棲息する。
国外: 朝鮮半島、台湾、中国大陸に分布する。
変異 形態: 地理的変異、個体変異共に知られていない。
季節: 知られていない。
性差: 異型。♀は腹端に三日月状の産卵管を持つ。
生態 環境: 草上性。林縁、草原、路傍、河川敷、堤防上など。開けた明るい環境を好む。
発生: 通常年2回。6月~7月、8月 中旬~11月に見られる。中部以北では年1回で、8月~9月。
越冬:
行動: 夜行性。丈の高い草上や低木上で鳴くことが多い。鳴き声は「ジ・ジ・ジ・ジィ・ジィ・ジィ・・・」とはじめは 弱く、徐々に強く発音する。卵は植物の樹皮中や葉の縁に産卵管を差込み、1個ずつ産付される。
食 性 食植性/花粉広食性で様々な草本。特に顕著な嗜好性は認められない。
類似種: ツユムシ、セスジツユムシ、ヘリグロツユムシに似るが、斑紋や各部の色調が異なる。
保 護: 指定されていない。
その他: 和名は後脚の脛節が黒いことに由来する。普通種だが個体数はそれほど多くない。
天敵 捕獲: 大型カマキリ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオスズメバチ、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類。
寄生: アナバチ科のクロアナバチ(Sphex argentatus fumosus  Kohl, 1890 )、コクロアナバチ(Isodontia nigella  (Smith, 1856))、ギングチバチ科のオオハヤバチ(Tachytes sinensis  F. Smith, 1856)が知られる。


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