分布 |
国内: |
本州、四国、九州。関東~福井が北東限。平地~山地まで汎く分布する。島嶼では隠岐、対馬、沖永良部、沖縄本島、慶良間群島、石垣、西表、与那国で記録されている。 |
県内: |
一部の都市部を除き、汎く全域に棲息する。 |
国外: |
現在のところ日本特産種。国外からは記録されていないが、東洋熱帯地域には多くの近似種が分布するという。 |
変異 |
形態: |
地理的変異は認められていないが、小笠原諸島には近似の別種オガサワラクビキリギス(E. pallidus (Redtenbacher, 1891))が分布する。緑色型、褐色型、およびその中間型のほか、紅色型という顕著な色彩変異が知られる。 |
季節: |
- |
性差: |
異型。♀は腹端に長い産卵管を持つ。 |
生態 |
環境: |
草上性。林縁、草原、荒蕪地。イネ科草本が繁茂するやや草丈の高い草原性の地形で、比較的開けた環境を好む。 |
発生: |
年1回。9月下旬頃羽化し、翌年5月末頃まで見られる。 |
越冬: |
成虫。越冬は雑木林などの林床で、丸まった落葉に包まるようにしていることが多い。冬でも暖かい日には日光浴することがある。 |
行動: |
主に夜行性。 日中も活動するが、♂は夕方から夜半にかけて「ジー・・・」という連続音で鳴くが、羽化した直後の秋に鳴くことはない。秋に市街地や山頂などに突然姿を現すことがあり、羽化してしばらくした個体は、越冬前にかなりの距離を移動するものと考えられている。 |
食 性 |
食植性/葉。イネ科、カヤツリグサ科草本が中心。 |
類似種: |
クサキリ類各種は互いによく似ている。 |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
和名は、大顎の力が強く、何かに噛み付いた個体を強く引っ張ると、頭部(首)が取れてしまっても噛みついたまま離さない、という性質に由来する。でも、そんなになるまで首を引っ張るなよと言いたい。普通種で個体数も多い。 |
天敵 |
捕獲: |
カマキリ類、キリギリス、ヤブキリなどの捕食性キリギリス類、サシガメ類、ムシヒキアブ類、大型スズメバチ類、クロアナバチ、徘徊性クモ類、造網性クモ類。 |
寄生: |
ヤドリバエ科のカマキリヤドリバエ(Exorista hyalipennis (Baranov))、アナバチ科のクロアナバチ(Sphex argentatus fumosus Kohl, 1890 )、コクロアナバチ(Isodontia nigella (Smith, 1856))、ギングチバチ科のオオハヤバチ(Tachytes sinensis F. Smith, 1856)が知られる。 |