ヤブキリ

藪螽蟖 (キリギリス科)


林縁のクズの葉上にとまる♂
2004/7/21 匝瑳郡光町
ヤブキリ (キリギリス科 キリギリス亜科)
Tettigonia orientalis  Urvarov, 1924
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。 平地~山地まで汎く分布する。島嶼では伊豆諸島、隠岐、対馬から記録されている。
県内: 市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 台湾に分布する。
変異 形態: 以前は多くの亜種に分けられていたが、近年それぞれが独立した。また、四国には旧北区に広域分布する近似種チョウセンヤブキリ(T. viridissima  (Linnaeus, 1758))が分布している。そのほか各地で生態や色調、産卵管長などがわずかずつ異なる型が知られ、複雑な様相を示す。
季節:
性差: 異型。♀は腹端に長い産卵管を持つ。
生態 環境: 樹上性。里山、照葉樹林の林縁などの低木上で生活し、やや薄暗い環境を好むが、幼虫時は樹林周辺の草丈の高い草原を好む。
発生: 年1回。6月下旬~9月上旬に見られる。
越冬:
行動: 夜行性。日中も活動することがあるが、鳴くことは少ない。一般に活動はあまり活発でない。幼虫時は草上性で草原に潜むが、成長するに従って樹林に移動し、成虫はほとんど完全な樹上性。♂の鳴き方には変化があり、「ジリリリ・・・」と続けて鳴く個体と、「ジッ、ジッ、ジッ・・・」と細かく切って鳴く個体とがあるという。県内では前者が多いようだ。
食性 幼虫: 食植性/花蜜花粉雑食性。若齢時は多くの植物の葉、花蜜、花粉など。成長するに従い、捕食性の傾向を強める。
成虫: 捕食性。中型~小型の昆虫類。セミを捕食した例もある。
類似種: ウマオイに似るが、背面の斑紋が異なる。同属のヤマヤブキリと酷似しており、外見ではほとんど識別できない。
保 護: 群馬県:VU
その他: 普通種。個体数も多い。和名は藪にいるキリギリスの意。
天敵 捕獲: 大型カマキリ類、ベッコウバチ類、オオスズメバチ、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類。
寄生:


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