オンブバッタ

負飛蝗 (オンブバッタ科)


緑色型の♂ 褐色型♀と緑色型♂
2001/8/29 千葉市緑区 2004/9/20 館山市大神宮(県立館山野鳥の森)
オンブバッタ (オンブバッタ科 オンブバッタ亜科)
Atractomorpha lata  (Motschulsky, 1866)
分布 国内: 本土全域。 平地~山地まで汎く分布する。島嶼では佐渡、伊豆諸島、対馬、種子島、屋久島、沖縄本島、久米島、慶良間列島、大東諸島、宮古島、石垣島、西表島、与那国島で記録されている。
県内: 市街地を含め、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸、台湾に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。♂♀共に顕著な色彩変異が知られ、緑色型、褐色型のほか、両者の中間的な色彩の個体や、紅色のものもいるという。
季節:
性差: 異型。外見上の形質の差はないが、♀は♂よりはるかに大きい。
生態 環境: 草上性。畑地、草原、林縁、荒蕪地など。草丈が低く明るい、やや乾燥した環境を好む。
発生: 年1回。6月下旬~11月に見られる。
越冬:
行動: 昼行性。活動はあまり活発ではない。翅は発達するが、飛翔することはほとんどない。幼虫成虫共に♂が♀の背に乗っていることが多い。その際、♂はほとんど摂食しないという。
食 性 食植性/。人家周辺では特にシソ科シソアブラナ科キャベツなどを好むが、これに限らず、また栽培種・野生種を問わず、きわめて多くの種類の草本を食べる。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 和名は「親子亀」のように、♂が♀の背に乗っていることが多いことに由来する。 バッタ亜科のほとんどの種は交尾時にこの姿勢をとるが、本種の場合は幼虫期もこの姿勢をとることが特異。普通種で個体数も多く、畑に入って蔬菜類を食べることも少なくない。
天敵 捕獲: カマキリ類、スズメバチ類のほか、大型の造網性クモ類など。
寄生: アナバチ科のキアシハナダカバチモドキ(Stizus pulcherrimus  (F.Smith1856))、ジガバチ科のヌカダカバチ(Tachysphex nigricolor nigricolor  (Dalla Torre))が知られる。


メイン