ツチイナゴ

土稲子 (バッタ科)


黄白色条斑の明瞭な個体(♀) 黄白色条斑を欠く個体(♀)
2004/11/7 千葉市緑区 2002/6/25 木更津市伊豆島
ツチイナゴ (バッタ科 ツチイナゴ亜科)
Patanga japonica  (Bolivar, 1898)
分布 国内: 本州、四国、九州。 平地~山地に汎く分布する。島嶼では対馬、トカラ列島、沖縄本島、伊江島、石垣島、西表島で記録されている。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、中国大陸、台湾、シッキム~ヒマラヤ、インドに分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていない。前胸背板中央の黄白色条に個体変異があり、これを全く欠くものもいる。特に顕著なものは、トカラ列島以南の南西諸島に分布する酷似した近似種タイワンツチイナゴ(P. succincta  (Linnaeus, 1763))と誤認されたことがある。成虫の色調はほとんどが褐色だが、稀に紅色に近い個体も見られるという。なお、幼虫の多くは緑色型。
季節:
性差: 異型。外見上の形質の差はないが、一般に♀は♂よりはるかに大きい。
生態 環境: 草上性地上性。クズが繁茂する草原、水田、川原など。やや明るく湿った環境を好む。コバネイナゴなどと混生することがある。
発生: 年1回。9月~翌7月頃まで見られる。
越冬: 成虫。九州以北ではバッタ科唯一の成虫越冬種。
行動: 昼行性。♂♀共に日中活発に活動する。翅は発達するが、飛翔することはあまり好まないようだ。越冬中も暖かい日には活動し、枯葉上などで日光浴 していることが多い。
食 性 食植性/マメ科クズを好む。他にはイネ科草本など。
類似種:
保 護: 指定されていない。
その他: 和名は色調が褐色系であることに由来する。 複眼の下には暗緑色条斑紋があり、泣いているように見える。本邦産のバッタ科では唯一の成虫越冬種。普通種で個体数も多い。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、スズメバチ類、アシナガバチ類、サシガメ類のほか、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類など。
寄生:


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